こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
本日は党の内閣部会からスタート。「子ども・子育て支援法の一部改正」の方はまだしも、所得に合わせて児童福祉手当を削減する「児童手当法の一部改正」には私は反対。しかし、法案としてはセットで提出されているので、切り分けて採決ができない。悩ましいが、引き続き党内で議論します。 pic.twitter.com/eg3LIF63Zz
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) April 2, 2021
昨日から衆院で「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案」が審議に入りました。
Tweetした通り、子ども・子育て支援法の方は(細かいことを言えば色々あるとして)大筋では賛成できるとしても、児童手当法改正案が問題です。
年収1200万円以上の児童手当廃止 改正案が審議入り
ネット上では閣議決定された二ヶ月ほど前に大きな話題になっていたのですが、高所得者層への児童手当を削減・廃止するという内容です。
削減という考え方にも理がまったくないわけではなく、これくらいに所得層にならば大きな影響はないので再配分するべきだ、そもそも世帯主(主たる生計維持者)ではなく世帯合算で判断するべきなど、制度に改善点はあります。
しかしながら、タイミングとしても政策優先順位としてもまったく納得できるものではありません。
今回、セットで提言されている子ども子育て支援法改正の内容に財源がかかるので、それを捻出するためというのがセット提案の理由です。
必要な財源を「子育て支援」の枠内で移動させようという発想ですが、それでは子育て支援全体にかかる予算は増えませんし、なぜ子育て支援にだけ厳しい財源確保を求めるのでしょうか(高齢者福祉に税財源がいまだ潤沢に使われているのはご承知の通りです)。
しかも今回の削減で生み出される財源は370億円(61万人分)で、もちろん巨額ではありますが、国会財政規模を考えれば行政改革などで十分に生み出せる金額です。コロナ禍の今なら、国債発行での対応も考えるべきでしょう。
そのわりに、この削減策によって打ち出される「政治的メッセージ」は強烈であり、政府が子育て支援に後ろ向きであると捉えざるを得ません。さらに子育て世帯内で「分断」を招くことにもなります。
コロナ禍で出生率が激減して誰もが危機感を感じているこのタイミングで、370億円の財源のために本当にやるべきことなのでしょうか。強く疑問が残ります。
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悩ましいのは、前述の通りこの法案は2つの法改正が「セット」で提案されているため、児童手当法の改正のみに反対ができないということです。
その点も含めて本日の党部会でも活発な議論がかわされましたが、私以外にも児童手当削減には強く疑問を覚えている所属議員は多くいます。
閣議決定の際は大きな話題になったものの、本件(児童手当削減)の世論は下火になりつつあります。しかし、審議はここからが正念場。
ぜひ皆様にも今一度ご注目いただき、国会議員に多くの世論の声を届けていただければ幸いです。
党内でも私は反対・慎重の立場で議論をして参りたいと存じます。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年4月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。