ぶらり欧州の旅:バーデンバーデン編 ドイツの美しい公園のような温泉の街

JWackenhut/iStock

出口里佐です。

前回に続いて、ドイツ・バーデンバーデン編です。

(前回:ぶらり欧州の旅:ドイツ前編 フランクフルト空港でのハプニング

フランクフルト中央駅で予定していた一等車に乗り遅れてしまいましたが、同じチケットを使って2時間遅れで二等車に乗り、無事バーデンバーデンに到着しました。検札の方に事情を説明すると、笑顔で「ノープロブレム」と対応してくれました。

日本の新幹線に例えるなら、グリーン車に乗り遅れた後、その切符で次に出発する普通車に乗るような感じです。二等車でも車内は清潔で、椅子の座り心地もとても良かったです。

バーデンバーデン駅からホテル近くのレオポルド広場のバス停までの運賃は3.3ユーロでした。駅のバス停にある自販機が壊れていたため、バスの中で運転手さんから直接購入しましたが、なぜか運転手さんは少し悲しそうな表情でした。ちなみに、5月に訪れた際は3.1ユーロだったので、少し値上がりしています。

それにしても、なぜこんな端数があるのでしょうか。バスの中では現金のみの支払いで、クレジットカードが使えたら便利なのにと思います。この端数のせいでお釣りの小銭でお財布がいつも一杯になり困ってしまいます。

テオドール・クルレンツィス指揮、オーケストラはクルレンツィスが新たに結成したユートピア。
バーデンバーデン祝祭大劇場にて(11/25)。

その日は20時から、バーデンバーデン祝祭大劇場で、クルレンツィス指揮、ユートピアというクルレンツィスが最近結成したオーケストラによる、マーラー5番、その他の演奏会でした。

バーデンバーデンに来たのは、この2日間の演奏会、マーラー5番とブルックナー9番が目的。

ホテルに到着したのは、17時半過ぎで、まだ時間的に余裕があったので、近くのレストランで夕飯をいただくことも出来ました。

レストラン・ラテルンは、バーデンバーデンに私が初めて来た、2019年4月の音楽祭ツアーで、添乗員さんに一緒に連れて来てもらったお店です。春のイースターの頃でしたので、ホワイトアスパラガスの旬で、何度も訪れて、いただきました。

レストラン・ラテルンは、楽しそうなピンクのネオンサインに引き込まれます。
冬はヒーター設置で、テラス席が人気。

今回の季節のおすすめ料理はフォンデュでした。パンやお肉を串に刺し、温めたチーズやオイルに浸して食べる料理で、とても美味しそうでした。

ただ、私は毎回ここで必ず注文するお気に入りのメニュー、ヌードル入り牛肉のコンソメと、ウィナーシュニッツェルのフレンチフライ添えにしました。飲み物はリンゴジュースとガス無しのミネラルウォーターを選びました。

ヌードル入り、牛コンソメスープは必ず注文。

シュニッツェルは仔牛肉を使っていて、とても柔らかく仕上がっています。さらに、添えられたレモンには細やかな配慮がされており、種が飛び散らないようにチュールレースで包まれていました。その姿はまるでバレリーナの衣装のようで、上品で優雅な印象を与えてくれます。

仔牛のウィナーシュニッツェルとフレンチフライ添え。
レモンは種が飛ばないようにチュールレースで包んで。

寒くても、ここでは、いつもテラス席が賑わっています。私も、もちろんテラス席。10月下旬でしたが、屋外でも寒くない様に、ヒーターがあり、とても助かりました。ピンク色のネオンサインが華やかで、思わず引き寄せられます。

バーデンバーデンでは、クルレンツィスのコンサートが翌日にもう一度あり、今回はブルックナーの交響曲第9番が演奏されました。そのため、2泊することにしました。

翌日は、以前教えてもらった有名なケーキ屋さん「カフェ・ケーニッヒ」に立ち寄ってみました。

バーデンバーデンで有名なケーキ屋さん、ケーニッヒ。奥にはカフェも併設。

店内には、色鮮やかなホールケーキやクッキー、ドイツ風ケーキがずらりと並び、どれも美味しそうで目移りしてしまいます。この日選んだのは、さわやかな味わいが期待のレモンタルトと、アーモンドパウダーがたっぷり入った地味ながら確実に美味しいドイツ風ケーキ。どちらも持ち帰りにしました。

左上がカフェ。左下が持ち帰りした、レモンタルトと、アーモンドパウダーたっぷりのドイツケーキ。

ちなみに、このケーキ屋さんは日本にもいくつか支店があるとのこと。しかし、どうやら名前が異なるようで、ネットで調べても見つけることができず、とても残念です。

バーデンバーデンは、街全体が庭園の様。
紅葉が始まっていました。

車がほとんどいないので、街の中なのに、大きな公園を散歩しているよう。

観光客向けの馬車が止まって、馬が水を飲んでいます。

今回宿泊したのは「ホテルアムゾフィンパーク」という庭園が美しいホテルでした。朝食の種類が豊富で、とても美味しかったです。このホテルには5月にも一度泊まっており、その時の印象が良かったので、今回も利用しました。

バーデンバーデンのホテルの部屋から。

立地は便利で、レオポルド広場という中心部に近い場所にあり、祝祭大劇場までは徒歩15分とアクセスも良好です。そのため、多くの人に人気があるようです。ただし、音楽祭の時期などには料金の変動が大きいため、次回は泊まれないかもしれないと少し不安に思っています。

ホテル・アムゾフィンパークの朝食ブッフェ。種類がありすぎて、写真は撮りきれません。バターが一口サイズで絞られているのが、可愛い。

庭園を眺めながらの朝食は、優雅なひととき。

バーデンバーデンは温泉とカジノで有名な街です。カジノは建物の外観だけ見たことがありますが、とても豪華で、お金持ちの社交場といった雰囲気でした。

温泉では、「カラカラテルメ」という水着で入れる施設に2回行ったことがあります。家族連れやカップルが楽しそうに過ごしていて、明るく賑やかな雰囲気が印象的でした。

一方で、「フリードリヒスバード」という、日本のように裸で入る温泉もあります。こちらは建築的にも非常に価値があると評判で、興味はあるものの、混浴の日もあると聞いて、まだ訪れる勇気が出ません。

バーデンバーデンは、このように温泉とカジノが織りなす独特の魅力があり、多くの人を惹きつける素敵な街でした。

バーデンバーデンを後にして、次はカールスルーエを経由し、TGVでパリ東駅へ移動しました。

カールスルーエ駅からストラスブール経由でパリ東駅へはTGVを利用。
ホームに車両位置の表示がなく、到着後に乗客がスーツケースを引きながら指定車両を探して駆け回るカオスな光景!
日本の新幹線では考えられません。

移動中の昼ごはんは軽めに済ませるため、カールスルーエ駅構内の売店でブレッツェルを購入。独特の形で、中にバターが入った柔らかめのものが私の好みです。

カールスルーエ駅構内で、昼ごはん用にバター入りのブレッツェル購入。2.6ユーロ。

初めてブレッツェルをいただいたのはスイスでした。コンサートの終演後、遅い時間に開いているお店がブレッツェル屋さんしかなく、ついつい毎晩食べてしまった結果、短期間で体重が大変なことに…。美味しすぎるので本当に危険です。最近では日本でもパン屋さんで時折見かけるようになり、嬉しい限りです。

パリは、もうすぐ。

(パリ編に続く)

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