5月の超過死亡急増にコロナワクチンは関係しているのか?(後編・改訂版)

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超過死亡者数近似値の計算方法に問題があるのではないか、という指摘をアゴラ編集部より受けました。そのため、改訂版を検討していたところ、国立感染症研究所が、5月の超過死亡のデータを既に公開していることに気づきました。それを用いて結果の表を作り直すことにしました。

感染研のデータは、週単位のデータですので、月単位に集計し直しました。

また、超過死亡者数を区間で提示していますので、結果の表では下限値と上限値で表示しました。なお、感染研では、「補正あり」と「補正なし」の両方のデータを公開しています。前編で紹介した新聞記事では、「補正なし」のデータを使用しています。こちらでは、「補正あり」のデータを使用していますので、数値が若干異なりますので、ご注意ください。

新規感染者数のグラフと結果の表を見ながら、考察することにします。

まず、超過死亡者数の上限値を用いて、考察してみます。

超過死亡者数の内訳としましては、

(1)新型コロナ感染症による死亡
(2)医療逼迫のため十分な治療を受けられず他疾患により死亡
(3)ワクチン接種後の死亡
(4)PCR検査未実施の新型コロナ感染症による死亡

が考えられます。

(4)については、現在病院で死亡した場合は全例にPCR検査が実施されているはずですから、その人数はごくわずかと考えられますので無視とします。

1月は、まだワクチン接種は始まっていませんので、上限値よりコロナ死亡者数を引いた「2611人」が、(2)に相当すると考えられます。5月は第4波のピークであり、1月は第3波のピークです。状況が似ていますので、5月の(2)も、「2611人」くらいと推定できます。

さて、ここで5月の「本当の接種後死亡者数」を推定してみます。

(接種後死亡者の推定数)=(超過死亡者数の上限値)-(1)-(2)

となります。

結果は「4387人」でした。春期は、冬期より心臓病や脳出血が少ないため、医療逼迫はおきにくく、5月の(2)は「2611人」より少ない可能性があります。一方、第4波ではアルファ株の拡大があり、大阪府では医療崩壊がおきたため、5月の(2)は「2611人」より多い可能性もあります。

感染研の県別データによりますと、大阪の5月の超過死亡者数の上限値は、1552人でした。大阪府の5月のコロナ死亡者数は859人ですので、これを引きますと、大阪の(2)は693人となります。(1)と(2)は、ほぼ比例するという前提で、大阪の(2)より、全国の(2)を推定すると「2274人」となります。これは、既に推定した「2611人」より、小さい数値です。つまり、大阪の(2)より、全国の(2)が大きく増加する可能性は低いということです。したがって、大阪の医療崩壊による補正は不要と考えられますが、念のため1.5倍の補正も検討してみました。結果は「3082人」でした。更に、接種後死亡者推定数が報告数の何倍かを計算してみました。結果は、16倍~23倍でした。

次に、超過死亡者数の下限値を用いて、考察してみます。

1月の下限値はマイナスです。2020年の死亡者減少は、マスク着用や手洗いなどの感染対策の結果、
新型コロナ以外の肺炎やインフルエンザによる死亡が減少したことが主因とされています。1月のマイナスも同じメカニズムによるものと考えられます。5月も同様で、下限値よりコロナ死亡者数を引きますとマイナスとなります。したがって、接種後死亡者が報告数以上に存在していた根拠はありませんので、倍率は1倍となります。

ここで、更に別の観点より倍率を推測してみることにします。以前の私の解説で、死亡者が25倍とか37倍とかにならないと辻褄があいません、と説明しました。この解説は見方を変えますと、「厚労省の試算により、ワクチン接種後の死亡者は、実際には最大25倍~37倍存在する可能性が示された」と読み解くことができます。ただし、接種者には全身状態の悪い人が含まれていないことを考慮しますと、倍率は最大倍数よりは、小さいと推測されます。算出された数値が極めて不自然な場合は、厚労省はその原因を解明し、国民に説明するべきです。

結論としては、「5月の超過死亡には接種後死亡者が含まれており、その推定数は報告数の1倍~23倍である可能性が示された」となります。政府は、5月の超過死亡者増加の原因を早急に分析し、国民に説明すべきだと、私は思います。

接種後の死亡者数をはっきりさせるには、以前にも指摘したように、接種後1か月以内の死亡・入院の報告を義務化するのが一番確実です。ただし、過去に遡って義務化するのは、現場の負担が過大かもしれません。報告項目を簡略化する検討も必要です。現場に負担をかけずにやるとすれば、私が以前に提案した方法が最適です。マイナンバー法の法改正が必要かもしれませんが、政府がその気になれば難しいことではありません。それを実施すれば、接種後の死亡が偶発的か否かが明確になります。

ワクチンを否定するつもりはありません。ただし、ワクチンに過度に依存することには、私は疑問を抱きます。3回目の接種、16歳未満の人への接種には、再考の余地があります。

何をするにせよ、「現状を正しく把握すること」が、何よりも大切です。

政府には、原点に立ち返ってほしいと、私は思います。

補足)重要なニュースですのでリンクを張っておきます。
英ワクチン独立委 12~15歳への接種は「推奨せず」