iPhoneは「新品より中古で持つ」時代へ

黒坂岳央です。

スマホの新品市場が成熟する一方で、中古市場の成長率が新品市場を上回るようになっているのである。これは「中古スマホの販売台数が新品スマホを上回った」という意味ではないが、新品が頭打ちになる一方で、中古市場が成長しているという。

IDCによれば、2025年の世界の中古スマートフォン出荷は前年比3.2%増となる見通しだったのに対し、新品スマートフォン市場は1%増にとどまる見込みであった。2025年上半期についても、Counterpoint Researchによれば、世界のリファービッシュスマートフォン販売は前年同期比3%増。日本市場に限れば5%増となっている。

スマホは「新品を買って、古くなったら捨てる」という商品から、「新品を買い、使い終わったら売り、その端末が次の人に渡る」という商品へ変わりつつある。そして、この変化を象徴しているのがiPhoneである。iPhoneは中古市場で特に高い価値を維持しやすい。

筆者はこの変化の背景には、スマートフォンそのものの性能向上が頭打ちになったことが大きいと考えている。持論を述べたい。

apple HPより

スマホの性能アップは、もう頭打ち

かつて、新型スマートフォンの発表はかなりのイベントであった。

カメラの画質が劇的に向上し、ディスプレイが大きくなったり、セキュリティが強化されるなど毎年「前のスマホとは全然違う」という進化があり、だからこそ、新型が出るたびに買い替える意味があった。

自分自身、ずっとiPhoneを使ってきたが、毎年9月になると、新型iPhoneの発表に胸を躍らせていた。「今年は何が変わるのだろう」と期待して注文し、届くのをワクワク待ってきた。

だが、最近はそうでもない。もちろん性能は向上しているが日常的な使用感になると、数年前のモデルとの差が分かりにくい。自分使っているiPhone 17 ProとiPhone 15 Pro Maxや16と比較してみても、「使用感が劇的に変わった」という感覚はほとんどなかった。新型iPhoneが「革命」ではなく「間違い探し」に近づいている。

もちろんカメラや処理性能などを細かく比較すれば違いはある。だが、LINEを使い、ネットを見て、動画を見て、写真を撮るという普通の使い方をしている限り「別次元のスマホになった」とは感じられない。

売ることを前提に新品を買う

面白いことに新品スマホを買う人の行動も変わってきたのだ。

スマホを新品で買っても、最後まで自分だけで使い切る必要はない。きれいに使って、数年後に売ればいい。だから少しでも高く売れるようにケースを装着したり、画面保護フィルムを貼る。さらにバッテリーを無駄に消耗させないように使い、箱や付属品も保管しておくのだ。

そして買い替えるときにはメルカリや中古スマホショップなどに売却する。こうすれば、実質的な負担額は新品価格そのものではなくなる。例えば15万円でスマホを買って、2年後に8万円で売却できれば、実質的な使用コストは7万円、1年で割れば3.5万円で使える計算になる。

もちろん実際には手数料などもかかるが、重要なのはスマートフォンの価値が購入時点でゼロになるわけではないということだ。特にiPhoneはこの傾向が強い。

自身もiPhoneは新品で購入してきたが、前の機種を中古ショップに売却することがある。実際に売ってみると、「こんなに高く買ってくれるのか」と驚くほどだ。新品で買い、中古で売ってしまえば常に最新機種を使える計算になる。これは中古市場が活況だからこそ、リセールバリューが高く、有効なワザといえる。

今はどこのスマホメーカーにとっても難しいだろう。毎年新製品を発売しても、消費者が毎年買い替えてくれるとは限らないからだ。

逆に消費者からすれば、これはかなりありがたい変化である。新品を買っても高く売れ、中古を買えば安く高性能な端末を手に入れられる。つまり、スマートフォンそのものの資産価値が高まっているのである。スマホは消耗品ではなく、もはや資産と言えるだろう。

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Z世代を甘やかすな」(著:黒坂岳央)

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働き方・キャリア・AI時代の生き方を語る著者・解説者
著書4冊/英語系YouTuber登録者5万人。TBS『THE TIME』など各種メディアで、働き方・キャリア戦略・英語学習・AI時代の社会変化を分かりやすく解説。

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