アゴラでは日々多くの記事を配信しており、忙しい方にはすべてを追うのは難しいかもしれません。そこで、今週の特に話題となった記事や、注目された記事を厳選してご紹介します。
政治や社会保障を中心に、国際情勢やビジネス、文化に至るまで多岐にわたる内容を網羅。各記事のハイライトを通じて、最新のトピックを一緒に深掘りしましょう!

政治・経済・社会保障
30歳・月収30万円の会社員のケースでは、所得税と住民税の合計が約2.6万円に対し、社会保険料(企業負担含む)は約9.7万円と、税金の3倍以上にもなります。筆者はこの重い負担が現役世代の手取り減と経済停滞の原因だとし、「社会保険料の引き下げ=サラリーマン減税」こそが真の景気回復策だと訴えています。
月収30万円の会社員、本当の社会保険料負担は税金の3倍以上!?(音喜多 駿)

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政府は厚生年金の適用拡大で約740万人のパート労働者を対象にし、手取りが最大30%減る懸念が出ています。背景には国民年金の赤字補填があり、「払い損」となる構造が問題視されています。筆者は、持続不能な現制度ではなく、抜本的な年金改革と現役世代の生活防衛こそが必要だと主張しています。

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河野太郎議員は、クルド系トルコ人が多く住む埼玉県川口市を視察し、難民制度の悪用や不法滞在問題に言及しました。仮放免の常態化がまじめな外国人にも不信を招くとし、入国管理の厳格化や査証免除の見直しを主張。また、中国人による運転免許切替問題にも対応強化を表明しています。
河野太郎氏がクルド系トルコ人らが集住する埼玉県川口市を視察(アゴラ編集部)

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消費減税を赤字国債で賄おうとする動きに対し、筆者は金利上昇による国債の暴落と財政破綻のリスクを指摘しています。国債の利払いが膨張すれば国家財政が圧迫され、インフレと信頼低下を招く恐れがあります。ゼロ金利時代の感覚のままでは危険で、今こそ慎重な財政判断が必要だと警鐘を鳴らしています。
「金利のある世界」で消費減税すると国債バブルが崩壊する(池田 信夫)

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JA全中はコメの関税撤廃に反対し、自動車関税との引き換えに農業を犠牲にしないよう政府に要望しました。しかし、米価高騰や備蓄米の供給制限、流通の独占などが国民負担を増やしており、消費者との乖離が深刻です。筆者は農協の既得権益構造が価格高止まりを招いていると批判しています。
JA全中が赤沢大臣に「コメを守れ」と要望:国民を犠牲にする農協の厚顔(アゴラ編集部)

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筆者は、米の価格高騰を理由に外国人観光客や輸出を批判する風潮に対し、「国粋主義の暴走」と強く非難しています。自給率維持ではなく、関税緩和・輸入拡大・海外生産といった柔軟な戦略こそが食料安全保障に有効だと提言し、日本社会の非合理な感情論に警鐘を鳴らしています。
米騒動で日本人の「狂った国粋主義」が暴走している(八幡 和郎)

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筆者は現在の政治に対し「古い政党や昭和的な派閥政治は時代遅れ」とし、参院選を機に政界再編の可能性を指摘しています。消費税や社会保障改革、資産の有効活用などに踏み込まない与党に代わり、責任ある野党が必要と主張。都議選がその前哨戦になるとしています。
参議院選で大激変は起こりえるか?:古い名前の政党が刷新される時が来た

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政府は「106万円の壁」を撤廃し、週20時間以上働くパートらを厚生年金の対象とする法案を閣議決定しました。企業規模の要件も段階的に廃止予定です。一方で、保険料負担による手取り減少が懸念され、特に低所得パート層には30%近い増税効果が生じる恐れがあります。人手不足や働き控えの悪化も懸念されています。
パートらの厚生年金加入拡大を閣議決定:手取りが大幅減少のおそれ(アゴラ編集部)

国際・エネルギー
第267代ローマ教皇に米国人ロバート・プレボスト枢機卿(レオ14世)が選出された背景には、教会内の保守・進歩両派の妥協候補としての立場や、バチカンで築いた広い人脈がありました。3回目の投票では38票だったにもかかわらず、4回目で100票以上に急増。名前の由来は社会正義に取り組んだレオ13世に敬意を表したものです。
米国人枢機卿が新教皇に選ばれた背景:どうして4回目の投票で大逆転できたのか?(長谷川 良)

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米国と中国は、互いに課していた追加関税を115%引き下げ、米中貿易摩擦の一時的緩和に合意しました。背景には経済界の圧力と財務長官の説得があり、トランプ政権の強硬姿勢が転換された形です。日本では、1971年の米中電撃接近「朝海の悪夢」が再来する懸念も指摘されています。
米中、追加関税115%引き下げで合意:「朝海の悪夢」がよみがえる?(アゴラ編集部)

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米中が関税引き下げに合意した背景には、米ベッセント財務長官と中国の何立峰副首相の冷静な交渉力がありました。トランプ大統領の強硬姿勢を調整し、実務で成果を上げたベッセント氏が実質的な勝者と筆者は評価。日本も出遅れず早期に交渉入りする重要性があると指摘しています。
笑ったのは誰?米中関税交渉:ベッセント財務長官のバランス感覚(岡本 裕明)

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ウクライナ支援に訪れた仏・独など欧州首脳の映像から「コカイン使用疑惑」がSNSで拡散し、ロシアの報道官まで言及する事態に。筆者は、この騒動が西欧首脳の世論対策や演出の稚拙さを露呈したとし、軽いノリのアピールが戦争の深刻さと乖離してしまい、非西欧諸国の共感を得られないリスクを指摘しています。

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2025年4月、スペインとポルトガルで発生した広域停電は、太陽光・風力といった分散型電源の特性と系統の脆弱性が複合的に絡んで起きたと分析されています。電圧・周波数の異常変動や発電機の同期崩壊(脱調)によって、再エネインバーターが停止し、供給が一気に失われたことが原因とされ、日本でも同様のリスクがあると警鐘を鳴らしています。
イベリア半島大停電を読み解く:分散型電源時代の落とし穴(尾瀬原 清冽)

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筆者は、CO₂が地球温暖化の主因とされることに対し、分子分光学の視点から疑問を呈しています。CO₂による赤外線吸収は実際にはごく狭い波長に限られ、大半の赤外線は宇宙へ放出されていると主張。温暖化への影響はCO₂の温度や分子の運動エネルギーによるもので、CO₂の存在量そのものではないと論じています。

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気候変動対策の根拠となる「気候モデル」は仮定と不確実性を多く含み、観測結果との乖離や過大なCO₂依存が問題視されています。筆者は、気候モデルを絶対視することで過剰な脱炭素政策が進み、社会・経済に深刻な負担を招いていると指摘。科学と現実のバランスを取った政策の再構築を求めています。
気候モデルの問題点と誤用リスク:脱炭素政策が社会にもたらした影響(室中 善博)

ビジネス・IT・メディア
「向いている仕事が分からない」という悩みに対し、筆者は40代までに自分の適性を明確にすべきだと説いています。天才でない限り、適性は知識ではなく「経験」でしか見つからないとし、若いうちに多くのことに挑戦して失敗から学ぶ重要性を強調しています。人生の軸を持つには試行錯誤が不可欠だという教訓が語られています。

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ウォッカ市場でシェア1位のスミノフは、ライバルの値下げ攻撃に対し「値上げ」で対抗しつつ、中・低価格帯には新ブランドを投入する多層戦略で勝利を収めました。高級路線の維持と価格競争の両立を実現したこの戦略は、マーケティングの基本「STP(セグメント・ターゲット・ポジション)」に忠実に基づいたものでした。
スミノフのマーケティング戦略:ライバルの値下げ攻撃に、値上げで勝った理由(永井 孝尚)

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ジャパンディスプレイ(JDI)は国内従業員の半数以上にあたる約1500人の削減を発表し、長年の赤字体質と3000億円以上の公的資金投入にもかかわらず業績改善が見られない状況です。今回の大規模リストラにより「日の丸液晶」政策の失敗が浮き彫りになり、次の巨額支援先であるラピダスへの懸念も高まっています。
国策液晶会社ジャパンディスプレイが大量リストラ:ラピダスが重なると心配の声(アゴラ編集部)

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従来の富裕層(不動産・相続やスタートアップ経営)に対し、筆者は「自由度の高い稼ぎ方」で資産を築く“富裕層3.0”を提案。フリーランスやスモールビジネス経営者が、自由な働き方で安定収入を得る新しい富裕層像として注目されており、資産×移動の自由がこれからの豊かさの鍵になると説いています。
あなたにもなれる!世界どこでも自由に稼げる「富裕層3.0」とは?(小峰 孝史)

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ネット上で企業がユーザーの注意を奪い合う「刺激の競争」が激化し、消費者の思考停止や不要契約などの被害が増えています。政府の調査会は、AIやダークパターンの悪用に警鐘を鳴らし、規制強化とともに、わかりやすい情報提供や解約のしやすさといった自主的な取り組みの重要性も強調しています。
「刺激の競争」が激化している…驚きのネット被害に政府懸念(國武 悠人)

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筆者は、備蓄米出荷の遅れに関する報道が一方的で、精米や袋詰めなど手間のかかる工程や契約違反による転売業者の存在を無視していると批判。農業政策の失敗やメディアと官庁の癒着構造、過去の規制改革潰しにも触れ、真の問題は情報の歪曲と既得権益の温存にあると訴えています。
備蓄米でも国民に歪めた情報を垂れ流すのが日本のオールドメディア(茶請け)

科学・文化・社会・一般
戦後80年を経た日本社会の「父性の喪失」と「母性社会化」を軸に、批評家・江藤淳と加藤典洋の思想的対話をたどりつつ、戦争による敗北とその後の日本人の心性変化を描いています。筆者は、歴史からの「逃避」ではなく、「共に彷徨うこと」に希望を見出し、批評の役割と文学の力を問い直しています。
国が亡び、父が消えたあと、人はどう生きるのか:『江藤淳と加藤典洋』序文③(與那覇 潤)

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最新のゲノム研究では、日本人の約90%が弥生系である一方、父系を示すY染色体では縄文系が30~40%と高い比率で見られています。筆者はその理由の一つとして、皇室や藤原氏、三河武士など支配層の父系が縄文系だった可能性を示唆。見た目は弥生系でも、父祖に縄文系が多く含まれていた可能性があると論じています。
日本人の9割は弥生人だが皇室は縄文系という可能性(八幡 和郎)

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筆者はゴールデンウィークに大分県別府を訪れ、名物の竹瓦温泉や別府タワーを巡り、鉄輪地区で「蒸し湯」や「地獄めぐり」を体験しました。温泉の歴史や景観だけでなく、過去に温泉が「地獄」と恐れられた背景にも触れ、別府の奥深い魅力と多様な表情を紹介しています。

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富山大学准教授の滝谷弘(別名:奥村弘)容疑者が、風俗営業禁止区域でメンズエステ店を装って違法営業し逮捕されました。過去にはマルチ商法やクレジットカード詐欺での逮捕歴もあり、今回の事件はSNS型犯罪集団「トクリュウ」との関係も疑われています。大学側の管理責任も厳しく問われています。
違法風俗営業で富山大准教授が逮捕:「トクリュウ」で前科もあるのに大学教員?(アゴラ編集部)

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筆者は8年前に地方へ移住し、「競争の少なさ」「足るを知る幸せ」「温かな人間関係」という3つの視点から田舎暮らしの魅力を語っています。都会の上昇志向や比較社会から解放され、身近な幸福を大切にする生活が心の豊かさをもたらしたと述べ、リモートワークの普及が移住のハードルを下げている現状にも触れています。

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日本では運転免許学科試験が20以上の言語で受験可能ですが、他の先進国では不正防止や社会統合の観点から母国語のみが一般的です。筆者は、日本が不正取得や事故リスクへの対策を怠り、発展途上国の言語にも過剰対応していると指摘。制度の見直しと安全保障上の議論の必要性を訴えています。
日本だけが突き進む「外国語対応運転免許試験」の危うさ(谷本 真由美)

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新刊『江藤淳と加藤典洋』の刊行に際し、「批判」と「非難」の違いを説き、真摯な批評精神の重要性を訴えています。思想的対立や個人攻撃が横行する現代SNS社会に対し、過去の知識人の対話的姿勢を見習い、成熟した言論空間の再構築を呼びかけています。
言論人にとって「批判」とはなにか?『江藤淳と加藤典洋』刊行によせて(與那覇 潤)







