批判、否定されても傷つかない心の持ち方

黒坂岳央です。

記事執筆、動画発信をしていると避けられないのが批判や否定である。また、リアルの世界を生きていても必ず否定から入る人も一定数おり、カチンと来ることもあるだろう。

自分は昔は血気盛んな時期はこうしたことにイチイチ応酬していた。一時期はかなり悩み、否定的なことを言われるとモヤモヤして眠れない時もあった。しかし、今は改善でき上手にスルーできるようになった。

結論から言えば、自分を傷つける相手の正体を冷静に理解することである。そうすれば腹も立たない。そのコツをシェアしたい。

pepifoto/iStock

伝え方が下手

まず、事実として理解しておくべきことは腹を立てる物言いをする人物は必ずしも、こちらに打撃を与える目的で傷つけるような物言いをしているわけではないということだ。

「なんでそんな言い方をするの!?」と若い自分は激昂していた時、必ずといっていいほど返ってきた言葉は「そんなつもりはなかった」である。相手からすると「攻撃に受け取るなんて被害者意識が強いのでは?」くらいに思っていたかもしれない。

口喧嘩のほとんどは「伝えた内容」ではなく、「伝え方」が問題で起きる。情報伝達における責任の多くは、話し方を調整できる「話者」にある場合がほとんどであり、聞き手がコントロールすることは難しい。ということは、話者の伝え方に問題があるといえる。本人は攻撃している意図はないのだから、「この人は角が立たない言い方を知らない、伝え方が下手なんだな」と解釈すれば腹も立たない。

たとえば何か話すと「いや」「それは違う」と否定から入って相手を怒らせる人がいる。こうした場合、本人には話し方を改善するべき明確な欠点があるもののそれができていない。故に話し手の課題を聞き手引き受けて腹を立てるのはもったいない。そのコミュニケーションにおける課題の責任は話者にあるので、聞き手が気にする必要はないのだ。

誹謗中傷主の正体

翻って単に伝え方が下手、というケースではなく明確に誹謗中傷をする人もいる。この場合はどうすればよいのか?

自分は人を見下す意図はないのだが、事実として誹謗中傷をするような人は生活に問題を抱えているケースが少なくない。誹謗中傷した人を訴訟して開示請求をした結果、ほとんどの相手が生活保護と精神に問題を抱えている人ばかりだったことがSNSで話題になっていた。

昔は仕事や育児でストレスを抱えた会社員や主婦という事例もあったが、時代は変わった。さすがに今どきは、誹謗中傷という極めてリスキーな手段でストレス解消法の憂さ晴らしをする人はごっそり減ったのだと思われる。インターネットは思った以上に匿名性はない。このことは今や、周知の事実となったためだ。

しかし、常識的に考えが通じない人もいる。失うものが何も持たない凶暴な人や、そもそも常識が難しい人は普通に考えれば割に合わない危ない橋を渡って来る。そのような常識が通用しない相手に、常識的な話し合いや理解を求めても徒労に終わる。この状況を冷静に理解できれば、イチイチ腹を立てることもなくなるだろう。

攻撃に応じるだけムダ

誤解のないように言いたいのは、筆者は建設的な議論、正確な批判まで無視したりブロックしろと言っているわけではない。実際、耳が痛いが言っていることは正しい、と感じるコメントは無視せずに、必ず相手の指摘を認める旨と今後の改善意識を表明する返信をするようにしている。

だが、その前提を踏まえていっても基本的に、話し手に原因がある場合、彼らとまともに応じる時間はムダであると主張したい。

相手の攻撃に応酬するのは、相手の価値観、考え方の枠の中で自分の方が正しいと認めさせようとする戦いになりがちだ。しかし、勝っても負けても確実に時間と体力を失う。加えて、言い合いをする姿を周囲に晒すのはあまり好ましいものではなく、公衆の面前で怒りを見せれば「この人は攻撃的だ」と周囲にネガティブな印象を与えかねない。つまり、相手にすることで100%損をする。それでいて得られるメリットは瞬間的な充足感だけで、まったく投下リターンに見合わない。だから攻撃に対する最適解はスルーかブロックのみなのだ。

時折、つけられたコメントに反応しないと「この人は都合が悪いから反応できない」といった投稿を見ることがあるが、大抵の場合は逆が正しい。つまり本当に都合が悪いなら無視をすることは、発信者の信用毀損になるのでまともなビジネスマンほど回答をする。自分自身、たとえば間違いを犯すなど明確に自身に非がある場合は、指摘するコメントには必ず対応するようにしている。

他の人には返事を出すのに、その人にだけ反応しない主な理由は3つ想定できる。1つ目は的はずれな意見だと思われている。2つ目は話し合いが難しい相手と判断されている。そして3つ目は単につけられたコメントを見落としている、これらの内、いずれかの可能性が高いと考えるべきだろう。

長く生きていれば、見ず知らずの人から好ましくない言葉をもらうことはある。だがイチイチ腹を立てたり、反応していたらいつまでも先には進めない。限られた時間は自分と大事な人にだけ使うと考えて、それ以外は反応せずに自分の人生を前進することを提案したい。

 

■最新刊絶賛発売中!

[黒坂 岳央]のスキマ時間・1万円で始められる リスクをとらない起業術 (大和出版)

■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

YouTube動画で英語学習ノウハウを配信中!

アバター画像
ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。