Pixarの新作アニメ『私がビーバーになる時』(原題:Hoppers)が話題です。
2025年12月9日発売の私の最新書籍である『世界のニュースを日本人は何も知らない7』でも海外でのコンテンツの話を取り上げていますが、『私がビーバーになる時』は日本人が知らない海外での日本人気を知るうえで非常に重要な作品です。

この作品はすでにアメリカや他の国で話題になっていますが、特に注目を集めているのが主人公の19歳の女子大生メイベル・タナカさんです。
【参照リンク】『私がビーバーになる時』のメイベルは可愛い Reddit
まず名前からしてはっきりわかるように、タナカさんは日系アメリカ人です。最近はアメリカのアニメの世界もディズニーも、さらにハリウッドもなぜか日本人や日系人キャラが登場することがあり、親しみを持って迎えられています。
これまでもアメリカの作品には日本人が登場することはありましたが、バブル華やかな頃はワーカホリックのサラリーマンやヤクザなどが多く、男性が主でした。
それ以後になるとアメリカのテレビドラマ「ヒーローズ」のヒロことマシ・オカさんのように、少しふっくらしていてドジなところがあり、コミカルで親しみやすい日本人男性が登場するようになります。
また同じ頃、映画ではクエンティン・タランティーノの『キル・ビル』でゴーゴー夕張さんという日本人女子高生が登場します。
今から25年位前の2000年前後には、日本人のキャラクターというものがより多様性を持ったものになっていました。
しかし、あくまでコミカルな男性や女子高生、アイドル、脇役というのが主流であり、さらにアメリカで生まれ育った日系人がテレビや映画の主要キャラになるというのは非常に稀なことでした。
しかし最近は、タナカさんのような日系アメリカ人の女性キャラが登場しています。それだけ日本的なもの、日本にルーツがあるものや人に注目が集まり、好意的に取られているということの証明です。

女子大生メイベル・タナカさん 『私がビーバーになる時』(原題:Hoppers)より
さらに注目すべきなのはタナカさんのキャラクターです。
タナカさんはノーメイクでそばかすだらけです。なぜかタナカという名前が縫い付けられたオーバーサイズのミリタリージャケットを着ていて、これは彼女の家族のものではないかということがネット掲示板で議論されています。
おそらく彼女の家族は米軍に所属していたのではないでしょうか。もしくはミリオタです。
昔のハリウッドやディズニーの世界であれば、ミリオタというのは非常にネガティブな印象を持たれていました。ミリタリージャケットを着ているキャラというのは、いじめられていたり家が貧乏だったりすることが多かったのです。
しかし今回の作品ではそうではないのです。非常に前向きなものとして捉えられています。
そして彼女の髪型はドラゴンボールの悟空にそっくりな非常に不思議な形をしています。普通の女性であればまずしない髪型です。
女子キャラというよりもどちらかというと、『トイ・ストーリー』に登場した男子キャラクターや、ポケモンのアニメ版の主人公サトシくん(英語名ではアッシュ)に似ていると指摘するネットユーザーも多いです。
服装もボーイッシュで行動も男子のようです。彼女はテクノロジーに興味があり、非常に探究心が強い女の子です。
非常にユニセックスな印象のキャラで、これまでの日本人や日系人といえば女子高生やアイドル系の萌え要素の強いキャラが多かったのに対し、大きな変化を感じさせます。
そしてこうしたボーイッシュなキャラクターは、子どもや若い世代には非常に前向きなものとして受け入れられており、ネットでも可愛いという声が多く見られます。SNS用のアイコンやスタンプを作る人もいますが、それは女子ではなく男子が作っているのです。
つまり男子の間でも、セクシーなキャラよりも、こうしたボーイッシュで前向きで可愛いキャラが良いという評価があるのです。
ただ今のZ世代は、このように性別をあまり強調しない傾向もあるため、現在の流れを捉えたものともいえるでしょう。
例えば80年代に大人気だったゴーストバスターズの最近のリメイクでも、ゴーストバスターズのメンバーの孫にあたる世代が主人公ですが、ユニセックスでボーイッシュで科学に強い女の子が登場します。
かつての主要メンバーであり、亡くなってしまったスペングラー博士が異世界転生したかのような展開になっています。
彼女は非常に理性的で、少し気が弱い男性キャラをぐいぐい引っ張り、生活力がない母親を支え、発明を行い、車で移動しながら祖父の仲間たちとともにゴーストと戦っていきます。しかし別に男勝りというわけではなく、あくまで他の男性たちと協力して仕事を進めていくのです。
このユニセックスなキャラクターは、今の子どもたちや若い世代にも非常に人気です。
つまり若い世代や子どもたちの間では、「素敵な女の子」の感覚が変わってきているということです。
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世界のニュースを日本人は何も知らない7 フェイクだらけの時代に揺らぐ常識









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