最近ネットではフランスの ゲーム会社であるUbisoftが11月に発売する予定の『アサシン クリード シャドウズ』(通称アサクリ)が大炎上していました。
このゲームはアフリカ系の伝説の侍である「弥助」と女忍者の「奈緒江」が主人公の戦国時代を舞台にしたバトルゲームです。
疲れ果てた中年の自分にはこういうバトルゲームは最近非常にプレイが辛く、 かと言って歴史公証をバリバリバリにやりまくった「ゴーストオフツシマ」も ラノベの登場人物に比べると ちょっと耽美度が足りず、 名前も 坂本とか思いっきり 日本のサラリーマンみたいな名前な上に、 キャラの行動がアメリカ人で、ツーブロックゴリラの不動産営業マンにしか見えず、 非常に微妙だなと感じているわけですが。
アサクリ は ストーリーとかキャラの感じがさらにアメリカンと言いますか 、まあ 主要マーケットのプレーヤーの好みに合わせただけだと思うのですが、 もうちょっと脱力してくればいいかと思ったりするわけです。
さて話しは戻りますが、大炎上している理由というのが 元々Ubisoftがこのゲームは 時代考証を行って史実に沿った内容になっていると言っていたのに、ゲーム ファンやネット民が調べたところによると 「弥助」が 伝説のサムライとして大活躍しまくりだということが判明したのです。
Ubisoftの いい加減さと言うか雑さが非常に フランス的でよろしいですね。 株価がどんどん下がっているのは アサクリ の期待度が低いからでしょうか。
さらに どうもUbisoftは、日本大学准教授のロックリー氏が執筆した弥助に関する著書や記事、発言などを 参考にしたらしく、しかしロックリー氏の著書は史実としてはっきりしないことを 憶測として書きまくっているのが問題視されているのです。
宣教師が従者として連れてきたモザンビーク 人とされる弥助を、 当時 信長が物 珍しがって 側に置いたらしいという記録はあるのですが、 彼が正式な侍だったかどうかということもはっきりしません。
しかしロックリー氏の著作 や発言では 弥助が伝説の侍 だったことになっており、また戦国時代の日本ではアフリカ系の人々を奴隷として購入したり、雇うことが大流行していたということになっているのでありますが、 バテレン に奴隷にされて売り飛ばされていたのは日本の貧民だらけでありますから 困った とばっちりです。
しかし日本は豊かな国でありまして 先進国の一国でありますから、 どうしても 北米や 欧州のように 日本人もアフリカ人を奴隷にしていたのだという文脈にしたいようです。
そうすることで難民の受け入れを要求しやすくなります。
さらにアフリカ系などの外国人への 配慮せよ と言いたい人々にとっては、アフリカ人奴隷がいた歴史は有利です。
要するに贖罪です。北米や欧州で難民受け入れや少数派への配慮の背景になっている奴隷問題の過去を日本でも作り出すことで要求しやすくなるのです。さらにこれは日本のアジアの植民地化と関連して利用される可能性があります。
日本人も アフリカ人を奴隷にしまくっていたという 歴史の創作は、はっきり言って 歴史修正主義です。英語だとhistorical revisionismです。
歴史修正主義は歴史を書き換えることで、かつてホロコーストやアルメニア人虐殺の否定などが問題になりました。
歴史学者E・H・カーは、歴史は解釈や見る側面が異なれば変わってくるといっていますが、しかし解釈の違いと事実の創作や否定は違う話です。
一般向けの娯楽読み物や映画であれば創作も許されますが、史実にそった風を装ったものはいつの間にか真実として一般化されてしまいます。
嘘も繰り返せば 本当になってしまいますので、 ここは日本政府にきちんとした介入を期待したいところです。
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