ハンセン病元患者の家族を救済する法律の制定を急げ

玉木 雄一郎

先日、超党派の議員で構成される「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」が開催されました。

地元高松市庵治町に国立ハンセン病療養所である大島青松園があることもあり、初当選以来、ハンセン病をめぐる諸問題に取り組んできました。現在、議員懇談会では顧問を務めています。

本年6月に、熊本地裁で、元患者の家族に対する国の賠償責任を認める判決が出たことは画期的なことでした。そして、政府の控訴断念、総理談話の発表、ご家族との総理面談が、次々に実現したことは本当に良かったと思っています。

ただ問題はここからで、ご家族に対する具体的な救済内容をどうするかです。正直申し上げて、判決に示された救済内容では不十分だと思います。

議員懇談会では、国の誤った隔離政策で筆舌に尽くしがたい苦難や差別偏見を受けてこられたご家族から、涙無くしては聞けない悲しみと苦悩のお話を伺いました。

隔離政策が理由で、幼少期に家族がバラバラにされ、父や母と正常な家族関係の構築の機会を奪われ、人生全体にわたる経済的、精神的被害を受けられた。そんなご家族に対する救済をどこまで、どのように行うのか、まさに、政治の意思が問われています。

来たる秋の臨時国会で、救済法が審議、制定される予定ですが、我が党国民民主党の泉ケンタ政務調査会長が法案作成を担当することとなりました。今回いただいたご家族の皆さんの要請、思いをしっかり受け止め、法案の中身を固めていきたいと思います。

2001年のハンセン病問題に関する決議にあるとおり、ハンセン病問題の最終解決に向け、立法府の一員として責任を持って取り組んでまいります。


編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2019年9月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。