石破おろしに成功するかどうかは分からないが、来年度予算案は自公だけでは成立せず、連立の組み替えが急務になっている。
連立の枠組み論は、明日発売の『検証 令和の創価学会』(小学館)でも主たるテーマの一つとして取り上げたのだが、政策を中心とする一般論での好き嫌いではなく、選挙区調整とこれから数年間の政治スケジュールを念頭に置いて論じるべきものだ。
まず、選挙区調整だが、次の総選挙までの臨時の連立ならともかく、ある程度の期間継続するつもりなら、衆議院小選挙区に統一候補を立てるのが筋である。

ことし2月にも教育無償化で合意した自公維
普通は得票率に応じて候補者を配分すべきだが、自公の場合は参議院比例区の得票率が自民22%、公明9%であるから、289の総選挙区のうち84選挙区を公明に割り当てるべきである。
ところが、公明は11の選挙区だけで我慢し、その代わりに比例で自民党に協力を要請しているが、公明が自民に流す票の20%以下しか戻っていないといわれる。また、20人の閣僚数も得票率に比例すれば副総理と重要閣僚を含む6つの閣僚ポストくらいのはずだが、国土交通相という中堅ポストだけで我慢している。
公明党は、それを政策面で自党の言い分がそれなりに重視されることでよしとしているわけだ。
したがって、維新にせよ国民民主にせよ、現在、公明が受けている待遇以上のものを求めるのは難しい。
とくに国民民主は11選挙区だが、次回総選挙では大幅な勢力拡大を狙っているから、調整はかなり難しい。
それに対して、維新は23選挙区で当選しているが、少なくとも次期総選挙で大幅な議席増は期待できないし、23選挙区のうち19は大阪府であるので比較的状況は整理しやすい。
たとえば、維新が大阪でこれまで公明に対して対立候補を立てていなかったが、前回の総選挙で立てて勝利した4選挙区ほどを自民・公明に戻しても、それは近畿比例区の議席の枠内で調整できる範囲だろう。
そして、大阪府以外の4選挙区には自公は対抗馬を立てない。さらに、前回、立憲民主党や国民民主が小選挙区で勝利した選挙区のうち20程度で維新の候補者を自公が支持すれば、10ないしそれ以上は獲得できるのではないか。
閣僚ポストはひとつだけだが、副大臣などのポストで我慢するか、維新も公明も2閣僚ずつにするか、維新と公明で1.5。つまり、一つのポストは交代制にするなど、いろいろ妥協案はあり得る。
ともかく、自民党の総裁任期は2027年9月まで、次期参議院選挙は2028年7月、衆議院の任期満了は2028年10月だ。
しかし、三年前の参議院選挙は安倍暗殺直後で自民党が異例の勝利を収めているから、議席減少は避けがたい。となると、自公の過半数獲得は2031年の参議院選挙までは不可能に近く、少なくとも次期総選挙(場合によっては衆参同日選挙)を経て2031年までは自公維がもっとも合理的に見える。
国民民主は、やはり自民党に対抗する野党連合の旗手を目指すべきだと思う。次期総選挙で立憲民主党に勝つことが先決だ。
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