恥ずかしい佐倉市議会⑫:最大会派が「何もしない」議会

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前回の記事では、議決権を握った議会多数派が、市民の利益ではなく、政局や利権維持のための議決行為としか思えない事例をみてきました。これらの事案については、議会の存在がむしろ市民の「大きな不利益」になったと考えています。

今回は逆に、彼らの利害とは無関係な、あるいは大ごとになると彼らにとって都合が悪い議案に対しては、行政を監視するべき立場の議員が、議会において「何もしない」事例を確認します。

何もしないさくら会

佐倉市では、国が自治体に交付したコロナ交付金の繰越事務の不手際により、一般財源ベースで約4億2500万円の損失を出す事案が発生しました。

千葉日報:手続きミスで5億3千万円を国に返還 佐倉市、コロナ臨時交付金 救済措置認められず、市長陳謝

手続きミスで5億3千万円を国に返還 佐倉市、コロナ臨時交付金 救済措置認められず、市長陳謝
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本来は国からの交付金を前提に実施するはずだった事業の経費を、ミスにより佐倉市の一般財源から拠出せざるをえなくなったことで、万策尽き果てた市長が3月28日に臨時会を招集しました。

臨時会当日の日程概要は以下の通りです。議会の仕組みが複雑でわかりにくいかもしれませんが、後の説明のために必要ですので、現時点ではサッと読み飛ばしてください。

【議会運営委員会】

9時00分:議会運営委員会開催

  • 臨時会の議題に関する執行部からの説明と委員の質疑
  • 臨時会の運営方針の決定

【臨時会】

10時00分:本会議開催

  • 議案の上程
  • 全員協議会での審議のためいったん休憩

10時10分頃:全員協議会開催

  • 議員全員と執行部との質疑応答

11時45分頃:本会議再開

  • 質疑
  • 討論
  • 採決

※結果、賛成多数で可決

議会運営委員会で「何もしない」

臨時会の運営方針を決めるのが、9時から開催された議会運営委員会です。

佐倉市議会では、会派に所属していない議員は委員になれないため、無会派議員である私は傍聴をしていました。

この委員会では、運営方針を決める前に執行部から議案説明があり、それに対する質疑があったのですが、さくら会や自由民主さくらの委員からは何の質問もありませんでした。

次に、コロナ蔓延防止を理由に、本会議での討論(議案に対する議員の考え、執行部への要望、賛否の理由を伝える演説)の時間を、一人5分に制限したい、とする公明党の委員長からの要請に対して、さくら会の4名の委員、自由民主さくらの1名の委員は、理由を述べることなく賛成しました。

私としては、一週間も前に蔓延防止措置期間も終了しているこの時期に、広い議場で行う議員の演説時間を制限することは、コロナ蔓延防止という観点では無意味だと思うのですが、議会多数派である「さくら会連合体」により押し切られ、一人5分に制限されました。

全員協議会で「何もしない」

本議案の本格的な質疑の場は全員協議会と呼ばれる会議体でした。佐倉市の場合、各種委員会や全員協議会の動画が公開されていないため、事後皆さまに審議内容を確認していただく術がありません。議会多数派のさくら会、公明党、自由民主さくらの議員たちが、なぜ頑なに委員会等の動画公開に反対しているかというと、自分たちが「何もしない」あるいは「見せたくない杜撰な審議」を市民に知られたくないからだと、私は考えています。

そしてご想像のとおり、さくら会の10名の議員は、この時も最後まで一言も発しませんでした。

議決以外「何もしない」本会議

地方議会の本会議では、議会の賛否を決する「採決」の前に、議員各位の議案に対する考え、執行部への要望、賛否理由を演説形式で述べる討論があります。

先に説明した「全員協議会での質疑」については、議員の能力によるところもあるため、「質問が思い浮かばない」という事態は原理的には理解できます。

しかし、このような「佐倉市にとっての一大事の議案」に対して、議員が討論を実施しない振る舞いは、私はあり得ないと思っています。

本臨時会で審議されたのは「4億2500万円の損失事案」一本でしたから、討論を実施しない、ということはつまり「この損失事案に問題意識もなく、執行部に要望もない」ということを表明していることになります。

仮に10名のさくら会所属議員全員の能力が低かったとしても、市民の代表として、どんなに拙くても討論だけはする必要があった。しかし、それをしなかった。

結果、さくら会の議員たちは、なぜ賛成するか理由を表明することなく、本議案に賛成しました。

以上から、さくら会の議員たちが28日に実施したことは、「議会に来て、討論の時間を5分に制限することに賛成し、理由表明なく議案に賛成した」となります。以上が、佐倉市議会最大会派の「何もしない」実態です。

このような議会の在り様は、佐倉市議会だけの特殊事情ではありません。皆さまがお住まいの市区町村の多くで、類似の、あるいはより問題ある議会運営が行われているのです。議員たちは自分の手元にある権力におぼれ、利権維持や政局のために必要な議案にすら反対し、立場が悪くなる議案には、その議案に疑義があっても「沈黙の賛成」行動をとる。結果、不利益をこうむるのは市民です。

次回は、地方議会を「このような議会」にしないために、私たちが現実的にとりうる方策について考えます。

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