フランス総選挙では『極右』がわずかに過半数に届かずか?

ヨーロッパ議会選挙の結果については、「欧州で『極右』が躍進した理由を誰より明快に説明します」で深田萌絵さんのYouTubeでの対談を紹介した。

欧州で『極右』が躍進した理由を誰より明快に説明します
深田萌絵さんの政経プラットフォームで『深田萌絵×八幡和郎『脱炭素で右傾化するヨーロッパ』という動画を配信している。 欧州議会選挙(6月)で極右が躍進し、フランスではマリーヌ・ルペン氏の国民連合(RN)が第一党になった。今回の欧...

今度はデイリー新潮で、「欧州議会選挙フランスの右翼「国民連合」はなぜ第1党になったのか」というタイトルで、欧州議会選挙の結果について数字など含めて詳しく論じると共に、フランスの総選挙の行方も論じている。

欧州議会選挙での極右勢力の勝利を見て、マクロン大統領は奇襲で国民議会(下院)を解散した。6月30日と7月7日に総選挙が行われる。

フランス総選挙の議席予測各種。過半数は289だが、極右RNが取るかもしれない。大統領与党ENSは第三党か。左派の左派連合(新人民戦線)NEFも健闘。経済について言えば左派と極右とは同じくらい悪い。

最近の四種類の調査では、過半数289に対してRNが200~250(平均)~300、マクロン与党が70~100~130、左派連合(新人民戦線)が135~170~240で左派連合が勝利する可能性もわずかながらある。

ただし、財政規律について極右や左派でも日本の現状より遙かに財政規律重視である。新型コロナワクチンについては、極右は懐疑派だが、有害などといった奇抜で危険なことはいっていない。左派は強制には反対だが推進派。貧しい人に行き渡るように主張している。

非常に心配な状況だが、どうひっくり返っても日本の現状よりはベターだということだ。世論マクロンは、RNが第一党でも単独過半数を取らなかったらバルバラRN党首を首相にするのは拒み、左派連合にも渡さず綱渡りで乗り切るつもりだ。

穏健な社会党から極左までの左派連合(新人民戦線)が成立したが、政策が極右以上にポピュリスト的積極財政なので経済界も驚いた。マクロンも極右より左派連合を攻撃し始め、過半数を取る政党がなければ非常事態宣言をする噂まで出て、混沌としてきた。

はたして、7月26日のパリ五輪開会式のときの首相はだれだろうか。

マリーヌ・ルペン国民連合(RN)党首 Xより

マリーヌ・ルペンはますます中道化しているし、極右のイタリアのメローニ首相がそこそこうまくやっているのを人々は見ている。たとえ総選挙は切り抜けても、2027年の大統領選挙では今度こそ悪夢が実現する可能性は消えない。


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