「多様化」に対応するために日本政府は感染症対策を強化するべき

日本でも外国人が増え、多様化が当たり前になってきていますが、政府の外国人対策には不十分な施策があまりにも多いことが目につきます。

特に私が懸念しているのが、感染症対策です。

私の著書『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズでも取り上げてきましたが、特に日本が最近、労働力として受け入れている外国人は途上国出身者が多いです。予防接種や感染症のコントロールが十分でない地域から多くの人が入ってくれば、それだけ感染症が激増するということになります。

これは私の妄想でも、大げさな意見でもありません。

Charday Penn/iStock

イギリスで増加する結核感染

例えばイギリスの場合、つい最近、イギリス保健安全庁(UKHSA)は、移民が増加することにより、イギリスで結核の感染が増加し、医療機関に多大な負担がかかる可能性があると指摘しています。

結核の罹患率が高い国々からの移民が引き続き増加すれば、今後5年間で、なんと1万人が感染し、「数百人の死亡」を引き起こす可能性があるとまで述べています。

イギリスではここ最近、結核感染が増えています。2023年から2024年にかけて症例が増加し、公式統計では感染者数が2023年の4,850人から2024年には5,480人へと増え、13%の増加となっています。

最近、イギリスではアマゾンの倉庫で結核患者が出て、大騒ぎになりました。

結核は決して古い病気ではなく、リアルタイムでリスクが高い感染症です。撲滅もされていません。結核菌(Mycobacterium tuberculosis)によって引き起こされ、咳やくしゃみを通じて簡単に広がります。治療を受けなければ、結核は世界で最も致死率の高い感染症の一つであり、推定では、治療を受けていない患者の半数以上が死亡します。

世界保健機関(WHO)の2024年のデータによれば、東南アジアは世界の結核症例の34%を占め、次いで西太平洋地域が27%、アフリカが25%、欧州はわずか1.9%です。つまり、その大半が途上国です。

途上国との往来がもたらすリスク

しかし、実際に途上国で仕事をしたり、住んだりしたことがあると非常によく分かるのですが、途上国は先進国に比べると感染症の予防プログラムが十分ではなく、予防接種を拒否する人も少なくありません。また、日本ではほとんど見かけない感染症にかかった人も多いのです。

イギリスは日本に先んじて、主に旧植民地から移民を受け入れてきました。そのため、日本よりもアフリカや南アジアなどとの接触が格段に多く、それだけ感染症も数多く輸入されています。途上国と行き来する人も多いので、日本に比べると感染症が身近です。

イギリスの身近な予防接種体制

そのため日本と違って、コレラや腸チフス、黄熱病、狂犬病などの感染症の予防接種を、なんとその辺の薬局で実に気軽に受けることができます。薬局で受ける場合は、インターネットで予約し、数日以内に店頭で受けられます。薬局はとにかく街中にたくさんあるので、わざわざ病院に行く必要がありません。

薬局で受けると私費になってしまいますが、かかりつけの家庭医のところで受ける必要があるとされるものは無料です。看護師がさっと打ってくれて終わりです。「どこどこに旅行に行く可能性がある」とか、「出張に行くのだけれど」などと言うと、「じゃあ、これを打っておいたほうがよいですよ」と言って、すぐに予約をしてくれます。

日本では、かなり特別な病院や感染症対策を行っているクリニックに行かなければ受けられないようなものでも、実に簡単に受けられるので驚きます。

そして、接種履歴は国立病院の患者データベースに登録されるので、スマートフォンやWebでも記録を見ることができ、全国どこに行っても医師が接種歴を確認できます。

驚くべきことに、このような家庭医では、結核多発国と行き来する乳幼児は優先的にBCG接種を受けられます。日本も結核が多い国に入っているので、実は、うちの息子も接種しています。日本に在住または一時滞在する途上国の人も、日本で接種できるようにすべきでしょう。

日本政府も外国から労働力を招聘し、日本を急激に多様化させているわけですから、イギリスのような感染症対策を一刻も早く導入しなければなりません。

途上国と日本を往復する人も増えるわけですから、そのような人々が予防接種を一刻も早く、安価に受けられるように体制を整えるべきです。

今の状態では、かなり特殊なクリニックに行かなければ接種できず、費用も高額です。感染症が広まってしまってからでは、治療や対策により多くの費用がかかるわけですから、とにかく予防体制を整えるべきです。今の日本は外国人を受け入れる一方で、このような感染症対策などの支援体制が全く不十分です。

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