自衛官が制服を着て自民党大会で君が代を歌うことを問題だと思わない危うさ

小泉進次郎防衛相が、自民党の党大会(政治団体の集会)が自衛官を呼んで制服様の衣装で「君が代」を歌わせたことを「誇りに思う」とXに投稿したが削除。

小泉進次郎防衛大臣Xより

自民党の党大会で自衛隊の鶫真衣3等陸曹が「君が代」を歌ったが、自衛隊法『隊員は選挙権の行使を除き政治的行為をしてはならない』に明らかに抵触する。鈴木俊一幹事長は記者会見で、伝聞と前置きした上で「企画会社から提案を受けて依頼した」「個人に対してお願いをした」「君が代は別に政治的な意味のあるものではないから、それを斉唱するということについて特に問題がない」と呑気なことを言っている。「個人への依頼」とするが、会場で、しかし会場では陸自の歌手だと紹介していたし、小泉防衛相もあたかも業務の一環であるかのごとき投稿だった。

これが問題だと思わないというのが、怖い。大臣が投稿削除しているくらいなのだから、鈴木幹事長も、せめて、微妙なところもあるので軽率だったくらい言ってほしい。

高市早苗内閣は微妙なボーダーラインだとか、新解釈を慎重に検討もせずに「何が悪い」と開き直ることが顕著だ。それでは軍国主義へまっしぐらと言われても仕方ない。自公連立時代は立ち止まって熟慮したのがはずれてしまっている。まさにいつか来た道だ。

私の投稿で問題にしているのは、「自衛官が制服を着て自民党大会で君が代を歌う」という「政治行為」をしたことだというのが理解できず、「日本人が君が代を歌って何が悪いのか理解できません」とか、校歌や社歌を構成員が歌うのと同じと私のFacebook投稿にコメントしている方もおられたが、憲法を何と心得ているのだろうか。

非難囂々となって鈴木幹事長が弁解したり、小泉大臣がSNS投稿を修正したりしているのをご存じないらしい。

ユニフォームを着て政治行為をすることはその所属する組織との関係で問題になることは一般論としても多いと思うが、公務員、なかんずく軍服(ないしそれと同様に扱われるもの)はやはり特別なのである。


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コメント

  1. 早川蒼真 より:

    自衛隊の政治的中立性が重要であり、それに対して慎重であるべきだということですね。

    しかし、「自衛隊法に明らかに抵触する」という筆者の断言には疑問を覚えざるを得ません。自衛隊法施行令では「政治的目的」や「政治的行為」が列挙されていますが、国歌を歌うことが「特定政党を支持する行為」とは言えないからです。実際、国歌の演奏や独唱は、サッカーや競馬ようなスポーツ行事でもいろいろ行われています。「国歌斉唱=特定政党の政治的行為」という結びつけは、論理的に飛躍しているのではないでしょうか。

    もしこれが本当に明白な違法行為であり、重大な問題だとお考えなのであれば、「軍国主義へまっしぐら」といったように感情的に断じるのではなく明確な司法判断(訴訟)をもって議論を提起されるのが筋ではないでしょうか。逆を言うと訴訟を起こさないのであれば、この問題をどうでもいい些細な事だと捉えているという事です。