前稿では、ClaudeCodeが、情報商材屋にとって便利な商材であることを解説した。

本稿では、これらの情報収財の法則についてまとめたい。

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商材屋の肩書には法則がある
この種の記事を書いている人物のプロフィールには共通点がある。「AI導入支援」「AI活用エキスパート」。肩書にAIが入っていて、所属企業の代わりに個人の実績が並ぶ。
半年前まで別の肩書だった人が少なくない。かつては「SNSマーケティング」「副業コンサル」「コミュニティ運営」を名乗っていた人々が、Claude Codeブームに乗って一斉にAI系の肩書に衣替えしている。
商材が変わっても、商売の構造は変わらない。SNSで無料コンテンツを投稿してフォロワーを集める。無料テンプレートで連絡先を回収する。個別相談からコンサルティングや有料コミュニティに誘導する。記事が丁寧なほど信頼が蓄積され、成約率が上がる。だから8,000字を書く。だから注意点まで書く。
誠実に見せることと、誠実であることは違う。
「3日で教える側」が意味すること
象徴的な投稿がある。「セットアップまだ数日ですが、気づけば教える側です笑」。数百人を相手にClaude Codeのインストールを教え、その実践会は千名規模に膨れ上がっているという。
技術の世界で、数日前に始めた人間が数百人に教える。これが医療や建築の世界なら、誰もが危険だとわかる。だがAIというジャンルでは、なぜか許容されている。「みんなで一緒に学ぼう」という空気が、専門性の不在を覆い隠している。
この実践会の導線を辿ると、有料コミュニティへの再勧誘に行き着く。Claude Codeは教材ではない。入口だ。
別の人物は「今すぐClaude Codeを使うのをやめてください」と投稿した。セキュリティリスクの警告だ。指摘は正しい。だが後半で有料研修への誘導が始まる。しかも本人は「正直、承認プロンプトを読んでもわからない」と告白している。セキュリティに詳しくない人がセキュリティの不安を売っている。
最近は意味不明なAIスクールの広告も流れてくるようになった。教える内容は「営業メール作成の効率化」「議事録の自動生成」。claude.aiのProプラン、月額約20ドルで十分にできることだ。
本物との差はどこにあるか
技術評論社から出版された専門書は、Claude Codeの不安定性とその制御方法を正面から論じている。メルカリはセキュリティ設定を全社配布する仕組みを設計し、その資料を公開している。カンリー社は社内勉強会の内容をブログで共有している。クラスメソッド社は無料ウェビナーを定期開催している。
これらに共通するのは、最後に「プレゼント」が出てこないことだ。情報そのものが目的であり、読者の連絡先は求めない。そしてClaude Codeを「魔法のツール」ではなく「制御が必要なソフトウェア」として扱っている。
Claude Codeに罪はない
念のために言っておくと、Claude Code自体は優れた開発ツールだ。私自身、その価値を認めている。問題はClaude Codeにあるのではなく、その名前を使って商売をしている人々の側にある。
情報商材は、常にその時代で最も注目されているキーワードに寄生する。かつては仮想通貨だった。その前はアフィリエイトだった。その前はFXだった。今はClaude Codeだ。
キーワードが変わっても、構造は変わらない。不安を煽り、解決策を提示し、連絡先を回収し、高額サービスに誘導する。この循環を回すための道具として、Claude Codeは実に都合がいい。話題性があり、中身が見えにくく、不安を煽りやすいからだ。
これらの親切な記事に出会ったら、最後の3行を先に読むことをすすめる。そこに書いてあることが、その記事の本当の目的だ。
尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)
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23冊目の本を出版しました。
『3時間で身につくClaude活用術』(WAVE出版)








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