マニュアルサービスの残念さに感じた日本経済の前途

独占契約メーカーの3社の社長の滞日

1997年11月の帰国はMD社と独占契約を結んでいるメーカー4社の内の3社の社長を同伴させてMD社を表敬訪問する為であった。そして、MDが都内と大阪に持っているショップへの訪問も予定された。

契約4社の商品

都内にあったMD社が開設しているショップの展示の仕方を彼らは褒めていた。というのも、時間のあるたびに都内などの家具ショップを彼らに案内したが、どこも家具の展示の仕方に彼らは不満を感じていた。家具が室内のインテリアの主人公としての役目を果たす展示がされていないという不満であった。ところが、都内と大阪のMD社の店は同社のコーディネーターの意見なども取り入れており、また彼らの家具も非常にうまく展示してあったということで彼らも非常に満足していた。

MD社とその後の販売で一番伸びたのはソファーであった。そのメーカーの社長も筆者と長年付き合いのある営業部長フェリックスは訪日しなかった。当初、彼も同伴するという予定になっていたが都合がつかなくなって訪日しなかった。

水戸駅構内で小学生がきれいに列を守って先生の話を聞いている姿に彼らは感心していた。スペインだとあのような場面で生徒がおとなしく列を守って先生の説明を聞くようなことは考えられないからである。

新幹線の中に眼鏡をひとりが置き忘れたが、それが翌日忘れものコーナーにあったことにも感心していた。スペインだとなくなっている可能性が非常に高いからである。それを見つけた人が自分のものにしてしまう可能性もあった。ということでスペインだと本人の手元に戻ってくる可能性は非常に低い。

1週間の滞在で彼らは福岡空港から成田・アムスと繋いでバレンシアに戻った。筆者はその後も滞日を続けて従来の客先訪問を続けた。

ホテルのマニュアルサービスならない方が良い

彼らを見送ったあと筆者は一旦広島の実家に戻って一日休養した。通訳兼アテンド役というのは疲れる。

xijian/iStock

その翌日大阪に向かい2店を訪問。その夜は大阪駅の傍にあるホテルに宿泊した。翌日名古屋に向かうのにチェックアウトすると、ベルボーイがカートに積んでいる荷物を引っ張てくれた。ところが、ホテルを出て道路を渡る手前で彼のホテルサービスは終了したというのか、そこで私にカートを戻した。大阪駅の入り口はその道路を渡ったところにある。本来サービスというのであれば少なくとも駅の改札口までカートを引っ張てくれるべきだと思う。

そうだと最初から筆者が分かっていれば筆者がチェックアウトをしてから自分でカートを引っ張て駅まで行っていた。サービスというのはお客に親切をするというのが基本。今回のようなサービスはマニュアル化されたサービスでしかない。そのようなサービスならむしろしない方がましだというのが筆者の意見である。

日本ではマニュアルはあるが、その中にハートが籠っていないという欠点がある。スペインの場合は逆にハートがあってマニュアルがないという感じだ。

もう一つ余談になるが加えたい。水戸駅改札を出たすぐ傍にある書店に入って何か興味を引く本はないかと見ていたが、レジ担当は買ってもいない人が店を出て行く時に「ありがとうございました」とオウムの繰り返しのように店内によく響く声で言っていた。これなどは書店で本を探している人にとっては逆にうるさくて迷惑だ。

お客がレジで本代を支払った時に心を込めて「ありがとうございます」と一度言えばそれで充分だ。人が店から出て行く度にこのオウムの繰り返しのような「ありがとうございます」は迷惑なマニュアルだ。また、そのような無駄なマニュアルを実行していれば本人も疲れると筆者は思う。

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