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前回の記事に対して、読者の方からこんな声が届いた。
「弱い会社を守ってどうするんですか?」
一見、正論に聞こえる。しかし私が言いたいのは、弱い会社を守れということではない。今回はその点を、できるだけ率直に書く。

建設業の倒産が示す「補助金の後始末」
なぜ今建設業の零細企業の倒産がこれほど多いのか、考えたことがあるだろうか。
帝国データバンク「全国企業倒産集計2025年度報」(2026年4月公表)によれば、2025年度の建設業の倒産は2,041件で過去10年の最多水準に達した。
そしてもう一つの問いがある。なぜ日本には、これほど多くの建設業者が存在したのか。
国土交通省の調査によれば、建設業許可業者数のピークは2000年3月末時点で60万980業者に達していた。現在は約48万業者まで減少しているが、それでもなお膨大な数だ。G7構成国と比較しても、日本は全就業者に占める建設業就業者の割合が際立って高い水準にある。
答えは明快だ。「補助金」と「公共事業」の存在である。
公共事業という安定した発注があり、国や自治体が仕事を継続的に供給してくれる限り、本質的な競争力がなくても会社は生き残れた。財務体質が脆弱でも、外部からのかさ上げがあれば倒れない。
では、なぜ今倒れているのか。そのかさ上げが細くなったからだ。それだけのことである。
補助金で誘導された他の業界はどうなるのか
建設業はわかりやすい例だが、問題の本質はそこに留まらない。
補助金によって売上と設備をかさ上げされた企業は、他の業界にも無数に存在する。コロナ禍の給付金・ゼロゼロ融資、事業再構築補助金——これらで延命・拡大した企業が、補助金の効果が切れたとき、建設業と同じ道を歩まないと誰が言えるのか。
私はそこを考えないわけにはいかない。
集約が悪なのではない
誤解を避けるために言っておく。
企業を統合し、規模を大きくすること自体は否定しない。市場の中で自然に起きる再編や、経営者が自らの意志で選ぶ統合や規模を拡大していくのは、むしろ健全だ。
問題は、補助金によってその方向性に誘導することだ。
補助金で無理やり規模を大きくした会社が、その後に成長が鈍化したとき、ひずみは単純に大きくなる。小さい会社が倒れるより、かさ上げされた大きな会社が倒れるほうが、傷口は深い。
仮に政府の目論見通りに補助金と融資で底上げされ。中小企業が束ねられ、売上100億円の中堅企業が生まれたとする。マーケットが成長していないなら、地場の会社や従業員を吸収していくしかない。
しかし100億円を超えた組織には別の問題が生じる。
組織が大きくなるにつれ、当然社長の目の届かない層が分厚くなる。社長自身の意思ではなく成り行きで、しかも政府の補助金というカタチで拡大した企業が地方の産業の中核を担うとしたら——それは本当に望ましい姿なのか、と私は問いたい。
社長が経営者に変わることが先だ
今、倒産している会社の多くに共通することがある。財務の脆弱さを外部からのかさ上げで覆い隠し、自分で稼ぐ体質を作らないまま規模だけが大きくなった。そして、かさ上げが消えた瞬間に崩れた。
建設業が教えてくれたことは、シンプルだ。外から与えられた仕事と資金で生き続けた会社は、それが止まったとき、何も残っていない。
統合するかどうか、規模を拡大するかどうか——それは社長が経営者として自立しながら、自らの意志で決めることだ。財務の体質を自分の力で作り上げた社長が、次の戦略として選ぶ道である。
その順番を間違えてはいけない。







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