日本は歴史的に天変地異のリスクにさらされている国ゆえに近年の気候変動にも他国と違い、耐え忍んでいるように見えます。震災や降雨災害の対応も素早いし、復旧の早さは目を見張るものがあります。カナダあたりで土砂災害などがあってもなかなか本格普及できないのは災害に対する意識の差なのでしょう。今般の千葉県を中心とした雨もかつて経験したことないようなレベルでした。浸水した方々はその後片付けに追われ、これも大変な作業だと思いますが、自然災害を敵ではなく、どう受け入れ、どう対処するか、という姿勢の心は世界でも稀だと思います。夏の暑いときの復旧作業は大変だと思います。心中、お察し致します。
では今週のつぶやきをお送りします。
本当に弱いドルとなるか?
8月にアメリカで発表された一部の経済指標からアメリカ経済の先行きにやや不安を感じる状況になってきました。雇用はマイナス2.3万人でしたし、消費者物価指数は前年同月比3.4%で物価高圧力は若干弱まっています。また本日発表された小売売上高は前月比マイナス0.6%で6か月ぶりのマイナスに転じています。これらにより総合的にアメリカの景気の見通しに慎重さが出ており、利下げバイアスとなり、ドルが世界通貨に対して売られる傾向が出ているわけです。
日本の報道は円ドル相場しか見ないのでまさに「木を見て森を見ず」であり、為替の全体像なんかまるでわからないのです。少なくとも今日の円相場はドルの一方的な弱さによる円買いであります。ただ、為替は大きいトレンドと目先のニュースへの反応の組み合わせなのでうねりながら一つの方向性を示します。一方、為替介入はトレンドを作らず、一時的な水準訂正で基本は時間稼ぎ以上の何物でもありません。その稼いだ時間が3日なのか3か月なのか、それはその時のバイアス次第ということになります。
よって財務省に何か隠し玉があれば別ですが、日本は基本的には円安のバイアスにあります。またベッセント氏が打ち出したドルローン(FIMAレポ)方法は日本の財務省にはあまりおいしくない話だし、規模も知れています。また今般2度の大規模介入でこれ以上日本側が介入のための資金調達、つまりドル債を売るのは難しくなってくるため財務省が打ち出せる手段は限定されるはずです。よってお鉢が日銀に回ってきて「ビハインド ザ カーブをどうにかしろ」と責められているわけです。私は9月の利上げ公算は6割以上あると思います。つまり円安にあまり抵抗感を示さない政権がブーメランのようになって利上げせざるを得ないというシナリオとも言えるのです。関税を上げて苦しむのはアメリカ国民という話と同じ流れですね。
日本の賃貸住宅事業は魅力的?
カナダのブルックフィールドが日本の賃貸住宅を50棟、1000億円で購入と日経が報じています。一棟当たり20億円なので中規模のものをごっそりまとめ買いしたということでしょう。。また戦後最大の不動産詐欺の一つとなったかぼちゃの馬車のシェアハウス1195棟がアメリカのローンスターからウォーバーグ ピンカスに25年4月に所有が移っている点もちらっと触れています。外資にとって日本の賃貸住宅事業はおいしいのでしょうか?詳細の情報がないので勘でしか答えられませんが、たぶん「とってもおいしいのだろう」と思います。
買収の基本は利回りのキャップレートがベースになりますが、大都市、特に東京圏だと3%台だと思います。仮に3.5%だとすれば計算上の資金回収まで29年。築浅コンクリート造なら建物価値の残存期間は29年後も十分にあります。また日本の物価が3%程度継続的上がる前提で計算すると10年ぐらい持てば大きな利益となります。賃料収入よりもアセットとしての価値の上昇です。ではそこに入居する賃借人はどうかといえば家賃は年間5%程度は上がります。同じ人の更新契約ではそこまで上げられなくても退去した瞬間、次の募集は10数パーセント上げるのです。私もそこまであこぎな商売はしませんが、退去した物件ほどおいしい賃料設定になります。
では入居者はいるのか、といえば少なくとも私のところの場合、外国人の需要が強すぎるほどあり、日本人は借り負け状態です。来週もオーストリア人が退去してハンガリー人が入居するのですが、その入れ替え時間は1.5時間しかないのです。その間に掃除の方に無理やりやって頂く予定です。また9月末に入居するフランス人は部屋を確保する理由から9月1日分から空家賃を払います。そのぐらい需要旺盛です。ただ外資が賃貸住宅を取得し続けると賃料相場が全体的に上昇しやすくなり、物価上昇に拍車がかかると同時に日本人の方々が都心のアパートに住みにくくなる事態は生じると思います。言い換えれば、それぐらい景気は良いとも言えるのでしょう。
プーチン氏の択捉訪問の真意
こんな時になぜ、という唐突感すらあったプーチン氏の択捉訪問。理由は複合的でしょうが、個人的にはその中でもポイントは中国との歩調合せではないかとみています。日本の政権が中国と凍りついたような関係に陥り、今後の関係が氷解するのか、更に冷え込むのか、その判断時期にあります。私が見たのは中国の北戴河会議で外交問題について何らかの方針の議論が行われ、日中関係も話題に上がったとみています。多分ですが、方向性は日中関係の改善の兆しもきっかけもなく厳しさが継続すると判断したとみています。

太平洋艦隊の軍事演習を視察したプーチン大統領 クレムリンHPより 2026年8月12日
その内容を知ってか知らずか、ロシア政府も日中関係のひび割れをどう利用するか考えていたはずです。日本はロシアとの対話を望んでいます。しかし日本の外交はアメリカ追随姿勢が極めて明白でより強化される一方でトランプ氏の信認が揺らぐ中で日本を外交的に攻めやすいと判断したとみています。プーチン氏が択捉島に来ることは彼にとって何の困難性もなく、日本を苛立たせるだけであります。一種の意地悪です。で、日本がカッカすれば「サハリン2、止めようか?」といえばよいだけです。
日本は対抗策を取ると報じられています。つまり「誠に遺憾なり」の声明発表以上のことをするというわけです。気をつけるべきは日本の西側は韓国以外全部敵だという点です。日本の保守層って時として「片意地」にもみえるのです。私のような事業者から見れば中国やロシア、北朝鮮を経済や工業製品で手玉に取るぐらいの要領の良さ、頭の良さが見える外交ができないものかと思うのです。外交において通常手持ちの交渉カードは知れています。だけど民間と協調すればもっと強烈な関係軸が作れたかもしれないと思うのです。外交全般が一般人からわかりにくいテクニカルな狭い発想に限定されすぎているように感じます。
後記
我が母校では毎年9月に卒業生や将来の入学に興味を持つ人向けの学園祭のようなものが開催されます。今年はそこに海外組として初参戦することになり、北米やアジアの7つの支部と共同出店します。さて、ここで問題。バンクーバーの特産物は何?であります。しかもバザーで売れるようなものです。現在の他支部の出品リストは大谷グッズ、BTSグッズ、トレーダージョーのバッグ…ふむふむ、なかなか魅力的です。で、私が選んだのは何も珍しくないキャンベルの缶スープ。だけど日本非販売のキャラクター バージョンでポケモンシリーズとディズニーシリーズを提供します。さて、誰が勝者になるのでしょうか?こんなこともお遊びの域ですが、刺激の一つかもしれません。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年8月15日の記事より転載させていただきました。






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