予言の現実化:公明党が「独自路線」を選んだ必然

先月、私はこのコラムで「統一地方選までに再編か事実上の解体に向かう可能性が高い」と書いた。その言葉が、思ったより早く現実となりつつある。

中道瓦解の先に待つもの:公明党に「組む相手」はいるのか?

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中道の「生活者ファースト」はなぜ響かなかったのか?

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3月7日、読売新聞が報じた。公明党は来年春の統一地方選に独自候補を擁立する方針を固め、地方議員の中道改革連合への合流を当面見送ると決めた。14日の臨時党大会で公表される見通しだという。

「選挙互助会」の限界

中道改革連合が167議席から49議席へと歴史的大敗を喫した直後、私は「中道は選挙互助会として機能しなかった時点で存在意義を失った」と論じた。

今回の公明党の決断は、その評価を図らずも裏付けるものだ。選挙互助会として機能しなかった連合に、地方議員が命運を預けるはずがない。

「このままでは擁立作業が間に合わなくなる」という党執行部の言葉は、政治的修辞ではなく、純粋に実務上の判断である。それだけに、かえって重い。

問題の核心はここにある。中道改革連合は衆院選において「1+1が1以下」という結果を出した。公明の組織票を小選挙区に投入し立民候補が自民に競り勝つはずが、比例得票率は両党合算で約18%にとどまった。

2024年衆院選で立民が単独で獲得した21.2%を大きく下回り、連携の「相乗効果」はまったく生まれなかった。この「負の実績」を前に、地方議員が独自路線を選ぶのは合理的な判断だ。

「協議体」という玉虫色の着地

注目すべきは、中道改革連合・立民・公明の3党が「選挙対策委員長レベルの協議体」を設置するという部分だ。合流はしない、だが協力はする、という玉虫色の落とし所である。

これは一見、現実的な妥協に見える。しかし政治における「協議体」とは往々にして、決裂を先送りにするための装置に過ぎない。

統一地方選に向けた「連携強化」と言うが、独自候補を立てながらどう連携するのか。小選挙区と比例の票をめぐる利害が交錯する国政選挙とは違い、地方選挙で候補者調整の実益は薄い。

むしろ「立民も慎重姿勢を強めている」という一文に、中道という枠組みの空洞化が透けて見える。旗を掲げた両党が、揃って距離を置き始めているのだ。

答えの先送りが招くもの

先月の論考で問うた「中道が瓦解した後、公明党に組める相手は残っているのか」という問いに、今回の決断は答えを出していない。

独自路線への転換は、問いへの回答ではなく、回答の先送りだ。統一地方選を独自で戦い、その結果次第で次の一手を考える。それが公明党執行部の現実的な計算だろう。

だが、「その場しのぎ」の枠組みを選挙のたびに作り続けることが、有権者の信頼をどこまで繋ぎ止めるか。「生活者ファースト」が誰の心にも火をつけなかったように、「協議体」という言葉も、有権者には何も語りかけない。

14日の臨時党大会で注目すべきは、公明党が独自路線の「出口戦略」を示せるかどうかだ。統一地方選後の枠組み再編について明確なビジョンを語れなければ、それこそが中道という実験の実質的な終わりを告げる号砲となる。

尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)

22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)

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