アゴラでは日々多くの記事を配信しており、忙しい方にはすべてを追うのは難しいかもしれません。そこで、今週の特に話題となった記事や、注目された記事を厳選してご紹介します。
政治や社会保障を中心に、国際情勢やビジネス、文化に至るまで多岐にわたる内容を網羅。各記事のハイライトを通じて、最新のトピックを一緒に深掘りしましょう!

政治・経済
農林水産省は作況調査の誤りを「統計ミス」として隠蔽し、農産局が「コメは足りている」と発言させるなど情報操作を行いました。小泉農相の登場で「改革演出」に切り替え、責任追及を回避する報告を公表。官僚の体面維持が優先された対応に批判が集まっています。
『消えたコメ』説の幕引き:農水官僚の隠蔽工作と小泉農相の役割(浅川 芳裕)

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帰国中の谷本真由美(めいろま)さんにインタビュー。日本の右派ポピュリズムは欧米と異なり「移民」や「治安」ではなく、「健康志向」「自己防衛感」が起点になると指摘。自然回帰や反ワクチン志向が、「自分は社会から疎外された被害者だ」という感覚を醸成し、参政党などへの支持につながっていると分析されています。
【めいろまさんインタビュー】日本の右派ポピュリズムは“健康”と“自己防衛”から始まる(アゴラ編集部)

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2025年参院選で与党が過半数割れとなった背景に、都市の無党派・浮動票層の存在を強調しています。世代間の対立に加え、「都市 vs. 地方」の構造的分断が浮き彫りになり、組織票頼みの旧モデルは限界に。今後は地方やガバナンス再構築が不可欠と論じています。
参院選があぶり出した本当の危機とは?世代間対立以上に深刻な分裂(朝比奈 一郎)

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石破茂氏への退陣要求が出ないのは、「では誰が代わりになるのか」と具体的な候補が見えないためです。党として後継者が育たず、政権のビジョン不在が政治停滞を招いています。責任論が盛り上がらない本質は、自民党のリーダー不在の構造にあります。
「次の総理がいない」絶望:石破政権への責任論が広がらない、本当の理由(音喜多 駿)

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参院選で自民が苦戦し与野党逆転のはずが、野党が政権交代よりも“弱体化した石破政権の延命”に注力している構図に違和感が広がっています。予算委員会で主導権を持つ立場にもかかわらず、野党は責任をとる覚悟より政策の“つまみ食い”的対応を優先し、政治の本質を逸脱していると筆者は批判しています。

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アメリカは、8月7日から日本からの輸入品に「現在の関税率にさらに15%を上乗せ」する新たな措置を発動しました。日本政府が「最大15%まで」と説明していたものとは異なるため、貿易現場には混乱が広がっており、赤沢大臣の交渉成果としての位置づけにも疑問が湧いています。
相互関税「15%上乗せ」に「話が違う!」:赤沢大臣は何を成果としたのか?(アゴラ編集部)

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今週のVlogです。
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自民党は8日行われた両院議員総会で、参院選敗北を受けた石破首相の退陣を求める動議を提出できず、「石破おろし」は不発に終わりました。首相は続投を明言し、森山幹事長は8月末の敗因分析をもとに党 unity を図る姿勢を示しましたが、政権は依然として迷走している印象です。
両院議員総会で石破おろし不発:このまま死に体の政権がだらだら続くのか(アゴラ編集部)

国際・エネルギー
アメリカ労働統計局が5月・6月の雇用者数をそれぞれ14万人以上から1〜2万人に大幅下方修正し、市場に衝撃が走りました。労働統計の信頼性が揺らぎ、米国ではトランプ氏の怒りを招き統計局長の解任騒動にも発展。雇用収縮と判断され、金利政策や企業投資にも大きな影響が及ぶ懸念が示されています。雇用統計の修正理由は説明不足で、不透明さが批判されています。
波紋を呼んだアメリカ雇用統計と今後の影響:なぜこれほどの大修正がなされたのか(岡本 裕明)

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赤沢経済再生担当大臣が9度目の訪米で関税交渉の早期合意を目指す中、米側は日本からの5500億ドル(約80兆円)の投資を「契約金」に位置づける発言。要望した“大統領令”も未発出で、日本側の交渉実績が形として残らず、成果への疑義が広がっています。
トランプ大統領「日本の投資80兆円は契約金」:赤沢大臣との口約束は履行されず(アゴラ編集部)

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国際関係論の金字塔とされるケネス・ウォルツの『国際政治の理論』は、その単純で美しいネオリアリズムが魅力ですが、冷戦終結以降の現実と一致しない予測も多く、限界が指摘されています。それでも理論の合理性や科学としての「美しさ」は認めるべきで、過度な批判では理論の本質を見失う恐れがあると論じています。
美しい理論は正しいのか:ウォルツの国際政治理論再考(野口 和彦)

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オーストラリア政府は2024年12月に法律を成立させ、2025年12月より16歳未満の子どものSNS利用(YouTubeも含む)を全面禁止します。違反した場合、事業者には最大で約48億円の罰金が科せられる可能性があります。ただし、教育目的で教師や保護者が動画を見せることは例外とされています。
オーストラリアが16歳未満のYouTube視聴を禁止に:国家が家庭の方針に介入?(アゴラ編集部)

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トランプ米大統領は、2025年8月15日にアラスカ州でロシアのプーチン大統領との首脳会談を行う意向を自身のSNSで表明しました。内容にはウクライナ抜きでの停戦議論が含まれる可能性もあり、ウクライナ側からは強い警戒感が示されています。
トランプとプーチンが会談へ:ウクライナ抜きの停戦は成立するか?(アゴラ編集部)

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Climate Working Group(CWG)の報告書は、海洋が「酸性化」するとの表現を誤りと指摘し、「中性化」という表現がより適切としています。海水のpH変化は自然の変動範囲内であり、たとえばグレートバリアリーフのサンゴ被覆率は回復基調にあります。CO₂影響を一律に危機視する見方に警鐘を鳴らしています。
米国の気候作業部会報告を読む③:海洋酸性化…ではなく海洋中性化(杉山 大志)

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気候作業部会(CWG)は、CO₂濃度倍増時の気温上昇を示す「平衡気候感度(ECS)」の推定値が政府モデルより低い傾向にあると指摘しています。IPCC第6次報告の上限4.0℃に対し、下限は2.5℃ですが報告は「1.8℃」のほうが正確と主張。実務的には「過渡応答(TCR)」の方が実用的で、こちらは1.2~2.4℃程度で一致していると述べています。
米国の気候作業部会報告を読む⑤:CO2はどのぐらい地球温暖化に効くのか(杉山 大志)

ビジネス・IT・メディア
名古屋の介護事業会社ビジョナリーは、2018年から筋肉質な人材を「マッチョ採用」し、ジム利用やプロテイン代を補助する社内支援を行った結果、売上が10倍に成長しました。筋トレ習慣から得られるストイックな継続力や論理的思考力は営業や介護業界との相性が良く、戦略的採用として合理性が高いと論じられています。

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学歴は18~22歳時点の「過去の実力の証明」にすぎず、AIや技術革新によって知識の陳腐化が急速に進むと述べています。将来に求められるのは、過去の肩書ではなく「現在学び直す力」であり、リスキリングこそが現代のキャリアを支える鍵だと論じています。

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最近、沖縄のメディアで日本語が怪しい記事が頻発しています。例えば、沖縄タイムスは「嘉手納基地が飛来」と誤った見出しを掲載し、訂正に1日を要しました。また沖縄テレビは「沖縄」を「沖に泡」と誤記するなど、デスクチェック不足が伝わるケースに対し、著者は「経費削減が進みすぎているのでは」と疑問を投げかけています。
日本語が怪しい記事の配信がしばしば見受けられる沖縄メディア(茶請け)

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2025年、米テクノロジー大手で解雇やレイオフが急増し、1~7月だけで約9万人に達しました。これら企業は好業績にもかかわらず、AIの導入によりエンジニアや事務職などホワイトカラーの人材を削減しています。AIがコードの一部を自動生成する実態が進む中で、企業は人件費を圧縮し再投資を進めていると指摘されています。
テック好調の裏で進む大量リストラ:AI時代に選別されるホワイトカラー(アゴラ編集部)

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参政党内部の“手柄争い”には、成功ゴールが存在しない構造が影響していると著者は指摘します。「バラマキ派」には成果や実効性が伴わず、信者を引き込み続けるため、内輪の対立=“内ゲバ”が生まれやすいビジネス構造として分析されています。
MMT論者たちってなんで内輪で喧嘩してるの?と思った時に読む話(城 繁幸)

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組織において教育や研修で変えられない「採用してはいけない人」が存在すると指摘しています。性格・人格は成人後ほとんど変わらず、誠実性や協調性の欠如が原因の問題人材の採用は、企業運営の致命傷になり得ると論じられています。適切なフィルタリングの重要性を説いています。

科学・文化・社会・一般
兵庫県丹波市柏原町が2025年7月30日に41.2℃を記録し、日本の観測史上最高気温となりました。それまでの記録は静岡・浜松市と埼玉・熊谷市の41.1℃でした。記事では、柏原が織田信長の嫡孫・信長系譜ゆかりの地であり、歴史的背景や地理・文化的特性(丹波黒豆、果樹農園やハンググライダー等の観光資源)も詳細に紹介されています。
日本史上最高気温・兵庫県柏原は織田宗家の城下町(八幡 和郎)

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評論家・江藤淳や加藤典洋が重視した「ねじれ」表現と、村上春樹のように国を超えて文化を捉える感性の共鳴点を探ります。国という枠を外して自己と関係する「文化的コミュニティ」を「ホーム」とする感覚の変化を考察しつつ、次回作への期待を寄せています。
『庄司薫と村上春樹』:なぜぼくは歴史学をやめて小説とか読んでるのか(與那覇 潤)

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8月4日夜、横浜みなとみらいで開催中だった「みなとみらいスマートフェスティバル2025」の花火大会で、打ち上げ台船上の火薬が爆発・炎上し、打ち上げは中止されました。花火師は全員無事で、消防艇・消防車・海上保安庁が消火にあたりました。花火は約2万発予定、観覧者は約20万人とされており、現場は騒然となりました。
みなとみらい花火大会 台船の上で花火が爆発・炎上:打ち上げが中止に(アゴラ編集部)

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奈良・西ノ京に位置する唐招提寺は、鑑真大和上が759年に創建し、律宗の総本山として仏教文化の基盤を築いた寺院です。金堂や講堂、校倉造の宝蔵など創建当初の建物も現存し、鑑真大和上の御廟と蓮の美しい庭園を静かに巡ることで、心が落ち着く空間と歴史の重みを感じられる場所です。
日本の仏教の礎を築いた鑑真の眠る寺:奈良市・唐招提寺(ミヤコ カエデ)

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神楽坂の人気ドーナツ店「dacō(ダコー)」では、半円形のユーモラスなベンチや“?”の看板が印象的でした。小ぶりで可愛らしいドーナツたちは色んな種類を楽しめるサイズ感で、ふわっと軽い食感やピザ窯焼きのナポリなど個性豊かな味が魅力です。店舗装飾にも遊び心があり、自分へのご褒美にも手土産にもぴったりです。
神楽坂で出会った、行列の先の至福:dacōの小さなドーナツたち(出口 里佐)

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無条件降伏を「超国家主義的思想」と批判し、それが原爆投下に至る背景になったと分析しています。現在もトランプ氏やプーチン氏らが主権否定的な発言を繰り返す中、原爆に象徴される“見えない侵略”は現代にも続いていると警鐘を鳴らしています。
「見えない原爆投下」がいま、80年後の世界を揺るがしている。(與那覇 潤)

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広島の「過ちは繰返しませぬから」という原爆慰霊碑の碑文は、主語を「人類全体」とした復興と平和の思想の象徴です。不正確な解釈やポピュリズムによる歴史の歪曲は危険であり、議論の深化よりも感情論やステレオタイプに依存する現状に対して強く警鐘を鳴らしています。
広島原爆慰霊碑の碑文とポピュリスト歴史認識論争(篠田 英朗)

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原爆投下による死者数は、広島で約15万人、長崎で約8万人。これに対し、模擬的本土決戦による推定死者は日米合わせて100万人以上。米国は「原爆使用は安上がりだった」と主張しますが、筆者は「原爆がなければ本土決戦は避けられたのか」が本質の議論であると指摘しています。
広島・長崎への原爆投下は「安上がり」だったのか(池田 信夫)

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SNSが普及し、学者や評論家も即時に不特定多数と対話する時代になりました。それにも関わらず、ロシア支援とされたウクライナへの声援をやめて自らの言説や立場を顧みないまま、感情的に正義を叫び続ける姿勢に対し、著者は強い違和感を持っています。「専門家」がその影響力を自覚し、反省と変化を示すことの重要性を問いかけています。







