フランスの迷走で『極右』勝利のほうがましだったとなる可能性が出てきた

【フランス総選挙】極右が勝利したほうがマシだった?左派連合の“逆転勝利”で待ち受ける混乱』という記事を「デイリー新潮」に書いた。

フランス総選挙についてはアゴラにも書いてきたが、この記事は全くフランス政治について知識がない人にもわかりやすく書いてあるので、ぜひ、ご覧頂きたい。

参照:フランス革命記念日・聖火リレー・フランス政治の混乱 八幡 和郎

フランス革命記念日・聖火リレー・フランス政治の混乱
昨日は、7月14日。フランス革命記念日である。日本の保守派には、フランス革命が諸悪の根源とかいってロシア革命といっしょくたにする輩がいるが、フランスでは極右といえども無条件にお祝いする。 民主主義とは、これを原点とするものであ...

現状ではにわか仕立てで新人民戦線NPFを結成したが、首班候補もまとまらず、またマクロン派はその混乱を助長して主導権回復を狙っている。

一方、あまり混乱が続くと、極右RNのほうがましだったのかということになりかねない。ここでは、それについて論じた部分の一部を少し紹介したい。

もし、第二回投票で極右が過半数をとっていたらどうなっただが、その場合は29歳のバルデラ党首が首相になり、2027年の大統領選挙でマリーヌ・ル・ペンを勝利させるために経済を大混乱させるようなことは避けた可能性が強い。

マリーヌ・ル・ペン氏 同氏インスタグラムより

RNは、もうEUや共通通貨ユーロからの離脱は言っていないし、NATOとの関係の変更についても慎重だ。ウクライナ紛争でも、マクロン大統領よりはだいぶ後ろ向きだが、ロシアの肩を持っているわけでない。

そもそもウクライナのNATOやEUへの加盟は、マクロン大統領でさえ実質的には反対だったのである。それがバイデン政権や英国に同調してウクライナ支援にまわり、ウクライナの近代化を条件にEUやNATOにも加盟させかねない事態となっている。

しかし、こんどはアメリカでトランプ大統領が復権しそうだ。そうなると、むしろ「極右」政権のほうがトランプと上手にやっていけるかもしれない。

2022年大統領選挙時のマリーヌ・ル・ペンの公約は1000億円の財源が必要だといわれていたが、今回は年金受給年齢について「基本目標は維持するが急がない」と述べている。せいぜいエネルギーに対する付加価値税の引き下げなどを掲げている程度である。

財源については、官僚主義の是正、税の抜け穴への対処、移民の社会福祉制限で賄えるとしている。ウクライナ支援は減らすだろうから、かなりの節約になるし、ロシアとの関係改善はエネルギー価格を下げることになる。

RNがどうして「極右」と呼ばれ、体制外の異端扱いされるかといえば、つまるところ、第二次世界大戦でのレジスタンス勢力こそが現フランス共和国を創ったという歴史的事情によるものだ。

このため、マリーヌ・ル・ペンの父親で創始者のジャン・マリー・ルペンがナチスを肯定するような発言をしていたことを理由に、RNを排除するのみならず、RNを切り崩すために穏健派を招き入れるといったことや、RNの政策を一部採り入れるといったことも拒否しているのである。

このことはかえってRNの組織を切り崩せない強固なものにしてしまっているように見える。

RNが30%を超えるフランス国民の支持を受けているとなれば、RN全体を連立相手などとするのではなく、分裂を誘って一部の議員をう受け入れたり、政策を取り入れるくらいの度量があったほうが賢明ではなかったか。これからもそうでないかという気がしないわけでもない。

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