アゴラでは日々多くの記事を配信しており、忙しい方にはすべてを追うのは難しいかもしれません。そこで、今週の特に話題となった記事や、注目された記事を厳選してご紹介します。
政治や社会保障を中心に、国際情勢やビジネス、文化に至るまで多岐にわたる内容を網羅。各記事のハイライトを通じて、最新のトピックを一緒に深掘りしましょう!

政治・社会保障
消費税減税が現役世代にとって「増税」の入り口になると筆者は警告しています。高齢者中心の社会保障費は削減困難で、減税による財源不足は現役世代の社会保険料引き上げで穴埋めされる可能性が高いです。年収400万円のモデルでは年間約8万円の負担増となり、減税を歓迎することは結果的に自分の首を絞める行為だと訴えています。
消費税減税で社会保険料が跳ね上がるのに減税に賛成する現役世代って大丈夫?(永江 一石)

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立憲民主党らの「食料品の消費税ゼロ」案は消費者に有利に見えますが、飲食店には逆風です。仕入税額控除が使えず税負担が重くなり、小規模店舗ほど打撃を受けます。テイクアウトとの税率差も拡大し、店内飲食が避けられることで店舗経営が成り立たなくなる恐れもあります。複数税率は制度を歪め、減税は慎重に行うべきと筆者は警鐘を鳴らします。

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日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が購読者減と多額の赤字により、10億円の寄付を募っています。政党交付金を受けないため収入の柱である赤旗の経営悪化は深刻で、党内部のブラック労働体質や使途不明の寄付募集にも批判が集中。一方、過去に万博の赤字を批判していた同紙が赤字転落という矛盾も指摘されています。
万博の赤字の可能性を批判してた「しんぶん赤旗」自身が赤字で寄付を要求(アゴラ編集部)

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日本の医療制度で「自己負担3割」は、実質的に国民全体が他人の医療費の7割を税金で支払っている構造だと筆者は指摘します。例としてラーメン屋の価格設定にたとえ、受診者・医療機関ともに「得」するが、その裏で社会保険料が重くなり現役世代が苦しんでいると強調。まずは高齢者の1~2割負担を見直し、制度改革が必要だと訴えています。
医療問題を考える:「自己負担3割」でおこっていることは?(自由主義研究所)

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筆者は、開業医が過度に優遇されている現状が日本の医療費膨張と社会保障の歪みを生んでいると批判しています。公費で支えられながら高収入を得ている開業医と、過酷な環境にある勤務医との格差は、医療の質や人材流出にも影響。医療制度の改革を進めるには、自由診療への制限や診療報酬の見直しが不可欠と主張しています。
開業医優遇社会が日本を滅ぼす!医療費爆増の裏にある構造問題を直視せよ(Xポスト転載)

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筆者は、日本維新の会が迷走を続ける中で、河野太郎氏の「国民年金保険料を廃止し、最低保障年金を消費税で賄う」案に乗るべきだと主張しています。現役世代への負担軽減や無年金問題の解決に資するこの構想は、消費減税よりも筋が通っており、都市部の支持拡大にもつながる可能性があると提案しています。
維新は河野太郎氏と連携して「国民年金保険料の廃止」を打ち出せ(池田 信夫)

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筆者は、消費税減税の代わりに法人税を引き上げると、企業の国外移転が進み、税収や雇用に深刻な打撃が出ると警告しています。アイルランドやシンガポールのように法人税を引き下げた国では、外資誘致と経済成長が実現されており、日本も競争力ある税制を維持することが重要だと強調。法人税増税は現実的でないと結論づけています。
消費税率を下げる代わりに法人税率を上げると税収はがっくりと減る(永江 一石)

国際・エネルギー
2025年4月21日に死去したローマ教皇フランシスコは、南米出身初の教皇として12年間にわたり清貧と献身の精神を貫き、多くの人々に感動を与えました。死後は25万人以上が最後の別れを告げるため列をなし、その姿はエリザベス女王の「エリザベス・ライン」になぞらえ「フランシスコ・ライン」と称されました。

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韓国最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)氏が大統領選の公認候補に選出され、世論調査でも支持率は50%超と圧倒的です。これまでの反日姿勢を抑え、「日米韓の協力」など柔軟な外交姿勢へと軌道修正しています。一方、李氏は公選法違反で5月1日に最高裁判決を控えており、選挙戦への影響が注目されています。
李在明氏、韓国野党予備選で圧勝:「反日」姿勢はトーンダウン?(アゴラ編集部)

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2025年4月28日、スペイン・ポルトガルなどで発生した大規模停電は、再生可能エネルギー依存による供給不安定、原子力・火力発電の低稼働、そして政治色の強い電力管理体制という3つの誤算が重なった結果でした。電力は一時、国内需要の60%が5秒で失われる事態となり、経済損失は最大20億ユーロにのぼるとされます。
なぜスペインは電力を失ったのか:大停電の裏にあった3つの誤算(白石 和幸)

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筆者は、日本政府が導入を進める排出量取引制度(GX-ETS)は、EUの国境炭素税(CBAM)対策として無意味だと主張。CBAMの影響は主に中国やインドなどBRICS諸国に及ぶもので、日本の輸出品は対象外に近いと指摘。逆に国内制度で企業に強い規制と莫大な負担(年30兆円)を課すことは「セルフ経済制裁」だとして、GX改正法案の廃案を訴えています。
EU国境炭素税はBRICSが潰す:国会は排出量取引法案を否決せよ(杉山 大志)

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米国では先進的な小型原子炉が大学に設置される一方、日本では実験炉の廃止や原子力工学科の消滅が進み、技術者育成の土台が失われつつあります。安全規制の重圧も背景にあり、政府が原子力の最大活用を掲げても人材・教育基盤が追いついていません。筆者は、教育現場の再建と小型炉の共同利用が未来への鍵だと訴えています。
大学に原子炉なし、学科もなし…日本の原子力に未来はあるのか(澤田 哲生)

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冬に大雪や寒波が起きても「寒冷化」とは言わず、「気候変動」と表現される背景には、温暖化では説明が難しい現象が増えている現実と、政治的・政策的な意図があります。「気候変動」はあらゆる異常気象を一括りに説明できる便利な言葉として、科学用語以上の意味を持ち、政策推進や世論操作にも利用されていると筆者は指摘します。
大雪なのに寒冷化とは言わずに、“気候変動”と言うのはなぜか?(室中 善博)

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トランプ大統領は、就任100日間の実績として強気のエネルギー政策を誇示しましたが、実際には市場の反応や経済の実態は厳しく、石油・ガス産業は価格下落と先行き不透明感で苦しんでいます。「Drill Baby Drill」政策は、理想とは裏腹に現実の厳しさに直面しており、政権が描くエネルギーによる経済回復の道は、予測よりもはるかに険しいものとなっています。
トランプ政権最初の100日:Drill Baby Drillが突き当たった現実(有馬 純)

ビジネス・IT・メディア
大阪の統合型リゾート(IR)が着工され、カジノを含む大型施設が2030年開業予定です。筆者は「今さらカジノか」と懐疑的で、オンラインカジノや既存のパチンコとの法的整合性にも疑問を呈します。IR推進の本質は、国家が監理できる範囲でギャンブルを許容し、国民を“守る”日本的思考にあり、自由市場とは異なる文化的背景が浮き彫りになります。

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自民党が提案した「プラチナNISA」は高齢者向けに毎月分配型投信の非課税枠を創設する案ですが、筆者はこれを高コストで非効率な制度と批判。分配型は手数料が高く誤解を招きやすいため、定期売却サービスなど既存の合理的手段を広げるべきと主張します。選挙目当ての制度設計に対し、政治家の無知や利権性を強く指摘しています。
「プラチナNISA」はプラチナではなく「くず鉄」(内藤 忍)

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「静かな退職(Quiet Quitting)」は過剰労働への抗議や自己防衛として理解されるが、筆者はこれがキャリアや市場価値を静かに蝕む“敗北”だと警鐘を鳴らします。若さだけで評価される時期は短く、年齢とともにスキルや成果が問われる現実がある以上、「何もしない働き方」は将来の選択肢を狭めると論じています。

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著名投資家テスタ氏の証券口座乗っ取りを契機に、SBI証券や楽天証券など大手10社が、被害者への一部損失補償を表明しました。これまで不正アクセスによる損失は補償対象外とされていましたが、相次ぐ被害と社会的批判を受け対応を転換。ただし補償額は各社判断で、多要素認証未設定の場合は対象外の可能性もあり、実効性には疑問の声も出ています。
テスタさんの証券口座乗っ取りを受け大手証券が「一部補償」の方針をようやく発表(アゴラ編集部)

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現代の「自己実現」は、かつての昇進や報酬中心から、自分の価値観や社会貢献を重視する方向へとシフトしています。若年層は仕事の意味や意義に重点を置き、副業・創造活動・SDGsなどを通じた多様な自己表現を志向。企業もウェルビーイングや副業推進を取り入れ始めており、組織と個人の関係は新たな形に進化しています。

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筆者は、AIによる失業や格差はもはや未来の話ではなく現在進行形の課題だと指摘します。特にAIを使いこなす個人が圧倒的な成果を上げる一方、使えない人は仕事を失い始めており、「AI格差」が拡大しています。無料・有料のAI利用環境の差も影響し、使い始めることの重要性が強調されています。

科学・文化・社会・一般
朝鮮が日本の「植民地」だったかについて、筆者は「国際法上の定義がないため使う人次第」と指摘しています。参政権などの扱いを比較すれば、インドやアフリカ植民地とは異なり、アイルランドやポーランド支配に近い状況だったと説明。日本は朝鮮に収奪目的ではなく国防のために近代化を進めたとし、「植民地」という言葉の使用には慎重さが求められると訴えています。
「朝鮮は日本の植民地だったか」と聞かれたら正解は?(八幡 和郎)

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筆者は瀬戸内トリエンナーレの一環として、アートと歴史が融合する岡山市の犬島を訪問。かつて銅精錬で栄え公害で衰退した島は、今では廃墟を活用した「犬島精錬所美術館」や「家プロジェクト」で芸術の場へと再生されています。自然と過去の記憶、現代アートが共存する島として、その魅力と教訓を紹介しています。

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戦後80年・昭和100年の節目に、江藤淳と加藤典洋という二人の文芸批評家を通じて、戦後日本の思想と民主主義の歩みを振り返ります。歴史を軽視し、前世代の知恵を断絶する現代の風潮を「歴史の消滅」と捉え、今こそ過去の思想に学び、成熟と民主主義を再建する必要があると強く訴えています。
昭和を忘れた日本人は、なぜここまで未熟なのか:『江藤淳と加藤典洋』序文①(與那覇 潤)

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フランス料理界の巨匠ヤニック・アレノ氏が、和食とフランス料理を融合させたレストラン「ラビス モンテ・カルロ」を2024年に開業。鮨職人・岡崎泰也氏とともに地中海の魚介を用い、サステナブルな素材選びと独自の調理法で、開業数か月でミシュラン2つ星を獲得する快挙を達成しました。環境への配慮と美食を両立させた、現代的な名店として注目されています。
巨匠ヤニック・アレノが手がけるモナコの新星:ラビス モンテ・カルロ(加納 雪乃)

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筆者は福岡単身赴任中に地元の魅力を再発見しようと、シーサイドももちを散策。夕暮れの海浜公園や福岡タワーの夜景を満喫し、街の美しさと歴史を実感します。地元発祥の「サザエさん」や観光資源との触れ合いから、忙しい日々のなかでの心のリセットと再充電の大切さを感じた一日となっています。







