日本共産党は「革命政党」であり、普通の政党ではあり得ない

2019年12月30日 06:00

日本共産党は「普通の政党」か?

このところ「アゴラ」で、日本共産党が「普通の政党」かどうかが論争されている。国民民主党の津村啓介衆議院議員の「普通の政党論」に対する、岩田温氏の「否定論」に始まり、音喜多駿参議院議員の「否定論」が続き、早川忠孝元衆議院議員の「肯定論」に至っている。

共産党公式YouTubeより

この論争は、来るべき総選挙における「野党共闘」の成否にも関係する重大な論点である。上記津村議員の「普通の政党論」は、「野党共闘」を推進し、安倍自民党政権打倒を目指す立場からの見解であることは明らかである。しかし、結論から先に言えば、筆者は以下の理由で「否定論」が正当であると確信する。

「普通の政党」とは何か

この論争を考える場合、まず「普通の政党」の定義が重要である。「普通の政党」とは、「現在及び将来にわたって現行の日本国憲法体制を擁護し遵守する政党であるかどうか」を基準とすべきである。現行の日本国憲法体制の根本は、自由民主主義思想に基づく「議会制民主主義体制」であることは明白である。

そうすると、自民党、公明党、日本維新の会、立憲民主党、国民民主党、社民党などは、党綱領などから見ても、「議会制民主主義体制」を現在及び将来にわたって擁護し遵守する政党であると認められる。

日本共産党は「革命政党」である

しかし、日本共産党は「現行憲法のすべての条項を擁護し遵守する」とは言っているが、党綱領によれば、現行の自由民主主義思想に基づく資本主義体制を打倒し、「社会主義・共産主義社会」の実現を目指す「革命政党」(党綱領五)であるから、自由民主主義思想に基づく「議会制民主主義体制」の将来にわたっての擁護・遵守とは明らかに矛盾する。

なぜなら、「社会主義・共産主義社会」は、自由民主主義思想に基づく「資本主義体制」の政治制度である「議会制民主主義体制」を否定しなければ実現しないからである。日本共産党は党規約2条で「科学的社会主義」(「マルクス・レーニン主義」)を理論的基礎としているが、ロシア革命の父レーニンは「議会制度は人民抑圧の機関であるから廃棄しなければならない」(レーニン著「国家と革命」)と断言している。

「敵の出方論」や「プロレタリアート独裁」を放棄しない日本共産党

のみならず、日本共産党は、現在も「敵の出方論」や「プロレタリアート独裁」(党綱領五=16「社会主義をめざす権力」)を放棄していない。「敵の出方論」や「プロレタリアート独裁」は、社会主義革命に反対する反革命勢力の反抗は暴力で抑圧・粉砕することを躊躇しない思想と行動である(レーニン著「前掲書」、宮本顕治著「日本革命の展望」、不破哲三著「人民的議会主義」)。これらは明らかに議会制民主主義体制と矛盾する。

そのうえ、日本共産党は、基本政策として「自衛隊廃止」「安保条約廃棄」「天皇制反対」を党綱領で主張している(党綱領四)。

日本共産党は到底「普通の政党」ではあり得ない

以上の通り、日本共産党は、社会主義・共産主義社会の実現を目指す革命政党であり、議会制民主主義体制と矛盾すること、敵の出方論やプロレタリアート独裁を放棄しておらず、議会制民主主義体制と矛盾すること、基本政策として自衛隊廃止・安保条約廃棄・天皇制反対を主張していること、などの諸点を考えれば、他の政党とは明らかに「異質」であり、到底「普通の政党」ではあり得ないのである。

日本共産党については、以下にある最近の「アゴラ」掲載の拙稿を参照されたい。

加藤 成一(かとう  せいいち)元弁護士(弁護士資格保有者)
神戸大学法学部卒業。司法試験及び国家公務員採用上級甲種法律職試験合格。最高裁判所司法研修所司法修習生終了。元日本弁護士連合会代議員。弁護士実務経験30年。ライフワークは外交安全保障研究。

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加藤 成一
元弁護士(弁護士資格保有者)

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