
足かけ3年に及ぶ「オープンレター秘録」の連載が完結し、ぶじ書籍化も決まったわけだが、関心を持つ方が今後参照しやすいように、全論考を1か所にまとめたページを設けておく。
2021年に発生したオープンレター問題が「そもそもなにか」は、noteを始める前のアゴラでの連載の次の回が、いちばん簡潔にまとまっている。22年秋のこの記事の末尾に、当時執筆したすべての論説へのリンクもある。

以下、24年以降にnoteで書いた記事を、テーマ別に並べる。最後まで読んでくれた人には、口直しの「おまけ」も用意するので、目次からのショートカットでもいいから、楽しんでほしい。
連載「オープンレター秘録」








連載に前後していくつか係争もあったが、すべて当方の反論により解決済みである。あくまで歴史上の資料に供する目的で、リンクを残すが、当事者間で決着した問題を無責任に外野からあげつらう事態は、厳に慎まれたい。
橋迫瑞穂氏(社会学者)



古谷経衡氏(文筆家)

なぜ発生から5年も経ってなお、オープンレターに対する正確な情報の整理と、批判が欠かせないのか。それはネットを越えてリアルな社会にまで、与えた負のインパクトが甚大だからだ。
日本社会への影響


こうまでややこしい事態になったことには、他の西側諸国(特に米英)にも混乱と分断をもたらしたイデオロギーの「直輸入」が背景にある。それを周知するのもまた、連載の眼目だった。
トランスジェンダー問題



「他山の石」で済む問題ではなく、現に日本でもダミーサークルの創設や既存の学会への圧力など、「学問の自由」を脅かす事態が生じていることもまた、リアルタイムで発信してきた。
学会偽装/乗っ取り問題



私にも想定外だったのは、2025年に問題の「本場」だったはずの米国で、誰が誰を「キャンセルするか」の向きが180度逆転する劇的な展開を見たことだ。日本のオープンレターズにとっては、まさに2度目の埋葬となった。
キャンセルカルチャーの反転


以下は、そんなオープンレターズのうち著名な何名かにつき、個別に言及した記事のリストだ。公平に言って、学問や出版で一定の実績のある方も多く、責任ある対応が望まれていると思う。
北村紗衣氏(武蔵大学教授)


隠岐さや香氏(東京大学教授)

小林えみ氏(よはく舎)

玉田敦子氏(中部大学教授)




しかし、中には「SNSが本業なのか?」と、見まごう学者もいたりする。
さぁ、みなさんお待ちかね! 自ら用いた論敵への罵声も含めて、この問題で「だけ」一挙に知名度を上げた対戦チームのMVPは、アゴラのこの記事でも大活躍した次のヒトだろう。ちなみに、本人のお仕事はこちら。
嶋理人、あるいは「豚の嘶き」


前にも書いたが、大学を辞めて以来の長年の趣味に「やきとん屋めぐり」がある。まさにオープンレター事件と重なるコロナ禍の中で、そうした店の存続を守ることこそ、自分にできる貢献だと思ってやってきた。
リアルとネットの双方で、社会の(一時的な)多数派が勝手に不要と決めた相手を排斥するキャンセルカルチャーに、ずっと抵抗してきたわけだ。むろんそれこそが、ポストコロナのあるべき「リベラル」の姿に他ならない。

さて、やきとんの魅力のひとつに、本来「不要不急」な部位などないと教えてくれることがある。なので店に行けない日は、マイナーな部位を串打ちする動画を眺めて楽しんだりするのだが、いま、唐突にひとつ思い出した。
なぜ思い出したのかは、わからない。だが、せっかくだし同じ趣味の人が増えてくれると、リアルとネットの双方で安易に相手を「豚の嘶き」とか呼ばない、キャンセルに強い文化が育つと思うので、貼っておこう。
2021年以来のオープンレターズの惨めな壊滅と、責任感なき逃亡を通して、博士だ・学者だ・大学教授だといっても「なんだ。入っているのはこの程度の脳なのか」と知った人は多い。
その意味ではあのレターは、なによりも彼ら・彼女らの頭蓋骨をオープンして見せてくれたのかもしれない。その影響がいよいよ社会を本格的に動かすのは、26年2月の総選挙で決まった、新たなこの国の体制の下になる。
ようこそ! 空っぽとわかった知性が開頭され、串に刺して炙られ、もう誰も信じない世界へ!

(ヘッダーほかは、素敵な映画レシピサイトの「ハンニバル」の頁より)
編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2026年4月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。







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