2024年、日本にとっても世界にとっても覚悟の年

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波乱の予感

明けましておめでとうございます。

さて、世界はウクライナ戦争、ガザ戦闘収まらず混沌に向かっている。今秋の米大統領選は、トランプ優勢というかバイデンのボロが隠せなくなって来て、民主党はカリフォルニア州のニューサム知事に差し替えようか、ミシェル・オバマを担ぎ出そうかと言う感じになって来ている。

シナリオは大別すれば、①トランプすんなり再選、②バイデン or 後継候補の当選、③そもそも選挙が行われず内戦状態になるか、①か②の後に内戦状態になる、に分かれる。何れにせよ牢屋にぶち込まれても当選してしまうかも知れぬ勢いのトランプに、民主党陣営はあらゆる手を打ってくるだろう。

一番可能性が高いのは、③となりそうな予感もするが、仮にそうなったとして早急に収まって欲しいものである。

もしトランプすんなり再選となった場合には、氏が予てから吠えているように、先ずウクライナ戦争の調停に乗り出し、恋人のように仲の良いプーチンの線に沿ってクリミアの安堵、ロシア本土とのその回廊ともなる南東部四州を厚めに切り取ってロシアに帰属させ、休戦or停戦or終戦の「ディール!」とするだろう。

現在ガザ戦闘で燃える中東には、氏の中東平定策を以て、これまたプーチンと調整の上で強制着陸の瀬踏みを打つも、こちらの方は宗教絡みの積年の怨念渦巻く状況であり、不動産王時代の自慢話がこれでもかと延々と続く著書「ザ・アート・オブ・ディール」のように意外と小技も繰り出し、鎮火を模索するのではないか。だが、それも失敗し第三次世界大戦に拡大する可能性もあり予断を許さない。

日本の覚悟

さて、日本としては、台湾情勢と北方領土が気懸りだ。筆者は予てから中国がロシアをジュニアパートナーとした中露疑似同盟間に楔を打ち込んで離反させ実質的な「日米露三国同盟」若しくは三国協商を結びインドを筆頭としたグローバルサウスも巻き込んで、拡大中国包囲網を築かぬ限り台湾は中国の手に落ち、北方領土は返って来ない処か北海道にロシアが進駐しかねないと危惧を抱いている。

いや、それどころか習近平率いる電脳監視独裁国家に世界覇権を握られれば、世界各国が柵封されウイグル、チベット化しかねない。これを阻止する事は人類最大の国際的大義である。

トランプ再選は、その中核装置と成り得る日米露三国同盟の最大にして最後のチャンスとなろう。日本は機運を逃さぬよう今からその準備体操に入るべきだが、きっしーは論外として安倍氏亡き後、日本にその大局観ある政治家在りや。

とは言え、トランプ再選となるか、バイデン or 後継候補の当選となるか、内戦となるかは未確定であり、それ自体について基本的に日本と日本人が手出し出来る事ではない。

幕末の志士の一人で、政治家、思想家の横井小楠が遺した言葉に下記のものがある。

堯舜(ぎょうしゅん)孔子の道を明らかにし
西洋器械の術を尽くさば
なんぞ富国に止まらん
なんぞ強兵に止まらん
大義を四海に布かんのみ

これに倣い筆者は、世界がどう転ぼうと日本は主体性を持って、外交に於いては「国際的大義を伴う長期的国益の追及」、内政に於いては「ナショナル・ミニマムを伴う自立社会の構築」に向かうべきと考える。

戦争、宗教対立、テロ、大事故、パンデミック、エネルギー・食糧危機、スタグフレーション、経済恐慌、テクノロジーの光陰、天変地異がパンドラの箱からこちらを覗き出番を待っているように筆者には感じられる。

2024年は、世界にとっても、日本にとっても正念場の年となろう。