歴史的にはインドが世界一、中国が第2位の経済大国だった

英国の経済史学者アンガス・マディソンが「PPP(購買力平価)」をもとにした世界各国の経済発展の数字を出しており、よく使われる。

それによれば、人類の歴史においてインドがほとんどの時期に世界一の経済大国だったということだ。ただ、日本でいえば戦国時代にあたる明の時代に中国がインドを抜き、いったん逆転するが、19世紀にまた中国が1位となり、19世紀の終わりごろに米国に抜かれるまで世界一だったという。

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だいたい、関ヶ原の戦いがあった1600年まではこの両国で世界の半分以上を占めていたらしい。

そして、GDPではまだ米国が1位だが、購買力では2014年頃に中国が1位に復帰したとみられているといったことを、『国家の興亡史からわかる現代地政学――西欧の衰退』(さくら舎)で書いている。

一方、インドは英国の植民地になって収奪され、19世紀後半に英国にも抜かれたとみられている。しかし、今年は確実にGDPで日本を上回って米国、中国、ドイツに次いで4位になるし、購買力ではすでに3位である。

ちなみに昨年の推計では、世界の購買力上位は、①中国、②米国、③インド、④ロシア、⑤日本、⑥ドイツ、⑦インドネシア、⑧ブラジル、⑨フランス、⑩イギリス、⑪トルコ、⑫イタリア、⑬メキシコ、⑭韓国、⑮スペイン、⑯カナダ、⑰サウジアラビア、⑱ナイジェリア、⑲ポーランド
※WorldometerがIMF 2025年10月WEOを出典として再掲

21世紀のグローバル・サウスの時代になって、この2か国は絶好調だ。GDPでいうと、中国は2000年には日本の4分の1だったが、2010年には日本を抜き、いまは5倍に近い。インドは2000年には日本の10分の1だが、2010年には3.5分の1、2020年には半分、2025年にはほぼ肩を並べた。

いずれの国もデジタル時代における覇者で、数学などの教育水準では日本はもはやかなわない。また、世界的にも中国人やインド人のITの世界でのネットワークには日本は遠く及ばない。

日本も少し真面目に頑張らねばならないが、中国・インド・米国が三大大国という流れは覆るものではなかろう。

*マディソンの推計については問題もあるが、大きな流れを見るには便利だ。
*深田萌絵さんとの対談『【力が支配する世界】西洋の衰退とインド・中国の台頭:地政学で読み解く「歴史の真実」と日本の生き残り策』もご覧ください。


国家の興亡史からわかる現代地政学――西欧の衰退

【目次】
第1章 文明の源流と民族奥亡が紡いだ古代ユーラシアの大地図
第2章 大航海、新帝国、革命が形づくった近代ユーラシアの再構築
第3章 ユダヤ・イスラーム・ギリシアの世界が形づくった中東の文明圏
第4章 ロシアとウクライナを形づくった千年の興亡史
第5章 インド文明を形づくった大地・民族・宗教の多層史
第6章 王朝・民族・地政学で読み解く東アジア世界の歴史構造

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