総選挙では、小選挙区の投票先を決めるのは、自分の好きな候補に投票すればいいだけだが、比例の投票には工夫が要る。
もちろん、はっきりした支持政党があれば、そこに投票すればいい。ただし、自公両党のあいだでは、300選挙区のうち公明党は11だけであとは自民党候補なのだから、比例である程度恩返しをすることが自民党自身のためにも必要だ。
現状では自民は公明に渡している票の5~10倍の票をもらいっぱなしと言う状況だ、ある程度の自民党支持者が公明党に比例で投票することは、次回の選挙での自民党の候補者
自身のためにも必要なことだ。
この自公のバーターは別にしても、比例ではできるだけ死に票を避けるのが必要だ。新聞の予想を見て、たとえば、「国民民主党は一議席を確保した」とか書いていたら、もう増えも減りもしないということだから、別の党に投票した方がいい。
それもできるだけ大接戦らしきところに投票したい。私は、近畿ブロックで、最後の一議席を争っている二つの政党のどちらかに投票することが多い。
もうひとつは、当選させたい候補者が重複立候補で惜敗率が高くてチャンスがありそうかという問題もある。
たとえば、今回の総選挙では、維新の東京では、阿部、小野、海老沢、音喜多などが惜敗率で比較的高いと言われ、世論調査でもそうだ。このあたりは小選挙区ではほぼ望み薄なのだが、小選挙区で投票して少しでも惜敗率を上げ、また、維新に比例で投票することも意味が出てくる。
小野泰輔候補には、選挙の神様、藤川晋之介御大も付いているが、はたして作戦はいかに。
今回の選挙では、参政党や日本保守党が議席をとれるか微妙なところだ。日本保守党にせよ参政党にせよ私は考え方が違うので支持はしないが、どっちが日本の政治のなかで存在価値があるかといえば、参政党だと思う。左派の世界における「れいわ」みたいなもので、オーソドックスな思考からははずれるが、そういうことをいう党もあっていいじゃないかといった感じはある。
東京の比例単独松田学氏は、なかなかレベルの高いYouTubeチャンネルを運営していて、私もときとして出演している。たまたま、地元の隣接区である京都一区の安達悠司(弁護士)なんかもなかなか有望な青年だ。
これは重複立候補だが、小選挙区では簡単でないが、一割の法定得票数をとったら比例でチャンスが出てくる。
日本保守党は、自民党の候補について広範な落選運動やったりしてる人が名簿のトップにいたりして、いわば自民党の不満分子の別働隊のような印象だ。そのうちに自民党に入りたい(裏口入学というべきかは知らぬが)したいのかもしれないが、こんな決選投票で石破に投票したのは全員落選させる運動やってる人などいては未来永劫に自民党にはいれてもらえることも、協力しようというようなことも、あるはずがあるまい。
ヨーロッパ的な政治地図の分類では、参政党は右派ポピュリスト、日本保守党は極右というべきだと思う。
さらにいちばん愚かなのは、小選挙区では自民党、比例では調子にのらせたくないから立憲民主党とかいう投票の仕方で、それは棄権するのと同じ、あるいは常温の水を飲むのに、熱湯に氷入れてるみたいなものでナンセンスの極みだ。
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