2018年、できたこと、できなかったこと、そして感謝

今年もいろんな苦労と達成がありました。

 一つずつ振り返りつつ、感謝したいと思います。 

医療的ケア児の報酬改定ロビイングしたけど玉砕

医ケア児の預かる施設が無いのは、預かっても得られる報酬が少ないので、「割りに合わない」からなんですね。だから、報酬システムを変えようぜ、ということでロビイングを頑張ったのですが、結局は「看護師配置加算」という使えない仕組みのみが作られて、抜本的な報酬改定には届きませんでした。

でも、最後まで頑張ってくれた荒井聡議員、野田聖子議員、木村弥生議員、山本博司議員らには心から感謝です。

平成30年度障害福祉サービス報酬改定は、医療的ケア児を救うのか

保育士の給与を上げまくりました

社会的に不当に安い処遇に留め置かれている保育士。それが保育士不足を引き起こし、待機児童問題の遠因にもなっています。

まずは足元から、ということでフローレンスで働く保育士の給与を上げられまいか、検討を開始。

しかしフローレンスでは、訪問型病児保育事業は補助を一銭ももらっていないので、全部自腹で何とかしなくちゃいけません。

訪問型障害児保育事業は、コストがかかり過ぎてていまだに赤字です。

しかし、それでも関係各者の努力によって、病児保育25/月、障害児保育園ヘレン25/月、障害児訪問保育アニー29万円/月と、保育業界ではトップクラスの水準に引き上げたのでした。

国から補助はもらえてないけど、病児保育スタッフの給与を業界最高水準にしてみました

【障害児訪問保育アニー】 保育スタッフの給与を業界最高水準にアップします!

ここに歩みを止めず、経営陣一同で知恵を絞り、来年も現場の処遇を上げ続けられるよう頑張りたいと思います。  

文京区こども宅食を3倍以上に拡大

文京区で150世帯の枠でスタートした「こども宅食」でしたが、申し込みが450世帯から来たので、450世帯、そして550世帯と対象世帯を拡大しました。

待っていた全ての家庭に食品を。昨年の3倍、450世帯への配送を実現!【こども宅食】

喧嘩しながらも、ともにプロジェクトを作ってくれた文京区の職員の皆さんや、成澤区長には心より感謝です。コンソーシアムを形づくる仲間たち(藤沢烈・河合社長・村上絢・渡辺由美子・鴨崎さん)も、本当にありがとう。

「こども宅食」は企業からの食品寄付を配っているので、協力してくださった企業の皆さんにも感謝だし、食品仕分けに力を貸してくれたボランティアの皆さんにも感謝だし、本当にリアル元気玉です。

食品届けて喜ばれるだけじゃなくて、アンケートを組み合わせて、DVや状況が深刻なケース等も発見して、予防的な福祉として機能することも分かってきました。

今後は、このデータ×アウトリーチ×福祉=予防 という部分を深めていけたら、と思っています。

走るのが死ぬほど苦手なのに、フルマラソン走ることになった


東京マラソンの寄付先にフローレンスを選んで頂きました。非常に感謝しております。一方で寄付を受けたからには代表が走らなければいけない、と言う謎のルールによって、走るのが死ぬほど苦手な運動音痴の僕がフルマラソンに挑戦することになってしまいました。

嫌がる僕を励ましてくれた社内の東京マラソンメンバーのみんな。プロアスリートの寺田飛鳥ご夫妻。多くの皆さんに、心から拍手です。なお、ハーフマラソンで死にかけました。あと半年でハーフ走れる気は、全くしていません。

走るのが死ぬほど苦手なのに、フルマラソン走ることになったわけ

結愛ちゃん虐待死事件を受け、署名キャンペーンをしました

目黒区の結愛ちゃん虐待死事件を受けて、抜本的対策を求める署名キャンペーンを行いました。そしてchange.org 史上2番目に署名数が多い、10万票の署名を頂きました。結果として児童福祉士の大幅増員や児童相談所の機能分化、児童福祉士の国家資格化など、これまでなかなか進まなかった仕組みの改善の議論が一気に進みました。

 足を引っ張る人たちもたくさんいましたが、その何倍も応援、支援してくださる方々に励まされました。この場を借りて御礼申し上げます。

【拡散希望】もう一人も虐待で死なせたくない。総力をあげた児童虐待対策を求めて署名キャンペーン始めました!

「保育ソーシャルワーカー」をフルタイムで雇用し、保育園でソーシャルワークし始めました

保育園を運営する中で、たくさんの児童虐待事案やネグレクトなど不適切な養育に直面することがありました。児童相談所事案になってしまう前に、保育園で適切にソーシャルワークができれば、大事に至る前に予防できるのではないか。

しかしスクールソーシャルワーカーはいても、保育ソーシャルワーカーの制度は無い。無ければ、自分達で作ってしまえば良いのではないか。

そう思って、長年ソーシャルワークに携わってきた 鈴木素麗香さんに、フローレンスの保育ソーシャルワーカー第一号になってもらいました。

そして保育園で起きる様々なケースに、園長・園スタッフと共に二人三脚で対応してもらったのでした。

そうしたところ、驚くような成果が出ました。親子の危機に適切に力になり、それ以上状況が酷くなることを防げたケースが多々あったのです。

これは、やはり制度にしなくてはダメだ、と。制度にすることで、全国の保育園で同様の取り組みがなされれば、どれだけ多くの親子を助けられるだろうか、と。

なお、ソーシャルワークにおいて、連携してくださった各区の子ども家庭支援センターさんや保育課、保健所の皆さんに改めてお礼申し上げます。

児童虐待をなくすための、保育園の新しい役割とは。「保育ソーシャルワーク」始めています

受動喫煙防止ロビイングを頑張り、受動喫煙防止条例に繋がりました

国の骨抜き受動喫煙防止法より先んじて、東京都が「原則室内禁煙」という厳しい条例を作ってくれました。

これも中室先生、津川先生、宋美玄先生、渋谷先生、牧浦ドガくん、為末大さん、天野たえさん等の著名人の方々がキャンペーンを繰り広げてくださったからです。また、永江一石さん等のインフルエンサーの方がネット世論を盛り上げてくださったことも大きかったです。

さらには小池知事、岡本都議を中心とした都民ファースト都議の皆さん、都庁職員の皆さんが、抵抗勢力の圧力にも負けずに頑張ってくださったことが、この結果につながったと思います。

改めて、心から感謝申し上げます。

おじさん飲食店経営者VS子どもたち。どうなる?!東京都受動喫煙防止条例

ものづくり補助金対象にNPO法人が追加されるようちょこっと貢献しました

山本かなえ議員が世耕大臣に国会質問で投げたボールを、世耕大臣がしっかり受け止め、経産省・中小企業庁の職員の方が汗をかいて頑張ってくださったお陰で、数千億円規模の研究開発補助がNPOにも対象になりました。

民間からはシーズの関口さんが地味に走り回ってくれたのも、すごく大きかったと思います。

また一つ、NPO排除の岩盤に一穴が空いた件

妻が区議を目指し始めてパニックに

いやー、超びっくりしました。もう大変です。一時期は、「音喜多めー!!」と逆恨みしましたw

でも、そんな中支えてくれる仲間( 田渕絵里ちゃん、知念くん、篠原くるみちゃん等々 )がいてくれることに、ほんと感謝しかないですね。

妻が区議を目指し始めてパニクったことについて

11月、障害児保育園ヘレンを練馬区で開園

フローレンス本部のヘレンチームもさることながら、練馬区の現場の職員さんの熱心さが嬉しかったです。そして荻窪園から抜けて、立ち上げを頑張った遠藤園長やスタッフのみんなの頑張りに拍手です。

そして高価な福祉バスを提供してくださった西友さんにも改めて感謝です。

練馬区初!障害児保育園ヘレン中村橋、開園式やりました!

豊洲に認可外で病児保育室をつくることに

情熱あふれる小児科医、小暮先生と有明こどもクリニックの皆さんに感謝です。この想いが江東区役所に届くと良いなぁ。

【赤字】利用倍率770倍超えの豊洲に、よりによって認可外で病児保育室を開園することに!【必至】

こども宅食を全国化することに

全国から「うちの地域でもこども宅食をしたい!」と言う問い合わせが相次ぎました。そこでこども宅食モデルを全国に広げるべくクラウドファンディングを始めました。1220日くらいまで全く寄付が集まらず、自爆寄付まですることになったのですが、奇跡の追い上げで3000万円を達成しました。ご協力いただいた皆さんに心から感謝です。

親⼦を救う「こども宅⾷」を、佐賀から全国に届けたい。クラウドファンディング開始。

赤ちゃん縁組が東京都の許可事業に

こうして認めてもらえたのも、アクロスジャパン小川さんのご指導、またご協力頂いている医療機関の皆様( 畑山先生、太田先生、丸山先生等々 )のお陰です。

フローレンスの赤ちゃん縁組事業、東京都の認可(許可)を取得!!

本当に、自分一人では到底やれなかったことばかりだな、と。

来年も皆さんとともに、社会をちょっとずつアップデートしていきたいと思います。


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2018年12月31日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。