恥ずかしい佐倉市議会(番外編):説明責任をないがしろにする議会運営

高橋 富人

今回は、動画公開の話ではない「番外編」として、議会での「討論」に関する佐倉市議会の「奇妙な決まり事」についてのお話です。

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地方議会では、その議会で上程された議案の賛否を議員たちが決する前に、議員個人が「議案に対する賛否の理由」を述べる「討論」をすることができます。

討論は、議会に上程されるほぼすべての議案に対して実施することが許されています。そのため、他議員や市民の皆さまに、網羅的に「自分はなぜこの議案に賛成(反対)するのか」を述べることができる唯一の場であり、公式な議事録にも残るという意味で、とても重要です。

さて、この討論の対象となる議案には、大きく分けて「市長提出議案」、「議員提出議案」、「請願・陳情」があります。

この討論についても、佐倉市議会ではずいぶん奇妙な決め事があります。

奇妙さが際立つ双璧の決め事は、

  1. 会派に所属している議員は、同一会派の誰かが討論したら討論できない
  2. 議員提出議案について、署名した議案には賛成討論できない

です。ともになぜこんな決め事があるのか、私としてはまったく理解できません。

「1.」は、想像するに「会派所属議員は、会派内では皆同じ意見のはずだから」以外には思いつきませんが、これこそ佐倉市議会の「市民度外視」的姿勢をよく表している規定でしょう。

会派所属議員が、所属会派全員と同じ意見とは、北朝鮮ですか? 中国共産党ですか? という話です。

市民は、会派に投票したのではなく、候補者個人に投票しています。国会のように比例代表制の選挙制度をもち、与野党に分かれる議院内閣制を敷き、かつ議員の数が何百人といるならそのような運営も理解できますが、二元代表制の一翼をになう市議会で、30名に満たない議員数であるならば、議員個人が議場で賛否の理由を表明する機会を奪う規定は害悪でしかないと考えます。

次に「2.」は、いくら考えても理由らしい理由が見当たりません。

議員は、年4回ある定例会で「議員提出議案」を提出する権利があります。そのため、私は今議会でも3つの議案を提出しました(すべて17名の議員団により否決されましたが)。その議案は、提出者以外の議員でも審議が尽くせるように、最低でも1週間以上前に全議員に配布されます。そして、議員がすべての議案の賛否を表明する定例会最終日の朝、自分が「これはいいな」と思った「他議員が提出した議案」に対して署名をすることができます。

佐倉市議会の場合、3名以上の議員の署名が集まらなければ正式な議案として上程されません。そのため、他の議員が提出した議案に賛成ならば積極的に署名することになりますが、そこに署名した議員は、佐倉市議会では賛成討論ができないのです。

署名した議員は、「自分はなぜこの議案に賛成したのか」を、市民に説明する義務を負います。そして、その説明責任の場として公的に最適なのは議会の現場であることは自明です。しかし、署名議員は賛成理由を説明できない。そんな奇妙な規定をもとに、佐倉市議会は運営されているのです。

上記「1.」と「2.」の規定を作った議員達の本音は、自分たちのずさんな、あるいは行政を捻じ曲げる審議を、政敵の討論によって明らかにしてほしくない、という発露であるという意味で、議会の動画公開を反対するのと根は同じです。そういう点も、議会改革という文脈で解消すべきですが、佐倉市議会では「議会改革推進委員会」という立派な名前の委員会は存在しているのに、選挙以降2年半一回も開催されていない。つまり、「議会改革なんてする必要ありません」という議長の元に運営されているのが、現在の佐倉市議会の姿というわけです。

「恥ずかしい佐倉市議会」シリーズの第一稿で書いた通り、私を含む無会派議員3名が、「委員会等の動画公開」のために「議会改革推進委員会」の開催を要請しましたが、こういう馬鹿らしい決まり事も、当委員会でしっかり解消してほしいと考えます。

 

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