欧州では先日ミュンヘンの安全保障会議において、トランプ政権のヴァンス副大統領のスピーチが大炎上しています。
ヴァンス副大統領Xより
このスピーチでは、欧州の移民政策や表現の自由に関して、副大統領がかなり直接的な言い方で批判を行ったからです。
このスピーチの前日に、ミュンヘンでは、アフガニスタン人の難民申請者でイスラム原理主義者の20代の男が通行人に車を突っ込み、30人以上が負傷し、2歳の子と母親が亡くなりました。
その直後に、オーストリアのフィラッハという小さな街ではシリア難民でイスラム原理主義の23歳の男が14歳のオーストリア人の男子を差し殺し、他に5名に怪我を負わせます。
この男は同じくシリア難民であるデリバリードライバーに取り押さえられました。
この街は非常に風光明媚な観光地で、イタリアとスロバキアの国境に近く、イタリア北部の明るさがある一方で、山岳地帯的な雰囲気もあり、大変穏やかなところです。
私もイタリアに住んでいたので、この辺の地域の雰囲気がわかるのですが、そのような場所で、こんな事件が起きたことに大変なショックが広がっています。
オーストリアは国全体で10万人近くのシリア人難民を受け入れてきたところなのですが、助けた我々になぜそんな仕打ちをするのかと。
ドイツを始め、オーストリアやフランス、イタリア、イギリスと言った国は植民地政策や第二次世界大戦への反省、キリスト教的な友愛の精神から数多くの難民を受けいれてきました。
しかし20代のアフガニスタンやシリアから来たイスラム教原理主義の男が、市街地で、一般の人々や子供を殺害してしまうと言う事件が連続しているので、欧州では、難民受け入れや移民、反対論が急激に高まっているのです。
一生懸命支援したのに、キリスト教や欧州的な自由主義を否定する人々が、テロを行い、自国民を殺害しているのです。
移民の人々にボランティアや募金をして来た人もいます。
例えばイギリスでは昨年夏に北部で小学生女児3名が滅多刺しにされ即死しましたが、犯人のルワンダ系移民二世の兄には重度障害者です。事件の前に街の人々は募金を集め彼に電動車椅子をプレゼントしたのです。近所の人々は彼の家族を支援してきました。この街だけでなくイギリス中にショックが広がりました。
ヴァンス副大統領はそのような状況に対して、一般の人々が犠牲になるのはおかしい、また子供が殺された、欧州の政治家は現実を見ていない、難民や移民の受け入れを決定したのは有権者ではないじゃないか、とはっきり述べたのです。
これに対して、全く言う通りだ、正しいことを言っている、と述べる人がかなりいました。
欧州の官僚や政治家は激怒し、アメリカが欧州の政治に介入する事は許されない、彼はファシストだと述べました。最も痛い部分を指摘されたので激怒したのです。
そして、副大統領が表現の自由に関して触れたのも大変重要な点でした。
イギリスとドイツでは、難民問題やイスラム教に関するジョークやミームをネットに投稿した人、反移民デモで警官に暴言を吐いただけの人が逮捕されて投獄されているのです。
投稿した人々の少なからずは、犯罪組織に全く関わりがないばかりか、初犯の人だらけです。
窃盗や強盗、違法薬物、性犯罪などに関わる外国人犯罪者よりも、あまりにも判決が早く、罪状も重すぎることに批判の声が上がっているのです。
副大統領は、この現実を指摘し、欧州は表現の自由が犯されているとはっきり述べたのです。
このスピーチの一般の人々の反応と政治家や官僚の反応に大きな開きがある事は、欧州の現状をよく反映していると言えるでしょう。
一般の人々は現状にかなりの不満があり、極右系政党の人気がかなり高まっているのです。
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