不用心すぎる日本社会

年末年始は日本にいましたが、日本と欧州を往復していて、日本でとくに違和感を感じるのが街中や店舗が実に不用心であると言うことです。

例えば、私が大変恐ろしいと感じたのは、日本の銀行と郵便局の窓口でした。

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イギリスの場合は銀行の窓口は分厚いプラスチックの板で覆われカードや現金をやり取りする大変小さな隙間が空いているだけです。おそらくこのプラスチックは防弾仕様になっています。

銀行は銀行強盗に襲われることが前提になっているので、厳重な警戒体制を敷いています。銀行の人とこのような板越しではなく、対面でいろいろ相談したい場合は、プレミアサービスの顧客にならなければならないことがあります。


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これは年収、もしくは預金額が1500万円を超え、個人情報をチェックされた人だけが持てる特別な口座です。

経歴やリスクがチェックされているので、銀行員と特別な部屋で面会することが可能です。

しかし、一般口座の人の場合はこのようなサービスを受けることができません。

また口座を開いたり、その他のサービスが必要な場合は、一般口座でも可能な場合がありますが、数日前に予約をしなければ無理になっていたりします。これもやはりリスクを管理するためです。

ところが日本の銀行は、不特定多数が中に入ることができてカウンターがあり、その前にはついたてが全くなく、窓口の人だけではなく、他の人も丸見えになっています。

仮にやってくる顧客が危険人物の場合、カウンターを乗り越えて攻撃することが実に簡単です。

銀行の入り口には金属探知機もありませんから、例えばや日本刀を持った顧客がやってきて、カウンターを乗り越えて中の人に切り付けたり、硫酸や人体に影響があるガスなどの化学物質を撒き散らすことも可能です。花火を打ち込むことも可能でしょう。

私は日本でこのような自分が気がついたリスクについて真顔で話すので、日本ではおかしな人のような扱いをされてしまいますが、日本の緩さを危ないと感じるのは、他の国の感覚であれば実に当たり前のことです。

何かが起きてからでは遅いので、日本の方々には欧州や北米を参考にして、どんなリスクが存在するかと言うことを意識してほしいと思います。

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