恥ずかしい佐倉市議会⑩:オンライン会議は議会改革の天王山

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11月9日火曜日、佐倉市議会で第二回議会改革推進委員会が開催されました。

恥ずかしい佐倉市議会⑧」にて、「佐倉市議会のタブレット導入」の目的を「ペーパレス化」のみとして議論を進めるのは問題だ、という記事を寄稿させていただきました。

また、同記事は「オンライン会議の実現は議会の動画公開と直結する」ため、せめてオンライン会議の導入をスコープに入れるべきだ、という論旨の記事でもありました。

さらに前回の記事で、オンライン会議の導入と、それにつながる委員会等の動画公開が「議会改革をするうえで必須」である理由を述べました。

この記事を書いているのは同委員会開催前ですが、原稿がアゴラに掲載されるころには「オンライン会議」を検討するのかどうか、結果がでていることと思います。

その意味で、11月9日に実施される委員会における議題設定こそ、佐倉市議会の改革が進むかどうかの天王山ともいえます。

続報は追ってアゴラに寄稿させていただきますが、「オンライン会議」の導入が、なぜ「委員会等の動画公開」と直結するのか少々わかりにくかった、という声をいただきましたので、本稿では取手市議会を前提に簡単に説明いたします。

オンライン会議と動画公開

下の画像をご覧ください。

これは、取手市議会で本年9月24日に開催された議会改革推進委員会の画面キャプチャです。

実際の動画は以下から閲覧可能です。

取手市議会:令和3年9月24日 議会運営委員会

 

ご覧の通り、ZOOMでの会議の模様を、YouTubeをプラットフォームとし公開しています。

この動画がYouTubeの動画コンテンツとして閲覧されるまでの前提と流れを説明します。

  1. 取手市議会では議員全員にタブレットが行き渡っていることから
  2. 委員会に参加する議員全員が、インターネット環境のある場所で、ZOOMから会議に参加することで
  3. ZOOMで撮影された動画はそのままYouTubeでライブ配信され
  4. 会議が終了したら自動的にYouTubeに登録され、オンデマンド配信コンテンツとなる

ということになります。

なお、上で紹介した動画はコロナ対策で三密を避けるため、参加議員のほとんどが「ネット環境のある場所(自宅など)」に散らばって会議に参加していますが、取手市議会ではコロナ禍が収束し、委員会室等に議員全員が参集できる状況になっても、「ZOOMでの会議をYouTubeで公開する」手法は継続するそうです。

これを佐倉市議会に置き換えてみると、現在のようにコロナ禍がひと段落ついた状況であれば、委員会では議員全員が委員会室等の議会用に設定されたインフラで会議が開催できるため、取手市議会よりはるかに容易に「ZOOM等のオンライン会議」を実施することが可能です。

経緯はどうであれ、佐倉市議会でせっかく議会改革推進委員会が開催され、タブレット導入を検討することが決定したのですから、ペーパレス化だけを目的とするのではなく、委員会等のオンライン化も話し合うべきです。

前回の記事で紹介させていただいたとおり、私を含む無会派議員3名で「佐倉市議会における委員会等のオンライン化に関する要望書」を委員長に緊急提出いたしました。

佐倉市議会における委員会等のオンライン化に関する要望書

ちなみに、同趣旨の要望書の提出は本年で二回目となりますが、議会多数派から黙殺され続けております。

コロナにかかわらず、緊急事態における議会の持続可能性の検討は喫緊の課題のはずです。

佐倉市議会の第二回議会改革推進委員会の結果は、追って続報いたします。

 

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