ぶらり欧州の旅:ローマ編 ミシュラン一つ星・グラスでディナーを満喫

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出口里佐です。

アッシジでのランチの後は、14時13分発に電車に乗って、2時間半、ローマ、テルミニ駅に16時43分に到着。ホームは、テルミニ駅の端っこにあって、出口まで、15分近く歩きました。

(前回:ぶらり欧州の旅:アッシジ編 絶景ウンブリア渓谷が見えるホテルとグルメを満喫

スーツケース、更に壊れる!

ここで、パリで既に半分壊れていた、スーツケースのハンドルが限界に達し、とうとう、ポロリと取れてしまいました。中腰で運ぶしか無い状態です。

とうとうハンドルが取れてしまったスーツケース

駅近くのホテルにチェックインして、すぐに新しいスーツケースを買いに出掛けました。ホテルスタッフによると、テルミニ駅構内のショップにあるとのこと、入り口付近に、値段もデザインも良さそうなのが並んでいるのを見つけました。

古いスーツケースには愛着のあるペットのシールを貼っていたので、新しい方に貼り替えたら、少しカスタマイズした感じに。

愛着のあるシールを新しいスーツケースに貼替えて、カスタマイズ。

ホテルスタッフに古いスーツケースを処分して欲しい旨を伝えて、翌朝ホテルに置いて来ました。旅の相棒に別れを告げたような気分でしたが、仕方ないです。モノに執着は禁物。

ローマのミシュラン一つ星、グラス

ローマも一泊でしたが、ディナーは6月から予約していた、ミシュラン一つ星、グラス

テルミニ駅前からバスで40分、ティベレ川を渡ったローマの奥に位置していましたが、美味しいもののためには、これくらい何とも無いです。このトラストベレ地区あたりはローマの美味しいお店があると注目の地域だそうです。

テルミニ駅構内

テルミニ駅前からは、ほとんど始発でバスに乗れたのは良いのですが、すぐに満員となり、道が混雑していてなかなか進みません。Googleマップが示していた時間よりも20分くらい多くかかって、ようやくレストラン最寄りのバス停で降車。そこから徒歩で8分。

ローマの奥の路地裏だと言うのに、どのお店もライトアップしていて、お祭りかしら? と思うほど。グラスは、周りに比べるとシックな佇まいで、一度通り過ぎてしまいました。

レストラン、グラスの正面

グラスのお店の中に入って、予約時間と名前を告げると、テーブル席に案内されました。レストランの内装は、ナチュラルな感じで、初めて訪れた私も、リラックス出来る雰囲気です。

ナチュラルな感じの店内

ひとつひとつのお皿の料理は小さくて、何皿も登場するスタイルです。前日まで滞在していた、アッシジのローカルレストランの郷土料理とは全くちがい、旨味や発酵を取り入れ、盛り付けの洗練さにも、ミシュラン一つ星らしい、ガストロノミーを感じました。

緑のトビコとカンパチのお刺身、赤ビーツのジュース、レチェドティーグレ

一皿目のトビコは、日本ではオレンジ色ですが、鮮やかな緑色のトビコがカンパチのお刺身に添えられて、ワサビのトビコと説明されました。これが赤いカンパチに映えて、ピリッとアクセントにもなってました。

ソースは、赤ビーツと味噌、レチェデ・ティーグレ。レチェデティーグレとは、直訳で虎のミルク。魚介のセビーチェで、魚介と玉ねぎをマリネした時に出る出汁汁です。セビーチェの本場、ペルーでは、栄養ドリンクのような位置付けだとか。これで、旅の疲れも吹き飛びました。

イカ墨のパスタ
イカの肝の旨味がいっぱい!

イカ墨のガルガネリという筒型のパスタは、イカの肝をソースに使って旨味満点。塩辛と同じ使い方で、親しみを持ちます。カタルーニャ料理で、イカの肝を使うのを教えてもらったことを思い出しました。捨てることなく、食べられるところは全て食べるのも、このシェフが評価されている理由だそうです。

グラスのお料理

鳩のパストラミと、モモ肉のローストは、シンプルに美味しかったです。

自家製パンとオリーブオイルのムース、黒い塩。

自家製パン、3種

パンも自家製で4種類。添えられたのは、オリーブオイルのムースに黒い塩を点々と散らしたもの。バターよりも軽くて健康的です。

デザートが出て来る頃、なんとクリスティーナ・バウアーマンシェフが挨拶に来てくれました。日本で料理専門誌で見て興味を持って、東京からはるばる食べに来たと話すと、とても喜んでくれました。料理人でありながら、アーティストの雰囲気を持っている方でした。

クリスティーナ・バウワーマンシェフ。アーティストな雰囲気です。

シェフは、ピンク色の髪がチャーミングな女性で、今年2024年のイタリアのトップシェフ10人にも選出されたそうです。また最新のミシュランガイド イタリア2025でも一つ星に掲載されています。

ディナーはお任せコース、120ユーロ(他にベジタリアンコース 120ユーロもあります)、飲み物はミネラルウォーターを500mlのボトルでお願いして、5ユーロ。ワインペアリングもありましたので、ワインが飲める方なら、イタリアワインと料理のマリアージュで更に楽しめると思います。

バスの乗り間違いに注意!

シスト橋

帰りもバスで帰るつもりでバス停に並びましたが、なかなか待っていたバスが来なくて(イタリアでは時刻表の通りでないとか、急にそのバスだけ運休は良くあります)、テルミニ駅なら他のバスでも大丈夫かなと乗ってみました。

しかしGoogleマップを観ていたら、どんどん目的地から離れていっている様な気がして、他のお客さんに聞いたら、やはりwrong directionと言われ、テルミニ駅への帰り方を教えてもらいました。英語を話す若い方で、家族でバスに乗っていて、本当に親切でありがたかったです。

最寄りのバス停で降りて、もう一度、バスと地下鉄を使って帰りましたが、地下鉄ではスリに気をつけてね、というアドバイスまでもらいました。地下鉄はガラガラに空いていて、スリの心配は無かったです。今回はGoogleマップの時刻表に頼りすぎるのも危ないという教訓でした。

午後10時半頃のローマの地下鉄。
落書きが少し怖いですが、ガラガラでスリの心配はありません。

ローマでは時間がある時はいつも事前予約でバチカン市国のバチカン美術館をゆっくりと観たり、市内を散歩するのが楽しみでしたが、今回は夕方に到着でディナーだけ。翌日、フランクフルトに飛ぶため、朝早くテルミニ駅からフィミウチーノ空港に向かいました。

(ドイツ編に続く)

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