アゴラ 言論プラットフォーム http://agora-web.jp 経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム ja Thu, 24 Aug 2017 04:17:40 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027931.html 大学無償化は「所得の逆分配」である http://agora-web.jp/archives/2027931.html このところマスコミで「奨学金が返せない」という報道が繰り返されている。これは「教育無償化」キャンペーンの一環だろうが、それに対する反論は簡単だ。大卒の生涯賃金は高卒より平均6000万円ぐらい高いので、大学の私的収益率はきわめて高い。借金も返せないような大学に行くのは間違っている

所得を再分配して「貧しくて大学に行けない優秀な子」を無償化で支援したいという気持ちはわかるが、これは錯覚だ。少なくとも再分配政策としては、大学無償化は逆効果である――と書いたら、橋下徹氏が意味不明の反論をしている。


「高卒家庭」を「大学生のいない平均的な家庭」と定義すると、大学生(短大・大学院を含む)をもつ家庭の平均年収は824万円。これは全国平均の世帯年収546万円の1.5倍だから、大学無償化は貧しい(平均的な)家庭から豊かな家庭への所得逆分配になる。これは税制がどうだろうと同じだ。大学を義務教育にして全員が大学に入ると逆分配効果は(同世代では)なくなるが、さすがに橋下氏もそれは考えていないようだ。


大学生をもつ家庭の平均世帯年収(独立行政法人学生支援機構調べ)

似たような話は前原誠司氏もしているが、貧しい学生を支援するには奨学金を給付する必要はない。幅広く資金繰り支援し、就職してから「出世払い」で返せばいい。貸与型奨学金はそのために最適のしくみである(自民党案はそれに近い)。優秀な子は借金してでも一流大学に入り、借金の返せない偏差値の低い大学には行かないので自己選択が機能する。

大卒の賃金が高いのは人的資本が高まるためではなく、シグナリングによる情報節約機能のためだ。その私的収益率は高いので、公的投資は必要ない。どうしても奨学金が出したいのなら、今の私学助成や国立大学の運営費交付金を廃止してインセンティブ奨学金に切り替えるべきだ。

教育に公的投資するなら、非生産的な大学よりも幼児教育のほうが社会的収益率は高い。公教育に限定せず、教育効果の高い塾や専門学校を含めて教育バウチャーで幅広く支援すべきだ。それが所得分配にも中立に近い。

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Thu, 24 Aug 2017 04:08:19 +0000 Thu, 24 Aug 2017 04:08:19 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027916.html http://agora-web.jp/archives/2027917.html http://agora-web.jp/archives/2027792.html http://agora-web.jp/archives/2027784.html
http://agora-web.jp/archives/2027933.html 今更ながら不二越の「富山県民は採用しない」発言を擁護するけど http://agora-web.jp/archives/2027933.html 去る2017年8月20日に(株)不二越が本社を富山から東京に移転した。

これに関しては、不二越の会長が記者会見で

・富山で生まれ育った人は極力採らない

・富山で生まれて地方の大学に行った人でも極力採らない

・(富山県民は)閉鎖された考え方が非常に強い

と、上場企業の会長としてあまりにもアレな発言をして違う方面で話題になっていました。

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燃え盛って一週間ほどしてから「分け隔てなく、人物本位で採用しております」と言い訳をしてみたり、20日も経ってから「不適切で不用意な発言があり(中略)深くおわび申し上げます」と謝罪してみたりと、対応に「チッうっせーよ!反省してま~す」感が滲みでている印象。

まあでも気持ちはわかりますけどね。

富山県民が閉鎖的かどうかはいったん置いておいても、全国展開や世界展開しようとすると、従業員の地縁関係が組織管理上の課題となることは地方では避けられないと思います。

 

地縁と採用の関係の深さ

大学進学等で東京なり大阪なり他の都道府県に行った人間がUターン就職しようとすると、その地域の有力企業が第一の候補になる。そういう人間は「地元に帰る」ことのプライオリティが高い場合が多いため、採用後に業務都合で「東京に行ってくれ」「中国に行ってくれ」となると、まあ嫌がりますよね。純粋にその企業の業務内容だけに魅力を感じて採用されたわけではなく、地縁というものが企業選びにプラスされているので、人事管理上の難しさがある。

私自身も採用活動をやっていて、10分、15分とかの差でも「家から近い」というのがこんなに決定的に「効いてくる」のかと感じることが多いです。面接で「志望動機を教えてください」と聞いても

「家から近いからです!!!」

と力いっぱい答えてくる人は多い。いや、コンビニのバイトを募集してるんじゃないんだから、そこは嘘でもいいからそれらしいこと答えてくださいよ、、、と思ってしまう。

 

地方では「住まい」は固定されているのが前提

自分がUターンする前の状況を振り返ってみると、大学時代はキャンパスが変わるタイミングで引越しをしたし、公務員時代は毎年のように引越しを伴う転勤をしていたので、「住まいは仕事に合わせて変わるもの」というイメージを持っていたように思う。

でも、富山に帰ってきてみると、実家があったり(親は自分の都合で動かせない)、マイホームがあったり(富山県は持ち家率約80%)と、「住まいは固定されているのが前提」という人の方が多い。例えば富山⇔石川を車で1時間以上かけて毎日通勤している人も少なくない。

まあ、富山⇔石川ぐらいなら「頼むこっちゃ~」と拝み倒して通勤してもらうことは無理ではないかもしれないが、これが東南アジアならそんなこと不可能なわけで、不二越が「富山のいち製造業」から脱却するにはもっとフットワークが軽い人材に切り替えていかないといけなかったんだろうと思う。それがニュースリリースにあったところの

富山だけではなく、東京、大阪、名古屋など国内各地、さらにはアメリカ、ヨーロッパ、中国、アセアンなど海外での事業展開を加速するため、それぞれのエリアにおいて、多様な機能に適した人材を配してまいります。(強調は筆者による)

というくだりの含意と感じました。

 

地縁以外で人材を確保する努力が必要

富山県民としては本社移転で税収減る上にdisられて、完全に後ろ足で砂かけられた格好ですが、発言の趣旨は本質的な問いかけではないかと思います。

先日、学生の首都圏流出抑制のために「23区内の定員増は不可」とする方針を政府が打ち出しました。富山県でも「看護学生の県外流出阻止」のため、2019年春の開校に向けて県立の看護大学の設立の準備をしています。

まあ気持ちはわかるんですがね。。。

不二越の会長じゃないですが、生まれてから一度も生まれた土地から出たことがない純粋培養〇〇県民を増やせば、確かに足元の”ワーカー”の需要は満たせるかもしれません。でも本当にそんなんでいいんでしょうか?それで富山の企業は本当に強くなるの?

まあ行政的にはそうする以外の政策ツールがないからしょうがないんでしょうが、本当は、行政が変な規制をするんじゃなくて、地縁以外の「事業の魅力」で外から人を引き付けられるような努力をそれぞれの企業がしていくことが重要ではないかと思います。

U-Turner日記@富山「今更ながら、あえて不二越を擁護するけど」

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Thu, 24 Aug 2017 03:45:22 +0000 Thu, 24 Aug 2017 03:45:22 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html http://agora-web.jp/archives/2027920.html http://agora-web.jp/archives/2027908.html http://agora-web.jp/archives/2027892.html
http://agora-web.jp/archives/2027925.html 代表質問で異例の質問時間、経済港湾委は対象範囲拡大で質疑へ http://agora-web.jp/archives/2027925.html こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

きのう(23日)12時半からスタートした経済港湾委員会・理事会は休憩を挟みながら20時過ぎまで続き、その後の部会があって久しぶりの終電帰宅です。

出席する執行機関側の理事者や参考人招致を巡って協議が行われ、特別委員会がなくなった分、経済港湾委員会にしっかりと一部の関係局長を呼んで拡張議論をすることが決定しています。

都議会委員会への知事出席見送り|NHK 首都圏のニュース 

「知事出席を見送り」などと報じられると、いかにも議論をする気がないように思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら上記の記事中でも委員長が述べている通り、本会議における代表質問では、補正予算の規模に比して異例とも言える質問時間を各会派に確保しています(答弁時間を除いて3時間)。

また参考人招致に関しては、理事会での議論や遡上にのぼった参考人情報を詳らかにすることはできませんが、参考人は自説の補強をするために呼ぶものではない、ということは一般論として述べておきたいと思います(そのような意図を持っていた方ばかりではないと思いますが)。

いずれにせよ、経済港湾委員会は

25日10時~
31日13時~
1日13時~
4日13時~

と最長4日間の日程で、上記で述べた通り一部関係局長まで範囲を拡大して、報告事項や議案について審議が行われます。もちろんすべて公開で、ネット中継もあります。

一人でも多くの都民の皆さまに納得いただけるよう、シャープで活発な議論に努めていきたいと思います。

簡潔ながら、本日はこんなところで。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年8月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。

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Thu, 24 Aug 2017 02:30:57 +0000 Thu, 24 Aug 2017 02:30:57 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027933.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027930.html 財政リスクを見えづらくさせている日銀の長期金利操作 http://agora-web.jp/archives/2027930.html 財務省は2018年度の概算要求で、国債の元利払いに必要な想定金利を1.2%に設定する。17年度予算の概算要求時点から0.4%引き下げる。国債費は足元で国の一般会計の4分の1を占める巨額な歳出項目で、社会保障費に次ぐ。現段階での国債費の見込み額は、23兆8214億円(日本経済新聞の記事より)。

日銀による長短金利操作付き量的・質的緩和により、長期金利も日銀のコントロール下に置かれた。2%の物価目標を達成させるためのひとつの手段とし、その10年物国債金利(長期金利)がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行うとしている。

長短金利操作付き量的・質的緩和の導入以降の長期金利の動向とそれに対応した日銀による指し値オペなどを含む買入状況をみると、このゼロ%程度というのはマイナス0.1%あたりからプラス0.1%あたりのレンジとなっていると予想されている。

金融政策の目標となっている消費者物価指数(除く生鮮食料品)の前年比は直近に発表された6月の数字でプラス0.4%となり、2%には届いていない。2%程度に達する時期について、2018年度頃になる可能性が高いと日銀は指摘している(7月発表の経済・物価情勢の展望より)。

物価目標は来年度中に達成する見込みがないことを日銀が示している以上は、今後は何かしらの変動要因が生じるようなことがない限り、長期金利は0.1%以下に抑えられる可能性が高いともいえる。

これを反映して財務省は国債の元利払いに必要な想定金利を1.2%に引き下げた。それでもまだ高い水準にはある。これは、あらかじめ想定金利を高めに設定することで「余裕財源を確保する」という目的も意識か(日経新聞の記事より)。

また、日銀が長期金利をコントロールしているとはいえ、長期金利が市場で決定されている以上はブラックスワンリスクも存在し、日銀が抑えきれなくなる事態も可能性は極めて低いながらも存在する。

原油価格の急騰といった何かしらの事態で物価そのものが跳ね上がる可能性もまったくないわけではない。このためある程度、実勢に比べて余裕を持ち高めに設定しているものと思われる。

長期金利が極めて低い水準で抑えられていることで、結果として利払い費も抑えられている。今後長期金利が上昇してくるとなれば、国債残高が過去最高水準を更新続けている現状下、大きな負担になることも予想される。

国債残高が膨れあがる過程で、長期金利はじりじりと低下基調となっていることで、国の予算のなかでの国債の利払い費は抑えられている。ここで長期金利が上昇してくるとなれば、じわりじわりと国の予算を圧迫する事態も予想される。日銀の長短金利操作付き量的・質的緩和はそういったリスクも見えなくさせており、この点も注意しておく必要は当然あろう。


編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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Thu, 24 Aug 2017 02:30:55 +0000 Thu, 24 Aug 2017 02:30:55 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html http://agora-web.jp/archives/2027928.html
http://agora-web.jp/archives/2027923.html 【GEPR】エネルギー政策におけるプラグマティズムと教条主義の乖離 http://agora-web.jp/archives/2027923.html 有馬純 東京大学公共政策大学院教授

先日、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)、エネルギー研究機関ネットワーク(ERIN)、フィリピンエネルギー省共催の東アジアエネルギーフォーラムに参加する機会を得た。近年、欧米のエネルギー関連セミナーでは温暖化防止や省エネ、再エネ等に焦点を当てる傾向が強いが、本フォーラムの主題は化石燃料である。IEAの2016年世界エネルギー見通し(WEO)の新政策シナリオによれば、非OECDアジア地域の化石燃料需要は2040年にかけて44%拡大すると見込まれており、同時期の世界平均の倍以上の伸びである。

旺盛な経済成長が見込まれ、今後、電化やモータリゼーションも進む同地域における化石燃料需要が拡大することは好むと好まざるとにかかわらず、当然のことであろう。これに対し、パリ協定に盛り込まれた2℃目標と整合的とされる450シナリオにおいては非OECDアジア地域の化石燃料需要は2040年にかけて7%低下することが必要だとされ、両者に間には大きな乖離がある。この乖離が特に著しいのは石炭需要である。

WEO2016の新政策シナリオでは石炭需要が21%増大、石炭火力による発電電力量が45%増大すると見込まれる一方、450シナリオではそれぞれ39%、64%減少することが必要とされるのである。発電電力量に占める石炭火力のシェアは2014年現在、67%であるが、新政策シナリオでは2040年に45%に低下するとされる一方、450シナリオでは13%というドラスティックな低下が求められる。

温暖化防止を至高の価値とする立場からすれば、石炭は一刻も早く駆逐すべき対象でしかない。Carbon Brief によれば、2℃目標を達成するためには世界の石炭資源の88%は地中に留め置かねばならない。

成長著しいアジアには世界の石炭資源の3分の1が賦存するが、中国、インドの石炭資源の77%、その他のアジア途上地域の石炭資源の60%は「使えない」ことになるのである。

しかし、アジア地域には電力にアクセスを有していない人口が6億人以上存在する。域内に潤沢に存在し、石油や天然ガスに比して相対的に安価な石炭資源を活用しようというのは当たり前のことである。

エネルギーフォーラムで冒頭挨拶を行ったフィリピンのクシ・エネルギー長官は以下のように述べた。

  • アジアでは7人に1人が電力へのアクセスがないという現実と、気候変動対応をどうバランスをつけるかは難しい課題。
  • 再生可能エネルギーのコストが低下しているのは良いニュースであるが、バッテリーのコストがいまだ高い現状では太陽光や風力のような間欠性の高いエネルギー源にはベースロード電源としての信頼性を期待できない。
  • いずれ再エネのコストやバッテリーのコストが低下し、基幹電源になる日が来るであろうが、それまでは石炭を含む在来型エネルギー源を信頼性、セキュリティ、エネルギー源多様化の観点から活用しなければならない。
  • 各国のおかれた経済状況、地理的状況、社会的ニーズは異なっており、理想的なエネルギーミックスに関し、One Size Fits All は存在しない。厳格で恣意的な(rigid and arbitrary)目標に基づいて特定のエネルギー源を排除するのではなく、技術中立的なアプローチをとるべきである。
  • 石炭に関して言えば、旧式の非効率的な石炭火力を新規の高効率火力で大体することが喫緊の課題である。IEAは旧式の石炭火力を高効率火力にリプレースすることにより15億トンのCO2排出を削減できるとしている。

これは温暖化防止と並んでエネルギーセキュリティ(エネルギーアクセスを含む)、エネルギー効率という3つのE(Energy Security, Economic Efficiency, Environment Protection) を追求するというエネルギー政策の現場感覚からすればストンと胸に落ちるプラグマティズムに立脚した議論である。

しかし温暖化防止の世界ではこうした議論は全く聞かれない。冒頭に述べたように「2℃目標のためには使える石炭資源も使うな」、「新たな石炭火力投資は必ず座礁資産化する」という議論が幅を利かせている。3つのEではなく、1つのE、即ち温暖化防止のみを至高の価値とする教条主義的な発想に立脚するものだ。エネルギー政策畑から温暖化交渉に参加した身としては別な惑星に来たような感想を持ったものだ。

高効率石炭火力技術を海外移転している日本が「化石賞」を授与するばかりか、高効率石炭火力に対する資金フローを制限しようとする動きすらある。2年ほど前、オバマ政権下の米国と欧州が連携して高効率石炭火力への開発金融機関融資や輸出信用を排除しようという動きが生じたが、そんなことをしても、途上国が「改心」してガス火力や再生可能エネルギーに向かうことにはならない。むしろ安価で低効率の石炭火力技術を採用し、結果的に温室効果ガスは増大することになろう。

温暖化防止を理由に石炭火力への資金の流れをストップしようとしても、世界中の資金フローをコントロールできるものではない。お金はニーズがあるところに流れるものである。政府間で国際的な取り決めを行おうとしても、経済成長、エネルギーアクセス、安価なエネルギーを志向する途上国がそうした議論に賛成するとは思えない。

そもそも国連の持続可能目標(SDGs)においては温暖化防止と並んでエネルギーアクセスも目指すべき目標とされている。COP21の際にインドの商工会議所と議論した際、「環境団体は2℃目標達成のため、石炭を使うなというキャンペーンをやっているが」と水を向けたところ、「石炭をきれいに使えというならばわかるが、石炭を使うなという議論は、およそありえない」と言下に否定していたことを思い出す。

要するにプラグマティズムと教条主義の間にはそれだけギャップがあるということである。しかしパリ協定に1.5℃~2℃目標が書かれたこともあり、このギャップは更に広がりつつあるのが現状だ。2018年にIPCCの1.5℃報告書が出れば更に拍車がかかるだろう。

しかし教条主義をいくらふりかざしても、現実は変わらない。温暖化防止努力を「持続可能な」ものにするためにも、今ほど温暖化議論にプラグマティズムが必要とされている時期はない。

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Thu, 24 Aug 2017 02:30:52 +0000 Thu, 24 Aug 2017 02:30:52 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027922.html http://agora-web.jp/archives/2027836.html http://agora-web.jp/archives/2027807.html http://agora-web.jp/archives/2027799-3.html http://agora-web.jp/archives/2027775.html
http://agora-web.jp/archives/2027929.html 「常識」というワナにはまらないために http://agora-web.jp/archives/2027929.html

中国の大学で教えるようになって、意識的に使わなくなった言葉がある。それは「常識」である。常識は特定の社会空間で生まれる閉じた概念だ。「日本の常識は世界の非常識」などと言われたりもする。背負った文化が違えば、それぞれの常識にもズレが生ずる。だから、常識を押し付けているような誤解を生まないよう、あえて使うのを避けている。人間の思考を支える重要な土台だと思うからこそ、そうしている。

「客観」も特別な事情がない限り使わない。「客観的な報道」などというものは存在しない。あるのは正しいか間違っているか、正当、公正であるかないかである。合理的な説明がつかないとき、人は相手の反論を封じ込めるため、しばしば「常識」や「客観」といった奥の手を使う誘惑にかられる。疑問を差し挟むことを拒否するのが常識や客観のあり方だ。これは、あきらめ、自信のなさ、逃避のあらわれであり、禁じ手にもなる。

それに代わってより多く使うようになったのは、良心、健全、普遍、価値観、信仰といった言葉だ。是非や善悪の結論よりも、物事を考え、判断するための基準こそが大切だと考える。しかも、我々はある基準をもとに考えるのではなく、先に結論や直感を得てから、どうしてその結論や直感に達したか、をさかのぼって自問することがある。言い訳や釈明、口実探しでもあるわけだが、そうした反復を通じ、基準も明確に意識されることになる。そのプロセスにおいて、無意識に近い領域に横たわっているのが常識である。

常識は思考の安定剤だ。思考には常識の存在に対する敬意と信仰が不可欠だ。ただ、個別の「常識」を取り出してしまうと、根拠が合理的に説明できなくなる。あくまでローカルで、経験的で、直感的な性格のためだ。その隙間を埋めるように、合理精神によって立つ科学が登場する。三木清の『哲学入門』は、常識を経験に基づく実定的、固定的なものとし、科学は批判的で、進取の精神を持つものとする。

「常識はその理由を問うことなく、自明のものとして通用する、それは単なる断言であって探求ではない。常識に頼ることは安定を求めることである。それには懐疑がないが、科学には絶えず新たな懐疑がある。懐疑があって進歩があるのである。探求というのは問を徹底することであり、特に理由を問うことである」

「こうある」と悟るのが常識で、「どうしてそうなのか」を問うのが科学だというわけだ。だが科学そのものへの懐疑は不要なのか。科学は神ではない以上、科学の自律に無謬のルールを当てはめることはできない。その役割を果たすのは、信仰であり、それを土台とする常識なのではないか。常識と科学の相互補完関係を想像することによって、常識の存在も投影されると考えるべきだ。

常識の自明性については、脳の集合的な働きを解読したマーヴィン・ミンスキーの『心の社会(The Society of Mind)』が興味深い指摘をしている。大人は平気な顔をして、当たり前のように積み木をする。だが、瞬間的に木を認識し、その中の一つに手で触れ、他の障害物にぶつからないように運び、崩れないように積んでいく、そのプロセスをつかさどる脳の働きは奇跡に近い。子どものころは原初的な感覚を持っていても、大人になるとそれは「常識」になってしまう。ミンスキーの定義はこうだ。

「常識というのは単純なものではない。逆に常識は、苦しみの末に身についた、たくさんの実用的な考えからなる巨大な社会である。つまりこの社会は、部分的には法則とか規則性のような何かの原理に基づいてはいるが、大部分は、生涯を通じて学習されるルールや例外、性格的な特徴や傾向、平衡感覚、それに自己調整感覚などが折り重なったものなのである」

そして、常識が単純で、当たり前に見えてしまうのは、「いろいろな能力を初めて身につけた幼い頃のことに接することがなくなってしまっている」からだという。次々に取得される新しい技能が、古い能力にどんどん上書きされ、意識の底に沈んでしまうのだ。平衡感覚、自己調整感覚は、まさに積み木の作業において象徴的に表れている。常識と科学との緊張、バランスもまたこの平衡感覚から生まるとしなければならない。

ミンスキーは、常識を「だまされやすい言葉」だと警戒する。だがそこにはおびただしい数の経験や技能が織り込まれている。人は常識によって、すでに積み上げた木を再び手に取って積むということをしない。だが人工知能にとって、木をパターン認識したうえでに、さらにどの木を積むべきかを判断するのは至難だ。科学がまだ常識を解明できていないからこそ、常識の存在意義があるし、常識を使いたくなる誘惑も生まれる。もし論理によって説明が可能であれば、ことさら「常識」である必要はなくなる。


編集部より:この記事は、汕頭大学新聞学院教授・加藤隆則氏(元読売新聞中国総局長)のブログ「独立記者の挑戦 中国でメディアを語る」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、加藤氏のブログをご覧ください。

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Thu, 24 Aug 2017 02:30:37 +0000 Thu, 24 Aug 2017 02:30:37 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027931.html http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027928.html
http://agora-web.jp/archives/2027927.html リキッドバイオプシーはがん医療変革につながる! http://agora-web.jp/archives/2027927.html 先週号の「Science Translational Medicine」誌に「Direct detection of early-stage cancers using circulating tumor DNA」(早期段階のがんでも、血中を流れているがん細胞由来のDNAを利用して検出できる)というタイトルの論文が掲載された。

このブログでも繰り返して述べているが、がんを治癒させる最大の切り札は、早く見つけることだ。元外科医というのではなく、科学的にも、外科的切除は固形がんに対して絶対的なエースだ。第1・2期の段階で見つければ、多くのがんでは非常に治癒率が高い。また、再発を超早期(CT検査やMRI検査で検出しにくいレベル)で診断でき、その段階で治療を開始すれば、「再発がんは治癒できない・しにくい」という固定観念を崩すことができると私は信じている。

しかし、簡便な手法で、比較的安価にがんをスクリーニング方法は確立されていない。この論文は、リキッドバイオプシーと呼ばれる方法で、がんのスクリーニングを行った結果を報告している。方法論自体はたいしたことはないが、大規模例で検討し、臨床応用可能であることを示した点が大きい。著者らは、血漿(血液の液体成分)からDNAを取り出し、それに(がん細胞由来と考えられる)異常なDNAを含まれるかどうかを調べた。血液で診断できれば、検査を受ける人にとっては、わずか1-2分の手間で済む。

この研究では、58種類のがん関連遺伝子(合計81,000塩基)のDNAシークエンスを行った。44人の健常人(本当に何もないかどうかはわからないが)でも、16%で(がんの発症に関連すると考えられない)遺伝子に変化が認められた。おそらく、血液幹細胞に遺伝子変化が起こり、それらを持つ血液幹細胞が増えたために、混じりこんだと推測されている。ここは重要なポイントであり、遺伝子変化=遺伝子が異常な働きを持つということではない。また、われわれの細胞は日常的にこのような遺伝子変化を蓄積していることを知っておく必要がある。

大腸がん、乳がん、肺がん、卵巣がんの合計200名の患者さんを調べた結果、第1・2期でも、それぞれ71、59、59、68%で遺伝子異常(遺伝子変化ではなく、がんに関連すると考えられる異常)を持つDNAが検出された。肺がん、卵巣がんは第1期でも45%(29名中13名)、67%(24名中16名)で異常DNAが検出された。発見が遅れがちな卵巣がんや第2期でも再発率の高い肺がんではこの数字は臨床的に非常に重要な意味を持つ。これらの異常は、がん組織中でも確認されているので信頼性は高い。また、血漿に漏れ出てくる異常DNAの量が多い大腸がん患者では、再発率も高く、予後が悪かったと付け加えられていた。これらの患者さんには、積極的な術後化学療法が必要だ。

しかし、日本でリキッドバイオプシーの話をすると、聞きかじりの知識で難癖をつける研究者や医師が多い。検出できない30-40%はどうするのだという声が、幻聴のように聞こえてきそうだ。ベストでなく、欠けていることを挙げらって自分は偉いと自己満足しているだけで、今よりベターであることを判断できないのだ。自分ができないことを他人がやると面白くないと思う潜在意識が、科学的に評価する目を曇らせている。ある意味では、日本で伝統的に培われた文化なのかもしてない。

この方法が臨床現場で確立されれば、がんのスクリーニング体制が大きく変わるし、血液採取で済むだけなので、当然ながらスクリーニング受診率は一気に向上すると思われる。さらに、超早期再発発見・超早期治療が治癒率を上げる可能性を秘めているのだ。しかし、それぞれのプロセスにノウハウがあり、片手間でできるものではない。何をするにもそうだが、科学的な素養と評価する目が必要だ。こんな状況なのに、いったい、誰のために研究し、誰のために国費を費やしているのか、改めて問いたい。

現状のパワーで、必要な日本人すべてが、画像検査や内視鏡検査を受ければ医療現場は間違いなく破綻する。しかし、これらの検査は自動化が可能だし、アルゴリズムを含めたインフォーマティクスの体制さえ整えれば、最小限のマンパワーで大量のスクリーニングを行うことが可能だ。隣国ではサムソンがこの分野に乗り出している。日本は大御所を含む99%の人がそうだといわないと物事が動かない。日本のゲノム医療をここまで遅らせてきた元凶に目を向けようとしないと声をあげない。なぜ、患者さんたちや家族は、声をあげないのか??


編集部より:この記事は、シカゴ大学医学部内科教授・外科教授、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のシカゴ便り」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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Thu, 24 Aug 2017 02:30:25 +0000 Thu, 24 Aug 2017 02:30:25 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html http://agora-web.jp/archives/2027928.html
http://agora-web.jp/archives/2027928.html トライアスロンとマラソンをやらない理由 http://agora-web.jp/archives/2027928.html 140722training

経営者仲間から、トライアスロンやマラソンをやらないかと誘われることがありますが、やんわりとお断りしています。以前は写真のように激しいトレーニングや、皇居ランなどをやることもありましたが、最近はできるだけ控えるようにしているからです。

その理由は、過度な運動と日光の浴び過ぎがフリーラジカル(活性酸素)を過剰に発生させ、病気のリスクと老化を早めると思っているからです。

医学的には諸説あるようですが、活性酸素は、体内に侵入した細菌などを取り除くプラスの働きがあり、免疫機能によって体内に侵入した細菌などから体を守ったり、酵素の働きを促進する効果もあります。しかし、フリーラジカルが増え過ぎてしまうと、逆に自分の体の細胞を傷つけたり、酸化(体の錆びつき)させるようです。

フリーラジカルの発生原因としては、紫外線、大気汚染、化学物質、電磁波、農薬、ストレス、過度の運動などがあります。

炎天下で日光を浴び、車の排気ガスを吸いながら、過剰に酸素を取り入れるような運動は、老化を遅らせ病気の予防をしたい人は「やってはいけないこと」なのです。

とは言え、運動不足も健康には良くありません。ウォーキングレベルの適度な運動を心がけるのが良いと考えています。

「運動は体に良いと言ったな。あれは嘘だ。」にも紹介されていますが、健康に生きるための条件としては、適度な運動、炭水化物の少ない適量の食事、そして規則正しく十分な睡眠の3つが大切とされています。

私の場合、睡眠に関しては完全な朝型で、比較的規則正しく、8時間程度の睡眠をとっています。

また、食生活もアルコールの摂取量が多いと言う問題はあるものの「ゆるい糖質制限」を実践しており、炭水化物の摂取量は、意識的に抑えています。半年前から、始めた結果、体重を約4キロ落とすことができました。

長生きをするのが目的ではなく、病気や老化に悩まされることのない健康で元気な体をできるだけ維持したいと思っています。

何が健康に良いのかと言うのは、新しい研究結果などで次々と変わってきます。私がやっていることが正しいかどうか100%の自信はありません。でも、元々あまり運動が好きではないので、健康にとってマイナスと思われることを無理にする必要は無いと思っているのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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Thu, 24 Aug 2017 02:30:21 +0000 Thu, 24 Aug 2017 02:30:21 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027926.html 第9回 沖縄国際映画祭「島ぜんぶでおーきな祭」 http://agora-web.jp/archives/2027926.html
沖縄国際映画祭。第9回です。小学1年生だった子が中学3年生になります。もう大人です。弟分の京都国際映画祭は10月で4回。この沖縄の熱気を持ち込みたい。クソ熱いイベントにしましょう。乾杯。
昨年までのメモはこちらに。
2016年
今年のスローガン、「この島は、ときに、世界より大きい。」
いつもながら、うまい。
トータルテンボスの不倫ネタ、「政務官より扱いがデカかった」というボケがおもろかったのと、ゆりやんレトリィバァがデビュー時やせてたことを知ったのとが、この日の収穫でした。
業務連絡;文枝師匠が「慶應も落研がんばっとるやん」とのこと。おおきに。
業務連絡:きよし師匠がお越しになり、那覇、晴れました。おおきに。
シンポ「エンタメ人材育成」。ガレッジセールさんと司会を務めました。沖縄にエンタメ人材を育てる学校を作ろう。登壇者は少年ジャンプ伝説の編集長 堀江信彦さん、ドラマ火花の古賀プロデューサ、琉球大学下地教授、ラブライブ!サンシャイン!!長崎プロデューサ、メディア研究者志村一隆博士。
みなさんのメッセージ、ポイントは4つ。
1)マンガ、アニメ、音楽、映像、各ジャンルはつながっている。
2)ネットで世界とつながっている。
3)「つくる」ことが大事。
4)沖縄なら、できる。
その方向で学校を作りましょう。
必要な人材とは。
1)0から1を産む人、
2)感性と人間力、
3)コミュニケーション力、
4)個性、
5)デジタル力。
ぼくらが受けてきた教育とは違うことが求められていますね、ゴリさん川田さん?
ゴリさんのメッセージ「沖縄はエンタメ人材の宝庫だがハングリーさが不足している。実家があるからだ。実家を出よう!」ですって。
よしもと美術館@那覇国際通り。数多くのよしもと芸人のアート作品を展示。ジミー大西さん、
鉄拳さんだけじゃない、才能の宝庫。お笑いの世界を作るクリエイターはみなアーティストです。
(鉄拳さんの海外進出を手伝おうと思っています。)
銀シャリの鰻さん「いろいろな生物のつかみ方」。
舞台とは別の、味があります。
野性爆弾くっきーさんは、やはり天才です。
 
KMDフォーラムでキッズワークショップをしてくださったもう中学生さんは、もともと段ボールアート芸なんですよね。
バッファロー吾郎の竹若さん、DIYで有名ですが、高校の後輩で、大学に行かずにNSCに入ったエリートなのです。
映画祭は全島で開かれます。
ここはライカムでもお~きな祭会場。
2年前、北中城村にオープンしたイオンモールで、ペッパー君にギャグを言わせるプログラミング教室を開催。野性爆弾さんらによる成果発表会が開かれてま~す。
レッドカーペットは、1000人以上が歩きました。世界最大のレッドカーペットだそうです。
今回、動員数33万人。おーきな祭になりました。
今回の映画祭には国連関係者がたくさん来ました。「持続可能な開発目標(SDGs)」をよしもと芸人たちが世界に発信するんですと。
国連はん、よしもとの使い方、わかってはる。
(アジア住みます芸人と国連の行進!)
クリエイターズファクトリーという若手育成策や地元CMコンペなど、若手にチャンスを与え、作らせ、育てる。このイベントは、インフラでもあります。
来年は4月19日ー22日。第10回となります。
そしてその前に、10月には京都国際映画祭です。

 

みなさんも、秋は京都へ、おこしやす。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。

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Thu, 24 Aug 2017 02:30:21 +0000 Thu, 24 Aug 2017 02:30:21 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027933.html http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html
http://agora-web.jp/archives/2027922.html 【GEPR】エネルギー基本計画の見直しと再エネ政策・原発政策の論点 http://agora-web.jp/archives/2027922.html 1.第5次エネルギー基本計画の議論がスタート

8月9日総合資源エネルギー調査会基本政策部会においてエネルギー基本計画の見直しの議論が始まった。「エネルギー基本計画」とはエネルギー政策基本法に基づいて策定される、文字どおり我が国のエネルギー政策の基本的方向性を定めた計画で、少なくとも3年に一度見直されるものとされている。

今回の見直しは2014年の第4次エネルギー基本計画策定から3年経って行われる定期的なものであるが、この間2016年4月にパリ協定の署名が行われたことから、かなり大幅な計画の見直しがなされる予定とみられる。本稿では今回のエネルギー基本計画見直しによる再エネ政策・原発政策への影響を考察していきたい。

第4次エネルギー基本計画は東日本大震災後初めての計画の見直しであったことから、いわゆるエネルギーミックスにおいて再エネと原子力の目標がどのように設定されるかが注目されたが、結果として2030年時点での電源構成の比率の目標は、再エネは22~24%程度、原子力は20~22%程度と幅をもたせる形で決着した。

今回の第5次計画策定に向けての見直しの議論は、環境の変化を踏まえて第4次計画の目標に照らして現時点での政策の進展を評価するとともに、パリ協定で新たに設定された2050年目標の達成のためにどのような政策が必要かとりまとめることが主要な議題になるものと思われる。

2. エネルギー政策を取り巻く2014年からの10の変化

この点経産省としては2014年からの環境の変化として10のポイントを挙げている。簡単に列記すると以下のようになる。

シェール革命により米国が資源国化し、原油価格は100ドルから50ドルに低下。

再エネ電源のコスト競争力が増し、日本の外では40円/kWhから10円/kWhにまで下落。他方国内は依然として高コスト体質。

自動車産業のEV化競争が激化の兆しを見せはじめ、バッテリー技術の進化が重要に。 

④多数の国が脱原発(独、伊、スイス、ベルギー、台湾、韓国)を宣言。原発維持も含めいずれにしろ国家的決断が必要に。

⑤電力全面自由化と再エネ拡大によりチャンスが生まれる一方、火力発電の長期大型の電力投資が困難に。

⑥パリ協定を巡る動向は、米国離脱後もトレンドは変わらず、低炭素対応政策・外交の国際競争が激しくなってきている。

⑦日本の電力市場は成熟化(約1兆kWh)する一方、世界の市場は拡大が続いており現在20兆kWhだが、2030年には30兆kWhまで拡大する見通し。

中国では国営企業が台頭、欧米ではエネルギー企業のM&Aが進展し、ともに国境を越えた投資に着手。日本は出遅れている。

⑨金融プレイヤーの存在感の高まり、世界のエネルギー選択に大きな影響を与えるように。

世界全域での地政学上の緊張関係が高まり、米ロ中印サウジなど主要国は国としてのエネルギー戦略を再構築し、その経済領域の拡大を指向。

どれも重要な観点ではあるが、このうち3年前に予測されなかった、もしくは予測以上の動きを見せたのは①、②、③、⑧、⑩といったところであろうか。こうした変化を踏まえてエネルギーミックス達成に向けた政策の進捗状況を見ると課題が浮きぼりになってくる。

電源構成は2013年段階と比べると【再エネ11%、原子力1%】から【再エネ15% 原子力2%】とそれぞれ4%-1%ずつ上昇した。全体とすれば目標達成に向けて前に進んでいることは間違いないが、最終目標値の【再エネ22~24%、原子力20~22%】からするとやはり原子力発電の再稼働の遅れが目立つ。これはエネルギー自給率にも通じる議論である

他方で電力コストについては、資源価格の下落と再エネの普及の影響で燃料費が5兆円と大幅に低下した一方、FIT買取費用が1.4兆円と大幅に増加した。差し引きで見れば3.5兆円改善しており、国内の電気料金は下がっているものの、この状況は永続的とは言えず、今後については「FIT買取費用と燃料費の上昇をどのように抑え込むか」という観点が重要になってくる。

3.再エネ政策の課題

このように電力政策の現況をデータで見ればFITの買取費用増加や原発再稼働の遅れが課題となっているものの、資源価格が下落したことで表面的には電力コストが低下しており、問題が顕在化していない状況にあることがわかる。資源価格の下落自体は望ましいことではあるが、こうした状況で原発再稼働に国民の理解を得ることは難しく、当面は原発再稼働のペースは上がらないものと思われる。

やや今回の議論の範疇からは逸れるが、筆者個人としては日米原子力協定の更新を見込んで核燃サイクル政策を正当化する観点から、またFITの買取価格増加の影響を相殺する観点から、プルサーマル計画の対象となっている軽水炉の再稼働を優先的に順次進めていくものと予測している。こちらはある程度長期的・計画的に進められることになるが、必然的に目下重要となるのは、国内で高止まりしている再エネ電源のコスト改善ということになる。

国内では太陽光発電がこの5年間で急速に普及して全体の需要の5%を賄うまでに成長したが、おそらくこれは経産省の予測を上回るスピードであったものと思われる。

他方で再エネの先進国であるドイツと太陽光発電のkwhあたりのFIT買取価格を比較した場合、2012年段階で【ドイツ:22円、日本:40円】であったものが、2016年段階で【ドイツ:9円、日本:24円】となっており依然として差が縮まっていない。

風力発電に至ってはむしろ差が開いている。メーカーや発電事業者の育成という観点でも、国際的プレイヤーは育っておらず、産業政策としての課題も大きい。

他方で太陽光発電・風力発電を系統に受け入れるための火力発電の調整力が不足しつつあり、これ以上の大量導入に向けて蓄電池の活用や水素貯蔵などの新たな選択肢を本格的に検討する必要性が出てきている

このように再エネ政策は課題が満載となっているが、短期的には高買取価格の太陽光発電のFIT買取費用を抑え込むことが重要視されていると思われ、事後的過積載規制を唐突に導入するなどの強引な手法が取られようとしているのは前回述べた通りである。

確かに太陽光発電の買取価格を抑え込む必要性が政策的にあることは認めるところだが、目的は単年の買取価格の抑えることなのだから強引な手法一辺倒に頼ることなく、例えば太陽光発電に関しては「調達期間を中途で5年程度伸ばして買取価格を下げる類型を創設して、メンテナンスを重視する事業者に切り替えを促す」などの方法を検討すべきように思える

いずれにしろこうした議論を行うには精緻なFIT買取費用の予測が経済産業省から提供された上で、業界と対話しながら対策の検討を進めていくことが望ましく、今後データに基づいた議論が展開されることを期待したい。

5.パリ協定との関係と原子力発電の位置付け

今回の計画見直しで新しく加わる観点としてはパリ協定の2050年目標を見据えた長期目標というものがある。我が国は2013年比で2050年に80%の温室効果ガスの削減を達成するとの目標を掲げているが、他の先進国も同様に高い目標を掲げている。

米国もパリ協定からは離脱したもののこうした低炭素化に向けた目標は堅持するものとしており、ドイツ、フランス、カナダ、アメリカはすでに長期戦略を策定している。このうち、脱原発という方針を明示的に掲げているのはドイツのみで、フランス、カナダ、アメリカはいずれも原発を引き続き活用していく意思を示している。

堅実に考えれば島国で他国からの電力の融通が難しい我が国において、再エネだけで80%の温室効果ガスの削減を図るのは難しいと言わざるを得ず、政府として原子力発電の活用方針は引き続き堅持するものと予測される。この場合「原子力発電の新設」が議論にならざるを得ないがこうした点についてエネルギー基本計画でどのように整理されるのか注目されるところである

6.他の論点

以上、簡単にエネルギー基本計画の見直しと再エネ政策・原発政策の関係を見てきたが、今回の計画見直しには他にも、EVの活用とバッテリー技術の進化、我が国エネルギー産業の国際展開のあり方、地政学的環境を踏まえた資源安全保障の再構築、など重要な論点が満載である。

こうした論点は、運輸産業と電力産業の関係深化や国家ファンドの創設やロシアとの経済協力による資源開発など様々な方向に波及する可能性がある。こうした様々な論点がどのように集約され、またエネルギーミックスの目標値が設定されていくのか、議論を引き続き見守りたい。

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Thu, 24 Aug 2017 02:30:01 +0000 Thu, 24 Aug 2017 02:30:01 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027923.html http://agora-web.jp/archives/2027836.html http://agora-web.jp/archives/2027807.html http://agora-web.jp/archives/2027799-3.html http://agora-web.jp/archives/2027775.html
http://agora-web.jp/archives/2027876.html 米国が解説放送の付与基準を強化したが http://agora-web.jp/archives/2027876.html 米国連邦通信委員会(FCC)は7月にテレビ放送への解説放送の付与基準を強化した

解説放送は映像に関する説明、たとえば情景や出演者の表情などの説明を副音声で伝える、視覚で情景などを把握できない視聴者向けのサービスである。テレビの音声を「副音声」に切り替えると解説放送を聞ける。ドラマなどを中心に付与されて、生放送での実施はむずかしいとされている。

FCCでは、プライムタイムの番組または子供番組について四半期に50時間の解説放送を求めていた。これに加えて午前6時から午後12時までの任意の時間帯で37.5時間の付与義務を追加した。トータルでは四半期に87.5時間となり、1日あたり1時間弱の解説放送付き番組が提供されることになる。対象となる事業者は、ABC、CBS、Fox、NBC、Disney Channel、History、TBS、TNT、USAである。

わが国では放送法によって解説放送の付与を努力義務として放送局に課してきた。該当の箇条は第4条第2項で、箇条前半では解説放送を、後半では字幕付き放送を放送事業者に「できる限り多く」設けるように求めている。

「できる限り多く」どの程度実施されたか国民に知らせるため総務省は毎年付与率を公表している。2015年度データによると、総放送時間に占める解説放送時間の割合はNHK総合では10.1%、在京キー局では2.9%となっている。米国での50時間基準は、各局24時間放送と仮定すると割合2.3%に、87.5時間は4.1%となる。米国での義務の強化は評価できるほどのものではない。

一方、字幕付き放送の総放送時間に占める割合はNHK総合では80.6%、在京キー局では57.9%である。米国では字幕がほぼ100%付与されている。

なぜ、日米ともに解説放送の比率が低いのだろうか。二か国語放送や「日本代表の応援放送」に副音声が使われると解説を付与できなくなる。ドラマなどでは音声や音楽に被らないように解説放送を付けるのがむずかしい。

NHKでは、完成ビデオから音声・非音声・音楽区間を抽出し非音声区間に何文字入れられるか概算したり、ト書きから解説文候補を自動抽出するシステムを開発している。NHKの努力は評価できるし、それが他局より高い比率に結びついているのだろう。

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Wed, 23 Aug 2017 21:30:41 +0000 Wed, 23 Aug 2017 21:30:41 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027921.html http://agora-web.jp/archives/2027884.html http://agora-web.jp/archives/2027839.html http://agora-web.jp/archives/2027847.html http://agora-web.jp/archives/2027821.html
http://agora-web.jp/archives/2027918.html リベラルの再生なくして日本の再生なし http://agora-web.jp/archives/2027918.html ども宇佐美です。

来週(8/28)新著「朝日新聞がなくなる日」(改めて過激なタイトルですね)が出版される予定なので、二週続けて告知こみのリベラルメディアに関するお話です。

朝日新聞がなくなる日 - “反権力ごっこ"とフェイクニュース -
新田 哲史:宇佐美 典也
ワニブックス
2017-08-28

 

さてこの本は私と新田哲史さんというB級感満載な二人の対談本なのですが、単純に話したことを文字にお越したというよりは、対談という形式でお互いの思想なり知識なりを盛り込んだ本になっていまして、論点を設定してロールプレイングしながらを議論を深めていくというようなことを意識しました。

またタイトルは「朝日新聞」に限定していますが、朝日新聞が中心ではありつつもリベラルメディア全般の在り方に関して議論しており、新田さんが新聞業界の元業界人として、またアゴラという保守よりメディアの運営者として、保守層の持つリベラル層に対する率直な疑念・不満を辛辣に投げかけて、それに対して私が元行政マンとして、また一朝日新聞の読者として「もうちょっと俯瞰してみればこういう見方もあるんじゃないの」と距離を置いた目線からツッコむという構成になっています。

出版社には申し訳ないのですが、率直に言って私としては、この種の本を書いてもあんまり売れるとは思っていませんし、自分の仕事にいい影響があるとも思っていません。内容も業界に関するある程度の知識を前提としたものですしね。それでもこういう本を書くことにしたのは、この一年くらい「リベラルメディアがおかしい」と強く感じているからでして、自分なりに「なぜリベラルメディアがおかしくなったのか、リベラルメディアはどうなっていくべきなのか」という問題意識を本としてまとめておくことで、リベラルメディアの中の人に届いてくれないかな、と思ったからです。

そういう意味ではこの本は、朝日新聞とか東京新聞とかリテラとかBuzzfeedとかリベラルメディアの人にこそ読んでほしいと個人的には思っています

。。。と、カッコつけていいましたが、「この本にヘイト要素は無い」と言えばやはり嘘になりまして、それなりに(許される範囲で?)下品に朝日新聞や民主党などを罵倒している部分もあります。ただだからこそ、本音を語れたというところもありまして、やっぱりぜひリベラルメデイアの関係者の方に読んでほしいと思います。。。。まぁ新田さんがどう考えているかはわかりませんが。。。

さて以下本書の概要の紹介です。全7章だてで、それぞれ以下のようなテーマについて論じています。
===============

<第一章      朝日新聞と反権力ごっこ>

→この章では、政権側を「権力」と認定して悪しきものとしそれに対抗する勢力を「反権力」と見なして正義のヒーロー仕立てで報じる、朝日新聞の記事構成の問題について述べています。具体的には、このような政治を権力と反権力と二分して考える思考自体が情報の取捨選択の目を曇らせ誤報を生む土壌となっていること、また「権力」を恣意的に定義することでその他の「反権力」とされた勢力が実質的に持つ権力に対する監視機能が弱くなること、などを指摘しています。加えて冷戦以後国際政治がますますパワーゲームの様相を呈し国連中心主義―護憲という朝日新聞の理論的支柱がぐらつき空洞化していく中で、それでも同社が形骸化しつつある「反権力」という構図に固執して無理やりに妄想含みでスキャンダルを作り出す姿を「反権力ごっこ」と揶揄し、そうした姿勢に現実の社会の行く末に対する不安に押しつぶされそうな若者世代が興ざめしていることを指摘しています。

<第二章    ビジネスとしての加計学園問題>

→この章ではビジネスとしての「反権力の構図」の変化という観点から加計学園問題の滑稽さを論じています。従来朝日新聞を中心とするリベラルメディアでは「旧き自民党とそれを支える官僚組織」を権力として認定し、彼らに対抗する「野党政治家とそれを支える草の根の市民活動家」たちを反権力と捉える「官僚政治の打破」の構図を反権力報道の基本として来ました。だからこそ自民党の政策の官僚依存や官僚の所管業界への天下りなどは利権の象徴として極めて否定的に論じられ、こうした構造を打破する民主党政権がかつて声高に主張した「政治主導」を全力でリベラルメディアは応援したわけです。ところがリベラルメディアが待望して誕生した民主党政権は当初から機能不全に陥り、最終的に官僚組織に政府運営を全面的に依存するようになるというあまりにも無残な結果に終わったため、もはや国民に「官僚政治打破」というキャッチフレーズが通じなくなってしまいました。そうした状況でビジネスとして新たな反権力の構図が求められるようになり、加計学園問題を通じて「独裁的安倍官邸VS正義の官僚前川」という構図が生まれたものの、その「正義の官僚」なるものはかつて自分たちが最も否定していた「行政の無謬性」を信奉する官僚の姿であった滑稽さを論じています。

<第三章 二重国籍問題と報道しない自由>

→この章では民進党蓮舫元代表の二重国籍問題などをケーススタディとしてリベラルメディアの都合よく情報を使い分ける体質を批判しています。蓮舫氏の二重国籍問題に関しては、ネット発でアゴラが追及していく中で、カウンターとしていわゆる人権派を自称するリベラルから「二重国籍は世界では当たり前の人権。国内でもたいした法律違反ではない。これを問題視するのは人種差別だ。」との声が諸方面から上がりました。

これに対して本章では、人権というのは自然に保護されるものではなく民主主義社会を構成する人々の合意としての法律があって初めて適切に保護されるもので、だからこそ「人権を守るためにも決められた法律は守るということが大前提になければならない」ということを指摘しています。またそうした観点から見たとき、反権力側の代表である蓮舫氏を擁護するためにリベラルメディアが「たいした法律違反ではない」という「反権力無罪」の論法や、「海外“では”当たり前」という存在するかわからない国際世論を全面に押し出して非難する論法を用いたのは不適切だったのではないかと疑問を投げかけています。またこうした論法での報道過程で、海外でも政治家の二重国籍がしばしば強く非難されている、という都合の悪い情報を積極的に報道しなかったリベラルメディアの報道姿勢を「報道しない自由」と揶揄し、そのような態度はネットが普及した今では不信感を買うだけと批判しています。

<第四章 政策論争を放棄した都議選報道>

→この章では都議選をケーススタディとして、リベラルメディアが「反権力」という構図にこだわるがあまり、報道が政局化し、政策ベースの議論が行われないことを批判しています。この点「新聞とてビジネスだから何を報道しようがないか自由ではないか」という意見に対して、日本では大手新聞は「民主主義の基盤」として本来独禁法上は許されない再販売価格維持制度が認められているほか特商法等の運用においても配慮がなされており、様々な面で公的優遇を受けていること、こうした大手新聞の準公的な取り扱いを考えるとそれに見合った義務を果たすことが求められることを指摘し、その義務とは国民に国の課題とその対策としての政策をベースとした報道を旨とすることではないかと問題提起しています。

他方で2017年の都議選ではこうした政策ベースの報道がほとんど行われず、「権力」としての安倍首相―自民党都連と「反権力」としての小池知事―都民ファーストの会の間の政局としての報道一色になってしまったことを批判し、他方都政における絶対的な「権力」であるはずの小池知事を「反権力」として描いたリベラルメディアの滑稽さを皮肉っています。

<第五章 昭和の体質を抜け出せない新聞業界>

→この章では朝日新聞という枠を超えて、新聞業界全体の体質について議論しています。具体的には、菅官房長官の記者会見で大暴れする東京新聞記者のいわゆる望月いそ子現象に絡んで、「記者が国民の代表なのではなく、国民の代表である政治家が記者会見の時間を設けているのではないか」という観点で議論して、個々の記者がスタンドプレーに走るのではなく記者会見としての質を全体最適として充実させることがメディアの役割ではないかと指摘しています。

また朝日新聞の記者のtwitterアカウントの発信内容や炎上事案をケーススタディとして、新聞業界における会社と記者の関係性の変化についても論じ、大手新聞社の記者の知的優越性を無条件に認める啓蒙主義は時代遅れとなっており、リベラルメデイアは個々の記者をオピニオンリーダーとして育成していくような方向性を重視していくべきではないかと提言しています。

<第六章 ゴシップ化するリベラルメディア>

→この章では、社会の変化の中でリベラルとしての使命を見失い保守勢力のスキャンダルを取り上げるゴシップ紙化しているリベラルメディアの在り方について議論しています。今日本では様々な課題が噴出しかけており、本来リベラルメディアとしてはそのような社会の歪みを取り上げ政策論争にまで昇華して、保守政権の在り方を正すのが役割であるにも関わらず、そうした本質的な課題と向き合わず政権の足を引っ張るという安易な方向に走っているのではないか、と批判しています。

その原因に関しては従来リベラルメディアは、問題だけを指摘しせいぜい他国の事例を紹介するまでで、解決策の立案は結局のところ官僚機構に期待するという「官僚依存体質」があったことを指摘しています。そのうえで、今となっては日本がある程度成熟した国となり、自分の未来は自分で考えて切り開く、という段階に来てこうした「問題を指摘して他国へ倣え」とする報道手法が通じなくなり、リベラルはリベラルとして政策立案にまで踏み出す必要性が出てきていることを指摘しています。

 

最終章となる第七章ではこれらの議論を踏まえてリベラルメディアの向かうべき方向やネットメディアの動向に関してざっくばらんに議論しています。

私として改めて強調したいことは、政府財政の現状や人口構成や政府機構の在り方を見るに、日本は「過去の延長線」から抜け出せずに、まさに今破滅に向かっている最中で、現在の自民党―保守政治が続く限りはこれを先送りできても、抜本的に立て直すことはできないということです。こうした中で、リベラルメディアがきちんと政策なり政治体制なりの刷新の議論を具体的な政策論として引っ張っていき改革を促していかなければ、日本の未来もまた暗いものになるであろうということです。

官僚というのはその性質上どうしても過去の延長線上の政策しか展開できない立場ですから、そこから脱して日本として新たな地平線を見出すにはリベラルの力はやはり不可欠なんだろうと思います。この本がそのための一助になれば私としては幸いです。ということで皆さま是非是非ご一読を

。。。といろいろ偉そうに書きましたが、結構がさつに好き勝手かつ無責任に下品に議論をしている本ではあるのですがね(笑)

ではでは今回はこの辺で


編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2017年8月23日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は朝日新聞社サイトより引用)。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。

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Wed, 23 Aug 2017 21:05:32 +0000 Wed, 23 Aug 2017 21:05:32 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027919.html なぜフルーツの高額落札がメディアで報道されるのか? --- 黒坂 岳央 http://agora-web.jp/archives/2027919.html

マスカット・オブ・アレキサンドリア(Wikipediaより:編集部)

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

毎日新聞の記事にマスカット・オブ・アレキサンドリアの初競りがあり、東京都大田区の大田市場でスタートしたと掲載されました。

参考:毎日新聞 “果物の女王”初競り 1箱10万円

その記事を見て驚愕するべきはその価格!なんと1箱(つまり1房)10万円の値がついたということです!ぶどうに10万円とはとてつもない金額ですよね!あなたも

こんな金額で落札して利益出るの!?

と思われたのではないですか?自分のお店でもマスカットぶどうを扱っている私が、今回の高額落札について解説をしたいと思います!

エジプト生まれのマスカット・オブ・アレキサンドリア

マスカット・オブ・アレキサンドリアは紀元前のエジプトで栽培されていたぶどうで、あのクレオパトラも食べていたというとても歴史の古いぶどうです。日本には130年前の岡山県で栽培が始まり、全国シェアは岡山県で90%以上です。

糖度はとても高く、出荷出来る基準は16度ですが、今年の初競りでは22.5度という超ど級の極甘口ぶどうも飛び出したということです。しかし22.5度とは凄まじい…。

ネット通販などでの相場ですがいいものだと1房5,000円~7,000円程度。安いものだと3,500円から見つけられますが、1万円を超えるものもありますね。値段の差は顆粒の大きさや美しさや形、色合い、香り、糖度など多面的に判断されて、等級がつけられます!

一般流通している良品は秀品が多く、最上級の特秀品はやはり1万円を超えることがほとんどです。

<マスカット・オブ・アレキサンドリアの等級>

昨年2016年の3倍以上の値段

今回10万円という破格の値で競り落とされたマスカットですが、昨年2016年度の最高落札価格は3万円とのことで、実に3.3倍!今回の落札価格が異常に高いだけで普段からそんな値段で買われているわけではありません。

今年の10万円というのは過去最高記録を更新していることからも、異例の初競りだったわけです。

果物の高額せりは「広告宣伝」

どんなに高くても2万円を超えることはほとんどないマスカット・オブ・アレキサンドリア。今回の10万円という価格がいかに特別なものだったかお分かり頂けたでしょうか?

10万円の値がついたマスカットは確かにすごい品質が良かったのだと思います。でもその金額がついたことの本質は実は別にあります。それは「広告宣伝」としてのものです。

あなたは東京の築地市場へ行って食事をしたことがありますか?私は一時期ハマって友人と寿司を食べに行っていたことがあります。そんな築地市場で2013年にマグロで1億5540万円というとんでもない値がついたことでめちゃめちゃ話題になりました。競り落としたすしざんまい社長は「PRは考えていない」と回答していましたがこれによって連日テレビや新聞、ネットニュースでめちゃめちゃ話題になり、その宣伝効果は2億とも3億とも試算する人もいます。その他、夕張メロンを2玉300万で落札したことで話題になったこともありましたね。

それを考えると今回のマスカットが10万円で落札されたのも、広告宣伝効果は十分にあったと思います。実際、私はこうして記事に取り上げたのも、多数のメディアに掲載されて目についたからに他なりません。詳しくは調べていませんが、おそらくネットのニュース記事だけに留まらず、地元の新聞や雑誌、テレビなどでも取り上げられるんじゃないですか??

そうなるとたった10万円でしかも番組制作費や手間も一切かからないで宣伝してもらえるので、とても安い買い物になったのだと思います。

あいにく熊本県産のフルーツに限定している肥後庵では、シャインマスカットは扱っていますが、マスカット・オブ・アレキサンドリアは置いていません。これを機にプライベートでマスカット・オブ・アレキサンドリアを食べてみようかなと思います!


黒坂 岳央 フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ブログでも情報発信中。

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Wed, 23 Aug 2017 21:00:58 +0000 Wed, 23 Aug 2017 21:00:58 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027893.html http://agora-web.jp/archives/2027859.html http://agora-web.jp/archives/2027842.html http://agora-web.jp/archives/2027844.html http://agora-web.jp/archives/2027819.html
http://agora-web.jp/archives/2027921.html テレビなどのメディアが注目する7つのキーワード http://agora-web.jp/archives/2027921.html

大内氏は男性テノールとして活躍した経験をもつ。多才な報道記者である。

皆さまは、テレビに出演した経験はあるだろうか。「ブログにも書いたかしいつか目に留まるだろう」と指をくわえていてもテレビに出ることはできない。視聴率低下の影響で、テレビ業界が厳しいと言われているが、テレビのニーズは相変わらず高い。それはテレビのメディア力が評価されているからに他ならない。

今回は、テレビ業界に精通する、大内優(以下、大内氏)の近著『「テレビ活用」7つの成功ルール』を紹介したい。大内氏は大学卒業後、福島テレビに就職し報道記者として活動をしていた。報道記者から見たテレビ局の裏側は興味深い。「テレビに出たい」「取り上げられたい」と思っている人にはヒントになることだろう。

覚えておきたい7つのキーワード

テレビは常にインパクトのある情報を求めている。ハードルが高かったテレビ出演も一定の基準をクリアすれば難しくなくなった。このニーズに目をつけたPR会社などは、スポットなどの番組を営業している。しかもそれなりに高額だ。

だったら、テレビが弱いキーワードを抑えてアプローチしたほうが得策だ。大内氏は「メディアが弱い7つのポイント」として紹介している。このポイントを抑えていれば「これは取り上げたほうがいいぞ」と思わせられるかも知れない。

「まずは○○初(1番目)。世界初、日本初、地方初、都道府県初、業界初といったものです。テレビは『初めて』という単語に弱いので、これがタイトルについているだけで、取り上げられる可能性は大幅にアップします。次ぎに○○発(2番目)。こちらの発は、出発の発ですね。この地域から発信したという意味になります。」(大内氏)

「このエリアのもの、この業界のものを世界に打ち出していくときに使う『発』です。○○年(3番目)ぶりという表現もインパクトがあります。春·夏の高校野球などもそうですよね。『何年ぶり何回目の出場』という表現をします。これはなぜかと言うと、なんらかの復活ストーリーがついてくるからです。」(同)

復活のストーリーとは例えばどのようなものか。

「猛練習に耐えて頑張ってきた、苦労してきたエピソードとつながります。そこにスポットライトを当てることができるので、効果的なんです。『何年連続』も、それだけ高いレベルを維持し続けるには、何か秘訣があるのではないかということで、これもまたテレビで取り上げられる理由になりえます。」(大内氏)

「史上○○(4番目)も効果的です。「史上最年少で○○資格取得」「史上最年長で○○記録達成」みたいなものです。歴史を変えたことを訴求できます。〇〇なのに○○(5番目)という表現があります。数年前に「冷やしシャンプー」が話題になりました。ほかにも「美人過ぎる政治家」などにも同じような効果があります。」(同)

先週、アゴラにエントリーした「元トップCAに聞く!『3流』すぎる人の振る舞いとは」はこれに該当する。かなりアクセスを伸ばしたが「3流すぎる」というキーワードに関心が集まったのだろう。しかも、このケースで紹介した事例は取材したCA自身の失敗事例だから、むしろ記事の内容を好感するコメントが多かった。

「テレビであればスクープ(6番目)も鉄板ネタです。そこで、『他ではまだ公開していないのですが』というものがあれば有利です。他には、地元出身者の人物(7番目)もあります。地元出身者とか、ゆかりのある人物と何かをする、ゆかりのある人物は、地方のマスコミ、テレビの興味を引きやすいと思います。」(大内氏)

やはりテレビは観るより出るべきだ

他にも抑えておきたい要素があるが、次に紹介するのは今後、抑えておきたい視点である。前述のポイントを抑えた上で意識してもらえれば幸いである。

「これからは、2020年の東京オリンピックに向けて、海外からの訪問客が増えてくることが予想されます。より、社会性や公共性があるものは注目されやすくなります。インバウンドで日本を訪れる外国人が観ておくべき匠の技(伝統工芸・表彰)などもいいと思います。外国人が日本の伝統技術を体験することで話題になります。」(大内氏)

「縁の下のカ持ちではありませんが、普段は注目されない裏方にスポットライトを当てるのが日本人は大好きです。行政や地域と組んで社会貢献につながるような活動につながると、ニュースにしやすくなると思います。」(同)

私も出版が起因となり、テレビやラジオから声がかかり出演をしたことがある。メディアに出ると世の中に発信したいことや、問いたいことが明確になっていく。やはり、テレビは観るのではなく「出た」ほうがいい。なお、著者の大内氏は男性テノールとして活躍した経験をもつ。参考までCDジャケットより画像を引用した。

参考書籍
「テレビ活用」7つの成功ルール』(DOBOOKS)

なお、新刊『007(ダブルオーセブン)に学ぶ仕事術』は、「007ジェームズ・ボンド」が社内の理不尽に立ち向かう想定で書き起こしたマネジメント本になる。社内の理不尽に対してどのように立ち向かい対応するのか、映画シーンなどを引用しながら解説した。

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からお知らせ>
<第7回>アゴラ著者入門セミナー開催(2017年9月12日)のお知らせ
次回は、9月12日(火)夜に開催します。著者セミナー、並びに出版道場へのご関心が高いことから、ご優待キャンペーンとして定額5.000円のところを、今回はキャンペーン価格3,500円でご優待します。お申込みをお待ちしております。
お問い合わせ先 info@agorajp.com

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Wed, 23 Aug 2017 21:00:53 +0000 Wed, 23 Aug 2017 21:00:53 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027876.html http://agora-web.jp/archives/2027884.html http://agora-web.jp/archives/2027839.html http://agora-web.jp/archives/2027847.html http://agora-web.jp/archives/2027821.html
http://agora-web.jp/archives/2027916.html 高校球児から教わる「算数」「数学」の攻略法 http://agora-web.jp/archives/2027916.html

甲子園の高校野球を見ていてつくづく思うことは、「強いチームはバントがうまい」ということです。

以前、高校時代に野球部で活躍されていた佐山展生先生にお話を伺う機会がありました。先生曰く、「野球の基本であるバントだけは徹底的に練習をさせられた。プロ野球の投手がウエストするボールにでも食らいつける自信がついた」とのことでした。強豪校は、例外なく基本練習をしっかりやっているということを、甲子園大会を観て痛感しました。

ところで、中学受験算数や高校大学受験数学に苦手意識を持っている人がたくさんいます。
私は大学受験では文系だったのですが、実は、最大の得意科目は数学で最も不得手な科目は現代国語でした。現代国語に至っては、地方の公立の中高合わせて「5」をもらったのはたったの一度きりという悲惨な状況でした(汗)

入試レベル程度の数学の得手不得手と頭の良さは、あまり関係はありません(少なくとも私はそう思っています)。
基本問題を徹底的に反復練習するだけでかなりのレベルに達することができ、応用問題で力試しをする余裕があれば、東大文系数学4問中3問完答程度のレベルには到達します。

あれこれ理屈を考える必要はさほど(あくまで「さほど」です)ありません。
分数を分数で割るとき、割る方の分数をひっくり返して掛け算をしますよね。どうしてそうするのかをあれこれ考えず、「そんなものだ」と思って反復練習をすればいいのです。これは、確率であろうと微積分であろうと同じです。反復練習をしているうちに、なんとなく理解できるようになります。

ところが、多くの受験生は、基本問題の反復練習をあまりやらずに入試問題レベルの応用問題に取り組んでしまいます。銀行員時代の私の上司が、「僕は数学はものすごく理解できたのに、なぜか点数が伸びなかったんだよ」とボヤいていたことがありました。

私が「条件反射的に手が動くくらい基本問題を解きましたか?」と尋ねると、「だって、そんなの時間の無駄だろう」とのお答えでした。きっと、その上司は頭が良すぎて基本を怠ってしまったのでしょう。

このように、数学の成績は頭の善し悪しではなく、基本問題が条件反射的にできるようになるかという練習量の違いなのです。基本問題が条件反射的にできるからこそ、基本問題の組み合わせである応用問題が解けるようになるのです。基本事項が反射的に出てこなければ、(基本の組み合わの)応用問題を考える時間がなくなってしまいますから。

中学受験算数では、基本問題の反復練習の重要性がより一層高まります。日々成長している小学生の頭脳にとって、3ヶ月前に練習した基本問題と今練習する基本問題は理解が全く違ってくるからです。

そのあたりを理解せず、基本問題の反復練習をさせることを私が怠ってしまったため、娘は中学受験算数の成績がとても不安定でした。幸いにして、6年生の後半になってミスターツカムこと塚本誠一郎先生の「基本問題を7回繰り返せ」という言葉に出会うことができたため、本試験はいずれも楽勝でした。入試直前は、過去問以外はひたすら基本問題を反復練習させました。

甲子園強豪校の選手といえば、東大合格者や有名中学合格者の比ではありません。強豪校の選手全員集めても、せいぜい100人くらいでしょう。他方、東大は毎年3000人以上も合格します。

どちらが難関かは一目瞭然ですよね。

そんな甲子園強豪校の選手たちが、基本であるバント練習を繰り返しているのです。
数学や算数が苦手だと投げてしまう前に、いじいじと基本問題の反復練習をしてみましょう。きっと、驚くような成果が出せるはずです。

最短で結果が出る最強の勉強法 (講談社+α文庫)
荘司雅彦
講談社
2014-02-14

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。

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Wed, 23 Aug 2017 21:00:52 +0000 Wed, 23 Aug 2017 21:00:52 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027931.html http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html
http://agora-web.jp/archives/2027914.html 【映画評】海底47m http://agora-web.jp/archives/2027914.html

リサとケイトの姉妹は休暇を楽しむためにメキシコにやってくる。海の中の檻から野生のサメを見る“シャークケイジダイビング”に参加することにした二人は、最初はサメの迫力に興奮して楽しむが、突如、保護用の檻と水上の船をつなぐケーブルが故障し、二人は檻ごと水深47メートルの海底へ落下してしまう。檻は壊れ、酸素も残り少ない。無線も通じない中、巨大な人喰いザメが二人に迫る…。

シャークケイジダイビング中の事故で海底に取り残された姉妹のサバイバル劇を描くパニックスリラー「海底47m」。夏だ!海だ!サメ映画だ!!…ということで、海という開かれた“密室”を舞台に、美女とサメを組み合わせるサバイバル劇は、新たな夏向けホラー・ムービーの定番になりつつある。同種のサメ映画「ロスト・バケーション」が海上でたった一人というシチュエーションだったのに対し、本作は真っ暗な海底で姉妹が二人ぼっち。迫りくる危機は、サメ以外にも、酸素欠乏、潜水病、窒素酔いなど、バラエティーに富んだピンチの連打で飽きさせず、心が休まるヒマがない。

社交的なリサと違い、失恋したばかりで臆病なケイトはもともとシャークケイジダイビングに乗り気じゃなかった。だが、彼氏から「君は退屈」と言われ、自分だって冒険心があることを証明したくて、この怪しげなツアーに参加したのだが、ネガティブ思考のケイトが極限状態で「こんなところで死ねない!」と勇気を示すのがいい。どんな状況でも人間はあきらめちゃ終わりなのだ。物語の終盤には思わぬ仕掛けとオチがあって、これがなかなかうまい。あえて難点を言えば、ほとんど水中マスクを着けているので姉妹の区別がつきにくいことか。それにしても「ジョーズ」の昔から、血の匂いを嗅ぎつけ、巨大な身体で体当たりし、鋭く尖った歯をむき出しに襲い掛かるサメの恐怖演出は見慣れているはずなのに、何度見てもやっぱり怖い。これこそ、映画では不動の人気キャラとなる要素だ。恐るべし、サメ映画!の、快作である。
【70点】
(原題「47 METERS DOWN」)
(アメリカ/ヨハネス・ロバーツ監督/クレア・ホルト、マンディ・ムーア、クリス・J・ジョンソン、他)
(恐怖疑似体験度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年8月23日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Twitterから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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Wed, 23 Aug 2017 21:00:50 +0000 Wed, 23 Aug 2017 21:00:50 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027915.html バルセロナ・テロ:『ウェークアップ!ぷらす』で言わなかったコト http://agora-web.jp/archives/2027915.html 中田宏チャンネル_170823_#557_バルセロナテロ

スペインのバルセロナにある観光名所「カタルーニャ広場」で、現地時間8月17日夕方17時ごろ、テロ事件がありました。

爆弾や銃の乱射テロではなく“車で群衆に突っ込む”テロで「130人以上の人が死傷する」大惨事となりました。
犯人はひとりのモロッコ国籍の男で、すでに別の場所で警察との銃撃戦の末に射殺されています。

一昨年の3月にこのバルセロナに家族で行きましたが、日本で例えれば京都の清水寺や金閣寺のようなところでした。

imageバルセロナ2

カメラで記念撮影したりガイドブックを見ながら歩いたりしている見るからに観光客ばかりで、どう考えても現地の人ではなく外来者であふれている場所です。

imageバルセロナ1

家族と今回のカタルーニャ広場を歩きましたから「テロに遭っていてもおかしくなかったのか」と考えてしまいます。

ましてや車1台で突っ込むことでテロになってしまうわけですから、これは「世界のどの場所でも同じようにテロが起こせる」と世界中が震撼しています。

事件直後の8月19日(土)朝、日本テレビ系列の報道番組『ウェークアップ!ぷらす』に出演しましたが、次のようにコメントしました。

「たった1台の車で突っ込むテロ、日本では秋葉原で同じようなことがありましたが、こうしたことを防ぐことは難しいのではないか」
「制圧をどう行うのかについて検討しなければならないのではないか」

番組では「制圧」とまでしか言いませんでしたが、その真意は「テロの発生を未然に防ぐことが難しいのであれば、テロ行為を一刻も早く止めなければならない」ということです。

暴走している車が目の前にいる。
そこに通報を受けた警察官がやって来る。
その時まさか暴走が終わるまでじっと見ているわけにはいかないわけです。

もちろんパトカーで車に体当たりをすることなどもあり得ますが、例えば銃を車のタイヤや犯人に向けることもありではないでしょうか。
こうした対応をしなければ止められないでしょうし、止めなければもっと死傷者が増えてしまうことになりかねません。

日本の警官は警察官職務執行法で銃の使用を厳しく制限されている”穏健な”警察です。

警察官職務執行法
(武器の使用)
第七条  警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法 (明治四十年法律第四十五号)第三十六条 (正当防衛)若しくは同法第三十七条 (緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。

今回のような現実にどのように対応していくのかということをもっと議論していくべきではないでしょうか。


編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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Wed, 23 Aug 2017 21:00:39 +0000 Wed, 23 Aug 2017 21:00:39 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027920.html 東京都と特別区が民にお金と権限をお返しする都区制度大改革を! http://agora-web.jp/archives/2027920.html こんにちは。新宿区議会議員の伊藤陽平です。

昨日は、特別区の現状と課題というテーマで、特別区議会議員の研修が行われました。
基本的な都区制度から、先日もブログでご報告した児童相談所についてや、国民健康保険まで、様々な事案について確認させていただきました。

そもそも、特別区は東京都の内部団体としてスタートしたという経緯があります。
区議会議員が、「”東京都”新宿区議会」と名乗っていた時期もあったそうです。
これまでも地方分権の議論から自治権の拡充が行われ、平成12年にはついに内部団体から脱却し、特別区が法的にも自治体となりました。
しかし、今でも財源や事務など一般的な市町村と比べると権限が限られています。

これまで議会で問題提起を行なってきた都区財政調整制度についてもご参考に。

まだ東京都で消耗してるの?都区財政調整制度から脱し「新宿市」になれば自治権拡充かも!?

例えば、政策がそのまま財源に反映されれば、自治体も頑張って、住民の暮らしをよくしよう、あるいは街を成長させようと、さらにモチベーションが上がるでしょう。
基礎自治体は、国が決めた事業の窓口としての役割を担ってきた側面もありますが、地域の方たちで地域のために最適なお金の使い道を考えることになるでしょう。
あるいは、自治体によっては民間で課題解決を担うことができる場合もありますし、地域によって最適化することが必要です。

特別区を歩いていると、狭いエリアながら街の特徴が異なることを感じると思います。
例えば新宿区と足立区あるいは千代田区では街の状況は異なりますし、一律の制度が最も効率的とは限りません。

また、大規模な都市計画は、都が行うことになっています。
つまり、新宿区の案件であっても意思決定に関わる議員に対して、区民が投票の機会すらなかった可能性もあります。
そして、当選後はみな平等だと思いますが、都議会のドンなどという言葉もありました。
今の制度のもとでは会派内で序列が決まってしまえば、特別区全体に対して強大な権限を持った議員を生み出してしまうことにもなります。
こうした状況は、自治の精神からも望ましい状況だとは思えません。

これまでも都区間で協議を行ってきましたが、具体的な事務移管は保留状態で、具体的な改革のスピードは非常に遅いです。
児童相談所については江戸川区で悲惨な事件が起きてしまったことから改革が行われました。
つまり、その気になれば移管はできるということです。

その際に現行制度のままで区に丸投げするのではなく、都が改革を行うことも必要です。
具体的には、都の財政や人材も見直し、都のみにノウハウが蓄積されてきた状況も改善しなければなりません。

過去のブログもご参考に。

「移管」じゃないの?特別区(23区)児童相談所「設置」は現状困難

都は広域な事務に、区は地域や生活に関わる事務に専念できるよう改革が求められています。

都政に動きが出てきた今こそ、議論のチャンスです。
オリンピック等と比べてあまり目立たない分野ではありますが、小池都知事には都区改革に取り組んでいただくことに期待しています。
また、20代区議出身のおじま都議もこの分野についてよく理解されているため、議会活動を通じて前に進めていただきたいと思います。

区政では、みなさまからお預かりしてきたお金や権限を見直し、時代にそぐわない場合には手放し、お返しすることが求められます。
公費を使って、目立つ政策よりも区民の利益を第一に考えて、勇気を持って実務的な改革を進めていきたいと思います。

それでは本日はこの辺で。

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Wed, 23 Aug 2017 21:00:11 +0000 Wed, 23 Aug 2017 21:00:11 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027933.html http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html http://agora-web.jp/archives/2027917.html http://agora-web.jp/archives/2027909.html
http://agora-web.jp/archives/2027917.html 朝鮮学校無償化を渋々でなく好ましいという前川氏 http://agora-web.jp/archives/2027917.html

東京新聞(2017年8月14日朝刊特報面)での朝鮮学校を巡る発言が波紋を広げている前川前文科次官(東京新聞より:編集部)

朝鮮学校の無償化への援助について、前川喜平氏のとんでもない認識について再び論じたい。私は朝鮮学校への支給を止めることについて、強硬派でなく、安直に止めることにはむしろ慎重派であった(現在のように核攻撃を持って日本を脅している状況では停止支持である)。

ただし、その理由は父兄は日本で納税しているから公平の観点からよほど内容が酷くなければ仕方ないというのが理由であった。いまも支給を続けている自治体の意識もそういうことだと理解している。在日の人たちの納税への納得感を得るためには、できるだけ支給することが望ましいという気持ちがあると思うし、それは正当だ。

しかし、前川喜平氏は多様な価値を評価するがゆえだという。「朝鮮学校を入れると言う事に光をみていた」とまでいっている。つまり、北朝鮮的な主体思想を積極的に多様な価値として評価して前向きに払えと言うことではないか。文部科学省の意識がそういうものだとしたら酷すぎる。

「他の外国人学校と比べても朝鮮学校は日本の社会で暮らす人を育てるという意味合いが強い」ともいっているが、アメリカン・スクールでもなんでもいずれ帰国する人たちだけを念頭に置いているわけでない。どんな外国人学校でも、所在地の国に対する敬意を教えるし、自国民であれ、日本人であれ、日本で生きる人への配慮をしていないはずがないだろう。どう考えても前川氏の認識は異常だ。

それに、日本人の持つべき価値、政府が拠るべき価値は、文部科学省が決める話ではない。そういうことも、この論争ではっきりさせておかねばなるまい。どうも歴史問題などになると、外務省でなく、文部科学省の権限だと思っているのでないか。

竹島を日本領土だと書くべきかどうかにも介入したらしいが、歴史問題として文部科学省が判断すべきだと言いたいのかもしれないが、それははっきりと否定せねばなるまい。

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Wed, 23 Aug 2017 12:00:51 +0000 Wed, 23 Aug 2017 12:00:51 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027931.html http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html
http://agora-web.jp/archives/2027914-3.html 『島耕作の事件簿』への疑問 人生100年時代の生き方提案を http://agora-web.jp/archives/2027914-3.html
『週刊モーニング』で、『島耕作』シリーズの最新作版『島耕作の事件簿』がスタートした。課長編の設定で、怪事件に巻き込まれ追われる身になった島耕作を描いたものだという。原作は樹林伸が担当し、元々の著者である弘兼憲史は作画を担当する。

ファンとしては読まざるを得ないのだが、一抹の不安と違和感があり、まだ読んでいない。そして、『島耕作』シリーズに対する想いはますます複雑になってしまった。

改めて『島耕作』シリーズのパワーはまだまだ健在だと感じた次第だ。番外編やコラボ作品によりファン層を広げようという意図を感じた。小学館の『ドラえもん』、ダイヤモンド社のドラッカーは麻雀のドラを超えるWドラとして出版界に君臨しているが、同様に講談社にとって『島耕作』シリーズはキャラパワーの強い大事なキャラクターであることを再確認した。

一方、ファンとしては、ここは苦言を呈さなければならない部分でもある。ここ数年、ずっと私が感じていることなのだが、弘兼憲史氏も、講談社も、『島耕作』シリーズを安売りしていないか。いや、前述したようにこれらの新しい取り組みはファンサービスでもあり、キャラクターや作品を長生きさせるための施策であるとも捉えることはできる。実際、外伝的に始まったヤングシリーズは楽しむことができた。番外編的な作品も一通り持っている。

しかし、今、必要なのは、『島耕作』の直系シリーズである『会長島耕作』のテコ入れではないだろうか。この会長編では、社長を退任したあとの島耕作が描かれている。会長ならではの業界・企業の中長期戦略、財界活動などを描いている。一時はビジネス雑誌の漫画版のように感じてしまったが、最新刊などはなかなか面白い展開になっている。

ただ、まだまだ中高年の働き方、生き方の提案、問題提起は不十分だ。『定年後』(楠木新 中央公論新社)や『下流老人』(藤田孝典 朝日新聞出版)がベストセラーになるなど、老後の不安は国民の間で根強くある。人生100年時代という言葉もバズワード化している。政府や経済団体もシニアにキャリアに関して真剣に検討する時代である。ここで、一つ強い提案をするのが弘兼憲史と島耕作の仕事ではないか。弘兼憲史のシニア本は売れているようだが。

これは、島耕作への誤解をとき、作品をさらに輝かせるための行為でもある。シリーズ全作品を読んだが、よくある島耕作は女性に助けられてばかりで何もしていないというのは、何も読んでいない人のどうでも良い批判である。大事な意思決定もしてきたし、筋も通してきたではないか。この島耕作と女性というのも、大町久美子と結婚し、高齢化も進んだことから、島耕作の濡れ場は会長編には登場しなくなってきた。ファンの中には濡れ場のない怒りを抱いているものもいるが、今こそ島耕作は女性エピソードだけの作品ではないことを世にアピールするチャンスである。

会長編、学生編のさらなる大ブレークを期待する。島耕作シリーズを心からあいする、耕作員からのエールである。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。

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Wed, 23 Aug 2017 12:00:40 +0000 Wed, 23 Aug 2017 12:00:40 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027913-2.html 「保守」のポジションがあいている http://agora-web.jp/archives/2027913-2.html 民進党の代表選挙は盛り上がらないが、意外に大事である。今の情勢では前原氏が当選すると思われるが、民進党の94議席という勢力は中途半端で、選挙協力なしには生き残れない。民進党というのは過渡的な政党で、いずれ再編されるだろう。新しい代表は、その要になる可能性がある。

今の与野党のポジションを「大きな政府/小さな政府」と「改憲/護憲」という2軸で分類すると、図のような感じだ。小池百合子氏は石破氏に近いと思われるが、政策はよくわからない。枝野氏は問題外である。

小泉政権の位置づけには異論があるだろうが、彼は憲法改正を提案していない。保守合同以来、改正を提案したのは安倍首相が初めてである。岸田氏に代表される自民ハト派は池田勇人以来、憲法を改正しないで「解釈改憲」でやってきた。

この図を見ると一目瞭然なのは、ほとんどの政治家が「大きな政府」に固まっていることだ。世界的な「大きな政府か小さな政府か」という基準でみると、異常な政府債務を抱えながら財政拡大と量的緩和を続ける安倍首相は「超リベラル」であり、世界標準の「保守」に相当する政党が日本にはほとんどない。

これは珍しい現象で、どこの国でも財政負担を増やす政党はリベラルに好かれ、保守層にきらわれるが、日本では巨額の国債発行というバッファができたので、全政党がリベラルになってしまった。しいていえば石破氏と維新がやや財政タカ派だが、維新は今のままでは生き残れない。

だから政界再編は避けられない。「前原=小池=自民非主流」が連合すると200議席ぐらい行く可能性があるが、自民党が分裂する兆しはないので、「前原=小池=維新」では150議席がせいぜいだろう。しかし遅くとも来年中にある総選挙に向けて、選挙協力の圧力が強まる。

これまでの経験則では政権交代が起こるのは、1990年のバブル崩壊や2008年のリーマンショックなどの経済危機の後だから、景気がいいと大した変化はないだろう。だが官製バブルがそう長く続くとも思えないので、日銀の出口戦略が政局に影響を及ぼす可能性もある。

1998年の信用不安のあと登場した小泉内閣は、唯一の「小さな政府」をめざす政権だった。1993年の細川内閣でも小沢一郎氏は消費税を7%に増税しようとしたが、失敗した。保守のポジションが大きくあいているので、経済が悪化すると情勢は変化するかもしれない。

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Wed, 23 Aug 2017 11:00:51 +0000 Wed, 23 Aug 2017 11:00:51 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027908.html http://agora-web.jp/archives/2027904-3.html http://agora-web.jp/archives/2027899.html http://agora-web.jp/archives/2027887-3.html
http://agora-web.jp/archives/2027912.html 時間は誰の味方か http://agora-web.jp/archives/2027912.html 60代に入ると時間の過ぎ行くのが驚くほど速い、ということをよく聞く。あのアインシュタインが明らかにしたように、重力は空間と光を曲げ、時間を遅らせる。また、「あなたの24時間」と「私の24時間」ではまったく異なっている。早く過ぎ去った1日か、時間が止まったように感じる日か、その時間の濃淡は人それぞれ違い、異なった印象を残していく。

▲当方の仕事部屋から見えるウィ―ンの朝明け風景(2017年8月、撮影)

▲当方の仕事部屋から見えるウィ―ンの朝明け風景(2017年8月、撮影)

ところで、時間は果たして誰の味方だろうか。嫌なことがあった場合、慌てずに時間が過ぎていくのを待てばいい、と聞いたことがある。それは偽りではなく、多くは事実だろう。当方自身、体の痛みが時間の経過と共にいつの間にか治癒されていった、ということを何度も体験している。時間は痛みを治癒する力を有している。逆にいえば、ある一定の時間が過ぎない限り、癒されないということにもなる。喧嘩別れした2人が再び理解し合うためにはやはり時間が必要だろう。人は落ち着いて考え、再考し、悔い改めたりできる時間を必要とする。

一方、時間の経過が問題を一層、先鋭化することがある。北朝鮮の核開発問題はその典型的な例だろう。国際社会が看過し、米国が「戦略的忍耐」(オバマ前米大統領)をしていた時、北は核開発を急速に進め、核の小型化にも成功したといわれる。時間は北の核開発問題では平壌の味方をしているわけだ。

国際社会は制裁を実施し続ければ時間の経過と共に、北は脆弱になり、最終的には崩壊するだろうと漠然と考えてきたが、事実は逆になっている。北は核搭載可能な大陸間弾道ミサイルを開発してきた。北の核問題は政権の交代か、何らかのラジカルなチェンジがない限り、もはや解決できない段階にまで来ている。

逆に、時間は紛争勢力間に和解を促進するケースもある。最近では、コロンビアの内戦だろう。多くの犠牲と戦い疲れということもあるが、時間は紛争勢力に和解のチャンスを提供している。

時間はまた、隠されてきた問題を表面化させる。「覆い隠されているもので、現れてこないものはなく、隠されているもので、知られてこないものはない」と新約聖書「ルカによる福音書」12章に記述されているが、不正や腐敗が時間の経過と共に表面化し、暴露されていくケースは日常生活でも見られることだ。
人は最後まで隠し事を秘めることができない。秘密を墓場まで持っていける人は稀で、隠し事があればそれを告白し、許しを求めようとするものだ。

時間の効用は別として、時間が物事や人間の精神生活に大きな影響を及ぼしていることは間違いない。時間は絶対ではなく、相対的だ。何億光年先の宇宙の時間と地球上の時間とは違う。時間の経過も非常に主観的だ。腕時計で標準時間を決めることで、人々は時間の経過に伴う混乱を避けてきたのかもしれない。

ビックバーンで宇宙に質量が生まれ、その空間は急速に膨張していった。宇宙のインフレーション理論だ。私が今見ているものは宇宙創造当初の現象かもしれない。宇宙創造時の質量が私の体の中を突き抜けていったかもしれない。

時間は1日24時間、1年365日、全ての人に等しく与えられていると考えられてきたが、実際は、1日30時間、1年を500日の周期で生きている人間がいる一方、短い周期で人生を過ごしている人もいるだろう。

昔、「時間よ、止まれ!」と叫んだ不思議な少年が活躍したが、時間はやはり動いている。それを良しとして生きていく以外に他の選択肢はない。時間のもつ優しい癒しに自身の痛みを委ね、堂々と生き抜いていきたいものだ。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2017年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

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Wed, 23 Aug 2017 02:30:29 +0000 Wed, 23 Aug 2017 02:30:29 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027913.html 7月の中期ゾーンの国債売買高は2004年以降の最低水準に、ディーラーが大幅縮小 http://agora-web.jp/archives/2027913.html 8月20日に日本証券業協会は7月の公社債投資家別売買高を発表した。公社債投資家別売買状況のデータは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。

公社債投資家別差し引き売買高
注意、マイナスが買い越し
単位・億円
()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別

都市銀行 -799(-1413、-703、1905)
地方銀行 -1825(31、-630、180)
信託銀行 -1902(-664、-2278、685)
農林系金融機関 -2716(-2239、70、-30)
第二地銀協加盟行 -1668(-315、-886、0)
信用金庫 -2920(-475、-880、30)
その他金融機関 -1414(-17、-413、-225)
生保・損保 -2973(-2549、-92、66)
投資信託 136(115、372、-293)
官公庁共済組合 -283(-62、0、0)
事業法人 -515(-16、-4、0)
その他法人 -966(-217、-50、103)
外国人 -7394(353、-411、-7001)
個人 191(1、26、3)
その他 23165(12863、-5406、19687)
債券ディーラー -277(-225、-301、288)

7月の国債の投資家別売買高をみると投資信託、個人、その他を除いて総じて買い越しとなっていた。

都銀は799億円の買い越し。6月は2兆2512億円と大幅買い越しと2年7か月ぶりの水準となっていたが、7月の買越額は大きく減少した。

海外投資家は買い越しではあったものの7394億円の買い越しに止まり、6月の7993億円の買い越しに続いて1兆円を割り込んでいる。期間別にみると海外投資家は昨年10月以来の超長期債の売り越しともなっていた。  7月に入っての債券相場は、ECBの緩和バイアス解除が意識されて10年債利回りは0.105%と日銀の長期金利の誘導目標を試す動きとなった。日銀はこれに対し10年債の0.110%の水準で指し値オペを実施した。これ以降の債券先物はじりじりと戻りを試すような展開となったが、商いそのものは多くはなかった。

下記のデータをみると投資家全体の商いはそれほど落ち込んではいないが、中期ゾーンの国債売買高は35兆円弱となっており、これは証券業協会のデータ(2004年4月)以降では過去最低水準となっている。海外投資家の中期ゾーンの売買減少も影響していたとみられるが、海外投資家による中期ゾーンの7月の売買高は6月に比べて8966億円の減少にすぎなかった。ところが全体では21兆5365億円も前月から減少していた。これを部門別で確認してみたところ、証券会社などの「債券ディーラー」の売買高の落ち込みが反映されていたのである。

投資家全体の売買状況
全体     超長期   長期   中期

1月1996647、303116、412877、588101
2月1958526、340593、481039、496524
3月2041609、385293、472883、558183
4月1914346、373287、391855、488680
5月1707093、320073、345208、435486
6月2124250、448132、436196、565359
7月1741728、379807、439950、349994

海外投資家の売買状況(マイナスは買い越し)
差し引き売買高、(超長期、長期、中期)、国債売買高、うち中期

2016年
4月-36565(328、-9142、-27271)、294983、62513
5月-16775(1347、-6186、-10933)、246889、34315
6月-36565(328、-9142、-27271)、344055、65055
7月-16693(1860、-4453、-13200)、275366、61036
8月-16838(-1108、-5390、-9702)、302397、65718
9月-27674(-3320、-4283、-19310)、380542、102124
10月-5717(1051、-5636、166)、264616、62534
11月-11672(2275、-2448、-10674)、302551、48912
12月-26198(-970、2054、-26261)、317612、57609

2017年

1月-23784(-1153、-504、-19500)、294839、61994
2月-11210(-2687、3009、-10323)、292813、51127
3月-17190(-4603、1222、-12886)、312730、58810
4月-21075(-3562、-4623、-11957)、321272、43951
5月-19887(-803、-6541、-11738)、269888、47170
6月-7993(-3809、557、-3745)、286134、45447
7月-7394(353、-411、-7001)、254981、36481


編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2017年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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Wed, 23 Aug 2017 02:30:20 +0000 Wed, 23 Aug 2017 02:30:20 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027911.html 英国のEU離脱は英国の歴史に残る3番目の悲劇となるであろう http://agora-web.jp/archives/2027911.html

elconfidencial.comより引用

英国の政治アナリストや専門家の間では英国の近年250年の歴史の中でBrexitが第3番目の悲劇になることを懸念しているという。Brexitの前の二つの悲劇とはアメリカの独立で北米を失ったことと、スエズ危機で英国はフランスと一緒にスエズ運河の利権を失ったことである。

スエズ運河については、エジプトの当時のナセル大統領がスエズ運河を国有化したことに対し、英国の当時首相のイーデンはフランスとイスラエルの協力を得てエジプトを攻撃した。イーデンはソ連はハンガリー動乱を抱えており、米国は大統領選挙戦中ということで、両国からの干渉はないと判断していたようである。処が、米ソは国連を介して英国に制裁に科す可能性のあることを示唆。そして、国連の緊急総会で停戦要求が決議されて、英国はスエズ運河を失うことになった。結局、イーデン首相の読みの甘さがあった。

Brexitもキャメロン前首相は国民投票でBrexit敗北を確実視していた。処が、投票が間近になってBrexitの勝利が濃厚になった時点で、キャメロンはそれを覆すように努めたが、時既に遅しであった。また、彼の跡を継いだメイ首相は、EUとの離脱交渉に臨むにあたって保守党内で自らの首相としての地位を確固たるものにしようと望んで、保守党有利の選挙予測を鵜呑みにして必要でなかった総選挙に踏み切った。その結果は惨憺たるもので、保守党は過半数の議席を失うという結果となった。弱体化した保守党政権がEUとの交渉に臨まねばならなくなったのである。キャメロンとメイのイーデンと同じく読みの甘さであった。

Brexitが英国に悲劇をもたらす兆候はすでに表面化している。ポンドはユーロの前に既に16%下落している。GDPは昨年比0.2%後退。自動車の販売は2016年半ばから10%の減少。クレジット・カードの負債は10%上昇。大手銀行はヨーロッパ大陸への移転の為の具体的な検討に入っている。HSBCは本社をパリに移し、バークレーはダブリンに移転させることになっている。

ドイツの経済紙「Handelsblatt」の編集長ガボール・ステインガートは英国のインフレ上昇率に比べ昇給率は少なく、多くの英国人の実質給与の減少を意味するようになっていると指摘。「これは、Brexit推進者が公約していたこととは全く反対の結果になっている」と述べた(出典:elconfidencial.com)。

EUのリスボン条約の作成にも参加した経験をもつジョン・カー卿は現在スコットランドの60人から成るグループのリーダーとして英国政府にBrexitの交渉を中断するように忠言している。その彼が指摘しているのはEUから離脱することは悲劇的結果をもたらすことになるというということである。

また同氏は「民主政治では熟考して当初とは異なった選択をすることはいつも許されている。Brexit について再考が必要である」と指摘し、元防衛相のジョージ・ロバートソンを含め企業経営者やNGO運営者らと連名で「この進展を中断させて、新たな視点から英国全土で議論されることが必要である」と綴った公開状を披露した。(出典:elconfidencial.com

この公開状が公にされた時は、保守党内でも財務相のフィリップ・ハモンドが経済的ダメージをできるだけ少なくすべきだとして、単一市場との接点を継続するSoft Brexitを示唆した時と重なった。その時点ではまだ保守党内ではメイ首相を始め、Hard Brexitを主張する議員が主流を占めていたのである。

その様な中で、「The Independent」が7月25日付で2010-2014年にEU議会の英国代表だったステーブ・ブロックが「Brexitは誰もが想像する以上に厳しい結果をもたらすようになる」と述べて同紙に寄稿した内容を報じた。

同様に再考が必要とされているのは英国がBrexitに伴い、欧州原子力共同体(Euratom)からの離脱も含むとされていることである。それは英国の原子力産業の進展にマイナス影響する可能性があり、またアイソトープ治療にも支障をきたすようになると指摘されている。(出典:elconfidencial.com

同様にBrexitが大学にもマイナス影響をもたらす可能性があるとしているDeloitte LLPの調査がある。それによると、EU加盟国の出身者で英国の大学で研究活動をしているプロフェッサーの47%が英国を離れる意向を持っているというのである。即ち、それは能力あるプロフェッサーを英国は失う可能性があるということを意味することになる。また、英国の大学で研究活動をしたいと望む研究生の数がこの僅か13カ月で14%減少したという調査結果も出ているそうだ。

英国で教授の学位取得に励んでいる研究生の半分は外人であるが、Brexitが決定してから2018年度の研究希望者が40%減少したそうだ。

英国はこれまでEU28か国の中で教育資金として最も高額の40億ポンド(5840億円)を受領して来た。また、学術論文においてもEUの中の4分の1が英国で発表されていたとしている。

仮に英国がEUから離脱すれば、大学教育においてもこれらの数字が示すように、マイナス影響をもたらすことは自明である。

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Wed, 23 Aug 2017 02:30:16 +0000 Wed, 23 Aug 2017 02:30:16 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027909.html 「日報」問題の真相、今こそ冷静に教訓を --- 織田 邦男 http://agora-web.jp/archives/2027909.html

南スーダン派遣部隊の日報問題が浮上する5か月前に現地を視察した稲田防衛相(16年10月当時、防衛省サイトより:編集部)。

世間では「日報問題」はもう忘れ去られたかのようだ。だが、「日報問題」は多くの本質的問題点が内在している。「空騒ぎ」が収まった今こそ、冷静に振り返って今後の資としなければならない。何が問題で、何を是正すべきなのか。

日報は「歴史的一次資料」:甘かった公文書管理への認識

先ず2011年施行の「公文書管理法」に関する認識の甘さは、陸自は責めを負わねばならない。この法律は「公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」であり、「適切な保存及び利用等を図り」、「現在及び将来の国民に説明する責務が全う」することを目的とする。従って行政機関で作成され、「組織的に用いる」文書はすべからく公文書となる。盲点は、個人パソコンに保存される電子データも含まれることである。

筆者はイラク派遣航空部隊指揮官を2年8か月務め、日報を受ける立場にあった。日報の目的は二つある。一つは指揮官の指揮を適切にすることであり、もう一つは作戦の教訓をまとめることである。

指揮官は日報から現場状況を掌握し、次なる作戦構想を練る。当然、司令部組織を挙げての検討となるため、幕僚も日報データを共有する必要がある。

教訓の取りまとめも重要な作業である。全作戦終了後、直ちに教訓が取りまとめられ、次なる作戦の資とされる。日報は言わば「戦闘速報」であり、それらがまとめられて「戦闘詳報」となり、そしてやがては「戦史」となる。従って日報は貴重な歴史的一次資料と言える。このため研究本部など、教訓を取りまとめる担当部署にも日報データは当然保管される。

筆者が現役の時(~2009年)は、公文書管理法は施行されておらず、パソコン内の電子データは個人データとして扱っていた。だが、2011年以降、個人パソコン内の「組織共有制」がある電子データは公文書として位置付けられた。従って原本が破棄されても、個人パソコン内に電子データとして残っている限り、当該データも公文書となり情報公開請求の対象となる。

陸自システムの共有ホルダーにある日報は4万人の隊員が閲覧できる状態だったという(3月下旬に閲覧者を制限)。4万人もの隊員がダウンロードしたとすると、原本破棄後も、どこかに残っていることは容易に想像できる。

情報公開制度への理解不足も真摯に反省せねばなるまい。防衛省が開示請求を受理した後、即応集団(以下「CRF」)副司令官は、日報が該当文書から外れることが望ましいとして、日報が除かれた複数の該当文書を陸幕に送信した。理由として副司令官は「部隊情報保全」「開示請求の増加を懸念」を挙げている。これを受け、防衛省は日報を除いた複数の該当文書を部分開示することを決定している。

半月後、防衛省は再び日報に係る開示請求を受理したが、CRFは上記同様の対応をとるとして、既に「破棄され不存在」との結果を提出した。この時、個人パソコンまで調査せず、早々に「破棄され不存在」と結論を出したのは早計であった。後に電子データとして残っていることが判明し、虚偽の対応と厳しく糾弾された。

認識の甘さと対応の不手際は真摯に反省すればいい。ここで吟味すべき点は、日報を外そうとした理由の「部隊情報保全」「開示請求の増加を懸念」である。

日報の本質を踏まえた情報公開対応を

現在の情報公開法では、秘密文書であっても、それを理由に不開示とすることはできない。軍事作戦に係る文書に対して、それを適用する是非はさておくとして、その都度開示、不開示を判断し、秘密保全上問題があれば、不開示として黒く塗りつぶして(「のり弁」状態)、部分開示するのが原則である。「開示請求の増加を懸念」との理由については、今回実情を知らないメディアは無視したが、実情を知る者にとっては大いに同情するし、改善の余地があると考える。

日報は毎日、約70ページに及ぶ。1週間分でも約500ページにもなる。日報が開示請求されると、「不開示情報の妥当性」に照らし、どこを開示し、どこを不開示にするかという作業が開始される。この作業量は膨大なものであり、しかもその調整は陸幕情報公開室、陸幕担当課、CRF、そして内局と多岐にわたる。その労力たるや大変なものである。

他方、部隊にはその作業に当たる要員は数名しかいない。ただでさえ多忙なのに、情報公開の作業で忙殺されれば、本業が疎かになり本末転倒だと副司令官が危惧したとしても不思議ではない。本来ならば、作業量が増大すれば、CRF内に情報公開のための要員を増員してやるべきだ。だが、現下の予算状況ではそこまで配慮がなされることはまずない。

現行法制下では国民の情報公開請求を制限することはできない。安全保障への関心の高まりを受け、今回のような情報開示請求が雨後のタケノコのように為されたら、部隊は本来の活動より、そちらに忙殺されることになりかねない。まさに本末転倒である。

そもそも軍事作戦に係る報告文章を一般官庁と同様の行政文書に位置付けていいのだろうか。先ずはこの是非を政府部内で議論することが必要だろう。先述のように、日報はいわば「戦闘速報」である。「戦闘速報」を一般行政文書と位置づけ、逐一情報公開の対象にしている国は、おそらく日本だけだろう。

日報や戦闘速報は一次資料であり、歴史的にも重要な資料である。であるからこそ、欧米諸国では、逐一「のり弁」にして部分開示するのではなく、永久保存とした上で30~50年後に完全開示するようにしている。今回、対応策として日報の保存期間を10年にしたと聞くが、本質を糊塗した安易な幕引きではないだろうか。

世界のPKOの趨勢から取り残される日本

特別防衛監察結果には記述されていないが、もう一つの重要なポイントがある。事の発端は、日報にある「戦闘」の2文字である。

自衛隊の国連平和維持活動への参加については、紛争当事者間で停戦合意なされていることが大前提である。陸自が派遣されていた南スーダンについては、政府軍と反政府勢力の衝突が相次ぎ、停戦合意は崩れているのではとの指摘があった。稲田朋美防衛大臣は、派遣継続の正当性を主張するため、日報にある「戦闘」の文言は避け、「武力衝突」と言い換えて国会で答弁している。CRF副司令官は、こういった政治状況を忖度して、「戦闘」の文字がある日報を開示情報から外そうとしたのではないか。そこには、日本の国連平和維持活動(PKO)に関する重要な問題点が突き付けられている。

国連平和維持活動は「停戦監視、兵力の引き離し」といった伝統的な「第一世代の平和維持活動」から、現在は内戦型紛争に対する「第二世代の平和維持活動」に移行している。民族差別、宗教対立などによる虐殺、民族浄化が多発し、住民保護のための武器使用を含めた積極的関与が基本的方向性である。更には中立性は不要という国連の方針が定着しつつあり、力の行使のための交戦規定(ROE)の明確化や国連部隊の自衛力の向上といったリアリズムが導入された「第三世代の平和維持活動」に移行しつつある。

国連平和維持活動が大きく変容しつつある今日、日本だけが、「武力衝突」か「戦闘」か、といった「言葉遊び」を余儀なくされる「PKO参加5原則」に固執していいのか。今後、第三世代の国連平和維持活動に参加するのか、できないとしたら日本は今後「積極的平和主義」の看板を下ろし、国連活動には一切参加しないのか、あるいは「5原則」は変えてでも参加するのか、まさにこういう核心的な問いが突き付けられているのだ。

「戦場のIT化」への教訓とせよ

日報を受ける立場にあった元指揮官として、もう一点付け加えたい。繰り返すが日報の目的は、指揮官の指揮を適切にし、教訓を導き出すためのものである。日報を書く担当者は現場の隊員である。彼らには必ずしも政治状況が完璧に把握できているとは限らない。「戦闘」と書けばPKO5原則に抵触するから「武力衝突」と書くべきだなどということに考えが及ばないのが普通である。

多忙を極める現場に対し、いちいち六法全書を片手に、政治を忖度しながら日報を書くようなことを要求してはならない。「言葉遊び」は、指揮官が状況を把握する上で全く必要はない。そこまで求めると、現場部隊は委縮し、事なかれ主義に走り、微妙な事象については報告を上げて来なくなる可能性がある。そうなれば指揮官に実情が伝わらなくなり、指揮官の指揮を誤らせることにもなりかねない。日報は政治の論争に使うべきものではない。それは「目的外使用」であることを政治家は理解すべきだ。

今回の事案は、IT時代に直面する宿命的課題が顕在化したということも指摘しておきたい。なるほど、イントラネットで情報共有は容易になった。だが軍事組織で、誰が情報を共有しているかもわからないような事態はあってはならない。また文書破棄を命じても徹底できないというような不具合を生じさせてはならない。この騒動を糧として、文書管理のみならず広く戦場のIT化に対応すべく、システムを再構築し、各種規則を整備していくことが求められる。

最後に陸自の名誉の為に一言付け加えておきたい。日報問題が大騒動になったのは、公文書管理法、情報公開法に対する認識不足もさることながら、1月以降の防衛省の対応の不手際が大きい。電子データが残っていた事実を陸幕長が内局に報告したのに対し、その事実を防衛大臣に報告するのかどうか、国会やメディアへの説明ぶりは、などといった対外説明要領の不手際である。これは純粋に内局官僚の役割であり、陸自に責任はない。

日報問題で防衛省は大きな痛手を被った。だが同時に軍事組織であり行政組織でもある防衛省、自衛隊に内在する本質的な問題点を浮き彫りにした。ピンチはチャンスである。安易な幕引きではなく、顕在化した問題の本質を真正面に見据え、合理的な解決策を導き出すことが求められている。


織田 邦男   元空将
1974年、防衛大学校卒業、航空自衛隊に入隊。戦闘機パイロット、米空軍大学留学、第301飛行隊長、米スタンフォード大学客員研究員、第6航空団司令などを経て、2005年に空将。06年に航空支援集団司令官(イラク派遣航空部指揮官)に着任し、09年に航空自衛隊を退職。16年には『JB Press』で、中国軍機が東シナ海上空で空自機に対し、「攻撃動作」を仕掛けてきた事実をいち早く指摘するなど、その執筆活動が注目を集めている。

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Tue, 22 Aug 2017 21:30:54 +0000 Tue, 22 Aug 2017 21:30:54 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027797.html 書評:子どもの脳を傷つける親たち http://agora-web.jp/archives/2027797.html 友田明美『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版新書)が刊行された。友田氏は脳科学の専門家で、親による不適切なかかわりで子どもの脳がどう変形するか長い間調べてきた。

叩けば跡が残るというように、身体的虐待は外部に痕跡が残る。それでは言葉による虐待はどんな痕跡が残るのだろう。「心が傷つく」というが、身体のどの部位が傷つくのだろう。友田氏たちが見つけたのは、脳に痕跡が残るということである。

厳格な体罰を経験した子どもたちは、脳の前頭前野で感情をコントロールし行動を抑制する部分の容積が他の子どもに比べて小さい。性的に不適切な取り扱いを受けた子どもは視覚野が委縮する。暴言によって聴覚野が肥大する。子どもはストレスを回避しようとし、その結果、脳が変形していくのである。

そのような子どもたちも適切に治療することで脳が回復するという。脳は再生しないと考えられてきたが、近年、再生回復の可能性が見出されてきた。これに着目して支持的精神療法・暴露療法・遊戯療法など様々な療法が開発されつつある。子どもが養育者との間に持つ強い結びつきを愛着と呼び、虐待を受けてきた子どもたちには愛着障害がある。愛着の再形成を促すのが治療の根本である。「私のそばにいるこの人は安心できる存在だ」と思えるように子どもを導いていくのが大切である。

そのために、友田氏は養育者が変わる必要性を強調し、養育者に対する支援を訴える。子育てに奮闘する人を支え子どもの成長を多くの関係者が見守ることの重要性を訴える。このようにして子どもを取り巻く環境を改善していくことが、脳を傷つけられる子どもを減らす最良の策だというのが友田氏の主張である。

友田氏は医師として診察と研究に関わりながら、二人の子どもを育ててきた。その間には子どもを叩くこともあったと本書の中で正直に告白している。そんな「完璧な母親」ではない友田氏が訴える養育者支援の重要性には説得力がある。養育者支援として社会は、また、地域は何をすべきか具体策の提言を期待したい。

タイトルからも内容からも、このままでは本書がベストセラーになる可能性は低い。しかし、子育て中の養育者、初等中等教育の教員、児童福祉行政の関係者など多くの人々に一読してほしい良書である。

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Tue, 22 Aug 2017 21:30:19 +0000 Tue, 22 Aug 2017 21:30:19 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027914-3.html http://agora-web.jp/archives/2027902.html http://agora-web.jp/archives/2027880.html http://agora-web.jp/archives/2027861.html http://agora-web.jp/archives/2027831.html
http://agora-web.jp/archives/2027906.html 民法(財産法)はシンプルな構造だ http://agora-web.jp/archives/2027906.html

民法は1000以上の条文があり、各種資格試験での鬼門となっているようです。そこで、今回は鬼門である民法の財産法の構造について書いてみようと思います。

まず、民法の構造に登場するのは「主体」と「客体」の2つだけです。
「主体」は自然人と法人の二種類で、いわゆる権利能力を持ったものを指します。未成年者や被後見人などの論点は「主体」の問題です。

「客体」は、有体物である「物」です。知財等は民法上の「客体」ではありません。
そこで、「主体」をAとBの二者として、「客体」を不動産Xとして登場させるだけで、民法(財産法)の大まかな構造をご説明します。AとBは同じ「主体」同士なので同列の横の関係です。それに対し、Xは「客体」なので「主体」の下にある縦の関係です。

具体的に考えてみましょう。
Aという「主体」がXという不動産を所有しているとすれば、Aの下にXが位置し、Aは所有権の「主体」、Xは所有権の「客体」ということになります。縦の関係は所有権だけではありません。占有権などもあります。この縦の関係を規定しているのが民法の「物件」「担保物件」という分野です。

つまり、客体である「物」に対して「主体」が持っている権利関係を規定したのが、「物件」や「担保物件」という分野なのです。

ですから、「客体」である不動産Xに対して、「主体」Aが所有権を持ち、別の「主体」Bが抵当権を持つということも往々にしてあることです。重要な事は、いずれの場合も「主体」と「客体」は縦の関係だということです。

次に、「主体」同士の関係、つまりAとBとの横の関係を規定しているのが、民法の「債権」という分野です。今般、改正法が成立したのはこの部分です。

債権の発生原因は、たった4種類しかありません。
「ウソー!」と思った方は、民法の目次の「第三編 債権」を確認してみて下さい。
「第二章 契約」「第三章 事務管理」「第四章 不当利得」「第五章 不法行為」だけしかないでしょう。

この4種類のうち、実社会での債権の発生原因のほとんどは契約です。交通事故や名誉毀損のように、不法行為もままありますが、事務管理や不当利得は極めて少数です。「主体」であるBが、同じ「主体」であるAにお金を貸すと、AB間に「金銭消費貸借契約」が成立します。

返してもらえるかどうか不安なBが、Aの所有土地であるXに抵当権を設定すると、Bは「客体」Xに抵当権という担保物件を取得します。

ということで、AB間には「契約」という債権関係が発生し、AはXに所有権を、BはXに抵当権という「物件」を取得することになるのです。

「主体」がもっとたくさん登場しようが、「客体」が動産になろうが、この縦横の関係は全て同じです。債権の発生原因もたったの4つです。

民法をかじったことのある人にとっては、このシンプルな構造は容易にご理解いただけると思います。「イマイチ理解できない」という場合は、様々な事例を縦横関係で図示すれば得心いただけるはずです。
民法なんて初めて知った、という人にとっては何が何やらわからなかったかもしれません。

とりあえず、今般民法債権法の改正が成立したということで、民法(財産法)のシンプルな全体構造をご説明した次第です。


編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 21:00:58 +0000 Tue, 22 Aug 2017 21:00:58 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027908.html 茨城県知事選:中央のごり押しはマイナス? http://agora-web.jp/archives/2027908.html

茨城県サイトより(編集部)

自民党や公明党があれだけシャカリキになって運動しているのだから現職知事の陣営もさぞ苦しいだろうな、と思って最近の世論調査を見ているのだが、案外健闘しているようである。

自民党の閣僚や都本部の幹部が次々と茨城県入りをしているようで、如何に自民党がこの知事選挙に力を入れているのかがよく伝わってくるのだが、私が見ている限り自民党の看板がそろそろ邪魔になってきているようである。

自民党の人気がどんどん上向きになっている時は自民党の推薦というブランドが大変な効果を発揮するのだが、やはり自民党ブランドが通用するのは一部の地域だけで、全体としてはあまり芳しくないようだ。

自民党の皆さんが思っているほどには、自民党の推薦は効果を挙げていない。
自民党推薦候補者の方には自民党支持者の5割程度が流れているだけで、自民党支持層の4割は現職知事を支持しているようだという世論調査の結果を見れば、自民党の推薦には殆ど意味がない、ということになってしまう。

無党派層の4割は現職知事を支持し、自民党推薦候補の側には無党派層の2割しか流れていない、という事実は極めて重要である。

自民党推薦候補の勝利の鍵は無党派層が握っている。
せめて無党派層の3割が支持するようでないと自民党の候補者は勝てない、というのが私が6回の国政選挙を通じて体得した選挙勝利の定理だが、今のままだと現職知事の勝利に終わるだろう。

自民党が表に出過ぎると無党派層の方々の支持が遠のく、という関係にあるのかも知れない。

茨城県は案外、骨っぽい人が多いのかも知れない。
中央の人が表に出てきてやいのやいの騒ぎ立てると、反って反発を買ってしまうようなところがあるのではなかろうか。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 21:00:50 +0000 Tue, 22 Aug 2017 21:00:50 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027933.html http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html
http://agora-web.jp/archives/2027907.html トランプノミクスの一つ、規制緩和は静かに進行中 http://agora-web.jp/archives/2027907.html

トランプノミクスという言葉が懐かしいこの頃、第45代大統領は8月7日に就任200日を迎えました。

選挙公約にあった医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃・代替案の移行は失敗し、トランプノミクスを担う税制改革やインフラ投資の行方も不透明。米株も内需株で占めるラッセル2000の年初来リターンがマイナスに転じるなど、トランプ・ラリーも遂に息切れしたように見えます。

企業の間でも、トランプノミクスへの期待は剥落しているかのようです。ファクトセットによると、S&P500構成企業のうち米4~6月期決算発表のカンファレンス・コールで“トランプ”、“政権”と言及した企業は全体の12%に過ぎません。米大統領選直後にあたる2016年10~12月期時点の49%から急減してしまったのです。

政策別でも、ご覧のような結果となりました。

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(作成:My Big Apple NY)

とはいえトランプ政権下、1月20日以降の法案成立数は就任200日時点で44本とレーガン以降の大統領1期目平均の47本とさほど変わらないのです。このうち3割に相当する14本は、オバマ前政権が発表した規則の発効を阻止したものでした。共和党の努力の賜物で、共和党が両院の過半数を獲得していた1996年に成立した議会審査法を活用しています。同法によると、管轄当局が新規則を公布してから一定期間以内に議会上下両院が過半数で合同決議が可決すれば、大統領が拒否権を行使しない限り発効を阻止できるのですよ。オバマ前政権の遺産を葬る期限は4月末までだったところ、共和党が実績作りの一環として新規性の成立にブレーキを掛けたといえます。導入が見送られた規制一覧は、こちらをご覧下さい。

もちろん、大統領も規制の発効を阻止する手段を有しています。2月24日に署名した大統領令で各省庁に見直しを求めタスクフォースの設置を命じました。さらに、大統領直属機関で予算策定のほか経済的評価を担当する行政管理予算局傘下の情報・規制問題室(OIRA)は7月、2016年秋時点で検討段階にある規則のうち469件の取り下げ、391件の再評価の実施を発表しています。トランプ政権と共和党議会は、静かにそして着実に規制緩和を推進していたのですね。だからこそ、規制改革担当の特別顧問だったアイカーン氏がOIRA室長に就任するラオ氏に遠慮したとも言えるのでしょう・・・少なくとも建前上は。

(カバー写真:Brandon Warren/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年8月22日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 21:00:34 +0000 Tue, 22 Aug 2017 21:00:34 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027905.html 上司の言葉の暴力を“バラ色”にかえて乗り切る方法 http://agora-web.jp/archives/2027905.html

写真はコーピング実践中の堀北氏(NHKスペシャル/キラーストレスより)。

厚労省によれば、2016年に自殺した人は、21,897人となり、22年ぶりに22,000人を下回った。年代別で見ると、15~39歳の死因第1位は「自殺」である。従来から、若者の自殺率の高さは指摘されていた。しかし、調査結果からは、若者の自殺以外に、中高年(40~50代男性)の自殺も顕著であることがわかった。

大手家電メーカーのお客様相談室クレーム対応係だった堀北祐司(以下、堀北氏)が、ストレスによる、うつ病を発症したのは29歳のときだった。「責任者を呼べ!」「おい、これ不良品じゃないのか!」。時には何時間にもわたって罵倒され続けたこともあった。そんな仕事を4年間続けた頃、体に異変があらわれた。

本記事に使用している写真は、掘北氏が、NHKスペシャルシリーズ「キラーストレス」に出演した際のものになる。心と体をむしばむストレスを“キラーストレス”と名付け、最先端の知見で明らかにしていく内容である。この番組が起因となり、「コーピング」「マインドフルネス」のブームを引き起こしたともいわれている。

「大木を抱きしめる」と心が解き放たれる

「ストレスを感じたとき」「精神的に疲れたとき」の対処は非常に重要だ。無理に気張るとかえって逆効果というケースも少なくない。

「急いで元気になろうとするより、マイナスまで落ちた気持ちをいったん『フラットな状態』に戻すのが、よいかと思うのです。ストレスという鎧を脱いでいくような、固まった氷をじっくり溶かすような感じがいいと思います。私の鎧を脱ぐ方法の一つは『大木を抱きに行く』ことです。」(堀北氏)

「この『大木を抱く』という方法は、ある企業の創業者が、ご自身の講演でいわれていたものです。屋久島の大木を月に1回、抱きしめてエネルギーチャージをするそうです。この経営者は、行動力のあるバイタリティあふれる人物です。このような人でも、『心の調整』が必要なのかと驚きました。」(同)

その経営者は、どんなに多忙でも、「大木を抱きに行く予定」を真っ先に手帳に書き入れるようだ。それからでないと他の予定は入れない。非常に徹底している。

「さすがに屋久島まで行くのは大変ですね。私は、和歌山県の高野山の大木で試しました。高野山は、平安時代のはじめ、弘法大師・空海によって開かれた修行場です。院参道の周辺には荘厳な雰囲気を感じます。この大木の下に入ると、体ごと包み込まれるようななんともいえないような安堵感を感じます。」(堀北氏)

「凝り固まったストレスが溶け出していくような気分です。しかし、高野山も気楽に行けるところではありませんね。そこで、普段は近所の神社や公園にある木で試しています。自分なりの方法を見つけるといいでしょう。」(同)

憂うつな会議をバラ色の時間にする

会議で上司に罵倒された。しかも一方的だ。冗談じゃない。まだ会議中だから反論することも、トイレに逃げ込むこともできない。どうやってストレスを解消するか。

「このようなとき、頭の中は暗い色になります。目から入ってくる情報を意図的に明るくすることで気分がかわります。暗い気分を明るい色に塗りなおすといえばわかりやすいでしょう。女性はこの方法が上手です。顔のメイクでその日の気分をかえたり、ネイルをかえることでストレスを解消する人もいます。」(堀北氏)

「男性は、メイクやネイルというわけにはいきません。そこで、青、ピンク、オレンジ、緑などのカラーペンを使うことで同じ効果を引き出します。上司の説教がはじまったら、カラーペンの登場です。上司の目を見て真剣に話を聞くふりをしながら、カラーペンでメモをとりはじめてください。」(同)

上司は真剣に話を聞いているからなにもいえない。万が一、「なんでお前はカラーペンを使うんだ!」と聞かれたら、「部長が説明されている重要なところは、カラーペンをつかってメモしているんです!」と答えればいい。上司によっては他のメンバーに、「お前らも、重要なところはカラーペンを使うようにな!」といい出すかも知れない。

「『なんで、お前はノルマを達成できないわけ?』『お前マジで死ねよ!』といわれても、文字がピンク色ですからね。なんだか楽しい気分にすらなります。そして気持ちを冷静に落ち着かせればいいのです。憂うつな会議をバラ色にする秘訣です。」(堀北氏)

「ばかばかしく思えるようなことでも、試してみることです。心のチャンネルをかえながら整えていく感じがいいと思います。」(同)

現在、堀北氏は家電メーカーを退職して、自らの体験とそれを克服した経験を元にストレス・マネジメントの研究家として企業サポートを行っている。本書は、ストレス大国ニッポンに生きる人々に警鐘を鳴らす内容といえる。

参考書籍
キラーストレス 心と体をどう守るか』(NHK出版新書)

なお、新刊『007(ダブルオーセブン)に学ぶ仕事術』は、「007ジェームズ・ボンド」が社内の理不尽に立ち向かう想定で書き起こしたマネジメント本になる。社内の理不尽に対してどのように立ち向かい対応するのか、映画シーンなどを引用しながら解説している。

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からお知らせ>
<第7回>アゴラ著者入門セミナー開催(2017年9月12日)のお知らせ
次回は、9月12日(火)夜に開催します。著者セミナー、並びに出版道場へのご関心が高いことから、ご優待キャンペーンとして定額5.000円のところを、今回はキャンペーン価格3,500円でご優待します。お申込みをお待ちしております。
お問い合わせ先 info@agorajp.com

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Tue, 22 Aug 2017 21:00:34 +0000 Tue, 22 Aug 2017 21:00:34 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027928.html http://agora-web.jp/archives/2027886-3.html http://agora-web.jp/archives/2027894.html http://agora-web.jp/archives/2027880.html http://agora-web.jp/archives/2027874.html
http://agora-web.jp/archives/2027903-2.html 【映画評】ギフト 僕がきみに残せるもの http://agora-web.jp/archives/2027903-2.html Gleason [DVD] [Import]

アメリカンフットボールの元選手スティーヴ・グリーソンは、ハリケーン・カトリーナの被害で悲しみに沈む市民に奇跡のプレーで勇気と元気を与えた特別なスーパースターだった。引退した彼は2011年に、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と告知される。その直後に、妻ミシェルの妊娠が判明。やがて生まれてくる息子のために、スティーヴは子どもに残すビデオダイアリーを撮り始める…。

難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症したアメリカンフットボールの元選手スティーヴ・グリーソンのビデオダイアリーを基にしたドキュメンタリー「ギフト 僕がきみに残せるもの」。映画の主な素材は、約4年にわたり撮影した1500時間ものビデオ日記だ。スティーヴ自身が撮影したものと、彼の旧友で介護にも関わった2人の撮影者による映像で構成されているが、スティーヴとその家族のありのままの姿が映し出される。きわめて個人的なビデオ映像が果たして映画になるのだろうかと最初は疑問に思ったが、監督やカメラマン、編集者との確かな信頼関係があるのだろう、このドキュメンタリーは想像以上に興味深く感動的なものに仕上がっている。

ALSのことは「博士と彼女のセオリー」「サヨナラの代わりに」「君がくれたグッドライフ」など、多くの映画で描かれていて、何となく知っているつもりでいたが、本作では病気の進行の過程と、スティーヴや家族、友人ら、周囲の人々の心の揺れの両方が、克明にカメラに収められていて、驚かされる。息子へのビデオメッセージといえば美談のように聞こえるが、妻との喧嘩や心が萎える姿、介護の経済的・物質的・精神的負担、スティーヴが設立した財団の活動と家族と過ごす時間とのバランスなど、映し出されることは生々しく、つらくなることも多かった。同時にそれは、見ている私たちに様々な問いを投げかけるものばかりなのだ。スティーヴ自身が語る「生きるのがつらすぎて“別の選択を”と思ってしまう。それが何よりも怖い」は、あまりにも重い言葉である。絶望や怒りといったむき出しの真実があるからこそ、それでも息子のため家族のために生きると決心したスティーヴの姿に尊敬の念を禁じ得ない。本作は、単なる闘病記録ではない。生きることに挑み続ける姿は、すべての観客への贈り物であり、すべての人間が持つ才能なのだと教えられた。
【65点】
(原題「GLEASON」)
(アメリカ/クレイ・トゥイール監督/スティーヴ・グリーソン、マイク・グリーソン、、他)
(生命力度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年8月22日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Facebookから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 21:00:13 +0000 Tue, 22 Aug 2017 21:00:13 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027904-3.html 舛添時代に五輪日程を変更させたい計画が⁈ http://agora-web.jp/archives/2027904-3.html

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

暑い中でのオリンピック開会式

いやあ、東京は暑い毎日が続き雨模様も続きます。

ところで2020年オリンピック競技大会は7月24日から8月9日まで開かれる予定となっています。年々、熱さが厳しきなっていくように感じる東京において本当にこの期間で大会開催は可能なのか?

このテーマに今日は私が舛添要一さんから聞いていたダイナミックな構想を紹介すると共にまだこの舛添構想も可能かもという希望的観測も込めて記して参ります。(先に言っておきますが、このブログで書く事は私自身初めて公表する事であります。しかしながら、その事が無条件に舛添さんの様々な疑念を持たれた行動を容認するわけではありませんが。)

舛添さんとの秘密の会話

さて、舛添さんが批判の嵐に埋もれていく昨年4月。都内某所で私も打ち合わせがあり帰ろうとしたところでバッタリと舛添さんに遭遇し、そのまま数時間にわたり都政について意見交換をさせて頂いた事がありました。それまでも個別にお話する事は、数度しかありませんでしたが、この時の会合が「舛添都知事」と話す最後の機会になったわけです。

「舛添VS都議会自民党」を乗り越えて

実は自民党は都知事選では舛添さんを推薦し私達も応援して参りましたが、その後の「都市外交」と銘打った度重なる海外出張を誰よりも先に都議会本会議場で指摘して以降、実は決して良い関係とは言えなかったのです。それが最終的に辞任に至る経緯では都議会自民党が擁護していたと報道されるのですから複雑な思いです。

ダイナミックな舛添プラン

話を元に戻しますが、実はこのアメリカ出張前に舛添さんが私に語っていた構想に胸を躍らされました。このアメリカ出張では様々なプログラムが組まれていましたが、私が注目したのはブルームバーグ氏との面会です。ブルームバーグ氏と言えば、通信社ブルームバーグの創立者にしてCEO、世界的な富豪の1人であり東京とは姉妹都市であるニューヨーク市の108代市長でもありました。

この直前にも東京で面会をしており、次に先方の本拠地でお会いする際には突っ込んだ提案してみたいという事だったのです。

欧米を説得したいと意気込んだ舛添さん

舛添さんは2020年大会時の東京の暑さを大変気になさっておりました。巷間言われるように9月や10月は欧米でビッグイベントがあり中々放送枠が確保しづらいという課題があります。でも、舛添さんはこのテーマに正面からぶつかり乗り越えようとしていたのです。そのきっかけとして、全米いや世界的に経済界で影響のあるブルーブバーグ氏に各界著名人の橋渡し役をして頂く事で誰もが不可能だと思っていた事を実現させようとしていたのです。

その時に欧米の放送枠調整になった場合に幾らかかるか分からないが、その際には都知事として日本中の企業に協力をお願いをして全力で日程変更を実現させたいと語っていた姿に私はそういう発想があったかと関心した次第です。

この時は、それ以上の五輪についての話はありませんでしたが、様々な舛添さんならではの視点で東京を語っておられたと記憶しています。

幻になった夢の計画

その後、実際に非難を浴びたアメリカ出張の際にはブルームバーグ氏と面会し中身のある議論をされたとだけ伺っており、その後の大構想がどうなったのかをお聞きする事も無く湯河原別荘問題からあっという間に都知事辞任と至り直接私もお話することはありませんでした。

今は何でも「オープン化」=「正義」のように捉えられるわけですが、実際に舛添さんがこういう事を実現させたくて下準備をしている事をオープンにしていたらスムーズに交渉が進んだとは限りません。オープン化には私も賛成ですが、中にはオープン化する事で公益に反するケースも少なからず存在する事も私達が力強く皆様にお訴えしていかねばならないと考えています。


編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2017年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 08:30:21 +0000 Tue, 22 Aug 2017 08:30:21 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027904.html 憲法を守ったら戦争に巻き込まれないの? http://agora-web.jp/archives/2027904.html

(写真は朝鮮中央通信)

民進党の代表選挙では、前原さんも枝野さんも「安全保障法制は憲法違反の下でつくられた」と言っています。北朝鮮が北海道の近海にミサイルを落とし、グアム近海に向けてミサイルを発射すると脅しているとき、まだこんな寝ぼけたことをいっているようでは、政権は永遠にとれないでしょう。

アメリカのトランプ大統領は北朝鮮のグアム発射計画に対して、ツイッターで「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒りに直面することになる」と警告しました。北朝鮮はいったんあきらめたようですが、本当にミサイルを発射したらアメリカは反撃するかもしれません。

反撃の方法はいろいろ考えられますが、北朝鮮に対して攻撃が行われると、かねてから北は「ソウルを火の海にする」と予告しているので、南北国境付近の基地からソウルに向けてミサイルを発射するでしょう。そうするとソウルは国境から30kmしか離れていないので迎撃できず、市民100万人以上が死ぬと予想されています。

ランド研究所のシミュレーションによると、戦争は早ければ数日で終わるので、北朝鮮は米軍に破壊される前にミサイルをすべて発射するでしょう。今でも国境付近に約300発のミサイルが配備されており、同時に50発ぐらい撃てるようです。

地上戦も始まるでしょう。米軍と韓国軍が北朝鮮に侵攻すると中国も北朝鮮に侵攻し、ミサイル攻撃も行われるでしょう。中国が核兵器を使う確率は低いようですが、通常兵器でも数万人の死者が出るでしょう。

戦争が計画的に始まるとは限りません。歴史上の多くの戦争は、ちょっとした偶然で起こったのです。第1次世界大戦は、1914年にオーストリアの皇太子が暗殺された事件をきっかけにして起こりました。そのころヨーロッパの人々は平和を楽しみ、戦争が起こるとはまったく思っていなかったのです。

今後も局地的な紛争や小さなミスから全面戦争に発展する危険があるので、偶発戦争が起こらないように日本と中国とアメリカが連絡を取り合うことが大事です。でも北朝鮮のように予告しないでミサイルを発射する国とは、話し合いはできません。

「平和憲法を守ったら北朝鮮が攻撃しない」ということはありえない(今やっていることでわかります)。「集団的自衛権を行使しなかったら巻き込まれない」ということもありません。朝鮮半島で戦争が始まったら在日米軍基地が攻撃される確率は高いので、日本は自動的に戦争に巻き込まれるのです

では米軍基地がなかったら、日本は安全になるでしょうか。その場合は自衛隊を大幅に拡大して防衛費は今の何倍にもなり、核武装もしないといけないでしょう。米軍が撤退して日本が「自主防衛」の体制を整えるまでの間に、北朝鮮や中国が攻撃してきたらどうするんでしょうか?

米軍から先制攻撃することは今のところ考えられませんが、北朝鮮の先制攻撃はいつあってもおかしくない。北朝鮮がミサイルを発射したら、日本に届くには10分しかかからないので、それまでに迎撃しないといけません。これは文字どおり秒きざみの話で、大地震のような災害と同じです。「巻き込まれるかどうか」という選択の余地はないのです。

だから、いざというときの危機管理を考えておく必要があります。もちろん政府はその態勢をとっていますが、憲法の制約でいろいろ面倒です。安保法制では「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」でないと武力行使できないことになっています。これはかえって危険です。

ミサイルが飛んできたとき、「これは存立危機事態か」と議論する時間はないので、安倍首相が判断するしかありません。彼が「私は判断できないので、憲法を守るために国会で審議しよう」といって国会を召集していたら、ミサイルが日本国内に落ちて何万人も死ぬかもしれません。憲法は命より大事なのでしょうか?

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Tue, 22 Aug 2017 04:10:14 +0000 Tue, 22 Aug 2017 04:10:14 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027475.html http://agora-web.jp/archives/2021485.html http://agora-web.jp/archives/2027094.html http://agora-web.jp/archives/2026867.html http://agora-web.jp/archives/2026391.html
http://agora-web.jp/archives/2027902.html アンフェア化する社会の詐欺師と保護される強者とは http://agora-web.jp/archives/2027902.html

ナシーム・ニコラス・タレブは、金融トレーダーの実践家から大学の研究者に転身し、2007年以降のアメリカ発の世界金融危機を予告した本『ブラック・スワン』が世界でベストセラーになりました。

彼の新しい本は、「もろさの反対」という意味の『反脆弱性()』というタイトルです。ひと言で表せば、「エリート主導の社会は、弱者の不安定という犠牲の上に強者の安定を実現する不公平な構造でもろいため、社会の一人ひとりが身銭を切って小さな失敗を糧にしながら変動に強くなるように変わるべき」という内容といえます。

詐欺を見て詐欺と言わないなら、その人自身が詐欺師である。

著者は、弱者を助けるために「何かしなければ」と社会の仕組みをつくる立場にある人たちが、結果として弱者を傷つけ、強者をいっそう強くしており、自分たちは結果に対してリスクも負わなければ身銭を切ることもない、ときびしく批判しています。

タレブの批判の対象には、一生安泰の公務員官僚政治家学術研究者マスメディア広告業界医学界製薬会社食品・飲料メーカーコンサルタント銀行ヘッジ・ファンド大企業の幹部大企業の従業員、などが挙げられています。

このなかの民間部門が「いっそう強くされている強者」にあたると考えられますが、強者を強くしている政府の介入や政策、また社会の仕組みとは、株価や為替などの見えやすい指標に影響を与える金融緩和“大きくてつぶせない”一部の企業を優遇する企業救済中間層の特権を強化する解雇規制や参入規制いっこうに減らない国の借金と未来の世代への先送り大企業に便宜を図るロビイスト、などのことです。

こうした指摘自体は新しいものではなく、タレブがたびたび言及しているフリードリヒ・ハイエクは、1944年に出版されたベストセラー『隷属への道』で、「保障という特権が社会を毒していく」こと、つまり、政府による善意のおせっかいが「地位の安定した生産グループの構成員による、そうでないグループに属する弱い、不運な人々に対する搾取」という結果をもたらしていることについて、次のように説明しています。

このような制限によって硬直化してしまった社会で、保護された職業の外部に置き去りにされた人々が、どれほど希望の持てない立場に立たされるか。また、そういった人々と、うまく仕事にありついて、競争から保護されているがゆえに、仕事のない人々に場を与えるため少しなりとも席を詰めようとする必要がない人との間に、どれだけ大きなギャップが横たわっているか。それは実際に苦境を経験したことのない人にはわからないものだ。

この「保護された職業」でよくみられる現象としてタレブは、金儲けや自分の職業の正当化のために、毎日空く紙面を満たすかのように生みだされる商品・サービス、ニュース、研究(広い意味でのジャンク・フード)が増えることを挙げ、その取りすぎ・読みすぎは「私たちの身体を混乱させる」と注意喚起しています。

アンフェア化する社会の脆さに関するタレブの見解がおおむね正しいとした場合、彼のいう「詐欺師」とは、指摘されるような側面がいまの社会にあることを感じていながら、何らかの理由で声をあげるのをためらってきた人すべてを指すのでしょう。

では、アンフェア化する社会の原因と解決策としては、どのようなものが考えられるのでしょうか?次回以降は、その原因と解決策について順番に見ていきたいと思います。

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Tue, 22 Aug 2017 04:00:42 +0000 Tue, 22 Aug 2017 04:00:42 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027797.html http://agora-web.jp/archives/2027903.html http://agora-web.jp/archives/2027890.html http://agora-web.jp/archives/2027891.html http://agora-web.jp/archives/2027872.html
http://agora-web.jp/archives/2027903.html 人を説得する http://agora-web.jp/archives/2027903.html 話し方ということでネット検索してみますと、『「話がわかりやすい」人は一体何が違うのか』(東洋経済オンライン、17年02月21日)といった類の、分かり易さに関する記事も数多く見られます。

本テーマで私見を申し上げれば、分かり易い話し方とは簡単な言葉で自分の言いたい事柄を上手く説明出来ることだと思います。自分が良く分かったことは噛み砕いて人に説明出来るようになりますから、他人が分かりにくいということなら、自分が本当に分かっていないのではないでしょうか。

物事には順序というものがあって、何事でも起承転結と言いますが、此の結を先に持ってきても構わないと思います。そして順を追ってその理由をロジカルに説明出来る状況が、望ましいのではないかと思います。

例えばプレゼンテーションの流れ一つを見ても、此の起承転結の流れを作って行ける人が意外と少ないことに私は何時も驚きます。では何故そのように少ないのかと言いますと、人を説得するトレーニングが不十分だからだと思います。

概して、多くの人は自分の言いたいことは考えるものの、どう言ったら他者が納得してくれるかと考えることに疎かです。人に分かって貰おうと思うならば、やはりそのこと自体を真剣に考えなければなりません。

自分が描くビジョンを達成するには、様々な人を説得したり、色々な人に納得して貰う必要性が出てきましょう。従って、その辺りのトレーニングを積んで行くことが非常に重要になるのです。

例えば私は野村證券時代、米国の海外投資家に日本株を売るといった時に、そのポートフォリオマネジャーの興味関心や運用哲学、運用方針等々と、敵を知り敵の興味を引くことを先ず大事にしたものです。

何故なら相手が関心を示さぬ話を幾ら続けてみても、時間の無駄に終わることが殆どだからです。だから私は第一に、相手のことを調べ上げたのです。そしてその上で今度はそれに合わせて説得すべき事柄、あるいは説得の仕方等々を考えたというわけです。

孫子』に「彼を知り己を知れば百戦危うからず」とあるように、相手がいる以上やはり相手を考慮せずに何事をやるわけには行きません。之も人に納得して貰ったり、分かって貰うために一つ重要なポイントだと思います。

BLOG:北尾吉孝日記
Twitter:北尾吉孝 (@yoshitaka_kitao)
facebook:北尾吉孝(SBIホールディングス)

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Tue, 22 Aug 2017 03:30:35 +0000 Tue, 22 Aug 2017 03:30:35 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027928.html
http://agora-web.jp/archives/2027899.html 臨時議会の会期が決定。スピーディーかつ充実した議論を http://agora-web.jp/archives/2027899.html こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

21日は臨時議会の告示日となり、具体的なスケジュールなどを決める議会運営委員会が長丁場で行われました。

臨時都議会 市場移転問題の質疑時間で各会派の調整難航
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170821/k10011106621000.html

先のブログでご報告した通り、補正予算で臨時議会が開かれるのは昭和53年以来。都政の歴史を振り返ってみても、これまでに通算5回しかありません。

一部会派からは予算特別委員会の設置なども提案されたようですが、補正予算で予算特別委員会を開いた前例はなく、さりとて充分な審議時間は必要であるという共通認識から、質問時間や委員会審議日程を増加することで協議がまとまったようです。

合わせて急きょ行われることになった経済港湾委員会の理事会でも、質疑を行うために25日(金)に委員会開催が決定され、通例では13時スタートである委員会が10時から開始されることなどが取り決められました。

こちらも審議時間を増やすための措置であり、市場問題に向き合って議論を尽くすためと言えます。

一方、充分な審議を尽くすのが重要なのはもちろんですが、今回の補正予算はスピーディーかつ着実に可決させなければ、速やかな市場移転に支障をきたすことにもなりかねません。

補正予算の内訳など、都民目線で確認が必要な部分にはチェックの目を走らせながらも、補正予算の可決に向けて精査を続けていきたいと思います。

さて、私は議会運営委員会のメンバーではないので、経済港湾委員会の理事会を除けば本日は部会の皆さまと質問づくりに終始した一日でした。

豊洲特別委員会・百条委員会とこの市場移転問題に関わり続け、なんだか随分と時間が経ったような気もしまして、背景や事情には詳しくなった分、新鮮な目線で疑問を見つめることが少なくなったのかもしれません。

その点、ひうち都議や森村都議などの新人議員たちが投げかけてくる切り口には、ハッと気付かされることも多々あります。

鋭利質問調整中なので、まだ詳細を詳らかにすることはできませんが、新たな仲間たちと委員会に向けて着々と準備を進めて参ります。

簡潔ながら、本日はこんなところで。

それでは、また明日。

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏のブログ2017年8月21日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 02:30:55 +0000 Tue, 22 Aug 2017 02:30:55 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027895.html 公共部門の民営化以外の選択肢 http://agora-web.jp/archives/2027895.html

民間産業は利益誘因でなりたつ。歴史的事実として、民間産業は、多くの矛盾や欠陥を抱えながらも、今日まで、問題を克服して、それなりに成長発展してきたのだから、そこに働く利益誘因の強力な力を認めないわけにはいかない。

他方、公的部門の事業は公共性でなりたつから、利益を生まない、あるいは利益を生んではならないことになる。事業の利用料の設定は、利益を残さないように、原価の積み上げによって計算されるほかないわけだ。

利益が残らないのならば、あるいは利益を残してはいけないのならば、即ち、利益を目的としない経営を行うのならば、費用を削減する努力、利用料の増収を図る努力、利用者を増やすためにサービスを改善する努力、そうした経営努力が働く余地はなく、経営努力なきところ、統治なく、統治なきところ、非効率あり、となる。

そこで、公的部門の事業の改革のために、利益誘因の導入が検討される。それが民営化の論理である。しかし、利益誘因による改革には、事業の公共性に反するとの批判があり得る。民営化すれば、当然のこととして、原価に利益率を乗じた水準で利用料を設定することになり、利用料が高くなる可能性があるからだ。

故に、民営化の論理として、利益を加えても、利用料を上げなくてもよい、むしろ逆に下げ得る、あるいは同じ料金でもサービスの質が良くなる等の論拠を示さなくてはならなくなる。それが効率化、あるいは合理化による費用の削減である。

つまり、利益誘因を導入することで、利用料は、一方で、利益分だけ上昇する可能性があり、他方で、経営の効率化による費用の減少分だけ低下する可能性があるのだが、民営化を正当化するためには、後者の効果が前者を上回るのでなければならないということである。

さて、それだけが民営化の要件なら、他の何らかの経済的・非経済的誘因が経営を効率化させて、費用の合理化が図られるのならば、民営化の必要はなくなる。むしろ、民営化とは、民営化以外の方法を徹底的に検討したうえで、最後の方法として選択されるべきものとなるのだ。

こうして、例えば、事業の民営化ではなくて、事業の運営権を民営に移転させる方式(コンセッション)などの多様な方法が現れてくる。これらの手法は、総称して、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)/PFI(プライベート・ファイアンス・イニシャティブ)と呼ばれているものである。

 

森本紀行
HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
HC公式ウェブサイト:fromHC
twitter:nmorimoto_HC
facebook:森本紀行

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Tue, 22 Aug 2017 02:30:40 +0000 Tue, 22 Aug 2017 02:30:40 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027913.html http://agora-web.jp/archives/2027907.html http://agora-web.jp/archives/2027896.html http://agora-web.jp/archives/2027889.html
http://agora-web.jp/archives/2027896.html ジャクソンホール会議を市場関係者が注目する理由 http://agora-web.jp/archives/2027896.html 米国のカンザスシティ連邦準備銀行は今年の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)を8月24~26日に開催する。

米国ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ連銀主催のシンポジウムは市場参加者にとり大きな注目材料となっている。

ジャクソンホール (Jackson Hole) とはワイオミング州北西部に位置する谷のことを意味する。これには著名学者などとともに、日銀の黒田総裁など各国の中央銀行首脳が多数出席することで、金融関係者によるダボス会議のようなものとなっている。

なぜこのようなシンポジウムが、ワイオミング州ジャクソンホールという小さな街で行なわれるかといえば、FRB議長だったポール・ボルカー氏がフライ・フィッシングの趣味があり、この街を良く訪れていたお気に入りの場所であったからという説がある。

ロシア危機とヘッジファンド危機に見舞われた1998年に、当時のグリーンスパンFRB議長がこのカンザスシティ連銀主催のシンポジウムの合間に FRB理事や地区連銀総裁とひそかに接触し、その後の利下げの流れをつくったとされている。

1999年には日銀の山口副総裁(当時)と、バーナンキ・プリンストン大学教授(当時、のちのFRB議長)が、日本のバブルに対する日銀の金融政策の評価をめぐり、論争を行ったことでも知られる。

さらに2010年8月27日にはバーナンキ議長(当時)がQE2を示唆する講演をジャクソンホールで行った。このシンポジウムに出席していた白川日銀総裁(当時)は予定を1日に早めて急遽帰国し、8月30日の9時から臨時の金融政策決定会合を開催し、新型オペの拡充策を決定している。

2014年8月22日のジャクソンホール会議でECBのドラギ総裁は、ユーロ圏のインフレ期待が「大幅な低下を示した」と発言した。この発言は講演原稿にはなく同総裁の「アドリブ」であった。さらに政策姿勢を一段と調整する用意があるとした講演原稿の中でも「必要になった場合は」の文言が省かれていた。つまりこれらはドラギ総裁が資産購入プログラムの導入を示唆したとされた。その後、9月4日のECB政策理事会では現状維持との大方の市場参加者の予想に反して、利下げとともに、10月からの資産買入れを決定した。

今年の会議では25日に「金融の安定」をテーマにイエレンFRB議長が講演する予定となっている。9月のFOMCでのバランスシートの規模縮小決定は市場もほぼ織り込んでいるが、年内の追加利上げの有無に関しては見方が分かれており、これについて何かしらの示唆があるのではないかと、今回の講演内容も注目されている。ただし、物価動向次第という姿勢に変化はないとみられる。

2015年と2016年のジャクソンホール会議にはECBのドラギ総裁は出席しなかったが、今年の会合には参加し25日に講演を行う予定のようである。3年ぶりに出席することもあり、何かしらの政策変更の示唆の可能性がありうるか。前回出席した2014年のジャクソンホール会議への出席時にドラギ総裁は政策変更の可能性を示唆していたので今回も政策変更の可能性を示唆するのではとの観測も出ている。ECBが資産買い入れを段階的に縮小する方針を9月の政策理事会で示唆かとの観測があり、資産購入規模を現行各月600億ユーロ規模から徐々に縮小する計画を発表すると見られている。その示唆があるのかどうかが注目されている。


編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2017年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 02:30:38 +0000 Tue, 22 Aug 2017 02:30:38 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027898.html コンビニで現金使う人ってバカではなく「迷惑」 http://agora-web.jp/archives/2027898.html プロブロガーのイケダハヤト氏が「コンビニで現金使う人ってバカなのかな・・・。」とコラムを書き、ネット上で話題になっています。

そのデータ出所がマイナビの調査です。それによると、コンビニエンスストアでの支払いは4割が現金で、電子マネーやクレジットカードを使わないという結果になっています。

Q.コンビニで買い物をする際、どの支払い方法をすることが最も多いですか?
1位 現金 37.9%
2位 電子マネー 29.8%
3位 クレジット・デビットカード 29.4%
4位 その他(自由回答) 2.9%

そして、クレジットカードを使わない理由にこんなコメントが挙げられています。

「どれだけお金を使ったか、把握できなくなるから」(56歳男性/教育/専門サービス関連)
「現金の方が使用した実感があるため無駄遣いを防げるから」(38歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
「コンビニでは少額の支払いがほとんどなのでクレジットカードを使うのは気が引ける。3,000円以上じゃないとクレジットカードを使わないようにしている」(44歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
「細かいお金を減らしたいから」(39歳男性/食品/技能工・運輸・設備関連)
「コンビニくらいでは現金の方が早い」(49歳男性/サービス/メカトロ関連技術職)
「正直、コンビニの店員さんを信用しきれていない部分があります。なので、現金払いが無難です」(45歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)

イケダハヤト氏も指摘するように、クレジットカード払いにシフトすれば、お金の管理は利用明細やネットでリアルタイムに確認でき、会計で支払いにかかる時間は短く楽になって、小銭を持ち歩く必要もなくなります。クレジットカード敢えて使わない人には、このようなメリットが認知されていないのでしょうか。

コンビニエンスストアや、スターバックスのようなカフェで、財布から小銭を取り出して会計している人たちを見ると、後ろで待っている人の迷惑ではないかと思ってしまいます。

その解決策として、お店のレジも現金で払う人とクレジットカードなどキャッシュレスに分けるのはどうでしょうか。高速道路の料金所がETCと現金払いに分けられているのと同じです。キャッシュレスのスピードの方が圧倒的に早いことを「見える化」すれば、現金主義の人たちの行動も変わってくることが期待できます。

出かける時に、現金を持ち歩かないで、すべてがクレジット決済できれば財布は不要になりますが、東京でもいまだに現金のみのお店が結構あったりします。カードポケットに入れるだけで、出かけられるように早くなってほしいものです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 02:30:36 +0000 Tue, 22 Aug 2017 02:30:36 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027897.html 独立100周年に国際テロの「洗礼」 http://agora-web.jp/archives/2027897.html スペイン東部バルセロナ市の車両暴走テロ事件の動向に追われていた時、北欧のフィンランドから「テロ事件が発生したようだ」という情報が流れてきた時はやはり驚いた。フィンランドではこれまでイスラム過激テロ事件が発生したと聞いたことがなかったからだ。
少し遅れたが、フィンランドのテロ事件をまとめた。

▲フィンランドの風景(フィンランド政府観光局公式サイトから)

▲フィンランドの風景(フィンランド政府観光局公式サイトから)

フィンランド南西部のトゥルク中心部で18日、若い男が大きな刃物で通行人を襲撃し、2人(女性)を殺害し、8人に重軽傷を負わせた。駆け付けた現地の警察官は容疑者の脚を撃ち、逮捕し、病院に搬送した。地元メディアの報道では、容疑者は「アラー・アクバル(神は偉大なり)と叫びながら、通行人を襲った」という。

トゥルクは、フィンランドの最古の町で一時首都だった時代もあった。バルト海に面す港湾都市。南西スオミ県の県庁所在地で、人口は現在、約17万6000人だ。

容疑者の犯行動機は依然不明で、犠牲者をランダムに選んで襲撃している。ただし、死者と負傷者の6人が女性だったことから、攻撃しやすい女性を狙って襲撃したと考えられる。犠牲者の年齢は15歳から67歳で、スウェ―デン人、英国人、イタリア人など外国人が含まれていた。

捜査当局が19日公表した情報によると、犯人はモロッコ出身の18歳の男性。2016年にフィンランド入りし、難民申請をしたが、地元メディア報道によると、「拒否された」という。

バルセロナのテロ実行犯がほとんどモロッコ人だったこともあって、その直後に発生したトゥルクのテロ事件との関係が注目されている。明確な点は、「ナイフ射殺テロ事件の背後にはテロ的な動機があった」と見られていることだ。地元警察は容疑者と繋がりのある4人のモロッコ人を拘束し、5人目のモロッコ人を国際手配したことを明らかにした。

人口約550万人の小国フィンランドは北欧でも最も安全な国の一つと受け取られてきただけに、トゥルクのテロ事件に政治家も国民もショックを受けている。
フィンランドのユハ・シピラ首相は「テロは卑怯で嫌悪すべき行為だ。わが国はテロ問題と決して無縁の国ではない。テロがわが国にやってきたのだ」と述べ、テロ対策の強化をアピールしている。

パウラ・リシッコ内相は警察関係者に公共施設、駅や空港での警備の強化を指令している。メディア情報によると、トゥルク市から出る全てのバス、列車のコントロールが実施されているという。同時に、国境の警備強化も行われている。民族派政党からは「難民を国外に追放すべきだ」といった声も飛び出してきたという。

フィンランドといえば、当方は直ぐに携帯電話メーカーの老舗ノキアや元プロのテニス選手で現在プロのポーカー選手となったパトリック・アントニウス、元F1ドライバーのミカ・ハッキネンの名前を思い出す。政治的には、冷戦時代はロシア寄りで、フィンランド化という言葉も聞かれた。現在は欧州連合(EU)加盟国(1995年)であり、2002年にはユーロを導入済みだ。西にスェウ―デン、東にロシアとの国境に接している。両国は一時、フィンランドを支配した占領国だった。

ちなみに、フィンランドは今年12月6日、ロシアから独立して100周年目を迎える。その記念の年に、フィンランドは国際テロの洗礼を受けたわけだ。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2017年8月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 02:30:09 +0000 Tue, 22 Aug 2017 02:30:09 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027900.html マスメディア報道の内閣支持率への影響を定量分析する http://agora-web.jp/archives/2027900.html 森友・加計問題は、政権に瑕疵の証拠が存在しないにも拘わらず、国民の負託を受けていないマスメディアが連日の【印象報道】をベースに国民の負託を受けている政権に【悪魔の証明】を求め続けた明確な倒閣運動であったと考えます。自説に好都合な情報を大々的に繰り返し報じると同時に自説に不都合な情報を一切報じないという異常な【確証バイアス】が支配する【情報操作】によって「安倍首相を信じることができない」という印象を多くの国民に植え付け、内閣支持率を急落させることに成功しました。とりわけ政局巷談家伊藤惇夫氏に代表される「アマチュア玄人」と政権クレイマー室井佑月氏に代表される「プロ素人」を擁するテレビワイドショーは、行政の業務遂行の論理を知らない視聴者の意思決定に多大な影響を与えたものと考えます。政権の情報操作を暴く姿勢を見せているワイドショーが実際には白昼堂々と視聴者に対してあからさまな情報操作を行っているという状況は不合理そのものですが、深刻なのは、このような番組が一定の視聴率を稼いで朝から昼間の時間帯に乱立していることです。

一般に、新聞・テレビといったメインストリームメディアインターネットメディアの論調には大きな乖離があります。これは、大資本が運営する新聞・テレビが、検閲済みの一部情報のみをベースとして事案を評価しているのに対して、ネットメディア・SNSは、検閲されることのない多角的な情報をベースにして自由に事案を評価しているためと言えます。ここに【情報格差 digital divide】が発生し、インターネットを閲覧しない【情報弱者】は、新聞・テレビを通して情報操作・心理操作・倫理操作を行うマスメディアの支配を受けることになります。

ところで、マスメディアによる【偏向報道】のキャンペインが国民の意思決定に大きな影響を受けることは、細川連立政権・小泉郵政選挙・民主党政権交代などの事例で定性的に認識されていますが、その影響度合を定量的に認識できるような数値データは意外にもほとんど存在しません。これは世論調査の実施主体であるマスメディアが、自らの存在を脅かすような調査を実施しないことに起因していると考えます。そこで、この記事では、マスメディアとの接し方が大きく異なると同時に政治選択の傾向が大きく異なる【世代 generation】【性 gender】をパラメータにして異なる世論調査によって得られたデータを関連づけることで、メディアの利用時間と内閣支持率の関係について分析を試みました。

分析データ

人間の年齢に基づいてグルーピングされた【世代】は、ほぼ同一のマクロな社会環境を経験している集団であると言えます。このため、各種性向が異なることが知られており、各種メディアとの接し方や政治選択の傾向が大きく異なることが知られています。大きな傾向としては、高齢世代は若年世代と比較して、インターネットよりも新聞・テレビメディアを選好し、政治的には現政権に対して厳しい評価をする割合が高くなります。一方、【性】は、ほぼ同一の社会的学習とスキーマを身につけている集団であり、同様に各種性向が異なることが知られています。

この記事では、このような【世代】【性】の違いによるメディアに対する親和度ならびに政治的選択の違いを関連付けて分析することで、両者の因果関係を推定することを試みました。具体的には、各【世代】【性】をパラメータにして、「各種メディアの利用時間」NHK)のデータと「内閣支持率」FNN・産経)のデータを関連付けることによって分析を行いました。データの出典は次の通りです。

[NHK 国民生活時間調査(2015年10月)]
[FNN産経 性別・年代別の内閣支持率推移(2017年5月・6月・7月)]

これらは約2年弱のタイムラグがある調査データですが、NHKの過去にわたる同様の調査の結果を見る限り、2年程度では生活時間の傾向にドラスティックな変化は認められないものと推定され、得られる分析結果にはそれなりの信憑性があると考えました。

ここで、当然のことながら、世代別の政治選択の傾向はマスメディアのみの影響とは限りません。現政権の社会保障や就職率などの政策が及ぼす受益の差や年齢に起因する社会的経験・社会的偏見の差なども当然影響を与えるものと考えられます。しかしながら、情報(メディア利用時間)と選択(内閣支持率)という直接の因果関係があっても不思議ではない変数間に高い相関性が存在する場合には、その変数間に有意な因果関係が存在する蓋然性はむしろ高いと言えます。後述しますが、特定の変数間には実際に高い相関性が認められます。

今回の分析で設定した世代は、「20代」「30代」「40代」「50代」「60代以上」の5種類であり、これを「男」「女」別に分けた計10種類のデータを分析しました。なお、厳密にはFNN産経の「20代」のデータは18歳・19歳を含んでいます。ちなみに対応するNHKの調査結果を見る限り、「10代」と「20代」の調査結果は概ね類似した値を示しているので、結果に及ぼす影響は大きくないものと考えられます。また、NHKの「60代以上」のデータについては、オリジナルの調査結果の「60代」と「70代以上」のデータを平均しました。これらの値も概ね類似した傾向を示しています。

分析においては、「テレビ視聴時間」「新聞閲覧時間」「インターネット閲覧時間」と同時に他者との「会話・交際時間」「在宅時間」を分析の説明変数として設定しました。これらの時間データは、いずれも「平日」「土曜」「日曜」とカテゴリー区分されていますが、これらを重み付平均(平日の重みを5倍)することで日平均データを算出しました。このようにして得られたデータの一覧は次のとおりです。

この表を見ると、5月から7月にかけて内閣支持率が顕著に減少していることが認められます。マスメディアによる大規模な政権批判キャンペインが行われたのは6月であり、この意味から5月は平常時、7月はマスメディアの一大キャンペインの影響が反映された値であると考えらえます。今回の分析では両時期に得られた「5月内閣支持率」「7月内閣支持率」の値を目的変数として用いることにします。なお、表中の「5月-7月減少量」とは「5月内閣支持率」と「7月内閣支持率」の差であり、「5月-7月変更率」とは5月に内閣を支持した人のうち7月に不支持に態度変更した人の割合です。これらについても分析の目的変数として用います。

なお、FNN産経の内閣支持率データは報道各社平均に最も近いという中庸な特徴を示します。基本的に公正に得られている不偏な調査結果であると考えます[記事]

内閣支持率に及ぼすメディアの影響(平常時)

マスメディア報道は常に異常であるとも言えなくはありませんが(笑)、内閣支持率がボックス相場を維持していた2017年5月における内閣支持率を用いて、平常時における内閣支持率に及ぼすメディアの影響を分析します。

「テレビ視聴時間」「新聞閲覧時間」「インターネット閲覧時間」「会話・交際時間」「在宅時間」と「5月内閣支持率」の関係を示したものが次の図です。

図を見ると、「テレビ視聴時間」「新聞閲覧時間」が多くなるほど内閣支持率が低くなるという逆相関を呈し、「インターネット閲覧時間」が多くなるほど内閣支持率が高くなるという正の相関を呈しています。このことは、テレビ視聴および新聞閲覧という行為が内閣支持率を低下させる可能性があり、インターネット閲覧という行為が内閣支持率を上昇させる可能性があるということです。ここで、当然のことながら政権が関係する事象を国民がすべて把握した上で政権を評価するというのが公正であると言えます。先述したようにテレビ・新聞が自説に不都合な情報を報道しない受動的メディアであるのに対して、インターネットでは情報操作されていない環境下で情報を能動的に収集することができます。このような所与の環境から現状を推察すれば、テレビ・新聞の情報操作によって不当に内閣支持率が低下する中で、インターネットを閲覧した人がそのバイアスを解消しているという構造を導くことができます。

実際、インターネットを閲覧している人の中には、このような理不尽な情報流通メカニズムを実感されている人も多いと推察します。インターネットを閲覧すれば簡単に得られる情報が、報道しない自由の行使によってマスメディアでまったく報道されないという事態も頻繁に認められます。例えば、加計問題における民進党高井崇志議員の新設要請、民進党玉木雄一郎議員の獣医師会との極めて深い繋がり、石破4条件を出した自民党石破茂議員の獣医師会からの献金、準備不足を明言した京産大黒坂光副学長の記者発表、前川前事務次官の証言を覆す加戸守行愛媛県知事・国家戦略特区諮問会議八田達夫氏・原英史氏の国会証言、自民党小野寺五典議員の理路整然と事態を解明した国会質疑等は、事案の解明にあたって極めて重要な情報であるにも拘わらず、地上波テレビではほとんど触れられていません。したがって、加計問題の問題の所在を把握するにあたっては、不都合な情報だけを見事にフィルタリングにしているマスメディア報道だけでは全く不十分であり、インターネットによる情報収集が不可欠であると考えられます。

ここで、テレビ視聴時間が短くインターネット閲覧時間が長い20代男性・30代男性・20代女性に着目すると、内閣支持率は70%前後です。インターネット投票による内閣支持率が60%~70%なる[結果]も信用できないとは言えないレベルであると考えられます。いずれにしても、国民の負託を受けていないマスメディアの報道のネガティヴな影響が、平常時から【情報弱者】を蝕んでいるとすれば、民主主義社会にとって極めて危険な状況にあると言えるかと思います。

次に「会話・交際時間」と「5月内閣支持率」の関係には明瞭な相関性はなく、口コミが効いていないことがわかります。これは、自分の生活に忙しい一般国民が平常時に政治を議論することは多くないことによるものと考えられます。また、「在宅時間」と「5月内閣支持率」の関係には負の相関性が認められます。在宅時間が長いということは、通常のビジネスタイムに在宅している確率が高くなると考えられます。この時間にテレビをつけると、真っ先に目に入るのがワイドショーであると言えます。つまり、在宅時間が長い程、ワイドショーの影響を受けて支持率が低下するというメカニズムが推測されます。

なお、「テレビの視聴時間」と「新聞の閲覧時間」には高い相関性が認められます。これは世代が履歴した社会習慣の違いによるものと考えます。

また20代・30代は新聞をほとんど読むことがなく、1日5分以下であることがわかります。新聞社の将来の経営が危機にあることがわかります。斜陽産業となったマスコミが「数字の取れるネタ」に走っているという池田信夫さんの[指摘]は極めて論理的であると考えます。個人的な希望ですが、東スポだけは絶対に生き残ってもらいたいですね(笑)

内閣支持率に及ぼすメディアの影響(異常報道時)

安倍首相の改憲発言に危機感を抱いたのかどうかはわかりませんが、東京都議会選前後にマスメディアは、加計問題とともに自民党議員のスキャンダルや発言を徹底的に問題視し、ワイドショーを中心として連日長時間にわたってヒステリックに自民党議員の人格批判を繰り返す一大キャンペインを展開しました。その結果、都議選で自民党は当初の世論調査結果を大きく下回る惨敗を喫し、安倍政権の内閣支持率は急落して最低値を更新しました。ここでは5月から7月にかけて支持率の形成メカニズムにどのような変化があったかを分析します。

「テレビ視聴時間」「インターネット閲覧時間」と「7月内閣支持率」の関係を「5月内閣支持率」を交えて示したものが次の図です。

まず「テレビ視聴時間」と「7月内閣支持率」の関係については、「5月内閣支持率」と比較して各世代とも大きく落ち込んでいるのがわかります。その中で、30代の男性と60代の女性の低下がやや少なくなっていますが、全体的に見ると支持率30%前後に下値支持線のようなものがあります。、おそらくこのあたりがこの時点での世代を問わない現政権支持のハードコア層の割合であると考えられます。まら、支持率の下降度合はテレビ視聴時間とは無関係であると考えられます。

一方、「インターネット閲覧時間」と「7月内閣支持率」の関係も同様な傾向が認められますが、「テレビ視聴時間」と異なるのは、下落後も「内閣支持率」との間に線形的な相関性をある程度保持していることです。このことは、インターネットから得られる情報量に比例してテレビの偏向報道による情報操作に抵抗しているものと考えられます。

下図は「会話・交際時間」「在宅時間」と「5月-7月態度変更率」の関係を示したものです。

まず「会話・交際時間」と「5月-7月態度変更率」の関係には弱い正の相関性が認められます。このことから、普段テレビ・新聞を視聴しない層が口コミの影響を受けて態度変更している可能性が推察されます。一方、「在宅時間」と「5月-7月態度変更率」の関係については、女性では明瞭な関係が認められないものの男性の20代から50代の場合は在宅時間と比例して不支持に回る率が多くなっています。これは、報道が過熱して政治問題のカヴァレッジが増加したことにより、在宅時間が短くても偏向報道に接する確率が高くなったことが考えられます。

ここで重回帰分析により「テレビ視聴時間」「インターネット閲覧時間」「会話・交際時間」「在宅時間」がそれぞれ「5月内閣支持率」、「7月内閣支持率」、「5月-7月支持率減少量」、「5月-7月態度変更率」に対してどのような寄与度合があるかを分析した結果が次の表です。ちなみに、「新聞閲覧時間」は「テレビ視聴時間」と相関性が高く、共線性の問題が発生するため、分析から除外しています(「テレビ視聴時間」の寄与と概ね同じ傾向を持つと考えてください)。

まず「5月内閣支持率」については「テレビ視聴時間」と「在宅時間」がマイナスの寄与を示し、「インターネット閲覧時間」がプラスの寄与を示します。これは前節で述べた平常時の世論形成メカニズムと一致します。これが「7月内閣支持率」になるとインターネットが大きなプラスの寄与を示すとともに「会話・交際時間」がマイナスの寄与を示します。これはインターネットを閲覧している人がテレビ・新聞の大キャンペインに対して抵抗力を持つ一方で、口コミが不支持の同調圧力となっていることがわかります。

この傾向は「5月-7月支持率減少量」、「5月-7月態度変更率」に対する寄与からも読み取ることができます。「会話・交際時間」が多い20代の「5月-7月態度変更率」が高いのはこのためと理解することができます。一方で「在宅時間」がプラスの寄与になっているのは、「在宅時間」が長い層は、一大キャンペインが行われる前から既に情報操作されていたために、キャンペインによる影響はむしろ少なかったというメカニズムが推定されます。既に絞ってある雑巾をさらに絞っても出てくる水の量は少ないと言えます。60代以上の女性の「5月-7月態度変更率」が低いのはこのためと理解することができます。

ここで勘違いしやすいことですが、「テレビ視聴時間」の寄与が低く出ていることでテレビの影響が小さくなったと考えるのは不合理です。むしろ「テレビ視聴時間」に関係なくテレビが支持率の絶対的な低下に大きな影響を与えていると考えるのが合理的です。ネガティヴな情報なく、国民の支持率が低下することは考えられません。

以上、マスメディアが政権批判の一大キャンペインを展開するとき、偏向報道は特定の層だけでなくすべての層に影響を与え、これに対する抵抗に有効なのはインターネットだけであると言えます。さらに一大キャンペインによって政権批判自体が社会的な話題になると、口コミの影響が極めて強くなるものと考えられます。センセーショナルな豊田真由子議員のパワー・ハラスメントは職場や学校の話題を独占したものと考えられます。こうなるとインターネットの抵抗力も限定的となり、世論はマスメディアの論調に完全に支配されることになります。極めて恐ろしいことです。

テレビの支配とインターネットの反抗

今回の分析の結果、テレビ視聴時間・新聞閲覧時間が長い程、内閣支持率が低くなり、インターネット閲覧時間が長い程、テレビ・新聞の影響は低下するという定性的な仮説が一定の仮定条件の下で定量的に証明されたと言えます。特に在宅時間が長く昼間のワイドショーを視聴する機会が多い層ほどマスメディアの影響を受けやすいことが判明しました。さらにマスメディアが一大キャンペインを繰り広げる場合には、口コミによる同調圧力の影響が強くなることも判明しました。マスメディアの長時間にわたる繰り返し報道によって、通常には話題にならない政治問題がクローズアップされて事案の正確な評価が行われないままに国民の同調が進んだものと考えられます。深刻なのは、このような場合にはインターネットが口コミの影響に敗れてしまうということです。

残念なことに、日本は新聞・テレビ報道に対する世界有数の崇拝国です[記事]。このような歪んだ情報伝達空間を解消するにあたっては、新聞閲覧者およびテレビ視聴者、特にワイドショー視聴者に新聞・テレビ報道の偏向や危険性を[実例]をもって認識してもらうことが極めて重要であると考えます。

新聞・テレビからインターネットへの[過渡期]の今、私達に求められるのは、マスメディアが情報操作・心理操作・倫理操作に用いるあらゆる[論理的誤謬]に対して【論理】で対抗することであると考えます。


編集部より:この記事は「マスメディア報道のメソドロジー」2017年8月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はマスメディア報道のメソドロジーをご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 02:30:04 +0000 Tue, 22 Aug 2017 02:30:04 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027893.html あなたは3万円をどう稼ぎますか http://agora-web.jp/archives/2027893.html 例えばpolcaでの「3万円を集めてフリーペーパーを作りたい!」みたいな企画。「3万円くらいの金額、バイトして稼げ!」という人も世間一般にはたくさんいるが、「3万円くらいだったら300円を100人で支援したほうが楽しい!」と思う人たちもたくさんいる。同じ「3万円くらい」でも考え方に差が出る。

もちろん、自分ひとりでバイトで稼いだ3万円もとても尊い。だが300円を支援してくれる100人の存在は、これからどんな活動をして行くにしても心強い仲間になる。

大阪の路上で5円玉を5円で売ってるおじいちゃんがいる、という話。5円を支払うと、5円玉を買える。この話を聞くと誰しもが「意味あんの?」と思う。ただその5円のやりとりの際に会話が生まれる。コミュニケーションがそこにある。5円は行って来いで戻ってくるが、新しい価値がそこに生まれてる。

カルマキッチンの話。完全無料のレストラン。なぜ無料かと言うと、前のお客さんが次の人の分を払っているから。だからレシートには「0円」と書いてある。そのまま立ち去っても良いし、次の人の分を払っても構わない。皿洗いや野菜の収穫などの手伝いをしても構わない。恩を次につなげるレストラン。

手数料やタイムラグなど、お金のやりとりにおける摩擦がなくなれば、もっともっと世界はなめらかになる。なめらかになって、お金がコミュニケーションと共に流通する世界がやってくる。


編集部より;このエントリーは、株式会社CAMPFIRE代表取締役、家入一真氏のブログ 2017年8月21日のエントリーを転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、「Ieiri.net」をご覧ください。

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Tue, 22 Aug 2017 02:30:03 +0000 Tue, 22 Aug 2017 02:30:03 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027792.html 大人になれない大学生 http://agora-web.jp/archives/2027792.html ベネッセが『第3回大学生の学習・生活実態調査』を発表した。それによると、グループワーク・プレゼンテーション・ディスカッションなどを取り入れた、いわゆるアクティブ・ラーニング型の授業が増加したそうだ。大学側も大教室での一方的講義よりアクティブ・ラーニングを増やそうという方針を取っているので、それが調査結果に反映されている。アクティブ・ラーニングで自分の意見を言う、他者に配慮する学生が増加した。「異なる意見や立場に配慮する」と67.4%が回答し、2008年調査から13.9ポイントの増加だという。ここまでは歓迎すべきニュースである。

一方で、「興味のある学問分野があること」を重視して大学を選択した学生は減少(2008年64.8%→2016年54.5%)し、「あまり興味がなくても、単位を楽にとれる授業がよい」は増加(48.9%→61.4%)した。どんな勉強をしたいかわからないままに進学してくる学生が多いから一方的講義は効果が出ない。だから大学側はアクティブ・ラーニングを増やそうとしているが、アクティブ・ラーニングを選択しても単位が取れる程度に頑張っているだけでは効果は限定される。

学生生活については、単位僅少者などを除いて教員はほとんど指導しないのが普通である。これは大学生を大人と見なしているからだが、調査結果によると学生生活について教員の指導・支援を求める割合が15.3%から38.2%へと急増している。保護者のアドバイスや意見に従うことが多い学生、困ったことがあると保護者が助けてくれると考えている学生も年々増加し、前者は約半数で後者は過半数を超えている。総じて、大学生は大人になり切れていない。

学生の変化に大学側が対応するとすれば、自分で考える習慣を身に着けさせる方向に動き、単位を楽にとれる授業を減らし、アクティブ・ラーニングを増やすことだ。また、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)をきちんと説明するのも重要である。ディプロマ・ポリシーを知って理解している学生のほうが、知らない学生より大学生活の総合的な満足度が高い(68.7%対47,3%)という結果が出ているからだ。

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Mon, 21 Aug 2017 21:30:55 +0000 Mon, 21 Aug 2017 21:30:55 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027931.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027916.html http://agora-web.jp/archives/2027917.html http://agora-web.jp/archives/2027784.html
http://agora-web.jp/archives/2027888.html 無人機グローバルホーク導入中止を検討 馬鹿な同盟国は尊敬されない http://agora-web.jp/archives/2027888.html

グローバルホーク(防衛省サイトより:編集部)

無人機グローバルホーク導入中止を検討 費用23%増(朝日新聞デジタル)

上空から監視する無人偵察機「グローバルホーク」の導入について、防衛省が中止を含めて見直す検討を進めていることが分かった。導入を決めた際は3機分で約510億円と見積もっていたのが、米国のメーカーが日本向けに製造するには追加費用がかかることが判明。約23%増の約630億円にまで膨らむ見込みになったためだ。複数の政府関係者が明らかにした。

日本政府関係者によると、これまでは3機の本体と地上装置で計約510億円と見積もられていた。しかし、今年4月になって米国政府から「約630億円まで値上がりする」と連絡が入った。米軍向けの製造はすでに終わり、日本向けに取り付けるレーダーの主要な部品の在庫がないため、「メーカーが代替品を開発するために追加の費用がかかる」という説明だったという。合わせて、20年3月と見込まれていた最初の日本への配備も「21年7月にずれ込む」と通告された。
さらに費用がかさんで、当初の見積もりより25%以上増える可能性もある。防衛省関係者は「来年度以降、北朝鮮のミサイルを迎撃するための1基約800億円の陸上配備型新システム『イージス・アショア』の導入が始まるなど、今後も高額の装備品の購入が続く。費用の面ではグローバルホークの導入は極めて厳しい状況。あとは、政治決断だ」と話す。

はっきり言えば、安倍政権と防衛省が軍事音痴で間抜けだからです。
わざわざ古い仕様の役立たずを、アメリカ様からいわれたからと、キチンと調査もしないで導入を決めたからです。まるで田舎成金です。しかもかつては羽振りが良かった成金さんも今や青息吐息なのですが、昔の散財の癖が抜けていない。てな、感じです。

金遣いの荒いだけの成金は回りからカモだと思われても、尊敬はされません。

昨年度末にぼくが大臣会見で質問したときですら、どこの部隊で運用するかも決まっていませんとの大臣の答弁だったわけです。防衛省は何に、どのような目的でこれを使用するかもわかっていないということです。

キチンと、どんな目的で使用するのか、また費用対効果はどうなのかわかっていないのに調達を決定したわけです。これがプロの仕事でしょうか?ソ連ならシベリア送りでしょう。

だからカモにされているだけです。

自衛隊のグローバルホーク導入に以下の問題があります。

1)センサー類が古い仕様。

2)センサー類が洋上監視に向いていない。移動目標、真下以外の目標の探知が苦手。洋上運用ならばトライトンの方がマシ。

3)何を監視するかがよくわかっていない。

4)3機態勢では南西諸島監視だと1週間に数回、しかも一回あたり数時間でまるで対象範囲をカバーできない。

5)データが全部米軍に召し上げられて、生データを見ることができない。

6)費用対効果が悪すぎる。

7)データがリアルタイムで送れない。

ざっとこんな感じです。唯一のメリットは米軍が日本でグローバルホークを運用する整備拠点を確保できるだけです。つまりは自衛隊の予算を減らして、米軍と米産業に貢ごうとしていただけです。

南西諸島監視が目的であればヘロンTPクラスのUAVを沖縄の12機ほど配備する方が、余程役に立つし、調達、運用費用は数分の一、下手すると一桁違います。実はグローバルホークもヘロンTPもペイロードは大して変わりません。航続時間もグローバルホークが32時間に対してヘロンTPは36時間です。

しかもヘロンTPならばセンサー類、通信システム、そのインテグレーションは国内開発も可能でした。グローバルホークではそれは許されませんし、おまけにノースロップグラマンの駐在技術員の高い駐在費用も持つ必要がありません。

税金を無駄遣いして、自衛隊を弱体化するのが防衛省の仕事としか思えません。恐らく内局が過剰に「首相官邸の最高レベル」に忖度したからでしょう。

さて、今回の導入見直しですが、実行されない可能性も高いです。
防衛省は米国の一定比率以上について、価格が上昇した場合の、コスト超過時における見直し枠組み
(米国のナン・マッカーディ法を参考)を導入しています。(参照:防衛庁『装備品等の調達効率化に係る施策について』

ですが両者は大きく異なります。米国のシステムはかなり厳格に運用されていますが、実は防衛省のものはかなり恣意的です。これらは装備品等のプロジェクト管理に関する訓令(H27.10.1)取得戦略見直し等について(H28.4.8)です。(参照:防衛庁『防衛』

ナン・マッカーディ法では見直しは四半期ごとで、重要な不履行基準見積もり比は15パーセント上昇(当初基準比30パーセント上昇)、とるべきアクションは 45日以内に、計画の変更の内容やその原因等の必要事項を記載した不履行通知書及び当該4半期の取得計画報告を議会(下院)に提出。

クリティカルな不履行は、準見積もり比は25パーセント上昇(当初基準比50パーセント上昇)で、とるべきアクションはコスト上昇の根本原因分析を実施し、事業を継続する場合、60日以内に、国防長官から議会(下院)へ同分析を提出するとともに、以下を証明し、承認の可否を問う。

・安全保障上の不可欠性
・事業のコスト増を賄う他の事業より優先順位が高いことの証明
・コスト・コントロールを実施する枠組み 等

継続の要件は、議会(下院)の承認が必要です。

対して防衛省のものですが、見直しは毎年度ごと。米国と比べて極めてスローです。そして重要な不履行基準見積もり比は15パーセント上昇(当初基準比30パーセント上昇)と同じですが、とるべきアクションは、

○ 防衛装備庁長官は、取得戦略計画の見直しについて、関係局長及び関係幕僚長等と調整を行う(通達§3①)

○取得戦略計画の重要な事項に変更を及ぼすような見直しを行う場合は、装備取得委員会の審議を踏まえ、防衛大臣への報告又は承認が必要(訓令§16②)アクションまでの締め切りもなく、具体的な対処も決められておらず、国会への報告義務もありません。これで文民統制が効いているといえるでしょうか。

クリティカルな不履行は、準見積もり比は25パーセント上昇(当初基準比50パーセント上昇)で、これまた比率は米国と同じですが、 防衛装備庁長官は、取得プログラムを中止することが適当と認めるか否かについての防衛大臣の判断に資するため、関係局長及び関係幕僚長等と調整を行い、取得プログラムの継続の必要性について検討する(通達§3②)

これまたアクションに対する締め切り無く、検討するだけです。そして継続への要件は、防衛大臣は当該取得プログラムを中止することが適当と認めるときは、その中止を命じる(訓令§17)

これまた国会への報告義務もなく、大臣の一存で決まります。システムとて中止する決まりがなく「官邸の最高レベル」への忖度がやり放題です。

仏つくって魂入れず、です
しかも費用の一部を「初度費」に移すというインチキもやり放題です。初度費は本来、生産立ち上げの際にかかるラインの構築費やジグなどの購入費、ライセンス料などのことですところが実際はそういう名前だけで、実は100年でも継続して払い続けられます。ですから現状手直しや不具合の直しなどもすべて「初度費」で延々と支払われております。

これまた「官邸の最高レベル」を忖度して、やっぱり買いますということになりやすい。

■防衛省が導入中か導入計画中の高額の装備品
・航空自衛隊・F35A戦闘機(42機)           約8278億円
・海上自衛隊・SH60K能力向上型ヘリコプター(約90機)  約5153億円
・陸上自衛隊・垂直離着陸ヘリコプター・オスプレイ(17機)約2347億円
・陸上自衛隊・新多用途ヘリコプター(約150機)         約2044億円
・陸上自衛隊・水陸両用車(52両)            約352億円

陸自のUH-Xが富士重工案の、UH-1の改良型に決まったのはグローバルホークやAAV7、オスプレイなどを入れたために、予算が枯渇したためでしょう。

本命だった川重案のエアバスヘリとの共同開発に決まっていれば、今後世界中に千機以上を販売することが可能であり、技術開発の意味でも意味がありました。そして自動的に富士重工がヘリメーカーから脱落するので業界再編になり、ヘリ産業が自立できる素地ができたはずでした。
ところが大昔のUH-1ベースの機体を国内生産するだけ、近代も外国任せです。そして弱小メーカー3社体勢の温存。相も変わらず、防衛省に寄生して生きるしかない、ニート産業からの脱却は不可能となりました。

それをやったのは安倍政権とそのご機嫌取りをして出世することしか考えていない一部の内局官僚たちです。ちまたのネトウヨさんたちは、この手合いを「愛国者」だと思っておられるようですけども。

市ヶ谷の噂

新小銃は40ミリグレネードランチャー装着が前提。
豊和工業が提案していた新型小銃は単価100万円近くな上に、性能不十分でJALUX提案のH&K 416が優勢も提案単価は豊和提案の小銃と同レベルと「リーズナブル」なお値段との噂。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2017年8月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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Mon, 21 Aug 2017 21:00:46 +0000 Mon, 21 Aug 2017 21:00:46 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027886.html 【映画評】隠された時間 http://agora-web.jp/archives/2027886.html

母親が他界し、義父と共に離島に引っ越してきた少女スリンは、家にも学校にもなじめず、孤独な毎日を送っていた。そんなある日、ソンミンという少年と出会う。親がおらず施設で暮らすソンミンと次第に心を通わせるようになったスリンは、ソンミンと彼の友人らと一緒に、立入禁止区域にある洞窟に足を踏み入れることに。だが、ソンミンを含む少年3人が一瞬にして姿を消す謎の失踪事件が発生する。手掛かりもなく捜査は難航するが、ある日、スリンの前にソンミンと名乗る見知らぬ青年が現れる…。

孤独な少女と、満月の夜に行方不明になり突如大人の姿になって現れた少年の交流を描くラブ・ファンタジー「隠された時間」。神隠しやパラレルワールドなどの不思議要素を含むが、違う姿で現れた少年を、孤独な少女が唯一の理解者として守ろうとするピュアな初恋の物語だ。謎めいた洞窟と卵型の不思議な物体は、異世界への入り口なのだが、行った先は時間が止まった世界。なぜ3人の少年たちが選ばれたのか、時間経過に気付く月の変化がなぜ起こったのか、などの理由は曖昧なまま。スリンとソンミンという、共に孤独な子どもたちの淡い初恋を際立たせるために、ご都合主義の設定が続いていく。

本作の主要な見所は、イケメンスターのカン・ドンウォンが、外見は大人だが心は13歳の少年というピュアな難役を演じることで、それはなかなかフィットしていた。子どもが大人になる設定の映画では、名作「ビッグ」がすぐに思い浮かぶ。大人と子ども、男と女、人間と動物が入れ替わるといった、いわゆる“入れ替わりもの”では、そのギャップで笑わせるコメディーが多いのだが、本作はどこまでもシリアスで笑いの要素はない。新人監督のオム・テファは、あくまでも繊細さや純粋さを描こうとしたのだろう。スリンの人生には常にソンミンが寄り添い、時空を超えて二人は共にある。カン・ドンウォンのファンにはたまらないであろう、ロマンティックな作品だ。
【50点】
(原題「VANISHING TIME」)
(韓国/オム・テファ監督/カン・ドンウォン、シン・ウンス、キム・ヒウォン、他)
(ファンタジー度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年8月21日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式YouTube動画から)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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Mon, 21 Aug 2017 21:00:45 +0000 Mon, 21 Aug 2017 21:00:45 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027886-3.html 出会いは、川面を流れる木の葉のごとし http://agora-web.jp/archives/2027886-3.html 以前、川面を流れ行く木の葉を眺めながら、柄にもなく哲学的なことを考えてしまいました。

目の前を流れていく木の葉は、もしかしたら樹齢数百年の木に生えていたものかもしれない。数百年の歳月を経て若葉とて芽を出し、枯れ葉となって川面に落ちて流れている。このように考えると、私の目の前を流れている木の葉と私との出会いは天文学的な確率となります。人生における出会いというのも、同じようなものだと…。

私たち人間は、生まれてから様々な人達や物、はたまた景色等に出会います。
ほんの数秒でも時間がズレていれば決して出会うことがなかった場合の方が多いはずです。親しくしている友人・知人との出会いも、天文学的確率に依拠しているのでしょう。

たまたま同じ年に生まれ、同じ地域の同じ学校に通い、同じクラスになる、同じ部活に入る…ほんの少しズレていれば顔を合わせることもなかったはずです。

転勤や転職、はたまた退職をすると、それまで家族よりも長い時間を一緒に過ごしていた職場の同僚たちと永遠に会えなくなるケースが多いでしょう。

このように考えると、亡くなった人たちと(現にどこかで生きていても)二度と会うことのない人たちとの違いは、主観的にはさほど大きなものではありません。

人生は、サルトルが説くように自らが作り出すだけでなく、外的要因に大きく左右されます。運命論的なまでに消極的になる必要はありませんが、唯々諾々として受け入れるのも人生です。

目の前を流れていく木の葉を掴もうとする努力も必要ですが、次々に流れてくる木の葉全てを捕まえることは決して出来ません。目の前に現れた人や物も、流れゆく木の葉と同じです。

出会いは貴重ですが、出会いのほとんどはそのまま別れにつながるものです。流れゆく全ての木の葉を捕まえることができないのと同じように…。

昨今のストーカー事件などを見ていると、流れゆく木の葉を無理やり捕まえようとして川に落ちてしまい、木の葉を握りつぶして自分も溺れ死んでいく人たちを見ているようです。

SNS等が進歩して、かつては考えられなかったほどの数の人たちと出会うことができるようになりました。しかし、出会う人のほとんどは、目の前を流れ行くたくさんの木の葉であり、無理に捕まえることは決して出来ないものなのです。

出会った人たちすべてが自分にとって意味があると誤解すると、川に落ちてもがき苦しむ結果だけが待っています。流れ行く川面を静かに見つめる諦観こそが必要な時代に来ていると考えています。

説得の戦略 交渉心理学入門 (ディスカヴァー携書)
荘司 雅彦
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2017-06-22

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年8月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。

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Mon, 21 Aug 2017 21:00:37 +0000 Mon, 21 Aug 2017 21:00:37 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html
http://agora-web.jp/archives/2027892.html 現地レポート:「議会廃止」で揺れる高知県・大川村の真実! http://agora-web.jp/archives/2027892.html ”あの”高知県の大川村(土佐郡)を訪れました。

四国のど真ん中にある小さな村で、6月15日のブログで「もしかしたら議会を廃止するかもしれない」というニュースを扱った村です。

6月15日『議会を廃止?直接、政治ができる?これ、大チャンスじゃん!』

大川村は平成27(2015)年の最新の国勢調査で人口は396人、島嶼部などを除いて全国最少の市町村で、最盛期の昭和35(1960)年の4114人から1/10に減っています。

今回、和田知士村長にお話を伺って初めてわかったことがありました。
image大川村1
(和田知士・大川村村長と)

マスメディアの
「限界集落、過疎の村である」
→「だから村議会議員のなり手がいない」
との報じ方には誤解があり、実際は「お年寄りも相当に元気」で、若い人たちも大いに頑張っているということです。
「大川村地域おこし協力隊」メンバーとして首都圏から村に転入してくる人もいれば、お目にかかった大川村生まれで花卉生産業を営む山中教夫さん(36歳)は「標高800mの村は気温が低いので出荷時期をずらせる」ことを売りにしてトルコキキョウやユリなどの栽培を行い、従業員5人の規模までビジネスを拡大させました。
image大川村2
(山中敦夫さん 大川村生まれ 花卉栽培業 36歳)

image大川村3
(トルコキキョウ)

image大川村4
(出荷時期のユリ)

「過疎だから」議員のなり手がいないのではなく、「事業と議員の兼業は困難」だったり、また「小さい村だけに誰が誰に投票したか推測できてしまう」ようななかで議員を選ぶことの難しさが、議会存続の議論につながっているのです。

実際に大川村を訪れてみて多くのことを学びました。
村にはラーメン屋も焼肉屋もお寿司屋もないそうですが、年間約40頭しか出荷されない「大川黒牛」がありました。
image大川村5
右)大川黒牛の牛丼
左)土佐はちきん地鶏の親子丼

両丼とも実に美味しかったのですが、大川黒牛を食べるには村に行かなければならないというのがミソです。
全国に流通しているブランド牛とは違って”流通していない”ブランド牛です。
このような個性を活かしながら、頑張っている若い人たちと一緒に大川村は発展して欲しいと思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年8月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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Mon, 21 Aug 2017 21:00:35 +0000 Mon, 21 Aug 2017 21:00:35 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027933.html http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html
http://agora-web.jp/archives/2027887-3.html まずは25日の自民都連会長選、27日の茨城県知事選に注目 http://agora-web.jp/archives/2027887-3.html

安倍内閣に対する支持率がまたまた上昇したようである。

まだ不支持率の方が上回っているようだが、とにかく危険水域からは遠ざかったようである。
「ハゲェー」という罵声も聞こえないし、日報隠し大臣の苦しい答弁の映像も見なくて済む。

まあ、臨時国会が開会されるまではしばらく凪が続くのだろう。
暫しの小康状態、というところか。

こういう状況の下で、自民党東京都連会長選挙が行われる。
自民党本部の方々はあまり歓迎していないようであるが、この会長選挙で石破派に所属する鴨下さんが当選するようになると、一時は仇敵のような関係にあった自民党東京都連と小池さんの関係が劇的に改善されるはずである。

小池さんも決して順風満帆とは言えないのだから、自分の足を引っ張りそうな人の勢いが弱くなることは結果的にご自分の都政運営のプラスに働くはずだ。

小池さんはまだ何の結果も出していないではないか、などとネットの世界で騒ぐ人は相変わらず堪えないが、都政運営の支障にはならないはずである。思い切って新機軸を打ち出されてもいい頃だろう。

もう一つ注目されるのが、茨城県知事選挙である。
盤石だと思われていた現職知事がどうやら自民党、公明党が推薦する新人候補の猛攻に追いまくられているようだ、というニュースを耳にした。

菅官房長官まで乗り出し、自民党の総力を挙げて現職知事を潰しにかかっているような印象である。

何で中央が一地方自治体の長の選挙にここまで介入してくるのか、と現職知事の陣営から苦言や悲鳴が聞こえるまでに激越な選挙戦になっているようである。

寄ってたかって弱い者苛めをしているような構図になっているので、普通の場合は苛められている側に味方するのが私の基本スタイルなんだか、今回の茨城知事選挙の場合はちょっと厄介だ。

原発再稼働に消極という現職知事の政治姿勢には共感するが、多選批判に抗弁することはちょっと難しい。ちなみに、候補者本人の資質は、それぞれにいい。

いずれにしても、今回の茨城県知事選挙の結果は、現在の世論がどのあたりにあるのかを知るための好個の判断材料になりそうである。

自民党、公明党の総力を挙げての戦いに敗れれば、自民党も公明党も今後の選挙戦略、選挙対策を見直さざるを得なくなるはずだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年8月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。

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Mon, 21 Aug 2017 21:00:34 +0000 Mon, 21 Aug 2017 21:00:34 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027933.html http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html
http://agora-web.jp/archives/2027894.html 元トップCAに聞く!私がもっとも大切にしているもの http://agora-web.jp/archives/2027894.html

写真はインタビューに答える七條氏。

先週、アゴラにエントリーした「元トップCAに聞く!『3流』すぎる人の振る舞いとは」が、転載されたYAHOOニュースで、かなりアクセスを伸ばした。航空会社関連記事の関心が高いことに加えて、「ファーストクラス」「セレブ」「ステイタス」といった根拠のない荒唐無稽な内容に、読者が嫌気を感じているのだろうと推測した。

座席における乗客の優劣は存在しない

まず、基本的な主張として、すべての乗客に優劣が存在しないことを申し上げておきたい。エコノミー、ビジネス、ファーストの各クラスにおいて優劣は存在しない。なかには、ファーストクラスが成功者のステイタスと主張する人もいるだろう。エコノミーの数倍の運賃を支払う義務が発生するわけだから一概に否定するつもりはない。

現在、なんらかの成功をして搭乗している人もいれば、今はエコノミーでも、将来に成功を収めてたどり着く人もいるだろう。関心が無い人もいるだろう。そう考えれば人の評価は謙虚にすべきである。勘違いしてはいけないのが、ファーストクラスには運賃を支払えば誰でも搭乗できるということだ。座席のクラスで属人性が規定されるわけではない。

また、今回、取材をした七條千恵美(以下、七條氏)は、際立って影響力のあるCAが選ばれる「Dream Skyward優秀賞」を受賞している。皇室チャーターフライトの選抜メンバーにもアサインされ、社内考課ではS評価を獲得している(S評価は上位約5%)。その経験が評価され、サービス教官として1000人以上を指導した実績もある。

以上を踏まえて、七條氏が取材対象者として相応しいことを確認した。ファーストクラスの乗客に関する認識を是正したいという考えも理解できた。実際に、航空会社が乗客を差別していることを公表したことは無い。情報としての有用性があると判断し、アゴラに掲載したものである。今回も七條氏に取材した内容(最終回)を紹介したい。

乗客に「イエスかノー」で答えてはいけない

「お客さまからの質問に対して『イエス』or『ノー』で答えることは、好ましくありません。『イエス』か『ノー』としかお答えできないのは、人間としての機能をフル活用できていないことと同じです。接客の世界では、『一声多く言葉をかけて』といわれますが、これも本質を理解していないケースが少なくありません。」(七條氏)

次ぎのケースは非常にわかりやすい。「乗客がなぜそのような質問をしたのか」という部分に着眼すれば答えを導くことは容易である。

「例えば、お客さまの搭乗中、『CAさん、今日は満席ですか?』という質問を受けたとします。さて、この質問をなさったお客さまが本当に知りたいことは何でしょうか?。実際にこの質問はとても多いです。『席をかえてほしい』または、『自分の快適性について知りたい』というお気持ちをもっている方がほとんどです。」(七條氏)

「本当に知りたいことは、満席かどうかということではなく、『要望が叶えられるのか』『不安が解消されるのか』ということなのです。空席があるなら対応は簡単です。『本日は空席がございます』とお伝えし、ご希望の座席に案内をすれば済むことです。しかし、工夫が必要になるのは満席だったときです。」(同)

ビジネスマンや母親には次のような傾向が見られるようだ。問題解決や不安要素の払拭に効果のある「一声」をかけなければ意味が無い。

「このような質問をなさったのが、ビジネスマンのお客さまであれば、『会議やお仕事で急いでいて、すぐに降りられる通路側がよかった』と推測できます。その場合、気にするのは『時間』です。こまめに到着時刻をご案内したり、到着時の駐機場番号をお伝えすることで少しは不安の解消に繋がります。」(七條氏)

「赤ちゃん連れのお母さまであれば、子どもが泣いて近くに座る人に迷惑をかけたらどうしようという『不安』があります。不安を払拭するために『私たちCAがいつでもお手伝いしますよ』という気持ちを伝え、安心していただくことに努めます。」(同)

クレーム対応で接客の本領が発揮される

「さすがに、クレームの多いお客さまや気難しいお客さまの対応が大好きという方は少ないと思います。しかし、それでも『接客はおもしろい』と感じています。対応が難しいお客さまにも、接触を避けずに解決しようという気持ちが大切です。とはいえ、押しつけがましい接客は、お客さまに鬱陶しいと感じられてしまいます。」(七條氏)

「まずは、目の前にいるお客さまから情報を得ることが重要です。お客さまの表情や態度から、ご不満を抱えていらっしゃるのかどうかと、その原因を突きとめていきます。一見怒っているようにみえても、体調不良や旅のお疲れから、不機嫌であるだけということもありますので、注意してください。」(同)

視覚から情報を入手したあとは、相手のペースにあわせていけばスムーズである。なお、相手が発する情報で「疲れている」「眠い」の2つのサインは見逃してはいけない。

「以前、パリ便のファーストクラスにあるご夫婦がご搭乗になりました。お食事やワインもお楽しみいただきたいという想いから『お食事がまだのようですがおもちしましょうか?』と伺っても、おっしゃることは『じゃ、ペリエを』だけでした。本当にペリエだけでいいのかと内心ソワソワしたものです。」(七條氏)

「しかし、ペリエをひと口飲んですぐにお休みになったご様子から、ご夫婦のお望みは、『とにかく機内でゆっくり睡眠をとること』だったのだと気づきました。『お客さまのお望みが何かを知り、それをできる限り優先する。こちらの価値観を押しつけない』という意味で、このケースをご紹介させていただきました。」(同)

なお、好評をいただいた、七條氏のインタビュー記事は今回をもって一旦終了としたい。七條氏が勤務していた頃、JALはナショナル・フラッグ・キャリア(national flag carrier)だった。当時の「鶴丸ロゴ」は威厳があったように記憶している。人々の安全を守り、ハイレベルなサービスを提供する航空業界のノウハウは奥が深い。

参考書籍
接客の一流、二流、三流』(アスカビジネス)

なお、新刊『007(ダブルオーセブン)に学ぶ仕事術』は、「007ジェームズ・ボンド」が社内の理不尽に立ち向かう想定で書き起こしたマネジメント本になる。社内の理不尽に対してどのように立ち向かい対応するのか、映画シーンなどを引用しながら解説している。

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からお知らせ>
<第7回>アゴラ著者入門セミナー開催(2017年9月12日)のお知らせ
次回は、9月12日(火)夜に開催します。著者セミナー、並びに出版道場へのご関心が高いことから、ご優待キャンペーンとして定額5.000円のところを、今回はキャンペーン価格3,500円でご優待します。お申込みをお待ちしております。
お問い合わせ先 info@agorajp.com

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Mon, 21 Aug 2017 21:00:26 +0000 Mon, 21 Aug 2017 21:00:26 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027928.html http://agora-web.jp/archives/2027905.html http://agora-web.jp/archives/2027886-3.html http://agora-web.jp/archives/2027880.html http://agora-web.jp/archives/2027874.html
http://agora-web.jp/archives/2027890.html 「むら社会」と「無縁社会」の日中比較③完 http://agora-web.jp/archives/2027890.html

きだみのる『にっぽん部落』は、日本の風土に根差した民主のあり方に逆光線を当てる示唆を与えてくれた。それを可能にしたのは、この著作の根源的な意義でもある、現場に身を置き、そこで営まれてきた生活を把握し、地に足のついた発想をするという一点である。徹底した現場主義だ。

都市のサラリーマンに比べ、むら社会はそれぞれが田を持って独立し、自由であり、掟によって自主的に全体の利益に従うことはあっても、上から頭ごなしに命令されるという慣習は存在しない。都会からは閉鎖的に見え、オルグの対象とされたとしても、押し付けられる空疎な理論をはねつける伝統の力がある。失われゆくむら社会を理想化し、単純な回顧に陥っては、筆者の意思を曲解することになる。

むら社会と都会が関係を保ちつつ、時空を超えて行き来できたとしたら、国民の性質にかなった民主の道を模索する道はより豊かになったのではないか。少なくともそう反省をすべきなのではないか。中世以降、有縁の逃げ道として無縁があったように、有縁と無縁が有機的なつながりを失わなければ、現在の、糸が切れた凧のような無縁社会にはならなかったのではないか。

私は最も心を打たれたのは、きだみのるの次の視点だ。彼の目は予断や好き嫌いを排し、まっすぐに村人へ向かう。

「部落の者を観察していると、彼等は部落の各々に善悪の二本立ての考課表を作っているように見える。これは長年日々につき合い、人間を全人的に観察しているので出来るのだ。こうして腹の立つときには考課表のいいところを思い出し、好きになっても悪い表は忘れない。そこまでゆくには時間がかかることもある。かっとしたときには相手の悪いとこを思い出してなお腹を立て、仲良くなるとよい点を思い出して用心も忘れるが、やがて反対を思い出して修正される。こんな観察のし方をしたら人間とは道徳的には善から悪までのすべて、政治的には右から左までのすべて、器質的には温良から暴力までのすべて、その他反動から進歩的までのすべて、何からかにからその反対の極まで持っていて、なるほど『人間は無限で定義づけ難い』ことが改めて解る」

「わたしだけがいい子で、他人は悪い子」などということがあるはずはない、という人間観、人生観が控えている。有縁社会は、いかにして人と向き合えばよいかということをあくまでも追い求めるのだ。これに反し、無縁社会における人間は現場を離れて抽象化され、いかにして人為を避けるかを学んだ先に横たわっている。

土地から切り離され、人間が機械の部品に分断された無縁社会を結びつける接着剤として、空虚な愛国心が利用された。中国では伝統文化や毛沢東思想が持ち出され、日本では天皇を頂点とする国家神道、それを具現化するための教育勅語が生まれた。

現場を歩き続けた柳田国男が戦後、教育勅語に代表される教育の欠陥を批判して、

「公徳心、公衆道徳というものが書いてありません。愛国ということはあるけれども、愛村、愛県、愛地方というものがないし、一般人に対する態度というようなものを決めるものが出ておりません」(『村の信仰』)

と書いている。「一般人に対する態度」とは、きだみのるの言葉を借りれば「二本立ての考課表」である。

敗戦によって愛国を否定したところへ、その代わりに愛すべき故郷があるのかと言えば、すでに都市化によって失われている。もはや無縁は極限にまで推し進められるしかない。無縁は核家族や高齢化によって生まれたのではなく、愛国に代わる縁の結びを探し得なかったことによって導かれたのだ。むら社会の実態をしっかり見なかったことによって生じたのだ。

個人の知識の蓄積や経験はますます軽んじられ、長老の知恵が重宝だった時代は終わった。インターネット社会、人工知能によって、その傾向はますます強まるに違いない。過去の記憶はコンピュータに刻まれるが、人間の頭脳からは遠ざかっていくことを意味する。無縁社会で失われるのは個人の存在ばかりではない。むしろ、共同体が担うべき経験や記憶、伝統が流出することの方が、禍根が大きい。

個人を尊重することに価値を見出すことも結構だが、その視点だけではむら社会の歴史的な意義は見失われる。人間を暮らしの中に置いて全人的に観察し、生活者の目線を取り戻すところから始めるしかないように思う。

(完)


編集部より:この記事は、汕頭大学新聞学院教授・加藤隆則氏(元読売新聞中国総局長)のブログ「独立記者の挑戦 中国でメディアを語る」2017年8月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、加藤氏のブログをご覧ください。

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Mon, 21 Aug 2017 21:00:20 +0000 Mon, 21 Aug 2017 21:00:20 +0000 http://agora-web.jp/archives/2027925.html http://agora-web.jp/archives/2027930.html http://agora-web.jp/archives/2027929.html http://agora-web.jp/archives/2027927.html http://agora-web.jp/archives/2027926.html