民主党政権復活を警戒しない保守派の不思議

最近の保守界隈は、石破政権は民主党政権より悪いというつもりか、立憲民主党を批判することを忘れてるようだ。

選挙が近づいてから、野田佳彦や立憲民主党批判の企画を持ち込んでも、読者が喜ぶのは、石破・岸田批判なのでと断られている。もはや自民党敗北のための広報媒体化している。

さらに、自民党執行部も自公政権の良さはアピールするが、立憲民主党など野党の欺瞞を暴くようなこともあまりなく、横綱相撲の風情で現在の危機的状況と乖離がある余裕だ。

だが、悪夢の民主党政権だったからといって永久追放というつもりはないが、何の反省もせず、しかも壊し屋の小沢一郎まで戻ってきて、かえって劣化した立憲民主党が政権のほうがましだったといわんばかりの世論はあまりにひどい。

立憲民主党の方がましであるという理由が、汚職でも何でもない不記載問題というのは正気なのか?民主党の悪夢の3年は、泥酔運転で死亡事故を起こしたようなものといっても大げさでない。

それに対していわゆる裏金問題は悪質な駐禁常習みたいなものだ。大馬鹿で順法精神に欠けるが、酒酔い人身事故とは違う。しかも反省してかなり身を切る制度改正までしている。これで、政権交代などというのは、家の前に駐禁されたのに腹立てて飛び込み自殺するようなものといえば言い過ぎか。

そんな中で、きちんとした「悪夢のような民主党政権」への批判を展開しているのは公明党だ。

詳しくは、公明新聞の電子版のリンクからみていただきたいが、ここでは抜粋と私のコメントを掲げておく。自民党員こそ配ったらいい。

“悪夢”の旧民主党政権 再来許すな

今回の衆院選で、敵失に乗じる立憲民主党。だが、日本を沈没寸前に陥れ、後に“悪夢”とまで呼ばれた旧民主党政権の再来を許してはならない。有権者が忘れてはならない同政権の主な“大罪”を振り返ってみた。

【大罪①】口先だけの公約、総崩れ衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)の破綻

「高速道路の無料化」など大胆な政策を並べ立てたが、財源確保のめどが全く立たず総崩れ。目玉政策の「子ども手当」は“見切り発車”したが、満額支給できず廃止。その後、政権奪還した自公政権の下で立派なものになった。

「コンクリートから人へ」と掲げた「八ツ場ダム」の建設中止は、現実離れで方針転換したが、命を守るダムの完成が遅れた。公共事業の削減で建設業は苦境に。今日の人手不足問題の原因だ。

※ 民主党のマニフェストはユートピア像としては面白かったが、財源も実現プロセスもなしだった。

【大罪②】外交・安保で国益損ねる

外交・安全保障政策で迷走を重ねた結果、国益を損ない、国際社会からの信用も失った。例えば、普天間飛行場の移設で「最低でも県外」と発言し、米国にも「トラストミー」といった挙げ句、何の結果も出せなかった。

尖閣諸島で起きた衝突事件に対する場当たり的な対処で、日中関係が悪化。ロシア大統領の北方領土訪問や、韓国大統領の竹島上陸への対応においても後手に回り、日ロ、日韓関係を壊した。

※ 民主党政権の外交は方針もいい加減だが、とくに野田佳彦首相は稚拙で相手を怒らす名人だった。

【大罪③】相次ぐ「政治とカネ」放置

「政治とカネ」についても、鳩山首相に12億円を超す使途不明金、小沢一郎・民主党幹事長に20億円超の虚偽記載が発覚。菅直人首相の資金管理団体は、北朝鮮と関係の深い団体への献金が明るみに。野田佳彦首相も、外国人からの政治献金や、暴力団関係者からの資金提供問題が浮上。公明党は“連座制”を導入する政治資金規正法改正案を国会に提出したが、野田首相などが消極的な対応を続け廃案に。

※ 清和会の資金疑惑は記載しなかっただけだが、民主党政権の首相たちの疑惑は悪質さで際立っていた。

【大罪④】遅い、鈍い震災への対応

2011年3月に発生した東日本大震災への対応は「遅い、鈍い、心がない」との批判を招き、復旧・復興を遅らせた。東京電力福島第1原発事故では、菅首相の無用な現地視察が初動対応を滞らせ“もはや人災”とまで批判された。

※ 騒いで危機感を煽ることは上手だったが、実質性やきめ細かさに欠けた。

【大罪⑤】“誤審”相次ぐ事業仕分け

政府予算のムダを洗い出すとして実施した政権肝入りの「事業仕分け」は、単なるパフォーマンスに終始した。世界一をめざしていた次世代コンピューターの開発を巡り担当閣僚が「2位じゃだめなんですか」と発言し、「はじめに結論ありき」の乱暴な手法に批判が集まった。

※ 自民党土木利権のドンだった小沢氏が利権を民主党に移そうとしただけ。

【大罪⑥】経済無策で政治不況招く

長引くデフレと円高の克服が急務だったが、「デフレ状況」を宣言するだけで効果的な政策を打ち出せず、経済はさらに悪化。野田氏が首相だった12年11月には平均株価は8000円台にまで落ち込んだ。完全失業率4.2%、春闘賃上げ率1.7%など、、“政治不況”の深刻さを物語った。

※ 民主党は労組に依存して守るだけ、若い人や組織に属さない人には冷たかった。

【大罪⑦】方針コロコロ、党内バラバラ

稚拙な政権運営で重要政策の方針は二転三転し、国民不在の「決められない政治」「党内のバラバラ体質」で失政を重ね続けた。

「消費増税は必要ない」と政権に就いたものの、菅首相が突如、消費増税を表明し混乱を招いた。方針転換は悪いことでなかったが説明もなにもなかった。

顔ぶれ、体質は立憲民主党に継承

旧民主党は立憲民主党に衣替えしたが、野田代表ら当時の政権幹部が名を連ね、党の本質とともに多くを引き継いでいるようだ。

例えば、今回の衆院選で掲げる「給付付き税額控除」を党首討論会で問われると、制度設計はまだ詰まっていないとして「対象や規模が曖昧なことを認めた」(13日付「読売」)。看板政策がやっぱり口先だけであることを印象付けている。

政治改革では、政党から議員が受け取る「政策活動費」の廃止を唱える一方、自党の使途公開には後ろ向きだ。

※ 野田佳彦はこの12年間、何の勉強も反省もせずに戻ってきた。