フランスで1968年「五月革命」の再現となるのか

1968年の五月革命は「文化的な成功」だった

フランスの高校生の蜂起に始まる一連の抗議活動は、もしかすると、世界の政治史における大事件に発展する可能性がある。

1968年にフランスでは学園紛争に端を発した「五月革命」が起きた。政治的にはド・ゴール大統領の捨て身の名演説が功を奏し、アンドレ・マルローらを先頭にシャンゼリゼを埋め尽くす体制派のデモをきっかけに流れが変わり、政権打倒はなかった。

ただ、現代の歴史家の標準的な見方も、「政治的には失敗、文化的には長期的成功」(パスカル・オリー、Pascal Ory)とされている。日本では戦後改革によって19世紀的な社会構造がかなり変革されていたので、大学紛争による変化は限定されたのだが、ヨーロッパでは戦後も社会はあまり変化しなかったので、五月革命が必要だったのだ。

今回の騒動の全体像と世界史的な意味は、あらためて論じたいが、西欧民主主義の深刻な行き詰まりから、極右の台頭も今回のような左からの抗議も出てきている。

日本の状況も同じようにというか、より深刻なのだが、極右的な高市首相の登場で、放漫財政と反中国感情の危険な煽りによって、ゆでガエル状態(問題は緩やかに深刻化しているが、人々は気がつかない)にあるだけだ。

10月17日 演説を行ったマクロン大統領 同大統領 Xより

マクロン大統領は若者の抗議に理解を示した

マクロン大統領は18日の夜、エリゼ宮から国民に向けて演説を行った。フランスでは大統領の演説のときは、すべてのチャンネルがこれを放送する。

Allocution du Président de la République. (共和国大統領による演説)

Allocution du Président de la République.
Mes chers compatriotes, je m’adresse à vous ce soir dans un moment d’une extrême gravité, après ce que nous avons vécu h...

ここで、大統領が学生らの要求を正当なものと認め、理解を示したことがまず重要である。

昨日、数十万人もの同胞が、正当な要求を訴えるためにデモに参加しました。

私たちは決して、そうした人々と、破壊や略奪を行った者たちを混同してはなりません。

デモ参加者たちは、生活費や燃料価格に対する不安を表明しました。

その背景には、ペルシャ湾で始まった紛争があります。フランスはこの紛争に参加していませんが、その影響を受けています。

私は、皆さんの不安を完全に理解しています。

こうした不安は、ヨーロッパのほかのいくつもの首都でも表明されています。

そのため私は、燃料と天然ガスの供給を確保し、エネルギー市場に働きかけるため、国際的なレベルでいくつもの取り組みを進めてきました。

明日の朝からも、私は湾岸諸国を訪問し、エネルギー供給を確保するための活動を続けます。

首相と政府も、燃料販売業者と協力し、こうした努力が実際の販売価格に反映されるよう、決定を下してきました。

政府は、国民の購買力という、この極めて重要な問題に対処するため、最大限の努力をしています。

フランス国民が具体的な成果を期待していることは承知しています。私たちは引き続き行動していきます。

また、ここ数週間、フランスの若者たちは、高校や大学で深い不安を表明してきました。

将来に対する不安、生活や学習の条件に対する不安、自分の進路を選び、将来を思い描き、社会の中に自分の居場所を見いだせるのかという不安です。

言い換えれば、望ましい未来など存在しないのではないか、という思いです。

私は高校生や大学生の皆さんの気持ちを理解しています。

若者たちは、10年以上前に私が政治活動を始めて以来、私の政治的取り組みの中心にあり続けてきました。

彼らの声は、先入観を持たず、困難を過小評価することなく、受け止められなければなりません。

たしかにマクロン大統領は、イラン紛争の鎮静化のために大活躍している。リモートでのサミットも開催した。その点は、トランプの軽率な戦争を後押ししたうえ、サミットには麻生副総裁らとの食事で酔ったのか疲れたのか知らないが、欠席するという前代未聞の失態を演じている高市早苗首相とは大違いだ。

しかし、国内的にどうするのかといえば、あまりにも迫力がない。

第一に、現在の状況において、各県知事は市長と連携し、都市、公共施設、商店を守るための決定を下します。

必要な場合には、特定の集会を禁止することも含め、あらゆる必要な措置を講じます。

第二に、私はすべての政党、職業団体、労働組合に対し、あらゆる暴力を明確に非難し、冷静さを呼びかけるよう求めます。

すべての人が自らの責任を果たさなければなりません。

今、この国に必要なのは秩序と沈静化であり、対立の激化ではありません。

首相は今後数日以内に、これらの団体を招集し、明確で公然たる立場の表明を求めます。

第三に、若者たちに未来を信じるよう求めるのであれば、彼ら自身が解決策づくりに参加し、協議の席に着く機会を与えなければなりません。

そうです。私たちは同じテーブルに着き、ともに解決策を築いていかなければなりません。

生徒、学生、教員、経営者団体や労働組合の代表、地方自治体、国会議員が、今週から政府とともに具体的な提案づくりに取り組みます。

そして、意見表明はデモではなく大統領選挙でしてくれといっても、今のままでは、中道左派と中道右派は分裂し、漁夫の利を極右と極左が得ようとしている。

大統領選挙で極右と極左が躍進するのか

もし今日、選挙が行われるなら、第1回投票で極右のマリーヌ・ルペンが1位、極左で今回のデモを仕掛けたメランションが2位になり、このパターンだとルペンが圧勝しそうだというのだから、それに期待しても仕方なさそうだ。マクロンが自ら中道派の結集のシナリオを書くべきだろう。

私たちは、次の大統領選挙まであと6か月という時期にいます。わずか6か月です。

したがって、今、街頭に出ること、デモを行うこと、混乱を引き起こすことが急務だと皆さんに説いている人々には、一つの目的しかありません。

それは、共和国を傷つけ、民主的な議論を横取りすることです。

6か月後に皆さんが、そして私たちが行わなければならない将来の選択は、極めて重要です。

フランスは偉大な民主主義国家です。

この国には、そうした議論がふさわしいのです。

議論は公開の集会で行われるべきです。

政党を通じて行われるべきであり、街頭での暴力によって行われるべきではありません。

新聞紙上で、テレビの討論番組で、また互いに語り合い、説明し合い、敬意を持って意見を交わす平和的な集会で行われるべきです。

決して、混乱や破壊行為の中で行われるべきではありません。

私たちの国には、6か月後、素晴らしい大統領選挙が行われる資格があります。

その成否は、責任ある態度を示せるかどうかという点で、今この瞬間からすでに問われているのです。

【参考文献】

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地図と閨閥で読み解く戦国地政学


誤解だらけの皇位継承の真実(増補改定版)


系図でたどる日本の皇族


誤解だらけの沖縄と領土問題(増補改定版)

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