【緊急リンク集】地方消滅VS地方創生

地方消滅VS地方創生

「地方創生を止めて地方消滅でいこう!」
元NHK記者で、大阪市の天王寺区長を務める水谷翔太さんが11月7日付のエントリーで大胆な提起をしたことを巡り、アゴラ執筆陣やゲスト寄稿者が白熱した論戦を繰り広げています。

これに対し、昨年東京から高知に移住して話題になったブロガーのイケダハヤトさんは水谷さんの論考への違和感をつづり、初めてアゴラへの転載も行いました。自ら地方での生活を選び、そこに未来を見出すイケダさんの意見に対し、都市部のビジネスパーソンが主要ユーザーのNewsPicksでは批判的なコメントが多数派を占め、論戦は“場外戦”へと展開。

そのムーブメントの中でアゴラ本体でも「地方消滅」論を巡る論考が目立ち始めます。先月から論考を度々寄せている渡瀬裕哉さん(早稲田大学招聘研究員)が持論の「小さな政府」の視点から「イケダハヤト氏の主張はノストラダムスの大予言」と批評。そして、水谷さんも今朝(11月14日)の寄稿で、タイトルはイケダさんを持ち上げつつ、実質的な再反論をされています。

一方、アゴラメンバーの前田陽次郎さん(長崎総合科学大学非常勤講師)は昨日の投稿で渡瀬さん、イケダさんの“議論”が「噛み合ってない」と指摘。自治体財政の論点を挙げながら「中央と地方で悪口を言い合うのでなく、もう少し双方がいい方向に向けるような議論をした方が生産的ではないだろうか」と述べました。そして渡瀬さんも、アゴラメンバーになって最初の今朝の投稿において、早速、前田さんのエントリーに「返答」しました。

アゴラ編集部では今秋から掲げたコンセプト「AFTER 2020」において、「G型経済圏とL型経済圏の戦略的融合・活性化」を基本理念の一つにしています。
After2020-logo-01
我が国は田中角栄の「日本列島改造論」以来、膨大な投資を地方に行ってきましたが、多くの地方では衰退を止められられたとは言い難いのが実情です。ましてや財政危機、人口減少の長期トレンドにあって、昭和型のバラマキ活性化策は許されません。しかし、現実に地方には人がいます。疲弊する地方をどうしていくべきなのかが問われています。

なお、アゴラメンバーには、総務省キャリアとして地方創生の人材移転政策立案に関わった井上貴至さんも最近加入し、新体制以降、地方議員、NPOなど地方創生の現場に立つ方々が相次いで参加されております。

都市部の視点だけでなく、地方で最前線に立つ方々の具体的な取り組み紹介も交えながら、「地方創生」VS「地方消滅」の論戦がさらに活発になるように期待しています。一般の皆様のご投稿もお待ちしています。
新田編集長
アゴラ編集長
新田哲史

【関連リンク(2015年11月17日現在)】(随時、追加していきます)
・水谷翔太『地方創生を止めて地方消滅でいこう!』
・イケダハヤト『「地方消滅でいこう」という論調に対する強烈な違和感』
・渡瀬裕哉『イケダハヤトVS水谷翔太~地方消滅論を客観的に考察』
・前田陽次郎『「地方消滅」なのか「地方自治体消滅」なのか』
・渡瀬裕哉『地方財政に関するゴマカシの議論は終わりにするべき』
・水谷翔太『僕なんかよりイケダハヤトという男の方が価値がある』
・前田陽次郎『都市部から地方部への財政移転は不要である』
・長坂尚登『東京のみなさん、まだイケダハヤトで消耗してるの?』
・渡瀬裕哉『地方活性化を本気で望むならマインドを変えるべき』
・イケダハヤト『「地方消滅」論者たちが決定的に見過ごしていること。』
・渡瀬裕哉『まだ東京を消耗させるの?無駄な地方活性化は不要だ』
・水谷翔太『地方創生ブームとイケダハヤトは危険ドラッグか』
・前田陽次郎『財政移転が不要になる地方税制に変えよう』