アゴラでは日々多くの記事を配信しており、忙しい方にはすべてを追うのは難しいかもしれません。そこで、今週の特に話題となった記事や、注目された記事を厳選してご紹介します。
政治や社会保障を中心に、国際情勢やビジネス、文化に至るまで多岐にわたる内容を網羅。各記事のハイライトを通じて、最新のトピックを一緒に深掘りしましょう!

政治・経済
石破茂総裁兼首相について、「解散後に党総裁の座を失ったらどうなるのか?」という政治的トリックが囁かれています。政権運営の混乱が進む中、党大会の発動や制度を変える動きが進んでおり、「総理と総裁が異なる」異常事態も現実味を帯びてきています。混迷が極まる政局に対し、著者は「歌舞伎では済まされない現実」と嘆いています。

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“移民”の定義は国連と一般日本人の間で大きく異なり、永住や帰化との混同が見られます。日本の実質的な移民比率は1%未満ともされるなか、神谷党首が「移民5倍=600万人」という発言は現状把握の甘さが目立つと指摘されています。
日本の移民率ってどれくらい?:参政党 神谷党首は移民を5倍にするらしい(永江 一石)

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参議院選の敗因として「政治とカネ」「生活対応」「外国人・土地問題」「SNS活用不足」などが指摘されますが、筆者は本当の問題は「迫力不足」だと主張します。政策も人物も魅力がなければ、戦略も活きないと警鐘を鳴らしています。
自民党の総裁選前倒し騒動について感じること、真の敗因とは?(朝比奈 一郎)

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日本政府は外国人受け入れを進める一方で、文化や生活への影響に対応する体制が整っておらず、法律面でも「誠実協議条項」などで曖昧さが目立っています。この中途半端な姿勢は幕末の「尊王攘夷」に通じ、より具体的な制度改革と共生ルールの整備が求められます。
現代の尊王攘夷:外国人を受け入れたい日本政府の中途半端な意識と体制(岡本 裕明)

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アメリカや英国、フランスなど先進国で同時に金利が急上昇し、債券市場の不安から株安に波及しています。財政赤字やインフレ、中央銀行への信頼低下が重なり、中央銀行は介入か傍観かの難しい判断を迫られています。このままでは長期的な財政への持続可能性も危ぶまれます。
世界同時「金利高」が市場を揺るがす:先進国は財政赤字とインフレの悪循環に(アゴラ編集部)

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7月末、栃木信用金庫がセントラル銀行役の信金中金から50億円の資本注入を受けたことは、業界に衝撃を与えました。表面的には信用金庫全体の決算は好調ですが、北海道など地方では預貸率の低迷や有価証券評価損など、地方金融の構造的な弱みが浮き彫りになっています。将来の地方創生への影響が懸念されます。
地方創生と信用金庫(現代の金融機関):栃木信金ショックが示す暗雲(濱田 康行)

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日本では人手不足が資本投入ギャップと労働投入ギャップを歪め、潜在GDPを過小評価している可能性があります。また、日銀の「基調的物価」は曖昧かつ恣意的で、帰属家賃など実態を無視した補正が目立ち、実際の物価と乖離していると指摘されています。

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日本では資源価格や円安だけでは説明できないインフレが続き、長期金利が低く実質金利がマイナスである状況が恒常化しています。これは政府債務の膨張による「財政従属」の影響で、金融政策の自由度を制約している構造的問題とも言える状態です。日銀は物価と財政の狭間で難しい対応を迫られております。
インフレの黒幕は財政か? “財政インフレ”の予兆(小黒 一正)

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石破首相は、自民党内で臨時総裁選を求める動きに対して、「やりたくはないが、総裁選となるくらいなら衆院解散する」と発言し、党内牽制として“解散カード”を示しています。ただし、閣僚や公明党の反対も予想され、実行には極めて高いハードルがあると指摘されています。
石破首相「やりたくはないが、総裁選になるくらいなら解散する」の歴史的無責任(アゴラ編集部)

国際・エネルギー
ナイジェリア政府は、大統領府が「誤情報を訂正した」と見せかける一方で、情報・国家指導省などもう一方の情報発信機関が偽情報を発信し続ける“二元的プロパガンダ体制”を構築しています。この構造により、誤情報が戦略的に国内に定着してしまうため、日本政府は制度設計そのものを理解し、抗議や協力の見直しなどの対応をとるべきです。
ナイジェリア政府が仕掛ける意図的な二重情報操作(浅川 芳裕)

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2025年9月3日、中国・北京の天安門広場で「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年」記念の軍事パレードが行われ、習近平国家主席がロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩総書記と共に登壇されました。射程2万kmの「東風5C」など先進兵器の展示を通じて、中露朝による連携と西側への対抗姿勢が鮮明に示されました。
中ロ朝3首脳が北京に集結:「戦勝80年」軍事パレードで結束誇示(アゴラ編集部)

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日本ではコロナ対策に欧米の数理モデルを盲目的に信奉する「コロナ自粛警察」の声が乱発され、政策の混乱を招いたと批判されています。同様に、「ウクライナ応援団」も欧州発の言説を無思考に受け入れている実態があるとし、その偏った欧州中心主義を懸念する内容です。
(3)「コロナ自粛警察」と「ウクライナ応援団」:欧州中心主義の陥穽(篠田 英朗)

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2025年5月、秋田の風力発電施設で羽根が折れて男性が死亡した事故をはじめ、ブレード破損や火災など再エネ関連の事故は複数報告されています。定期点検では目視が中心のため、内部損傷を見逃しやすく、「確率が低いから大丈夫」と過信することは非常に危険です。
「確率が低いから大丈夫」は本当か? 風力発電事故が突きつける現実(尾瀬原 清冽)

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東京の8月の全天日射量(地表に降る太陽エネルギー)は、1975年と比べて2025年には約26.4%増加しています。これは大気汚染の減少や都市化による乾燥化、自然変動などが要因として考えられます。猛暑の背景には、このような日射量の著しい増加が大きく関与しているとみられます。

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2025年11月、ブラジル・ベレンで開催予定のCOP30では、気候や森林保全よりも深刻なのは「宿泊問題」であると指摘されています。開催地ホテルのインフラが追いつかず、法外な料金や予約サイトの遅れにより、多くの国が参加再考を迫られる可能性があります。運営上のロジ(宿泊・会場)の失敗は会議そのものの成否を揺るがす懸念があると論じられています。
COP30最大のリスクは気候でも森林でもなく宿泊問題だ(有馬 純)

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釧路湿原へメガソーラー建設する際、土地の炭素がCO₂として放出される上、中国製パネルの製造時のCO₂も膨大で、回収に10年もかかります。日照条件も良くない地域での導入は環境負荷ばかりが目立ち、建設前にCO₂排出量の明示と関係者による慎重な検討が急務です。
釧路湿原を破壊して中国製パネルを並べてCO2は減るのか(杉山 大志)

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ネイチャー誌に掲載された、ウズベキスタンの異常値に依存する気候変動による経済損失の推計論文が、統計モデルの信頼性に重大な疑問があるにもかかわらず撤回されず、金融界の指標としていまだに使われ続けている現状を批判します。科学の健全性を守る必要性を訴えております。

ビジネス・IT・メディア
「人生は思い出づくり。お金をためすぎて死ぬな」を説くDIE WITH ZEROの理念は、精神的には響くものの、実践できるのは主に資産に余裕がある人に限られます。貯蓄の安心感や長生きリスクを考慮すると、誰しもが“ゼロで死ぬ”ことを目指せるわけではないと指摘されています。
DIE WITH ZEROはお金持ちしか出来ない(黒坂 岳央)

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参院選大敗後、自民党内で総裁選を前倒しすべきとの声が広がる中、旧来メディアは「石破さんに責任を押し付けるのは違う」といった擁護的な意見を「冷静な声」として扱っています。その報道姿勢こそが、メディアの偏向的立ち位置を如実に示していると筆者は指摘しています。
総裁選前倒し報道にオールドメディアの立ち位置がよく表れている(茶請け)

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サントリーホールディングスの新浪剛史会長は、米国から輸入されたサプリメントに大麻由来の成分(THC)が含まれていた可能性をめぐり、福岡県警が自宅を捜索したことを受け、突然辞任されました。「合法だと思っていた」と説明されており、違法薬物の所持や使用は現時点で確認されていない状態です。

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サントリー会長の新浪剛史氏が、違法なTHC混入の可能性があるサプリメントを知人の米国女性から「違法と知らずに」受け取ったとされ、福岡県警の家宅捜索を受けて辞任されました。しかしCBDしか確認されず、意図的な違法行為とは断定されておらず、世論の「判決」は早計との見方もあります。
理解に苦しむ新浪剛史サントリー会長の違法サプリ疑惑(岡本 裕明)

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サントリーHDの新浪剛史氏はCBDサプリの購入に関して辞任し、9月3日の記者会見で「法を犯しておらず潔白」と強調されました。ニューヨークの知人が「日本でも合法」として送ろうとしたが家族によって破棄されたなどの経緯を説明。また、経済同友会のポストは「前例を作らない」ために当面続ける意向を示されました。
CBDサプリ購入でサントリーHD会長を辞任した新浪剛史氏が会見(アゴラ編集部)

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今週のVlogです。
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司法が新浪剛史氏のような経済人を摘発することを「手柄になる仕組み」と強く批判。起訴もされていない状況で、本人が合法と主張するなか辞任に追い込まれた点に疑問を呈し、日本の司法制度が経済界に不当な影響を与えているとの問題意識を示しています。
新浪剛史氏をあえて擁護し司法の罪状に疑問を呈したい(八幡 和郎)

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タバコは年間約800万人、アルコールは約300万人の死亡をもたらし、いずれも中毒性や社会的影響が大きいです。一方大麻による直接的な死亡例はほぼなく、依存や事故、精神疾患リスクなど間接的影響が問題視されています。そのため、危険性と規制の厳しさには不均衡があるとも指摘されています。
大麻とタバコとアルコールの中でいちばん危険なのは?(池田 信夫)

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2025年、日本の上場企業ではAI導入と米中関係などによる景気不透明感から、早期退職募集が前年の通年を上回り1万人を突破しました。特に40~50代の管理職層に対象が集中し、ホワイトカラー業務のAI置き換えによる雇用構造の根本的変化が迫っています。
日本企業の早期退職が急伸:AIと景気不透明感が迫るホワイトカラーの危機(アゴラ編集部)

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日本では25~34歳の大卒率が約66%と高くなり、「大卒」という学歴の希少性が薄れています。授業外学習時間が1日平均52分と少なく、人口減少や大学過剰、AI普及による事務職縮小も相まって、大卒神話に依存した時代が終焉を迎えつつあり、柔軟なスキル適応力が今後求められると論じています。

科学・文化・社会・一般
国際関係論では戦争の原因分析が重視されてきましたが、本記事では「平和の原因」への注目が不足していると指摘しています。ジョン・ミューラー氏やスティーヴン・ピンカー氏の「戦争退化論」を取り上げつつ、その理論的・実証的な検証にはまだ課題が多いとの見解を示しています。

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思想家・鶴見俊輔氏は、敗戦直後に日本人の「共同より家族エゴイズム」によって革命が起きなかったと語っています。その洞察は現代の参政党躍進にも響き、「共同性の欠如」が政治変革の障壁になるとの示唆とされています。
参政党の “限界” を予見した敗戦直後の思想家:鶴見俊輔『戦争が遺したもの』(與那覇 潤)

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現代人が旅行を避ける理由は、単にお金がないからではありません。娯楽の多様化により、不確定な旅のプロセスをわざわざ楽しむ必要性を感じない人が増えたのです。本当に旅を楽しめる人は、未知への好奇心やプロセスの創意工夫を楽しむ才能を備えていると筆者は考えています。だから旅行は、万人向きの趣味ではないのです。

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著者・尾藤克之さん(50歳、バツイチ)は、2020~22年の婚活体験を通じて、証明書地獄、写真詐欺、スーツ至上主義、短すぎる交際期間といった業界の構造的な問題を痛感します。会話の難しさや仮交際期間の短さもあり、婚活は真剣ながらも「異世界」のようであると厳しく描かれています。

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連休にも関わらず、決算業務に追われ限界を迎えた著者は、福津市の宮地嶽神社へ逃避ドライブを決行。名物の「光の道」や日本一の大注連縄、涼やかな風鈴の奥宮を巡り、心の安らぎを得たそうです。その後、職場も異動し、理不尽だった環境から解放されたことに感謝されています。
理不尽な業務の多忙さから逃れるように光の道を拝みに行った福岡・福津の神社ドライブ(ミヤコ カエデ)

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日本では「対米従属」論や「中国・ロシアの影響下」のような言説が強まり、「問題の原因を自国ではなく他国に求める」傾向が批判されています。日本の公共的自立感が揺らぎ、責任転嫁を避ける姿勢こそが国としての健全さの第一歩であると訴えています。
「よその国のせい」症候群の日本は、世界のどこまで堕ちてゆくのか(與那覇 潤)







