アゴラ 言論プラットフォーム https://agora-web.jp 経済、ビジネス、情報通信、メディアなどをテーマに、専門家が実名で発言することで政策担当者、ジャーナリスト、一般市民との交流をはかる言論プラットフォーム ja Tue, 28 Jul 2026 03:00:44 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html 決断か、食品消費税1%の政府案:支持率にも為替にも影響が出ることは必至 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html 高市首相が今週にも食品消費税1%の政府案を提示する方向だと報じられています。国会が終わり、首相としては目論んでいた主要法案は議員削減法案以外はほぼ通過し、所定の目標を達成したため、いよいよ本丸の消費税に手を付けるということでしょう。

会見する高市首相 首相官邸HPより

この話は高市氏が就任当初から国民会議にかけて議論をして検討してもらい、それを踏まえて判断するというスタンスでした。国民会議は当初のメンバーの選定からいろいろな意見が出たうえに、小野寺氏がまとめきれませんでした。その上、この減税案は当初はチームみらい以外すべての政党は賛成だったのです。それが最後になって野党は参政党以外反対という分裂の結果になったのは小野寺氏の手腕に大きな疑問がついたと考えています。

ただ、数週間前にこのブログで「高市氏は強行突破しそうだ」と述べました。当時、何故そう考えたか、と言えば高市氏としては「約束こそしていないけれどそれが自身の支持層のベースになっている」と考え、今、それを撤回するようなことをすれば支持率は極めて大きな下落、ひいては自民党への信認の問題が生じると考えたとみたからです。言い換えれば自民党内にある財務省VS反財務省派の戦いにおいて財務省側を利するのは絶対に不利である、ととっくの前から内心、決めていた節が見えるのです。つまり国民会議は実質形式的なもので、いかにそれを実行するか、その術とタイミングを見計らっていた、と考えています。

夏休み中は外交が静かになる時期なので国会も終わり、今は確かにちょうど良いタイミングであります。

この食品消費税、なぜ議論を呼ぶのか、いくつかポイントがあります。

  1. 導入する手間とコスト
  2. 2年の時限とする意味
  3. 8%⇒1%になれば7%ポイント下がるはずだが、実質的にはそうならない公算があること
  4. 2年の期限が迫った時、実質7%ポイントの増税感が出ること
  5. 給付付き減税と食品消費税減税に関する中間層のメリットデメリットが見えないこと
  6. 財源問題

ざっと思うだけでもこれだけ上がります。(AI君に聞いたわけではありません。)

あえて高市氏の味方をするならば野党と国民のより一層の理解を得るためには5番と6番を明白にすることが先決だと思います。そしてもしも財源確保ができるなら恒久減税にすべきと考えます。食品に対する税は諸外国ではゼロにしているところは多いのです。アメリカ、カナダ、英国、オーストラリア、韓国…。食品消費税は国民生活の最低限の保証という意味で政府が最大限の努力を見せるべきであり、貧富の差が目立つ国ではゼロないし、実質ゼロ、ないし応分の支援策がある国が多いのです。日本はその仕分けをせずに一緒くたにしてほとんどの消費財に消費税がかかるようにしたのは当時の自民党の財務省派の力技だったと思います。

では財務省が渋る財源ですが消費税をゼロにすれば年間約5兆円の財源が必要とされます。その財源はないわけではないと思うのです。例えば25年度の税収は3.5兆円上振れしました。理由は物価高による企業景気が良く、法人税収入をはじめ、すべての主要歳入源で上振れています。さらにそれ以外に外為特会や日銀のEFTを通じた「儲け」もあります。よって5兆円は巨額と言いますが、いわゆる日本政府や日銀が持つ資産をベースにした利益/利潤は極めて大きなものであり、5兆円程度なら捻出は不可能ではない気がします。ただし、そんなことは財務省は口が裂けても言わないのです。これが民間企業ならやるでしょうね。役所だから保守的にとらえるのだと思います。

一方で私が食品消費税を減税するメリットを感じないのは何故か、と言えば日本の物価高は必ずしも食品が主体ではない気がするからです。今回も東京で様々な消費をしてきました。特に高いと感じたのが宿泊や観光地の出費、サービス出費が気になりました。また賃料の上昇や建築費、不動産の上昇も一般社会にもっと大きな影響が出ています。世の中、携帯電話をはじめ生活必需品も高級化が進み、応分の高価格化が当たり前となりそちらで財布を引っ張られているので残った額が少なく、これで食材を買うのか、というと最後、数十円の値上がりが目立つという流れのように感じます。

端的な話、上昇率で見ると上げ幅は高そうに見えるのですが、絶対額で見るとさほどではないのです。今回もスーパーマーケットでは丹念に価格チェックをしていろいろ買ってみました。それぞれの商品は以前より商品によっては数十円高くなっているな、という印象はありますが、米価などが大きく下がっていますし、最終的には負担額がものすごく増えた感じはしません。

私が食品消費税はポピュリズムのバラマキと考えているのは今回の食品消費税の減税が絶対に必要か、といえば景気は悪くない中、そこまで求められるものではないとみているからです。むしろ生活レベルが上がってしまい、安いものが買えなくなり、家計の自己調整機能がワークしなくなっていると考える方がナチュラルであります。

首相の決断はいずれにせよ大きな議論を呼ぶでしょう。支持率にも為替にも影響が出ることは必至です。私からすれば「言わなきゃいいものをなんでそんなこと、公約に入れるのかね?」としか申し上げようがありません。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年7月28日の記事より転載させていただきました。

]]>
Tue, 28 Jul 2026 03:00:44 +0000 Tue, 28 Jul 2026 03:00:44 +0000 https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260728005932.html 南十字星が見える沖ノ鳥島と排他的経済水域(EEZ) https://agora-web.jp/archives/260728005932.html 拙著『誤解だらけの沖縄と領土問題(増補改訂版)』(清談社)では、沖縄、尖閣、竹島、北方領土だけでなく、「排他的経済水域(EEZ)」の島々なども取り上げている。この本では、日本の言い分だけでなく、外国政府の言い分もしっかり紹介する方針だが、沖ノ鳥島についても同様だ。正直なところ、世界の誰しもが認める「排他的経済水域(EEZ)」をなす島とはいえない。

南鳥島が支える日本の広大なEEZ

小笠原からさらに南の絶海の孤島、南鳥島は日本最東端である。高潮時でも水没しない完全な島なので、EEZとして問題はないと思う。

南鳥島 Wikipediaより

択捉島よりも東にある。最近、レアアースを周辺海域で採取できそうだと話題になっているが、気象も荒く、遠隔地で経済性の高い採掘を行うのは簡単ではない。長い目で開発を追求したいところだ。

日本最南端である沖ノ鳥島については、1994年に発効した国連海洋法条約で、沿岸から200海里の「排他的経済水域(EEZ)」が認められた。

国境離島の位置 東京都総務局HPより

これは、フランス、米国、オーストラリア、ロシア、英国、インドネシア、カナダに次ぐ8位で、ニュージーランドと中国までがベスト10に入る。

自由航行は認めなければならないが、経済的には領海に準じた扱いができる。これで、日本は国土面積の12倍ものEEZを獲得することになったが、小笠原諸島の貢献が大きかったことはいうまでもない。

沖ノ鳥島は「島」か「岩」か

そんな中、2004年に中国政府は、日本最南端の沖ノ鳥島は200海里のEEZが認められる「島」ではなく、12海里の効力しかない「岩」だと言い出した。今さらの主張だが、太平洋の覇権をめぐる日中米の厳しい戦いが、こんな形で表面化しているわけだ。もっとも、中国といえども日本の領土であることは否定していない。

沖ノ鳥島 Wikipediaより

沖ノ鳥島は日本最南端で、唯一の熱帯地方であり、地平線すれすれではあるが、南十字星も見ることができる。

日本は、1994年に発効した国連海洋法条約でいう、沿岸から200海里の「排他的経済水域(EEZ)」に当たるとしているが、2004年に中国政府が、200海里のEEZが認められる「島」ではなく、12海里の効力しかない「岩」だと言い出したことは第 章で紹介した。これが太平洋をめぐる覇権争いの中で注目されているので、補足しておく。

日本は、沖ノ鳥島が自然形成の陸地である「島」だとし、防護工事は既存の島を維持する措置で、EEZは約40万km²に及ぶとしている。また、観測施設や港湾的機能などを整備し、「経済生活の可能性」を補強している。

それに対して中国は、沖ノ鳥島は高潮時にほぼ水没する岩であり、人間の居住・経済活動は自然状態では不可能で、人工構造物で「島」にすることはできないとしている。

国際法上の類似例と仲裁判断

この解釈の違いについては、国連海洋法条約が詳細まで定めていないため、確定的な解釈はない。ただ、同じ太平洋にあるフランス領のクリッパートン島は沖ノ鳥島に似ており、島であるとするフランスの主張に異議は出ていないため、日本に有利な類似例だ。

それに対して、あまり似てはいないが、北大西洋のロッコール島(英国)は「岩」だと認識されている。

また、2016年にオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、南シナ海の南沙諸島に存在するリーフをめぐる中国の主張や活動について、フィリピンが行った15の申し立てに関して下した判断の中では、高潮時地物は、法的には排他的経済水域または大陸棚を発生させない「岩」であるとしている。中国はこの裁定を認めていないが、沖ノ鳥島に似た例といえるかどうかは微妙なところだ。

日本の管理実績と残された課題

いずれにせよ、国連海洋法条約が発効して以来、日本が管理しているので、有利な立場にある。また、中国には南沙諸島についての主張との整合性という弱みもあるが、安心はできない。


誤解だらけの沖縄と領土問題(増補改訂版)(清談社)

【関連記事】

]]>
Tue, 28 Jul 2026 02:55:32 +0000 Tue, 28 Jul 2026 02:55:32 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html https://agora-web.jp/archives/260727193139.html
https://agora-web.jp/archives/260727103710.html 高市政権でなんで円安になるの? 海外メディアは「何が」ヤバいと言ってるのか https://agora-web.jp/archives/260727103710.html 1ドル=164円目前。円は1986年以来、なんと40年ぶりの安値です。ここまで来るともう「一時的」とは言えない。で、なんでこんなに円安なのか。FT、ガーディアン、ロイター、豪AFR、米バロンズ、米マーケットウォッチ──海外の主要メディアはそろって「高市政権の『責任ある積極財政』が原因だ」と書いてます。しかも日本の報道よりよっぽど容赦ない。

そしてここが肝なんですが、ドル円っていう馬鹿でかい市場を実際に動かしてるのは、こういう英語の記事を日々読み込んでる銀行や機関投資家のプロです。つまり「海外が円安だと書く → プロが読む → 円を売る → もっと円安」。この記事では海外6本が描く「円売りの構図」を整理して、なぜそれがぐるぐる自己実現して円安を加速させるのかを説明します。

高市首相 首相官邸HPより

その前に。ドル円を動かしてるのは「報道を読むプロ」です

まず、けっこう多くの人が勘違いしてる話から。「為替なんて個人のFXの思惑で動いてるんでしょ?」というやつ。これ、逆です。

国際決済銀行(BIS)が3年に1回やってる外為市場の巨大調査(2022年)を見ると、世界の外為取引のうち、事業会社や個人みたいな「非金融のお客さん」はたった6%しかいない。残りの94%は銀行・機関投資家・ヘッジファンド、要はプロです。

図:BISの調査による、世界の外為取引の相手方内訳。プロが94%を握っている

つまりドル円の値段は、本質的にプロのお金がつくってる。あなたや私の思惑じゃない。ww
で、そのプロが何を見てるかというと、FTやロイターの分析、格付け会社や海外中銀の見立て。こういうのを当然チェックしてるわけです。海外メディアが「高市政策=円安」って物語を何度も何度も流せば、それがプロ全員の共通認識(コンセンサス)になって、そのまま売買のポジションに乗る。報道が相場観をつくって、相場観が円売りをつくる。まずこの流れを頭に入れてください。

海外6本は、高市政策の「何が」ヤバいと言ってるのか

面白いくらい論点が一致してます。順番に見ていきましょう。

①/英国・Financial Times 2026年7月2日
Japan’s fiscal expansion puts the BoJ in a difficult spot
高市政権の財政拡張で国債の利回りが上がる一方、円は下がってる、という分析。ポイントは日銀の板挟みです。利上げすれば政府の利払い負担が増えて財政が苦しくなる。かといって利上げしなけりゃ円安が進む。どっちに転んでも詰み。今回のテーマにいちばんドンピシャな記事です。

 

Security Verification

 

②/英国・The Guardian 2026年7月25日
Can Japan avoid a Liz Truss-style shock as its PM embarks on a giant spending spree?
官民370兆円(約1.7兆ポンド)というド派手な投資構想について、「財源があいまいすぎて国債売り・円売りを呼ぶ」と。で、出てくるのが「日本版トラス・ショック」という言葉。円は約40年ぶり安値、輸入物価もそのぶん上がってると指摘してます。

 

Can Japan avoid a Liz Truss-style shock as its PM embarks on a giant spending spree?
Sanae Takaichi’s blueprint to inject £1.7tn and double economic growth leaves many investors fearful

 

③/国際通信社・Reuters 2026年7月22日
Japan’s policy doom loop sends yen to 40-year low
高市政権の政策を、積極財政 → 日銀が十分に利上げできない → 円安・インフレ → また財政支出という「政策の悪循環(doom loop)」と表現。財政のバラマキと、日銀の独立性への疑い。この2つが円への信用を削っている、という論調です。

 

reuters.com

 

④/オーストラリア・Australian Financial Review 2026年6月30日
Yen weakens to 40-year low as BoJ drags feet on inflation
円が1ドル162円を超えて、1986年以来の安値になったと報道。日銀の利上げが遅い(drags feet = もたもたしてる)のに加えて、政府の財政・金融のやり方への市場の不信が背景にある、と。

 

Yen weakens to 40-year low as BoJ drags feet on inflation
The Japanese currency weakened past ¥162 to the US dollar for the first time since December 1986 during morning trading …

 

⑤/米国・Barron’s 2026年7月22日ごろ
U.S. Stocks Could Soon Have a Yen Problem
高市政権下で円が約40年ぶり安値まで落ちて、政府が為替介入しても止められてないと報道。低金利の長期化と円キャリートレードが円安を「定着」させていて、その影響はいずれ米国株にも来るぞ、と警告してます。

 

Not Found

 

⑥/米国・MarketWatch 2026年7月23日ごろ
Japan’s $1.8 trillion pension giant might bring money home. That could jolt U.S. stocks and the Fed.
円が1986年以来の安値になったのを背景に、GPIF(約1.8兆ドル)の海外資産を日本に戻す案を分析。記事の主役は年金運用ですが、要は「円安がヤバすぎて政策で手を打たざるを得ないところまで来てる」という話です。

 

marketwatch.com

 

6本に共通するのは「政策の悪循環(doom loop)」という一枚の絵

6本ぜんぶを貫いてるのが、ロイターが名づけた「政策の悪循環」という見取り図です。これがよくできてる。
まず積極財政で歳出をどんどん膨らませる。でも日本の政府債務はすでに対GDP比で約230%、世界最悪クラス。だから日銀は財政をぶっ壊さずに大きく利上げできない。利上げを我慢すれば内外の金利差が開いて、円安とインフレが進む。で、その物価高を抑えるために政府がまた歳出を積む。ぐるっと一周して、また財政拡張に戻ってくる。ひとことでいうとアベノミクスからの放漫財政の失敗です。

図:ロイターなどが指摘する「政策の悪循環」。どこにも円高に戻すブレーキがない

この輪っかのどこを探しても、円高に戻すブレーキが見当たらない。ここが怖いところです。
実際、政策金利は1%と31年ぶりの高さまで来ましたが、他の先進国と比べたらまだまだ低い。日米の2年金利差は285ベーシスポイントまで開いて、前年8月以来の水準。金利差がこれだけ開けば、円を売ってドルを買う(円キャリー)のはプロからすれば当たり前の行動です。

教科書と真逆。「財政拡張したのに円安」という異常事態

経済の教科書だと、財政拡張は金利上昇を通じてふつう通貨高になるはずなんです。ところが今の日本は、長期金利の上昇と円安が同時に起きてる。ここが普通じゃない。
10年国債の利回りは前年秋に1.6%くらいだったのが、いまや2.9%。30年ぶりの高さまで一気に駆け上がりました。それでも円は買われない。

図:財政拡張してるのに上がり続ける10年国債利回り。金利上昇と円安が同時進行という異常

金利が上がっても通貨が売られる。これは市場が「金利」を見てるんじゃなくて、その国の財政と通貨そのものへの信用を売ってるときに起きる現象です。2022年にイギリスのトラス政権が財源なき減税をやって、国債も通貨もダブルで暴落した、あれとそっくり。海外メディアが口をそろえて「日本版トラス・ショック」と言うのは、この既視感があるからです。4月下旬の為替介入ですら円安を止められなかった。これはもう、市場が一時的な投機じゃなくて構造の問題を織り込んでる証拠だと思います。

結論:報道が相場観をつくり、円安が円安を呼ぶ

ここまでの2つの事実を重ねると、答えは一本の線でつながります。
1つめ。ドル円を動かしてるのは、市場の94%を占めるプロです。
2つめ。そのプロが読む海外報道は、そろって「高市政策=円安」の物語を流し続けている。

プロが同じ材料を見て同じ結論に至れば、円売りはコンセンサスになる。コンセンサスはそのまま売買ポジションになって円を押し下げる。円安が進めば「やっぱり円は弱い」と次の記事が出る。その記事がまた次の円売りを呼ぶ。
報道 → プロが織り込む → 円安 → また報道。為替版の「情報の悪循環」がもう回りはじめてます。ロイターの言う doom loop が財政・金融の実体経済のループなら、これはその上に乗っかった物語(ナラティブ)のループ。厄介なことに、この2つは互いに燃料を送り合ってます。

この記事の結論
高市政権が財政規律の枠(PB黒字化目標)を外して、日銀が利上げの自由を失ってるかぎり、「高市政策=円安」というプロの共通認識は崩れません。そして市場の94%を握るプロがその物語を織り込み続けるかぎり、円安は自己実現的に、じわじわ進んでいく。わたしはそう見ています。
とはいえ。一方通行を疑っておくべき4つの反対材料

相場に「絶対」はないです。むしろ「プロがみんな同じ情報を見てる」というこの記事の前提は、同時に急反転のリスクも説明してしまう。ポジションが円売り一色に傾いた瞬間、ちょっとした材料で買い戻し(ショートスクイーズ)が一気に走る、というやつ。ここはフェアに書いておきます。

  • GPIFの資金国内回帰:海外資産を日本に戻す動き(記事⑥)は、本当にやれば強烈な円買い材料。しかしもし政府がGPIFに「政策目的」で、本来よりも多く日本国債を保有させるのであれば、そのコストは最終的に年金加入者が負担する。高市政策のために自分の年金を減らしていいかってこと。さらに法律上、

    「専ら被保険者の利益のために長期的な投資収益を最大化すること」

    を目的として運用することになっています。収益のためではなくて赤字国債をもっと発行するために法改正するときは大もめでしょう。

  • 為替介入・日銀の想定超え利上げ:当局が「もう円安容認やめた」と本気を出せば、水準は一発で変わる。
  • 投機ポジションの偏り:CFTC建玉なんかで円売りが積み上がるほど、巻き戻しの反動もデカくなる。
  • アメリカ側の金利低下:FRBが利下げして日米金利差が縮めば、円安圧力は勝手に弱まる。

ただ、これらはどれも円安の「基調」を反転させるというより、一時的な調整をもたらす材料です。財政拡張と日銀の手詰まりという構造そのものが解けないかぎり、メインシナリオは円安基調の継続。これが、海外6本を読み込んだうえでのわたしの結論です。

円安を止めたい? 簡単です。高市辞任から財政規律派の林さんあたりが総理になればすぐに10円くらい円高になります。骨太を撤回すればもっと上がります。いままでこうなっているのですから。高市が10/4に自民党総裁選に勝った瞬間に「財源なき積極財政が始まる」として円は5円も安くなってその後も怒濤の円安。そして彼女が在任中はどんどん円安です。

出典


インフレ・円安・バラマキ・国富流出 (日経プレミアシリーズ)


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2026年7月27の記事より転載させていただきました。

]]>
Tue, 28 Jul 2026 02:55:10 +0000 Tue, 28 Jul 2026 02:55:10 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260727102733.html ベルリン群衆テロ事件の容疑者Bの場合 https://agora-web.jp/archives/260727102733.html ベルリン市中心部にあるティ―アガルテン公園周辺で開催されていた性的少数派のイベント「クリストファ―・ストリート・デー」(CSD、プライド・パ―ティ)に参加していた群衆に向かって白色のバーンの車両が25日午後10時頃、猛スピードで突入し、警察側の発表では、1人の若い女性が死亡し、29人が負傷する事件が起きた。警察側はイスラム過激派に関連する21歳の男アブドゥル・B(Abdul B)を容疑者として特定し、犯行後逃避した男の行方を追っていたが、26日午後、容疑者Bはシュパンダウ地区にある市民農園で警察官によって射殺された。ドイツのメディアによると、容疑者は刃物を持って警察官に襲いかかってきたところ、警察官に撃たれ、26日午後6時34分(日本時間27日午前1時34分)に死亡が確認された。

ブランデンブルク門が虹色にライトアップされた、ベルリン市公式サイトから

ドブリント連邦内相は26日午後2時過ぎ、現場で記者会見を開き、「事件は明らかにイスラム過激派によるテロ事件だ」と指摘した。警察側は21歳のドイツ国籍を有する男アブドゥル・Bを容疑者として特定し、犯行後逃げた男の行方を追っていた。容疑者Bが射殺されたことで、事件は一応解決したが、容疑者が危険な人物と見られていたが、今年5月に少年鑑別所から釈放されていたことが明らかになり、政治家やテロ専門家、メディアから疑問の声が上がっている。

容疑者Bは2005年ドイツ生まれのドイツ国籍者で、レバノンにルーツを持ち、母親は2002年にドイツ国籍を取得している。アブドゥル・Bは、以前から警察にその名を知られた人物だった。2022年2月、ティーアガルテン地区裁判所は、Bに対し、身体傷害および強盗・恐喝の罪で有罪判決を下した。2019年9月には学校の校庭で相手を殴打した罪で有罪とされたほか、2020年10月には共犯者と共に、ある人物からヘッドホンを奪うなど、複数の犯罪を犯してきた。

アブドゥル・Bの過激化が公に認識されるようになったのは2024年のことで、彼が自身のインスタグラムのアカウントで、テロ組織「イスラム国(IS)」の禁止されたプロパガンダを共有したのがきっかけだ。ベルリン検察当局によると、Bは2025年に数回にわたり、海外でイスラム過激テロ組織「イスラム国」(IS)に合流しようと試みたことが発覚し、2025年7月にレバノンで逮捕され、同地で3ヶ月間拘束された。その後同年11月にベルリンへ戻ったところ再び逮捕された。

容疑者Bは2026年5月、「国家を脅かす重大な暴力行為を準備した罪」で、懲役1年10ヶ月(執行猶予付き)の判決を言い渡された。この判決には少年刑法の特定の規定が適用された。釈放の条件として、Bには脱過激化プログラムへの参加が義務付けられた。アブドゥル・B.は、5月に拘束から解放された後、脱過激化プログラムの対象となる予定だったが、実際には実施されなかった。検察は3年弱の懲役刑を求刑しており、控訴しているため、判決はまだ確定していない。ちなみに、ドイツでは「少年裁判所法(JGG)」において、少年刑法の対象となるのは犯行時に21歳未満(20歳まで)までだ。容疑者Bは犯行当時、20歳だった。

「暴力防止ネットワーク(VPN)」の共同創設者兼代表のトーマス・ミュッケ氏はドイツの週刊誌「シュピーゲル」に答え、脱過激化プログラムを実施するか否かの「見極め段階(クリアリング・フェーズ)」で6月15日と7月8日の計2回、容疑者Bと面接している。ミュッケ氏は公共放送ARDの特別番組『ブレンンプンクト(Brennpunkt)』の中で、VPNのソーシャルワーカーたちがアブドゥル・Bに対して抱いた印象について、「非常に落ち着いていて、極めて慎重、自己をよく制御しており、非常に友好的」であったと述べている。

カウンセリングプログラムへの参加に関する最終決定は、来週予定されていたVPN専門家との3回目の会合後に行われる予定だった。しかし、その会合が行われる前に、Bはベルリンのティーアガルテンで襲撃を実行したわけだ。ミュッケ氏は、2回の予備会合では「具体的な脅威の兆候は全くなかった。もし脅威があれば、組織は直ちに当局に通報していた」と述べた(ドイツ民間放送ニュース専門局ntv)。

ドブリント連邦内相は26日、ntvとのインタビューで、容疑者Bに対し、執行猶予付きの判決が下されたことを厳しく批判した。同内相は「容疑者アブドゥル・Bの犯罪歴や過激化の度合いを考慮すれば、執行猶予付きの判決が下されたことは到底理解しがたい」と語り、「司法批判をするつもりはないが、今後の検証においては、なぜこのような事態が生じることを許してしまったのかという点を詳細に検討する必要がある」と付け加えた。そして「脱過激化の取り組みは一つの手段に過ぎず、他にも拘禁という手段や、外国人であれば国外追放という選択肢もある。脱過激化だけに頼るというのは、間違いなく甘い考えだ」と言い切った。

連邦検察庁によると、裁判所は、Bが裁判手続きの過程でドイツ国内で6ヶ月近く未決勾留され、レバノンでも3ヶ月間拘束されていたという事実を判決の根拠としたという。さらに、Bが裁判中に概ね犯行を自白し、ISから距離を置く姿勢を示したことも考慮に入れた、という。

なお、事件発生直後、もう一人の男(イラン国籍)が警察当局に逮捕されたが、独シュピーゲル誌によると、「男は26日夜、証拠不十分として釈放された」という。ドブリント内相は「容疑者Bの単独犯行が濃厚だ」と述べている。

ちなみに、ドイツでは9月に入ると、ザクセン=アンハルト州が6日に、ベルリン(特別州)とメクレンブルク=フォアポンメルン州は20日、議会選挙がそれぞれ実施される。今回のベルリンにおけるテロ事件は、外国人排斥を訴える極右政党『ドイツのための選択肢(AfD)』にとって追い風となる――そうした政治的思惑や憶測が、早くも囁かれ始めている。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2026年7月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

]]>
Tue, 28 Jul 2026 02:50:33 +0000 Tue, 28 Jul 2026 02:50:33 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html https://agora-web.jp/archives/260727063749.html
https://agora-web.jp/archives/260727103002.html 他の野党との調整を付けられず内閣不信任案すら出せない立民執行部 https://agora-web.jp/archives/260727103002.html 立憲民主党の元国会議員のチャック初鹿明博がこんなポストをしていました。

初鹿明博@AkiHatsushika

みんな忘れてるといけないから言っておくけど、今日、衆議院予算委員会の集中審議だったのに高市総理が出席するのをゴネたとかでやらずに国会閉じました。
睡眠削って頑張ってるアピールしてたけど、結局は国会審議逃げる???????
#高市総理は集中審議に出ろ
#木下秘書の証人喚問が必要

嘘つきは民主党のはじまり。

呼吸をするように、平気で嘘を言うことができるのが、立憲民主党議員の資格の一つにあるように思えて仕方がありません。

これは明らかなデマです。

7月24日になにがあったかというと

「副首都」で与野党対立 激化 与党“再延長”も辞さぬ構え

【「副首都」で与野党対立 激化 与党“再延長”も辞さぬ構え】
延長国会は24日が事実上の会期末ですが、日本維新の会肝煎り(きもいり)の「副首都法案」は成立の見通しが立たず、国会は再延長の可能性が出てきています。

野党は「どこの、誰のための法案かという疑問が晴れない」として、採決に応じない方針で一致しました。

立憲民主党 斎藤国対委員長
「すべての野党から採決には至らない。採決をすべき内容ではないと。再議決のために延長を官邸が考えられるのであれば、やむを得ないのではないか」

参議院では、特別委員会の委員長ポストを立憲がおさえているため、与党は採決を強行できません。

野党側は、採決の条件として、特別区設置の住民投票と地方選挙の同日選の禁止を付帯決議に盛り込むことなどを求めていて、与党は午後に改めて野党に返答します。

採決が行われない場合、与党は国会を9月までを念頭に大幅延長し、数の力を行使できる衆議院で再可決することも辞さない構えです。

総理周辺からは、「再延長するなら一度諦めた定数削減にもう一度踏み込む」として採決に応じない野党をけん制する声があがっています。

こうした高市政権に対し、中道の小川代表は「最大限の対抗措置を取りたい」として不信任案を提出する構えも見せています。
(2026/7/24 TV朝日)

石破茂とかいう無能かつ無責任な輩が参議院選挙でも大敗し、重要委員会の委員長ポストを野党に要求されるままに明け渡しました。

このため参議院では法案の採決を「吊るし」状態にしていたわけです。

それに特に立憲民主党成立以降は、参議院は審議拒否が日常茶飯事になっていました。

審議拒否、国会さぼりと言えば立憲民主党の代名詞と言って良いくらいです。

特に憲法審査会については「憲法についての審議が進んだら憲法改正の話になりかねない」という理由から立憲共産党によって審議が開けないように妨害が繰り返され、1年間で合計1~2時間くらいしか開かれず実質審議0という年すらありました。

本来なら毎週開催なのに……。

挙げ句に憲法審査会を開催されるのが嫌だからと、

立憲・小西氏が発言陳謝 「憲法審、毎週開催ってサルのやること」 | 毎日新聞

【立憲・小西氏が発言陳謝 「憲法審、毎週開催ってサルのやること」】
(2023/3/30 毎日新聞)

千葉県の立憲民主党支持者の鑑、小西洋之が「毎週開催はやりたくない。毎週開催ってサルのやることだ」「何も考えてない人達だ。蛮族の行為だ」などの暴言を行いました。

話を戻しましょう。

特に野党のサボり戦術がひどい参議院では7月24日という実質最終日の土壇場になって、「採決させない!」と日程闘争を開始して副首都法案もまた採決させないようにして時間切れを狙った形です。

ところが、

【中継】「副首都構想」関連法案めぐり野党抵抗 国会会期の再延長論も浮上(2026年7月24日掲載)|日テレNEWS NNN

【【中継】「副首都構想」関連法案めぐり野党抵抗 国会会期の再延長論も浮上】
国会は24日、事実上の閉会日を迎えています。「副首都構想」関連法案の成立をめぐっては野党側が抵抗を続けていて、先行きが不透明な状況です。中継です。

与党側は24日中に副首都法案を委員会で採決したい考えですが、法案の中身をめぐって、野党側が抵抗を続けていて、国会の会期を再延長する案も浮上しています。

副首都法案をめぐって、野党側が求めているのは、「特別区設置の住民投票と、通常の選挙の同日実施を禁じる」内容を法案の付帯決議に盛り込むことです。来年春の大阪知事選と同じ日に住民投票を実施して、将来の「大阪都構想」につなげたい日本維新の会に、野党側は反発を強めています。

そのため、与党側は野党側の要求をある程度受け入れる形で修正案を提示しました。

野党側は、先ほどから、集まっていまして、まだ修正案に対して、正式回答を自民党には伝えていないのですが、会合が終わって出てきたある野党幹部は「応じられない」として難色を示しています。

――副首都法案は24日、この後、採決となるのでしょうか。

採決できるかは野党の回答待ちという状況ですが、政府・与党は副首都法案を今の国会で成立させる構えを崩していません。

仮に24日に採決ができなければ、国会会期の再延長が現実的な選択肢になってきます。ある官邸幹部は、衆議院での再可決も視野に「65日間や70日間の延長となっても仕方ない」と話しています。また、衆議院では、高市首相が出席する予算委員会の集中審議も24日の午後予定されていますが、いまだに始まっていません。国会最終盤、維新肝いりの法案をめぐって、与野党の駆け引きはなお続いています。
(2026/7/24 日テレnews)

与党側からそれなら国会会期を65~70日再延長しようという話が出てきました。

こうなると話が変わってきます。

衆議院で可決し参議院へ送付してから60日を経過してなお参議院で法案が採決されていない場合、参議院で実質否決されたものとして、衆議院での2/3以上の可決をもって再可決として法案を成立させることができます。

せっかく審議拒否をしてゴネにゴネて参議院での採決を見送らせたのに、定数削減などの野党側が妨害してきた法案が参議院送付から60日を超えることになってしまい、片っ端から衆議院での再可決成立しかねないからです。

そこで深夜まで粘って採決を遅らせる事で、立憲民主党らサボり野党’sは支持者向けに自分達は頑張ったアピールをできるようにしつつ、副首都法案だけ採決させて国会の会期再延長を回避した形になります。

そういえば小川淳也とかいう中革連の代表が、内閣不信任案提出の構えを何度もアピールしていたようなんですが、こんなことになっていました。

中道、内閣不信任案見送り 提出条件整わず否決も確実 小川氏「来たるべきタイミングで」

【中道、内閣不信任案見送り 提出条件整わず否決も確実 小川氏「来たるべきタイミングで」】
中道改革連合は25日に閉会した特別国会で、内閣不信任決議案の提出を見送った。小川淳也代表は24日夜、記者団に「来たるべきタイミングで高市早苗政権の至らなさについてはしっかりと正す」と述べた。

中道は不信任案の提出を国会の最終盤まで探っていた。中道内部では、①政府与党による大幅な会期延長②与党が衆院で「副首都」構想関連法案を再議決③参院での首相に対する問責決議案の提出-を提出の条件としていた。

参院では24日に副首都法案を巡り与野党が攻防を繰り広げ、会期の大幅延長も一時浮上した。ただ、最終的に法案は成立し、不信任案の提出には至らなかった。

中道が提出を見送ったことで、野党による不信任案の提出は令和6年以来、行われていない状態が続く。昨年の通常国会や臨時国会では自民、公明の与党が衆院で過半数割れとなっており、不信任案を提出すれば可決する可能性のある状態だったが、当時の衆院野党第1党の立憲民主党は提出を見送った。

一方、今年2月の衆院選では自民、日本維新の会の与党が4分の3以上の議席を獲得。特別国会で中道が不信任案を提出しても否決は確実な情勢だった。中道幹部は「成立するかもしれないときに提出せず、確実に成立しないときに提出すれば国民の目にはパフォーマンスと映る」と危惧していた。(深津響)
(2026/7/25 産経新聞)

昨年の通常国会は異例の国会でした。野田佳彦は内閣不信任案を出したら成立しかねない事から、あえて内閣不信任案を出しませんでした。

立憲・野田代表、内閣不信任案の提出見送り表明「政治空白を回避」:朝日新聞

(2025/6/19 朝日新聞)

毎年毎年の国会で、否決確実な状況では必ず内閣不信任案を出してきたのが立憲民主党でした。

ですが昨年だけは内閣不信任案を出さず石破内閣を守りました。

実際に内閣不信任案を出して成立してしまうと、石破茂はこれに対抗するために解散総選挙に打って出ていたでしょう。そして衆参同日選挙に。

衆参同日選挙になれば投票率が上がり、組織票の立憲民主党にとっては不利に働く事が多いです。

それなら参議院選挙単独の形を作って確実に勝ちを拾っていく、野田佳彦としてはそういう算段で「内閣不信任案が成立しそうだからあえて出さない」を選択したと思われます。

そんな形ですから中革連は民主党時代からの伝統に従って、会期末の内閣不信任案を出したかったのではないでしょうか?

ですが中革連の議席数は48です。内閣不信任案を出すのに必要な議員数は51になります。

調整能力もなければ根回しも知らない。そういう小川淳也ら、現在の立民執行部では他の野党との調整を付けられなくて、内閣不信任案提出が出来なかった。

それが実態ではないでしょうか?ここぞというところで出すみたいなこと言ってますけど、衆議院は与党が与党は2/3を超えています。

当面の間、わざわざ解散総選挙をする理由がありません。

ですので小川淳也の言う「来るべきタイミング」とやらは当面考えられません。そんなのを待っている間に小川淳也が党代表から引き摺り下ろされている可能性が高いです。

党首討論に立つ小川淳也代表 2026年7月 中道改革連合HPより


編集部より:この記事は茶請け氏のブログ「パチンコ屋の倒産を応援するブログ」2026年7月27日のエントリーより転載させていただきました。

]]>
Tue, 28 Jul 2026 02:45:02 +0000 Tue, 28 Jul 2026 02:45:02 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260727235816.html 「決勝やり直せ」6万人対「永久追放せよ」2331万人:W杯を飲み込む署名合戦 https://agora-web.jp/archives/260727235816.html サッカーの試合は、審判が終了の笛を吹けば終わります。しかし、SNS時代のワールドカップは、そこからが長いようです。

2026年ワールドカップ決勝では、スペインが延長後半、フェラン・トーレス選手の決勝点でアルゼンチンを1-0で破りました。アルゼンチンは後半終了間際にエンソ・フェルナンデス選手が退場し、試合終了後には両チームの選手やスタッフを巻き込む乱闘も発生しました。FIFAは現在、アルゼンチン側の関係者を中心に懲戒・倫理調査を進めています。

FIFA、ワールドカップ決勝戦後の乱闘事件を調査へ ロイター

アルゼンチンサポーターは「不正な審判」と主張

敗戦を受け、一部のアルゼンチンサポーターはオンライン署名サイトで「決勝戦をやり直せ」と訴え始めました。

請願では、スロベニア人のスラブコ・ビンチッチ主審の判定が試合結果に影響したとして、FIFAに再試合の実施を求めています。報道時点で署名は6万1500人を超え、その後は8万人以上に増えたとも伝えられています。もっとも、審判が買収されたことを示す具体的な証拠は提示されていません。

アルゼンチン対スペインのFIFAワールドカップ決勝は再試合へ?再試合を求める署名が6万人を突破 The Economic Times

負けた側のファンが「審判が悪い」と叫ぶのは、サッカーでは珍しい光景ではありません。2022年大会の決勝後にも、フランスのファンがアルゼンチンとの再試合を求める署名運動を行いました。

敗者はいつでも「もう一度やれば勝てる」と考えます。勝者だけが「結果を受け入れましょう」と説教します。これもまた、サッカーの伝統なのかもしれません。

世界からは「アルゼンチンを追放せよ」

ところが今回は、アルゼンチン側の請願をはるかに上回る署名運動が起きていました。

「Argentina Out」と題されたキャンペーンは、アルゼンチン代表を今後のワールドカップから永久追放するよう要求しました。運営側の発表では、約170カ国から2331万6108人が署名したとされています。6万人と比べれば約389倍です。

「アルゼンチンをワールドカップから追放せよ」という嘆願書がギネス世界記録に迫る euro news

ただし、この数字には注意が必要です。

永久追放を求める運動は、決勝後に突然始まったものではありません。大会途中のアルゼンチン対エジプト戦などの判定を巡り、「FIFAがリオネル・メッシ選手とアルゼンチンを優遇している」とする疑惑から拡大しました。FIFAの審判部門は、問題視された判定について正当だったと説明し、外部からの圧力やひいきがあったとの主張を否定しています。

審判の偏向疑惑を受け、アルゼンチンをFIFAワールドカップから追放するよう求める嘆願書に1000万人以上が署名 The Times Of India

さらに、2331万人という数字は請願サイト側が表示・公表した数であり、選挙の有権者名簿のような第三者による厳格な本人確認を経た数字ではありません。実人数や署名の真正性が独立して監査されたわけでもありません。「世界の民意が確定した」と受け取るのは早計でしょう。

「被害者」と「加害者」が同時に成立する世界

興味深いのは、アルゼンチンのファンが「われわれは不正判定の被害者だ」と訴える一方、世界の多くのファンが「アルゼンチンこそ判定で優遇されてきた」と考えていることです。

同じ代表チームが、国内では被害者として語られ、国外では加害者として非難されています。

決勝後の乱闘は、追放運動に格好の燃料を与えました。スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督はアルゼンチン側の行動を「容認できない」と批判し、アルゼンチン代表のアシスタントコーチ、ロベルト・アジャラ氏はスペイン選手との衝突について謝罪しました。

アルゼンチンのワールドカップ決勝での振る舞いは「容認できない」とスペイン代表監督のデ・ラ・フエンテは語った ロイター

試合中の判定に対する不満と、試合後の暴力的な振る舞いは別問題です。仮に審判の判定に疑問があったとしても、それが乱闘の免罪符になるわけではありません。

オンライン署名は「民意」ではなく「感情の得点板」

もちろん、FIFAが6万人の署名を理由に決勝をやり直すことはないでしょう。2331万人が署名したからといって、アルゼンチン代表を永久追放することもないと考えられます。オンライン請願には、FIFAの競技結果や処分を直接変更する法的効力はありません。

しかし、無意味とも言い切れません。

これらの数字が表しているのは、冷静な司法判断ではなく、アルゼンチン代表に対して世界のファンが抱いている感情です。署名数は世論調査というより、怒りや反感を可視化した「感情の得点板」なのです。

ピッチ上ではスペインが1-0で勝ちました。オンライン署名の世界では「再試合」が6万人、「永久追放」が2331万人でした。

この大差を見る限り、アルゼンチンが本当に再試合を望むのであれば、まず審判を責める前に、自分たちが世界からなぜこれほど嫌われたのかを検証した方がよさそうです。

]]>
Tue, 28 Jul 2026 02:40:14 +0000 Tue, 28 Jul 2026 02:40:14 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727055404.html https://agora-web.jp/archives/260725084037.html https://agora-web.jp/archives/260724061036.html https://agora-web.jp/archives/260721072116.html https://agora-web.jp/archives/260721011122.html
https://agora-web.jp/archives/260727104615.html 【キオクシア決算前】今後どうなる?:「バンドワゴン効果」について解説 https://agora-web.jp/archives/260727104615.html 個人アクティビストの田端信太郎氏が、人気化したキオクシアやメタプラネットなどの株価チャートが似たような動きを見せる理由について、相場における人間の集団心理をデイトレード本の一節にある「バンドワゴン効果」を用いて解説し、加熱した相場に飛び乗る危険性や、株価の現在地をメタ認知することの重要性を説きます。

著名な実業家であり、経営者、マーケティングのエキスパートとして広く知られる田端信太郎氏のYouTubeチャンネル「田端大学 投資学部」。コツコツ積立だけでは満足できない!周囲を出し抜く!そんな株の醍醐味を味わいたい方へ。「田端信太郎の株道場」入会はこちらから。

]]>
Tue, 28 Jul 2026 02:35:15 +0000 Tue, 28 Jul 2026 02:35:15 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727082225.html https://agora-web.jp/archives/260726113301.html https://agora-web.jp/archives/260725212847.html https://agora-web.jp/archives/260724193542.html https://agora-web.jp/archives/260726001455.html
https://agora-web.jp/archives/260727102840.html 高市首相、支持率下落の原因は「分からない」:私が思う一つの仮説は… https://agora-web.jp/archives/260727102840.html 週末にかけて報道各社の世論調査が出そろいました。読売新聞が12ポイント減、日本経済新聞が10ポイント減で支持58%・不支持37%。朝日、産経、共同も2〜7ポイントの下落です。ANNの調査でも10.9ポイント減の49.2%でした。

一か月で二桁の下落は、そう頻繁に起きることではありません。そして総理ご自身は、その原因について「分からない」と答弁されました。

私が思うに要因の一つはずばり、シンプルに総理の露出が減っていることではないでしょうか。

順番に見ていきます。

社会保障国民会議での高市首相 首相官邸HPより

先日のブログでは、下落の主因は経済であり、加えて与党として定数削減や消費税減税をやりきれていないことにある、と書きました。

その見立ては今も変えていません。物価が上がり続ける局面で政権が支持を削られるのは、日本に限らずどこの国でも起きていることです。ただ、それだけでは説明しきれない部分が残ります。

日経新聞が今国会の実績を集計しています。

高市総理が衆参両院の予算委員会の集中審議に出席したのは、合計で33時間。過去5年間の歴代総理の平均と比べると、およそ半減です。

浮いた時間は、官邸や公邸で政策立案にあてられたケースが多かったと報じられています。

集中審議や党首討論も、会期末が近づいてからようやく開催が決まりました。正式な記者会見の回数も、歴代と比べて多いとは言えません。

これは印象論や批判ではなく、まず客観的なファクトです。

では、露出が減るとなぜ支持率が下がるのか。

不支持というのは、必ずしも嫌悪から生まれるわけではないからです。「何をやっているのか、よく見えない」という状態が続くと、人はまず判断を保留し、やがて不支持に流れます。

今回の日経調査では、無党派層の不支持が5割を超えました。ここが動いているというのは、その可能性が高いと思われます。

政策の中身が悪いから離れたのではなく、中身が届いていないから離れた。この二つは、対処法がまったく違います。

ここで申し上げたいのは、高市総理は論戦を避ける必要のない総理だ、ということです。

これまでの答弁を見ていて、押し負けているという印象を私は持っていません。準備量も、その場での対応力も、歴代の中で相当上位の部類だと思います。

論戦の場に出れば、その日のニュースになります。切り取られる場面も出るでしょうが、総量として国民の目に触れる機会は確実に増えます。

官邸で政策を練る時間が大事だというのは、その通りです。ただ、練った政策を国民に届けるところもまた重要な責務です。

ですので、期待を込めて。高市総理、もっと国会に出てきませんか?と。

出席日数を増やせという話ではありません。党首討論を定例化し、総理が定期的に論戦を挑む形をつくる。日程闘争の産物としてではなく、はじめから決まった場として。

感想めいた結論になりますが、強い総理が前に出ないのは、政権にとっても国民にとっても、もったいない話だと思うのです。


編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年7月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。

]]>
Tue, 28 Jul 2026 02:30:40 +0000 Tue, 28 Jul 2026 02:30:40 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html
https://agora-web.jp/archives/260726235232.html インフレ率2%でも生活費が10%上がる理由 https://agora-web.jp/archives/260726235232.html 黒坂岳央です。

日本は現在、インフレの真っ只中にある。CPI、コアコアCPI、企業物価指数のいずれも上昇基調で、円安も加わりインフレはメガトレンドと化している。

だが不思議なことに、ニュースで報じられるインフレ率と実際の商品価格はまったく連動していない。「インフレ率1〜2%」と聞かされている一方で、スーパーやコンビニの商品は数年で2倍、3倍になっていることも珍しくない。

これは企業が強欲だからではない。そこには経済学的なメカニズムが存在する。

wildpixel/iStock

CPI=販売価格ではない

まず前提として、ニュースなどで使われるCPIは「平均値」という事実を押さえる必要がある。

食品、家賃、通信費、医療、教育、娯楽など数百品目を加重平均した数字がCPIだ。仮に食品が20%上昇していても、通信料金が5%下落し、家賃が0.5%しか上がらなければ、平均すれば2%程度に収まる。つまり「食品だけ」を見れば大きく上がっていても、統計上は何ら矛盾しない。

次に、原材料価格はCPIよりもはるかに変動が大きいという点がある。小麦、コーヒー豆、カカオ、牛肉、乳製品は国際価格の影響を強く受け、円安、干ばつ、戦争、不作によって一気に高騰する。原材料が30%上がれば、最終商品は20〜30%、場合によってはそれ以上値上げせざるを得ないこともある。

さらに為替の影響も無視できない。日本は食品の多くを輸入に依存しており、1ドル110円から160円まで円安が進めば、ドル建て価格が同じでも円換算では約45%のコスト増になる。この負担は最終的に商品価格へ波及する。

企業は価格変更にもコストがかかる

さらに「値上げするにも値上げが必要」というからくりがある。

企業側の事情として値札変更、システム改修、カタログ更新にはコストがかかるため、企業は毎月小刻みに値上げするのではなく、一定期間据え置いた後に一括で値上げする傾向がある。これを価格の粘着性と呼ぶ。

年間インフレ率が2%なら理論上は毎月0.165%ずつ上げればよい計算だが、現実には1年以上据え置いた末に10〜15%を一括で上げるケースが多い。これが「急に高くなった」という体感を生む一因である。

そして見落とされがちなのが利益率の問題だ。飲食店を例にすれば、食材費、人件費、光熱費、家賃のすべてが少しずつ上昇する。利益率が5%程度しかない業種では、コストが数%上がるだけで利益は消える。

この場合、企業はCPIに合わせて値上げしているのではなく、自社のコスト構造に合わせて値上げしている。CPIが2%でも、店の総コストがそれを大きく上回ることは珍しくなく、赤字を避けるためにCPIより大幅な値上げが必要になることさえある。

インフレに負けない戦い方

インフレを止める事はできない。重要なのは「出費を削る」ではなく、「インフレに勝つ購買力」である。インフレに対して節約の効果は薄い。生活必需品を削っても限界があるし、デフレと違って買い控えはさらなる価格高騰になるので逆効果だ。

結論は2つ、インフレに強い資産を持つこと。そして収入そのものを増やすことだ。

まずはインフレに強い資産に変えることである。現金は最も弱い資産だ。年2%のインフレでも35年で実質価値は半減する。ゴールド、株式、不動産といったインフレ耐性資産を持つのが定石だ。

そしてもう1つの対抗策はシンプルに収入を増やすことだ。支出削減より、こちらの方が圧倒的に効率が良い。

収入を10%、20%増やすことは、決して難しくなく、再現性も高い。市場価値の高いスキルと経験を作れば、転職で昇給が実現する。今の勤務先に賃上げを期待するのは、効率が悪いので転職することだ。

今起きているインフレは一過性ではなく、市場のメガトレンドなので止めることは誰にもできない。そうなるとリスクを取って対応するしかない。そしてリスクが有効な時代においては、「動かないこと」が大きなリスクなのだ。

 

2026年7月、全国の書店やAmazonで最新刊絶賛発売中!

Z世代を甘やかすな」(著:黒坂岳央)

]]>
Mon, 27 Jul 2026 22:00:32 +0000 Mon, 27 Jul 2026 22:00:32 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260726210127.html https://agora-web.jp/archives/260726113212.html https://agora-web.jp/archives/260725003054.html
https://agora-web.jp/archives/260727063749.html 熟議できない国を作った「子ども加速主義」を卒業しよう https://agora-web.jp/archives/260727063749.html

皇室典範の改正をはじめ、実にひどい国会だったが、延長中の7/21に行った宇野常寛さんとの対談が、YouTubeに上がっている(動画は最後に)。

「勇ましいことを言うパフォーマンス」政権から「(合理性を度外視して)本当にやる」政権へと状況が「悪化」している件について|宇野常寛
先日、與那覇潤さんと国内政治についての対談動画を収録した。明日には公開になると思うのだが、今日はそこで考えたことをこちらでまとめておきたい。例によって、時事問題を解説するみたいなことにはあまり興味がないので、いま起きていることーー皇室典範の...

“なんでも書いてある本” こと『平成史』は、もともと宇野さんと作った本なので、今回も高市政権下で絶頂をつけた「決めれれば熟議は要らない」的な発想の、ルーツに遡って議論している。

2000年代前半の小泉純一郎とか、10年前後の(政治家時代の)橋下徹といった名前は、言われなくても思い出す人が多いだろう。だけど彼らを台頭させた “時代の本質” を見抜くには、狭義の政治に限らない視点が必要になる。

平成育ちによるはじめての決定版平成史『平成史―昨日の世界のすべて』與那覇潤 | 単行本 - 文藝春秋
平成育ちによるはじめての決定版平成史 『知性は死なない』『中国化する日本』で知られる歴史学者による、小泉純一郎から安室奈美恵まで網羅した30年間の見取り図。『平成史―昨日の世界のすべて』與那覇潤

派閥を率いるというのは、構成員と長期にわたって親分・子分の関係を持つこと、いわば擬制的な「父」となることです。その修練を積まずに「子どものまま、なにかの弾みで総理総裁になるや、人柄にメディアの注目が集まってブレイクする。

平成には橋本龍太郎・小泉純一郎・安倍晋三という3人の時代を画した宰相が、このパターンを踏んでいます(このほかに海部俊樹・福田康夫の2人も、派閥の領袖ではないまま首相になりました)。

42-3頁(強調を追加)

もちろん「俺たちのSANAE」もこのパターンで、領袖でないどころか無派閥で総理になってるのだが、最初はいちばん熱狂した若年層の心が冷めるのに先導されて、さすがに今回の国会を通じて支持率が落ちてきた

ぼくからすると、いやいや、元からそういう人だって「見ればわかったじゃん?」と言いたくもなるが、子ども加速主義とでも呼ぶのか、有権者の “内なる幼児性” を吸い上げて発散しないと、選挙で勝てない構造がある。

現役世代はなぜ「高市依存症」なのか|與那覇潤の論説Bistro
高市早苗政権の "高すぎる" 支持率だが、イラン戦争の頃からようやく下がる兆しが見えてきた。「高市離れ」を先導しているのは若年層で、もともと高齢層には「高市嫌い」もわりと多いから、最近はこんな感じらしい。 高市内閣支持率、若年層が初の50%...

5月から連載を持っている新潮QUEに、頼まれて先週寄稿したとおり、それはアメリカでトランプ現象を起こした潮流とも、まったく同じだ。

子どもと大人の違いは、自分にとって「ネガティヴなもの」を、どれだけ受け入れられるかでわかる。ところがだいぶ前から、ピーマンはぜんぶ残して捨てる子どもみたいな政治家の方が、ウケちゃう世相が現にあるわけだ。

なぜ「子どもっぽい」政治家ほど支持されるのか――AIと発達障害への「煽り」が生んだケアなき社会 | 新潮QUE(キュー)|新潮社
高市早苗首相が「トランプ大統領に似てきた」と、指摘する報道が増えている。どちらも野党と同席する議会や、批判的なメディアも来る記者会見が嫌いで、消極的。だが一方的に言い放題できるSNSでは饒舌になり、ヨイショする大量のアカウントに囲まれて、堰...

「自分に代わって」トランプという暴君に、気に入らない相手を全否定する姿を演じてほしい。立場が弱く、ふだんノーとは言えない自分も、それなら溜飲が下がり周囲を殴ってやった気になる。

そうしたニヒリスティックな自己投影が、高市首相を推す日本人にも働いているのを見てとるのは難しくない。なぜ国会の集中審議には出たがらず、ジュエリードレッサーの授賞式には飛んでいく政治家に、呆れや怒りでなく好感を持つのか。「自分もそうしたいのに、できない」欲求不満を、彼女が代わりに晴らしているからだ。

2026.7.23

この「ボクにとって要らないものは、要らない!」という発想を、2008年のデビュー作で宇野さんは決断主義と呼んでいる。そんな気分はまさしく、今回露わになった “議論しない国会” の、原点にあたる時代に広まった。

ゼロ年代の想像力
かつて社会は「大きな物語」に支えられていた。その効力が失われた今、私たちはどう生きていくべきなのか。ゼロ年代に生まれた想像力は新たな物語を提示しえたのか――。文学、アニメ、ゲームからテレビドラマまでを…

アメリカ同時多発テロ、あるいは同年〔2001年〕よりはじまった小泉純一郎元首相によるネオリベラリズム的な「構造改革」は、……「相手を傷つけることになっても対象にコミットする」といった「決断主義」の潮流を大きく後押しした。
(中 略)
現在は誰もが自分が信じたいものを信じて噴き上がり、互いの足を引っ張り合う戦国時代のようなものだ。それはマクロには原理主義によるテロリズムの連鎖であり、ミクロには「ケータイ小説」に涙する女子高生と「美少女(ポルノ)ゲーム」に耽溺するオタク少年が互いに軽蔑しあう学校教室の空間である。

ハヤカワ文庫版、110頁

文中に1か所、ネオリベラリズムの語が出てくるが、いま思うと多くの識者にとって、これが罠だった。他人を全否定するお子さまばかりが増え、社会が殺伐とするのは、不況と緊縮財政のせいだとみんな錯覚したのだ。

問題は “子どもっぽさ” を煽る文化それ自体であって、景気や経済政策とは関係がない。だからネオリベと真逆の「積極財政」を掲げ、人手不足で職に困らない高市政権下でも、事態はまるで好転せず、前よりもひどくなった。

そのことは、新潮QUEへのもう1本の寄稿で

「骨太の方針」はなぜ薄っぺらになったか――高市政権を蝕む主犯は「カスティーリャ主義」だった | 新潮QUE(キュー)|新潮社
ふだん使っている銀行から「損をする預け方になっている」との旨で、電話がかかってきてしまった。金利が上昇したせいで、(昔の金利で)定期預金を続けるよりも普通預金の方がいまや、利息が多くもらえるらしいが、その定期を組んだのはわずか2年前である。...

思い出してほしい。2010年代に入ってこの方、世に流行る論調はみな、パワーやリソースの「無限大ぶり」を誇るものばかりだった。
(中 略)
円安を止めて物価高を抑えるには「金利を上げるしかありません」と言われても、政権の目には〔国債を発行しにくくすることで〕、われわれから「財源の無限性を取り上げる気か!」としか映らない。

しかしそれは、幼児的な全能感を失うのがイヤだから、いつまでも子どもでいたいというのと変わらない。

2026.7.22

として、指摘したところでもある。

こうも煮詰まった状況を、どう変えるのか。

宇野さんの見立てでは、子どもっぽい権力者を担いで自らの幼児性を発散する “推し活政治” を止める方法は、「それだと死ぬ」級の危機や脅威が押し寄せるほかに、もうないのではないかという。要はショック療法である。

「政治の季節」から「戦争の季節」へ(「推し」から「恐怖」へ)|宇野常寛
昨日は宇野書店に石破茂さん、山尾志桜里さんをお呼びして「憲法と安全保障」というテーマで話した。数日でPLANETSチャンネルに動画が公開されるので、議論の内容はそちらを確認してほしいのだけど、今日はそこで考えたことをまとめておきたい。 【会...

本人も(それこそ決断主義になりかねない)危険な発想とわかってはいるのだが、ぼくの見立てはむしろ逆だ。コロナ禍やウクライナ戦争が示したのは、恐怖に晒されるほど、視聴者が “推し専門家” を盲信する構造だった。

秋に出す新刊『なぜ「まちがえた」と言えないのか』では、それをたとえば思春期のリストカットのような依存症の症状であり、すなわち “成熟の不在” として読み解いている。その枠組みは、これまでもチラ見せしてきた。

ウクライナ浪漫派の耐えられない猥褻さ|與那覇潤の論説Bistro
今年に入って2回、お会いした相手から「江藤淳のこの文章、いまこそ大事ですよね」と切り出されて、驚いたことがある。ひとりは『朝日新聞』で対談した成田龍一先生で、もうひとりはいまアメリカで取材されている同紙の青山直篤記者だ。 文章とは、江藤の時...

有料部分になってしまい恐縮なのだが、しかし対談では今後の方途として、①この社会は病んでいると自覚した上で、②よそからモデルを持ち込むのではなく現場の症状から考える、”臨床” が必要だという点で一致している。

宇野さんの別の著書(2020年)になぞらえるなら、必要なのは子ども加速主義とは180度逆に、熟議ができるペースまで情緒をスローダウンさせる「大人減速主義」なのだ。ぜひ、多くの人が気づくきっかけになりますように。

参考記事:

ホンモノの臨床人文主義 vs ニセモノの令和人文主義|與那覇潤の論説Bistro
ある人が「臨床人文主義」というジャンルを提唱するのを聞いて、なるほどなぁと思った。狭い意味の医学書ではなく、(主にメンタルの)ケアや治療から見える知見を鍵に、人間社会の本質を探究する著述を指すものだ。 そんな提案が出るのも、自然科学が暴走し...
「死ぬための思想」から「生きるための思想」へ|宇野常寛
さて、今日は先日の対談で與那覇潤さんと話したことをもう少し掘り下げて考えたい。 高市早苗が日本をあと2年で終わらせる? 皇室典範改正は戦後史のターニングポイントか 與那覇潤×宇野常寛 この対談の後半で、與那覇さんが上野千鶴子さんを援用しなが...

(ヘッダーは、話題の授賞式のPR TIMESより)


編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2026年7月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください

]]>
Mon, 27 Jul 2026 21:50:48 +0000 Mon, 27 Jul 2026 21:50:48 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260726210127.html 株主提案「便器は和式」「新聞紙で拭け」を除外できるか https://agora-web.jp/archives/260726210127.html 米国で、個人株主がどう呼ばれているかご存知か。

「門前のハエ(gadflies at the gate)」

である。企業にとってうるさい(蠅い)存在だから。彼らの株主提案が、主に政治的主張だからだ。例えば、温室効果ガスである。排出状況開示を求める左派。その開示にかかるコストや経営影響の開示を求める右派。会社側からすればどちらも同じ。邪魔なのだ。

米国では、「32万円」の株式を保有していれば株主提案ができる。ドイツの「9300万円」の株式保有、イギリスの議決権総数の「5%以上」保有といった要件に比べ、ハードルが低い※1)。安価な株主提案権により、米国の株主提案のおよそ3分の1は、個人株主が占める。25年には、一人で259件の提案をした個人株主もいるという。

企業側は、これらの提案内容をチェックし、反論意見書を作成しなければならない。弁護士を雇うこともある。要するコストは莫大だ。米国商工会議所によれば、提案1件当たり1400万円(8万7000ドル)の費用が発生するという。

バーゲン状態の日本

では、日本はどうか。米国ほどではないものの、ドイツ・イギリスよりハードルは低く、「議決権総数の1%」または「300個以上の議決権」が要件となっている。さらに、東証の要請により株式分割が頻繁に行われているため、議決権の「低価格化」が進んでいる。2分割だったら5割引き。5分割だったら8割引き。いまや日本の株主提案権はバーゲンセール状態だ。

結果、日本でも個人株主が提案するようになってきた。だが内容は、米国よりもタチが悪い。26年4月の「いよぎんホールディングス」の株主総会では、以下の提案がなされている。

「社名を(株)いよぎん株主阿鼻叫喚ホールディングスとする」

ケチ根性丸出し、徹底する低配当だからだという。過去には、

「オフィス内の便器はすべて和式とし、足腰を鍛練し、株価四桁を目指して日々踏ん張る旨を定款に明記する(2012年 野村ホールディングス)」

というのもあった。今がふんばりどきであり、和式便器に毎日またがり下半身の粘りを強化すれば、かならず破綻は回避できるから、だという。

「トイレットペーパーの代用品として古い新聞紙を使用する(2020年 三井金属工業)」

というのもあった。硬い紙で肛門からの出血を伴っても、気合さえあれば乗り切れることの模範とならなければならない、という。

いよぎんホールディングスに提案したのは議決権302個、三井金属工業へ提案したのは議決権301個と、いずれも株主提案要件ギリギリの株主だった。

このような提案がされるのは、日本では広い範囲の株主提案が認められているからだ。イギリスでは、「いやがらせ目的である場合」「法的根拠のないことがあきらかであるとき」は株主提案できない※2)。米国も、

  • 取締役選任についての提案
  • 特定の配当についての提案
  • 会社の事業に重要な関係性のない提案

などは株主提案できない。しかも、多くの場合、可決されても法的拘束力を持たない。企業側は従う必要がないのだ。一方、日本は「法令・定款に違反する場合」以外は拒絶できず、可決されたら従わなくてはならない。

提案範囲が広い+法的拘束力がある+価格が安い=コスパが良い

これが、日本の「株主提案権」だ。政府も傍観していたわけではない。7月17日、自民党の「成長志向型コーポレートガバナンスプロジェクトチーム」は、会社法改正の提言案をまとめた。株主提案要件の「300個以上の議決権」を廃止し、「総株主の議決権の1%以上」だけにする。いわば、株主提案権の値上げである。

通常、「300個以上」より「1%以上」の方がはるかに高い。例えば、時価総額13兆7千億円のNTT株式会社で「300個以上」を満たすには、460万円でこと足りる。一方、「1%以上」を満たすには、1370億円が必要だ※3)。今回の提言が通れば、資金力に乏しい個人株主は株主提案ができなくなる。

「300個以上」の趣旨

だが、「個人株主に株主提案をさせる」。これが「300個以上」要件の趣旨だったはずだ。株主が多い大会社の場合、議決権の「1%」という相対的基準だけでは、個人株主は提案できない。提案しやすくするために「300個」という絶対的基準を設けたのだ。矛盾を抱える今回のプロジェクトチーム案は、

「金は出せさるが、口は出させない」

といった状況をも生み出しかねない。さらなる熟議が求められる。

ソクラテスのハエ

冒頭の「ハエ(gadflies)」には、「権力者や社会に対し異議を唱える存在」と言う意味もある。かつて、ソクラテスは、人々につきまとい、耳の痛い話をし、目を覚まさせる存在として、自身を「馬を刺して刺激するハエ(ウシバエ)」になぞらえた。

ハエを排除しようとして、ソクラテスを排除してしまう。そんな事態にならないことを願うばかりだ。

【脚注】
※1)
アメリカ: 市場価格で2000ドル以上の議決権付株式3年以上の継続保有、市場価格で1万5000ドル以上の議決権付株式2年以上の継続保有、市場価格で2万5000ドル以上の議決権付株式1年以上の継続保有
(1ドル160円換算)

ドイツ:株式資本の5%以上を保有する又は持分価格が50万ユーロに達する株主で 権利行使日の3か月前から継続して保有していること。
(1ユーロ186円換算)

イギリス:議決権総数の5%以上を有する株主、又は1人あたりの平均払込済金額が100ポンド以上の議決権付株式を有する100名以上の株主。日本の株主提案権に相当する権利として、説明書送付請求権(2006年会社法314条1項)・公開会社における議案等通知請求権(338条1項、338A条1項)が 存在する。

※2)
プライム上場企業平均株価を2400円とする(×300個=7200万円)

※3)
26年7月24日執筆時点

【参考】
会社法改正等に関する意見書 公益社団法人 関西経済連合会
株主提案権制度の改正提言相次ぐ (大和総研)
Individual shareholder proposals?why do they do it?

]]>
Mon, 27 Jul 2026 21:45:27 +0000 Mon, 27 Jul 2026 21:45:27 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260726235232.html https://agora-web.jp/archives/260727052545.html https://agora-web.jp/archives/260726113212.html
https://agora-web.jp/archives/260726112736.html ミュンヘンで知った、「美味しい」の正体 https://agora-web.jp/archives/260726112736.html 出口里佐です。

旅に出ると、その土地で評判のレストランを訪れるのも楽しみの一つです。しかし、私が求めているのは「美味しい店を制覇すること」ではありません。

その店で食事をすることで、自分自身の味覚を知ること。

トラムの停車駅を降りてすぐ、Les Deuxの建物が見えてきます。
17時半の予約なので、この時はまだお客さんは数組でした。

今回、ミュンヘンで再訪したフレンチレストラン&ブラッセリー「Les Deux」で、そのことを改めて実感しました。

昨年訪れたときにも好印象だったこの店を、今回も予約しました。その日の午後になって「バイエルン国立歌劇場のノルマの当日券を取って、オペラに行こうか、それともこのままゆっくり食事を楽しもうか」と少し迷いましたが、結局、レストランで過ごす時間を選びました。

その選択は、正解でした。

今回もレストランではなく、少しリーズナブルなブラッセリーに予約。テラス席に案内されました。飲み物はノンアルコールカクテルのブラックカラントのを勧められたので、それをお願いしました。

ブラックベリー、パイナップル、ブラックカラントのノンアルコールカクテル。
酸味と甘みのバランスがあり、料理に合いました。自家製フォカッチャとドライトマトのピュレ付き。

最初にいただいたのは、マグロのタルタルです。

マグロのタルタル。ほんのりとお醤油と生姜、ちょこんとアイオリソース。ジャガイモの超薄切りをミルフィーユ風に重ねて、揚げているよう。
冷たいマグロと、揚げたて熱々ほくほくフリット。

ほんの少し醤油を思わせる旨味が添えられ、クラシックなフランス料理に、さりげなくアジアの要素が溶け込んでいます。

そういえば昨年いただいた前菜にも、タイハーブを思わせる香りがありました。

その瞬間、私は「だからこの店が好きなのだ」と気付きました。

フランス料理の技法を大切にしながら、アジアのエッセンスを自然に取り入れることで、料理全体が軽やかに感じられるのです。2週間の旅も終わりに近づくと、特に軽いものを食べたくなります。

一方で、メインに選んだリードボーは、少し違う印象でした。

リードボー(仔牛の胸腺肉)のソテー、そら豆、塩漬けレモン、トマト、アンチョビ。

そら豆、塩レモン、トマト、アンチョビ。

どれも魅力的な素材ですが、それぞれの個性が前に出ていて、私はリードボーそのものに集中することができませんでした。

もちろん、この複雑さを「楽しい」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし私は、パリのビストロ「レザンファンルージュ」で、年に数回いただくリードボーが大好きです(「レザンファンルージュ」を紹介した2024年12月の記事)。

ぶらり欧州の旅:パリ編① バレエとミシュラングルメ三昧のパリ
出口里佐です。10月の旅の記録なのに、気がつくともう12月も終わり。ドイツ、バーデンバーデンに続いて、パリ編です。(前回:ぶらり欧州の旅:バーデンバーデン編 ドイツの美しい公園のような温泉の街)パリは、4泊。パリ・オペラ座で、フォーサイスの...

塩、胡椒、そしてバターで丁寧にアロゼするだけ。余計な演出はありません。だからこそ、リードボーそのものの香り、甘み、食感を存分に味わうことができます。その一皿が、いつの間にか私の中で「リードボーとはこういう料理」という基準になっていたのです。

今回のLes Deuxの一皿は、その基準があったからこそ、「私はもっとシンプルな仕立てが好きなのだ」と教えてくれました。つまり、Les Deuxの料理が悪かったのではありません。他の店で同じ食材を味わうことで、自分自身の好みが見えてきたのです。

デザートの「Exotik im Glas」は、また違った魅力がありました。

Exotic Im Glas(グラスの中のエグゾティック)と名付けられたデザート。
ココナツクリーム、バジルソルベ、ピーナッツのディスク。底のほうには、パイナップルキューブ。
パイナップルとココナッツでピナコラーダの組み合わせ。南国を思わせる、まさにエキゾチックです。

ココナッツ、バジル、ピーナッツを組み合わせた一皿は、南国を思わせる軽やかな余韻が印象的です。

食後にはカモミールティーをお願いしました。

昼間は暑かったミュンヘンも、夕暮れになると空気がひんやりと変わり、持ってきた薄いジャケットがちょうど良い季節になっていました。温かなハーブティーを飲みながら、その心地よい寒暖差まで味わうことができました。

Les Deux、19時45分。テラス席は、ほぼ満席です。
ミシュラン一つ星ということもあり、海外からのお客さんも多い気がしました。

店を出ると、隣には可愛らしい子ども服と家具のお店がありました。

Les Deuxのお隣の子供服と家具のお店のショーウインドー。
ロバの頭の肘掛けの可愛らしい椅子に目が釘付け。目が合いました!

思わずショーウィンドウを眺め、「もし子どもがいたら、こんな服を着せてみたい」とちょっと想像しました。オペラを観なかったからこそ、こうした予定にない小さなほっこりした楽しい出会いもありました。街の空気、人とのやり取り、偶然見つけたショーウィンドウ。それらが一日を豊かなものにしてくれました。

今回のミュンヘンで、私は一つのことに気づきました。食べ歩きとは、お店を比較することではなく、他のお店で食べてみるからこそ、自分はなぜこれを美味しいと思うかがわかることもあります。旅先で出会う料理は、自分の味覚を映す鏡なのかもしれません。

Les Deuxから徒歩5分ほどのマリエン広場、20時20分頃。
12月にはここがクリスマスマーケットの会場でした。

]]>
Sat, 14 May 2016 08:38:59 +0000 Sat, 14 May 2016 08:38:59 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html
https://agora-web.jp/archives/260727193139.html 遺族の刑事告訴で同志社国際が家宅捜索:それでも動かなかった学校側 辺野古事故 https://agora-web.jp/archives/260727193139.html 沖縄県名護市の辺野古沖で同志社国際高校の生徒らが乗った船2隻が転覆し、高校2年の武石知華さんと船長の2人が死亡した事故が、新たな段階に入った。

第11管区海上保安本部は、業務上過失致死傷などの容疑で同志社国際高校を家宅捜索した。武石さんの遺族は、同校の校長や当時の学年主任、引率教員ら学校関係者4人と、船を運航した「ヘリ基地反対協議会」の共同代表や船長ら7人の計11人を刑事告訴している。(産経新聞

3月17日 会見する同志社国際高校の西田喜久夫校長

船長だけの責任では終わらなくなった

海難事故では、まず船を操縦した船長や運航団体の判断が問題になる。実際、第11管区海上保安本部は事故直後、ヘリ基地反対協議会の事務所などを家宅捜索していた。運航団体には明文化された出航基準がなく、事故当日は現場周辺に波浪注意報が出ていたことも判明している。

しかし今回、学校そのものにも家宅捜索が入った意味は重い。

学校は単なる乗客の集まりではない。未成年の生徒を研修旅行に参加させ、行程を企画し、訪問先を選定した主体である。船の運航を外部団体に任せていたとしても、それだけで生徒の安全を確保する責任まで外部に委ねられるわけではない。

捜査の焦点は、学校側にどのような業務上の注意義務があり、それを怠ったことと死亡事故との間に刑法上の因果関係が認められるかに移っている。

「信頼」が安全確認の代わりになっていた

京都府が文部科学省と連携して実施した調査では、学校側の安全管理に深刻な問題があったことが明らかになっている。

学校は2023年に辺野古沖でのボート乗船を始めてから、事故が起きた2026年まで一度も事前の乗船下見を行っていなかった。学校側は、船長を務める牧師への信頼が「安全であるという過信へと行き過ぎた」と説明している。

事故当日は、2隻の船に対して引率教員はもともと1人しか配置されていなかった。その教員も体調不良と乗り物酔いを理由に乗船を見送り、結果として船には生徒だけが乗る状態となった。代理の教員を乗せるといったバックアップ体制も用意されていなかった。

さらに、学校は生徒や保護者に、どのような船に乗るのかを事前に説明していなかった。船の運航を旅行会社に手配させず、運航側との契約書も締結していなかったという。

これは単独の判断ミスというより、安全管理の仕組みそのものが存在していなかったという問題ではないか。

波浪注意報も確認せず、生徒が海保に通報

京都府の調査によると、学校側は事故当日の波浪注意報を確認しておらず、悪天候の場合の中止基準や代替プログラムも決めていなかった。

危機管理マニュアルには、校外活動における事前の安全確認や事故防止策に関する記載がなかった。乗船に伴うリスクの分析もなく、ライフジャケットの着用方法などについて具体的な事前指導も行われていなかった。事故発生時には、引率教員ではなく、生徒自身が連絡先を調べて海上保安部に通報していた。

京都府が学校の安全確保について「著しく適切さを欠いた」と評価したのは当然である。

政治的立場と安全責任を混同してはならない

この事故は、辺野古基地問題や反対運動をめぐる政治的な対立と結び付けて論じられやすい。

しかし刑事捜査で問われるべきなのは、基地移設への賛否ではない。なぜ波浪注意報下で船を出したのか。なぜ学校は船の安全性を確認しなかったのか。なぜ引率教員が乗船しないまま生徒だけを送り出したのか。誰が中止を判断できる立場にあり、誰がその判断を怠ったのかという具体的な事実である。

遺族が学校側と運航団体側の双方を告訴したのも、事故を船長個人の判断だけに帰着させず、計画から出航、引率、救助に至る責任の連鎖を解明してほしいという意思の表れだろう。

もちろん、告訴や家宅捜索は有罪認定ではない。関係者それぞれの刑事責任は、押収資料や供述、気象・航行状況などの証拠に基づいて慎重に判断されなければならない。世論が捜査に先回りして個人の犯罪を断定することも避けるべきである。

「平和学習」の前に守るべきもの

学校教育には、生徒を教室の外へ連れ出し、社会の現実に触れさせる役割がある。沖縄の歴史や基地問題について学ぶこと自体が否定されるべきではない。

だが、どれほど崇高な理念を掲げても、生徒の生命より優先される教育目的はない。

信頼関係は契約書の代わりにはならず、善意は安全確認の代わりにはならない。「例年やっている」「信頼できる人だから大丈夫」という発想こそ、重大事故を招く組織に共通する落とし穴である。

海保の捜査によって、学校と運航団体の間で誰が何を確認し、誰が何を確認しなかったのかを徹底的に明らかにする必要がある。17歳の命が失われた事故を「不幸な偶然」で終わらせてはならない。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 21:35:39 +0000 Mon, 27 Jul 2026 21:35:39 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260727063007.html 締め切り前、俺の脳は完全に沈黙した https://agora-web.jp/archives/260727063007.html

フリーズした。いや、比喩じゃなく。

締め切りまであと3時間。画面の中では書きかけの原稿が、カーソルだけを点滅させている。チカ、チカ、チカ。おい、点滅してる場合か。こっちは1文字も出てこないんだぞ。

やることは見えている。見えているのに、指が動かない。頭の中では誰かがずっと喋っている。「早くしろ」「他の奴らはもっと書けてる」「この前も遅れただろ」――うるさい。誰だお前は。

パを高める1分ヨガ 〜疲れた脳を再起動(リブート)!〜」(小林眞咲惠 著)みらいパブリッシング

で、ここからが本題なんだが(前置きが長い、わかってる)、この「思考のフリーズ」、実は頭の問題じゃないらしい。

嘘だと思うだろ? 俺も思った。

でも観察してみると、フリーズした瞬間の俺の身体、ひどいことになっている。呼吸は浅い。奥歯は噛みしめている。首はガチガチ。目の奥まで強張っている。つまり脳が止まる前に、身体がとっくに固まってるわけだ。順番が逆だったのだ。

だったら、ほどく順番も逆でいい。頭じゃなく、身体から。

指先で三角形をつくる。それだけ。マジでそれだけ。

やり方を説明する。1分で終わる。ラーメンのタイマーより短い。

まず深く息を吐く。足の裏で床を感じる。次に、胸の前で両手の指先を合わせて三角形をつくる。親指が底辺。ピラミッドみたいな形だ(オバマ元大統領がスピーチのときによくやってた、アレだ)。力は入れない。押し合わない。指先同士がそっと「着地」している感覚だけに集中する。

……で? と思っただろう。

俺も最初そう思った。指くっつけて何になるんだと。ところがだ。指先というのは、身体の中でも異常に感覚が鋭い場所で、ほんのわずかな刺激でもはっきり感じ取れる。そこに触れた瞬間、散らばっていた意識に「基準点」が生まれる。あっちこっちに飛んでいた注意が、スッと一点に集まってくる。

言葉にすると胡散臭いのは認める。でも、やると分かる。というか、やらないと分からない。ずるい仕組みだ。

考えてみれば、フリーズしてるときの俺は「今」にいない。過去の失敗を反芻してるか、未来の締め切りに怯えてるか、その二択。目の前の原稿だけが、ぽつんと置き去りだ。

身体ってやつは、過去にも未来にも行けない。今ここにしか存在できない。だから身体に触れることが、「今」への最短の帰り道になる――と、まあ理屈はそういうことらしい。

らしい、と書いたのは、正直メカニズムの細部はどうでもいいからだ。効けばいい。

整えようとしなくていい。集中し直そうと気合いを入れなくていい。むしろ気合いが一番ダメだ。あれは焦りに燃料を足す行為だから。ただ指先を合わせて、呼吸を三角形のリズムに乗せる。それだけで、切れた集中はもう一度つながる。

ちなみに冒頭の原稿がどうなったかというと、締め切りの7分前に送った。ギリギリじゃないかって? うるさい。間に合えば勝ちなんだよ、この世界は。

フリーズしたら、考えるな。指を合わせろ。入口はいつも、あなたの手の中にある。

※ここでは、本編のエピソードをラノベ調コラムに編集し直しています。

尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)

日本初のClaude実用書です。発売即重版しました。

3時間で身につくClaude活用術』(WAVE出版

]]>
Mon, 27 Jul 2026 21:35:07 +0000 Mon, 27 Jul 2026 21:35:07 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727063749.html https://agora-web.jp/archives/260727072651.html https://agora-web.jp/archives/260726042910.html https://agora-web.jp/archives/260725071039.html https://agora-web.jp/archives/260724063844.html
https://agora-web.jp/archives/260727055404.html なぜ前田悠伍は負けないのか?ホークスの未来を担う20歳左腕 https://agora-web.jp/archives/260727055404.html

熱気渦巻くベルーナドームにて

昨日、2026年7月26日。私は夏のうだるような暑さを抜け、埼玉県所沢市にあるベルーナドームへと足を運んだ。

目当ては、前半戦の総決算となる西武ライオンズ対福岡ソフトバンクホークスの一戦。半野外とも言えるドーム特有の熱気と、両チームのファンの歓声が交差する中、ホークスの先発マウンドに上がったのは我らが若き希望、前田悠伍。

そして立ちはだかる相手は、西武のエースにして今季のホークスにとって“完全なる天敵”、高橋光成だった。

立ちはだかる「天敵」と、20歳の強心臓

試合前までの今シーズン、ソフトバンク打線は高橋光成を大の苦手としており、なんと4戦4敗と手も足も出ない状態が続いていた。そんな分が悪いデータを背負ってマウンドに託されたのが、まだ高卒3年目、来週には21歳の誕生日を控える20歳の若き左腕・前田悠伍である。

普通ならプレッシャーに押しつぶされてもおかしくないマウンドだ。初回こそ三者凡退に抑えたものの、その後は毎回のように走者を背負う苦しい展開が続いた。しかし、この若きサウスポーの表情には焦りの色は一切ない。顔色一つ変えずに淡々とアウトを積み重ね、スコアボードに「0」を刻んでいく。

その粘りに打線が応えたのは5回表。ホークスはついに天敵・高橋光成を捉え、集中打と周東佑京のタイムリー三塁打などで一挙3点を先制した。前田はこのリードを落ち着いて守り抜き、終わってみれば6回無失点の堂々たるピッチング。見事に「天敵」に投げ勝ち、チームに前半戦ラストの白星をもたらした。

59年ぶりの偉業達成。なぜ彼は「負けない」のか?

この日の勝利により、前田悠伍は今シーズン無傷の開幕8連勝を飾った。高卒3年目以内の投手による開幕8連勝は、なんとあの堀内恒夫氏以来、実に59年ぶりとなる歴史的快挙だ。

では、なぜ前田悠伍はここまで「負けない」のだろうか。ベルーナドームのスタンドから彼のピッチングを食い入るように見つめながら、私は2つの理由に行き着いた。

・「楽しもう」と言ってのける圧倒的なメンタル
試合後、前田は西武のエース格との投げ合いについて「楽しもうと臨んだ」と語ったという。大阪桐蔭高校時代、甲子園という大舞台で数々の修羅場をくぐり抜けてきた経験が、彼の精神を鋼のように鍛え上げているのだろう。ピンチになればなるほどギアが上がり、相手の呼吸を読んで打ち取っていく姿は、もはやベテランの風格すら漂わせていた。

・「点をやらなければいい」というマウンドでの割り切り
彼は単純に球が速いだけの投手ではない。ストライクゾーンを広く深く使い、打者のタイミングを外す「ピッチングアート」を持っている。毎回走者を出しながらも、要所を締めてホームは絶対に踏ませない。このマウンド上でのクレバーな割り切りこそが、彼に白星をもたらし続けている最大の要因だ。

伝説はまだ始まったばかり

試合終了のサイレンが鳴り響き、スコアボードに輝く「3-0」の文字を見上げながら、私は確信した。前田悠伍が負けない理由は、単なる運や味方の援護だけではない。彼自身が持つ「ゲームを支配する力」そのものなのだ、と。小久保監督も「今日もゲームを支配していた」と絶賛のコメントを残している。

いよいよ勝負の後半戦。この20歳の左腕がどこまで連勝記録を伸ばすのか。私たち野球ファンは、新たな伝説の目撃者になる準備をしておいたほうがよさそうだ。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 21:30:03 +0000 Mon, 27 Jul 2026 21:30:03 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727235816.html https://agora-web.jp/archives/260725084037.html https://agora-web.jp/archives/260724061036.html https://agora-web.jp/archives/260721072116.html https://agora-web.jp/archives/260721011122.html
https://agora-web.jp/archives/260727053532.html ペッペ エチエンヌ・マルセル店(パリ1区) https://agora-web.jp/archives/260727053532.html ジュゼッペ・キュトラーロは、パリで1番腕利きと言われているピッツア職人。いろんなピッツアコンクールで優勝してる中、去年11月は、ナポリで開かれた”DOCピッツア世界チャンピオン”大会で、”クラシックナポリピッツア”一位と”グルメピッツア”一位に輝き、DOCピッツア世界チャンピオンのタイトルも同時に獲得。さすが〜!

こちらが、ペッペことジュゼッペ・キュトラロ
3つのトロフィー獲得、すごいね
サイトから借用

ということで、エティエンヌ・マルセルのお店に優勝作品食べに行く。

2020年に20区に一号店ができてから、気づけばパリ&地方含めて8軒もオープンしてる!すごいね。

19時オープン、ちょうどに行くとすでに長い列。雨模様のお天気なのに、大人気。その理由がわかるディナー。

ベッリーニで乾杯後、旨みと甘みの塊みたいなとろっとろのナス&トマト&パルミジャーノグラタンと、じゃがいもコロッケ。このコロッケ、中に燻製フィオール・ディ・ラッテが入ってて、味にも食感にもコクが出てる。添えてある赤ピーマンのソースが美味しすぎて、前菜終わっても、これはキープ。あとでピッツア生地につけて食べよう。このソース、売って欲しい。

そして今日の主役のピッツアたち。

昨秋の優勝作品は、トマトのロティ&コンフィに、燻製プロヴォーラ、バジル。食材力ばしっと決まった王道のおいしさ。

もう一つ、黄色トマトソース、24ヶ月熟成パルマハム、モッツアレラ、プロヴォローネ、アーモンド、いちじくコンフィ、バジル。これがまた、見事なバランス感覚で、ほんっとおいしい。”どちらか選ぶなら、こっちかしらねー”と友達と頷く。

最後は、グルメピッツア部門で優勝した、おやつピッツア。揚げパンみたいにカリッと焼き上げた生地の上に、ヴァニラが香るリコッタとマスカルポーネ、りんごのキャラメルシナモン、ショコラ、ノワゼット。これだけでもおいしい上、秀逸なのはトッピングされた揚げバジル。この存在感がたまらなく絶妙。

ペッペのピッツアは、生地がほんとおいしい。モッチモチで香ばしくて粉の甘み感じる。もちろん端っこまで全部いただくよ。

イタリアらしい苦味がおいしいエスプレッソをグッと煽り、”おいしいから飲んでみて〜”とサービスしてくれたリモンチェッロも舐めて(ほんとおいしい)、お腹いっぱい!おいしかった!

食べきれなかったピッツアはテイクアウトして翌日焼き直し。十分美味。おうちピッツア宴会、やりたくなっちゃうね♪


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々6」2026年2月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々6」をご覧ください。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 21:25:31 +0000 Mon, 27 Jul 2026 21:25:31 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260727052545.html 投資対象の価値を確信すれば投資で損をしないのだ https://agora-web.jp/archives/260727052545.html 満期10年の国債があり、利息が満期時に複利計算で一括して支払われるとする。これを満期まで保有するとき、国家財政が破綻して償還不能にならない限り、投資時点で収益率は確定していて、損失の可能性はない。当然に、その間、市中金利の変動に応じて、価格は下落し得るが、そうした価格の下落は損失ではない。ただし、何らかの事由で現金化する必要に迫られ、投資対象の国債を売却せざるを得なくなったとき、価格が下落していれば、損失が発生し得る。故に、損失を回避するためには、現金化が強制される事態を回避しなければならないのである。

ismagilov/iStock

現金化が強制される事態とは、典型的には、投資される資金に使途が予定されているのに、使途が具体化するまでの期間と投資の期間とが一致していないときである。例えば、投資対象の価格の一時的な下落は、遠い将来の老後生活のために若い勤労層が行う資産形成においては、損失にならないが、高齢者が年金の補完として定期的に取り崩している途上の資金においては、損失になり得る。

また、価格の下落が心理的動揺を惹起し、理性の冷静な判断能力を失わせて、狼狽のもとで現金化に至ることは、心理的強制と呼び得る事態であって、損失の原因の代表例になっている。更に、金融機関などでは、リスク管理手法として、価格が決められた範囲を超えて下落したときに現金化することを内部規則にしている事例が多く、この場合は、組織的強制が損失を確定させているのである。

故に、損失を回避するためには、資金使途との関係において、投資期間が適切に定められていなければならないほか、心理的動揺を克服することや、投資目的に適合した組織統制の設計など、様々な工夫が必要なのであって、そうした工夫を凝らすことが真のリスク管理なのである。

では、例えば、心理的動揺は、どうすれば克服できるか。その方法は、投資対象の価値について確信をもつこと以外にない。つまり、価格が下落したときに、改めて価値の評価を行い、価値の毀損に起因した下落ではないと確信できれば、安心して保有を継続できるわけだし、価値よりも低い価格を絶好の投資機会にすることができるのである。

投資において、投資対象の価値の分析が重要な意味をもつのは、第一に、価値のある投資対象を選択している限り、投資対象に内包された利益が自然に生成してくるからであり、第二に、価値に対する確信を形成することで、価格変動が発する雑音を無視して、一貫した投資方針を堅持できるからである。

森本 紀行
HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
HC公式ウェブサイト:fromHC
X(旧Twitter):nmorimoto_HC
Facebook:森本紀行

]]>
Mon, 27 Jul 2026 21:20:44 +0000 Mon, 27 Jul 2026 21:20:44 +0000 https://agora-web.jp/archives/260726210127.html https://agora-web.jp/archives/260726114254.html https://agora-web.jp/archives/260726002706.html https://agora-web.jp/archives/260725235705.html https://agora-web.jp/archives/260724232752.html
https://agora-web.jp/archives/260727082225.html 【中国・ロシア艦隊が沖ノ鳥島EEZへ】狙いは資源だけではない? https://agora-web.jp/archives/260727082225.html 中国とロシアの艦隊が、沖ノ鳥島周辺の日本のEEZで実弾演習を行った。中国は沖ノ鳥島を「島ではなく岩だ」と主張するが、狙いは海底資源だけではない。

地図を広げれば、この小さな島が台湾有事と米軍の支援ルートを左右する戦略拠点であることが見えてくる。中国はなぜ、いまこの海域に軍艦を送り込んだのか。その意図を読み解く。

米国ハドソン研究所の長尾賢氏が、世界情勢の本質と日本の進むべき道をわかりやすく解説する「長尾賢のワシントン・レポート」。最新の国際政治を知りたい方は、ぜひチャンネル登録をお願いします。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 21:10:24 +0000 Mon, 27 Jul 2026 21:10:24 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727104615.html https://agora-web.jp/archives/260724191247.html https://agora-web.jp/archives/260726113237.html https://agora-web.jp/archives/260726051902.html
https://agora-web.jp/archives/260726113301.html 晴海フラッグの売り物件は「タワー棟ばかり」の理由 https://agora-web.jp/archives/260726113301.html 東京都心のタワーマンションの価格に異変が起きています。これまで右肩上がりで上昇してきた価格がピークアウトして販売価格を引き下げる物件が増えています。不動産調査会社によれば、東京23区の中古マンションの平均希望売り出し価格は2026年6月時点で前月比0.8%安の70平方メートルあたり1億2741万円となり小幅ながら26カ月ぶりに下落しています。

代表的な湾岸タワーマンションである晴海フラッグも例外ではありません。

しかし、売り出されている物件を見ると、あることに気がつきました。

それは売りに出されている物件の大部分が、板状棟ではなくT棟(タワー棟、HARUMI FLAG SKY DUO)に集中しているのです。このような現象が起きている背景には様々な要因が複雑に絡み合っています。

まず板状棟とタワー棟における分譲価格の差です。

先に販売された板状棟は都心マンション価格が本格的に高騰する前の比較的リーズナブルな価格設定で購入できた人が大半です。

取得価格が坪300万円台と現在の実際価格の半分以下なので、慌てて売却を急ぐ必要がありません。

含み益を抱えたまま、じっくり自分で住み続けるか、安定した賃貸収入を得るという選択肢を選べるわけです。

一方でタワー棟は新築分譲時の倍率が数百倍に達したことからもわかるように、短期間でのキャピタルゲインを狙った投資家や不動産業者が大挙して押し寄せました。

板状棟は実際に自分で住むために購入した実需層が一定数含まれていたのに対し、タワー棟は当初から転売目的の物件が大きな割合を占めていました。

しかも板状棟よりも後に分譲販売されたため、坪単価は高くなっています。

最近の金利動向や価格のピークアウトを警戒する心理も相まって「利益が出るうちに一刻も早く売り抜けて残債を整理したい」「含み益がなくなる前に確定させたい」というインセンティブが強く働きます。

その結果、引き渡しや権利移転のタイミングに合わせて、タワー棟の売り出し物件が一斉に市場へ表出することになりました。

板状棟の所有者が静観する中で、タワー棟の転売狙い勢同士が買い手の奪い合いを演じることになっているわけです。

タワー棟の投機物件の投げ売りが一段落すれば、売り物件も減って価格は底打ちすると思います。投機目的の購入が多い豊海や品川にある新築物件も同じような動きになると思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年7月日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 21:00:01 +0000 Mon, 27 Jul 2026 21:00:01 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727104615.html
https://agora-web.jp/archives/260727131247.html 消費減税はやるのかやらないのか:解釈のわかれる玉虫色の記者会見 https://agora-web.jp/archives/260727131247.html 高市早苗首相は7月27日の記者会見で、飲食料品の消費税引き下げについて、次のように述べた。

社会保障国民会議の結論を得たうえで速やかに法案を提出し、国民の皆様に負担軽減の効果をできる限り早く実感していただけるようにしたい

「減税を実施する」とも「食料品税率を1%にする」でもない。「国民会議の結論を得たうえで法案を提出する」という、条件付きの表現だった。この発言をどう読むか。各社で解釈がわかれている。

朝日系は「減税を指示」と読んだ

朝日新聞は、高市首相が30日にも自民党執行部に対し、飲食料品の消費税減税を進めるよう指示するとの見通しを報じた。

つまり会見は消費減税の実施に向けた事実上のゴーサインだった、という解釈である。朝日新聞の解釈には、それなりの根拠がある。

高市首相は、給付付き税額控除が導入されるまでの「つなぎの支援策」として、飲食料品の消費税引き下げを検討していると明言した。さらに、国民会議の結論後には「速やかに法案を提出する」と述べ、「負担軽減の効果をできる限り早く実感していただく」と強調した。

単なる検討継続であれば、法案提出まで約束する必要はない。したがって、首相の腹はすでに減税実施で固まっており、残っているのは税率や実施時期、財源などの制度設計だけだと読むことはできる。

テレビ朝日も、首相周辺が「公約は絶対に守る」と語っており、飲食料品の消費税率を2年間限定で1%に引き下げる見通しだと報じている。(テレ朝NEWS)

共同通信は、首相は週内にも自民党執行部に対し、党内の意見集約を指示する方向だと報じた。(千葉日報)

しかし首相は「減税する」とは言っていない

それでも、会見の言葉だけを読めば、疑問は残る。高市首相は「飲食料品の消費税を引き下げる法案を提出する」とは明言していない。「国民会議の結論を得たうえで法案を提出する」と述べただけだ。

国民会議で検討されているのは、消費減税だけではない。給付付き税額控除を中心とする社会保障と税制の一体改革も含まれているので、「法案」が消費減税法案を意味するとは限らない。給付付き税額控除の導入法案かもしれず、両者を組み合わせた包括法案かもしれない。

さらに首相は、国会で消費減税の是非を問われた際にも、「社会保障国民会議の結論を先取りすることはできない」と答えている。結論を先取りできないと言いながら、数日後には減税を指示する。これでは筋が通らない。

逆にいえば、首相は減税を進める方向をにおわせながら、国民会議の議論がまとまらなかった場合には撤退できるよう逃げ道を残しているのである。

「減税の可否」を集約する不思議

さらに奇妙なのは、自民党内で集約するのが「減税の内容」だけでなく、「減税の可否」だと報じられている点だ。すでに首相が減税を決断したのであれば、議論すべきなのは税率、期間、対象品目、財源などである。「やるか、やらないか」まで党に聞く必要はない。

減税の可否から意見を集約するということは、減税を見送る選択肢も残されていることを意味する。高市首相は、選挙前には食料品の消費税率ゼロを「悲願」とまで表現していた。それが現在では1%案に後退し、さらに実施そのものを党内で協議する段階に戻っている。悲願であるはずの政策を、自分では決めずに党執行部へ投げ返す。

これは指導力というより、責任の分散ではないか。共同通信も、首相には減税慎重派へ配慮し、政府と党で責任を共有する狙いがあると伝えている。(千葉日報)

減税して財政や物価に問題が起きても、党の判断だったと言える。減税を見送って支持率が下がっても、党内に反対が多かったと言える。どちらに転んでも首相だけが責任を負わない仕組みである。

党内をまとめられない政権基盤の弱さ

朝日新聞は「30日にも減税を指示する」と読んだが、会見の文言だけを厳密に追えば、「国民会議の結論が出るまでは何も決めない」とも読める。同じ発言から、これほど異なる解釈が生まれること自体が、今回の会見の問題を示している。

この背景には、高市首相の政権基盤の弱さがある。派閥のまとまった支持がなく、総裁選では麻生派の指示で当選した。今年2月の総選挙では、中道の選挙戦術の失敗で大勝し、その勢いで内閣支持率はまだ高いが、ここに来て急落している。

党内にも「首相がいうなら聞こう」という空気はなく、国民会議でも自民党内さえまとまらない。自民党は首相に「貸し」をつくっておけば、そのうち返してくれるだろうという打算で動くのだが、先の短い高市氏には貸しをつくるメリットがない。

ところが人と会わない高市氏には、そういう党内の空気がわからないので、いまだに「行き過ぎた緊縮志向を断ち切る」という奇妙なフレーズを繰り返す。このまま消費減税を断行すると、外為市場や債券市場がサプライズで反応するのではないか。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 13:49:55 +0000 Mon, 27 Jul 2026 13:49:55 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260727083603.html AI業界に広がるベンダーファイナンス:ドットコムの悲劇は繰り返されるか https://agora-web.jp/archives/260727083603.html 生成AIブームを支えているのは技術革新だけではない。巨額の資金が半導体メーカー、AI企業、クラウド事業者、データセンター開発会社の間を循環する、複雑なベンダーファイナンスが資金調達を支えている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Nvidiaは、OpenAIが利用する予定の米オハイオ州の巨大データセンター計画について、約2500億ドルの信用保証を検討しているという。さらにNvidiaは、データセンターに設置される自社製AI半導体の購入資金として、OpenAIに最大3500億ドル規模の融資を行う案も協議しているとされる。

売り手が買い手に金を貸して売り上げを立てる

NvidiaがOpenAIに資金提供し、OpenAIがその資金でNvidiaの半導体を購入する。Nvidiaの保証でデータセンターの施設をOpenAIが借りる。ベンダーが顧客に金を貸し、その金がベンダーに売り上げとして戻ってくる循環取引である。

今回の計画は、ソフトバンク傘下のSB Energyが米オハイオ州で開発する10ギガワット級のデータセンター事業である。半導体まで含めた総事業費は5000億ドルを超える可能性があり、完成すれば世界最大級のAIインフラとなる。

しかしOpenAIは急成長企業である一方、赤字の非上場企業で投資適格の信用格付けがない。そこで時価総額約5兆ドルのNvidiaが信用保証を提供する。Nvidiaの信用力を「包装紙」として使うことで、データセンター事業者は銀行や投資家から、より有利な条件で資金を調達できる。業界ではこの仕組みをクレジット・ラッパーと呼ぶ。

問題は、その保証を提供するNvidia自身が、施設に設置される半導体の供給者でもあることだ。つまりNvidiaは、顧客に金を貸し、顧客の借金を保証し、その資金で自社製品を買ってもらう。

形式上は売り上げが増えるが、その金は元はといえばNvidiaの貸した金である。建設会社が家を買う人に住宅ローンを貸して住宅を販売するようなものだ。

ドットコムを崩壊させたベンダーファイナンス

循環取引は粉飾決算として違法とされる場合もあるが、ベンダーファイナンスは合法である。1990年代末のドットコムバブルでも、ルーセントやノーテルなどの通信機器ベンダーが通信キャリアに資金を貸し、その資金で自社製品を購入させた。

通信需要が急速に伸びるという前提のもと、設備投資は際限なく拡大した。通信キャリアは借金で光ファイバーやネットワーク機器を購入し、ベンダーはそれを売掛金として計上した。

しかし売り上げが想定に届かなくなると、顧客は借金を返せなくなり、機器メーカーは売掛金や融資債権を回収できなくなった。ベンダーが売掛金だと思っていたものは、実は回収不能な信用供与だったのである。

2001年にドットコムバブルが崩壊すると、通信設備市場も急速に縮小した。過剰投資された光ファイバー網は「ダークファイバー」と呼ばれ、使われないまま残された。現在のAIデータセンター投資にも、似た匂いが漂っている。

電力も半導体も国家が支える

オハイオ州の計画には、民間企業だけでなく、米国政府と日本政府も深く関与している。報道によれば、データセンターの電力は米政府が管理し、日本は日米通商合意の一環として、天然ガス発電事業に330億ドルを投資する。発電所は連邦政府の土地に建設され、許認可や地元住民の反対を回避する狙いもあるという。

つまり、Nvidiaが信用を提供し、OpenAIが施設を借り、ソフトバンクが開発し、日本が発電所に投資し、米政府が電力を割り当てる。民間のAI需要を、企業間取引だけでなく、国家の財政と信用まで動員して支える巨大な構造である。

この計画が成功すれば、AIインフラの整備は大幅に加速する。しかし需要の見通しが外れれば、損失はAI企業や株主だけでは済まない。融資した金融機関、保証した企業、電力設備に投資した政府まで巻き込まれる。「大きすぎて失敗できない」AIプロジェクトが誕生しつつある。

7500億ドルを回収するまでLLMは主流か

OpenAIは2030年までの計算資源への支出見通しを、約7500億ドルに引き上げたとされる。問題は、その投資を回収できるだけの利益を生み出せるかどうかだ。

生成AIの利用者は増えているが、競争も激しい。モデルの性能差は縮まり、料金は下落し、オープンソースのAIも普及している。企業向けサービスが拡大しても、巨額のデータセンター投資を正当化できるほどの利益率を維持できる保証はない。

AI企業が計算資源を増やせば増やすほど性能が向上し、それに比例して収益も増えるという前提が崩れれば、投資計画は一気に過剰設備へ変わる。10ギガワットの施設は、数百万世帯に相当する電力を消費し、第1期の稼働予定は2028年である。

そのころ現在の非効率な大規模言語モデル(LLM)が主流であり続ける保証はない。もっと低コストで、少ない計算量で動く新技術が登場すれば、建設中の施設が稼働する前に経済的価値を失う可能性もある。

Nvidiaは半導体会社から銀行になった

Nvidiaにとって、こうした金融支援には合理性がある。AI企業の資金不足を補えば、GPU需要を維持できる。データセンター建設が増えれば、将来の半導体販売も確保できる。

しかしそれはNvidiaが純粋な半導体メーカーから、顧客の信用リスクを引き受ける金融機関へ近づくことを意味する。Nvidia自身も年次報告書で、データセンター向けの資金支援が短期的なキャッシュフローを減らし、顧客の信用リスクへの露出を高める可能性を認めている。

AI需要が伸び続ける間は問題にならない。OpenAIの売上が拡大し、データセンターの利用率が高まり、融資が返済されれば、すべての参加者が利益を得るが、成長が少しでも鈍化すれば、この仕組みは逆回転する。

OpenAIの収益が不足すると、データセンターのリース料金の支払いが滞る。データセンター事業者の資金繰りが行き詰まると、OpenAIを債務保証したNvidiaが負担する。NvidiaがAIブームの「最後の貸し手」になっているのだ。

ドットコムバブルとの違い

もちろん、現在のAIブームをドットコムバブルと単純に同一視することはできない。AIにはすでに多数の利用者がおり、企業の業務効率化やソフトウェア開発、研究、広告、顧客対応などで実際に使われている。

NvidiaやMicrosoft、Googleも巨額の利益とキャッシュフローを持つ。1990年代末の赤字企業ばかりだったインターネット業界とは、財務基盤が違う。

しかし、技術が本物であることと、投資価格が正当であることは別問題だ。インターネットも社会を根本的に変えた。それでもドットコムバブルは崩壊した。光ファイバーは安く転売されて今も使われているが、投資家の多くは大損した。

バブルは技術ではなく信用から崩れる

バブル末期には、需要そのものより、需要を維持するための金融技術が発達する。これは2000年代のサブプライムローンとも似ている。顧客に融資して債務を保証し、投資家がさらに資金を出す。こうして売上と投資が循環し、成長が続いているように見える。

しかし循環取引は、新しい最終需要を生み出しているわけではない。将来の需要を前借りし、信用で現在の売上を作っているだけである。AI業界の問題は、半導体の性能でも、モデルの能力でもない。最後に誰が料金を払うのかという単純な問題だ。

企業がAIによって十分な利益を得られなければ、OpenAIの売り上げは伸びない。OpenAIの売上が伸びなければ、データセンターの賃料も半導体購入費も払えない。巨額の投資を回収する前に、中国のAIがダンピングで顧客を奪うと、AIブームは失速し、巨大な信用の輪は損失の連鎖に変わる。

ドットコムの悲劇が繰り返されるかどうかは、AIが有用かどうかでは決まらない。巨額投資に見合うキャッシュフローを、OpenAIが持続的に生み出せるかどうかで決まるのである。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 09:19:04 +0000 Mon, 27 Jul 2026 09:19:04 +0000 https://agora-web.jp/archives/260720161528.html https://agora-web.jp/archives/260711090321.html https://agora-web.jp/archives/260705000850.html https://agora-web.jp/archives/260602022353.html https://agora-web.jp/archives/260528023054.html
https://agora-web.jp/archives/260727072651.html 東野圭吾さん死去、68歳:国境を越えて読まれ続ける世界的作家 https://agora-web.jp/archives/260727072651.html 『容疑者Xの献身』などの「ガリレオ」シリーズや『白夜行』で知られる直木賞作家、東野圭吾さんが7月23日未明、大腸がんのため死去しました。68歳でした。

葬儀は家族葬で執り行われました。お別れの会が開かれる予定ですが、日取りなどは未定です。

エンジニアから人気作家へ

東野さんは1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学工学部を卒業後、エンジニアとして勤務するかたわら小説を書き続けました。

1985年、『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。その後、『秘密』で日本推理作家協会賞を受賞し、2006年には『容疑者Xの献身』で直木賞に輝きました。

『容疑者Xの献身』は、天才物理学者・湯川学が難事件に挑む「ガリレオ」シリーズの代表作です。数学者・石神が仕組んだ完全犯罪と、その背後にある深い愛情を描き、論理的な謎解きと人間の悲哀を見事に両立させました。

「謎」の向こうに人間を描いた

東野作品の魅力は、巧妙なトリックだけではありません。事件を起こした人間の動機や、犯罪によって人生を変えられた人々の痛みまで丁寧に描いたことにあります。

『白夜行』では、幼少期の事件によって人生をゆがめられた男女の長い歳月を描きました。『手紙』では犯罪加害者の家族が背負わされる苦しみを、『さまよう刃』では被害者遺族の怒りと司法制度の限界を問いかけました。

謎が解けても、すべてがすっきりと終わるわけではありません。真相が明らかになることで、むしろ登場人物の孤独や悲しみが浮かび上がる。その苦い余韻こそが、東野作品を単なる娯楽小説で終わらせなかった理由でしょう。

37の国と地域で読まれた「世界の東野圭吾」

東野さんは、日本国内だけのベストセラー作家ではありませんでした。

2023年4月時点で、東野作品は37の国と地域で出版され、海外での推定累計発行部数は約6800万部に達していました。国内分を合わせた全世界での推定累計発行部数は、1億6800万部を超えています。日本語で書かれたミステリーが、これほど大規模に国境と言語を越えて読まれた例は極めて異例です。

とりわけ中国、台湾、韓国、タイなどのアジア圏で圧倒的な人気を誇りました。中国語簡体字版の出版社は、2019年末までに東野作品61作を翻訳・出版し、その累計発行部数は4500万部を超えていました。韓国でも長年にわたって人気作家として支持され、新作が日本を含むアジア各国・地域で同時刊行されることもありました。

「ガリレオ」シリーズは中国語や韓国語、タイ語、ベトナム語だけでなく、英語、フランス語、ドイツ語、アイスランド語、アルバニア語などにも翻訳されました。2024年時点では、同シリーズが世界36言語で刊行されていたと文藝春秋が紹介しています。

東野作品が海外でも受け入れられたのは、舞台が日本であっても、そこで描かれる感情が普遍的だったからでしょう。愛する人を守るために罪を犯す人、過去から逃れられない人、真実を知ることで苦しむ人。文化や社会制度が違っても、登場人物が抱える愛情、嫉妬、罪悪感、孤独は世界の読者に伝わりました。

欧米での評価も高まり、『容疑者Xの献身』の英訳版は米国のエドガー賞候補となりました。東野さんは、米国のエドガー賞と英国推理作家協会のダガー賞の双方にノミネートされた最初の日本人作家ともされています。

映像化によって広がった読者層

東野さんは「ガリレオ」「加賀恭一郎」「マスカレード」など、読者が継続して楽しめる人気シリーズを次々と生み出しました。

作品の多くは映画やテレビドラマになり、小説を普段読まない人にも広く知られるようになりました。海外でも翻訳出版だけでなく、各国独自の映像化や舞台化が進み、東野作品の物語は日本の小説という枠を超えて広がっていきました。

東野さんの死去によって、私たちは一人の人気作家だけでなく、日本のエンターテインメント小説を世界へ届けた、稀有な物語の作り手を失いました。

しかし、東野さんが描いた人物は、本を開くたびに再び動き始めます。

人間は、なぜ愛する人を傷つけるのか。なぜ罪を隠し、誰かを守ろうとするのか。そして、真実を知ることは、本当に人を救うのか。

東野圭吾さんが作品を通じて投げかけてきた問いに、簡単な答えはありません。その答えのなさを含めて、東野作品はこれからも国境を越え、世界の読者に読み継がれていくのでしょう。

心よりご冥福をお祈りいたします。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 07:30:50 +0000 Mon, 27 Jul 2026 07:30:50 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727063749.html https://agora-web.jp/archives/260727063007.html https://agora-web.jp/archives/260726234057.html https://agora-web.jp/archives/260726042910.html https://agora-web.jp/archives/260725071039.html
https://agora-web.jp/archives/260724191247.html 実は国旗損壊罪がないイギリス https://agora-web.jp/archives/260724191247.html 国によって異なる国旗の扱い

日本では、日本の国旗を傷つける行為を禁じる国旗損壊処罰法が成立しました。

この法律では、「著しく不快または嫌悪の情を催させる方法」で公然と国旗を損壊した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すとされています。お子様ランチの旗を捨てるとか、漫画の中で国旗を損壊するシーンなどは例外のようですが、ライブ配信やSNSでの扱いは微妙なようですね。

しかし、国旗の扱いというのは、実は外国でも国によって結構違っていて、必ずしも国旗損壊罪があるというわけでもありません。

私が『世界のニュースを日本人は何も知らない』で解説しているように、お国柄の違いがかなりあります。

例えば、私が住んでいるイギリスの場合ですが、国旗(ユニオンジャック)の損壊・冒涜を直接禁じる法律はありません。

イギリスでは行為の「意味合い」を問う

国旗自体を損傷する行為では犯罪に問われないのですが、問題はその意味合いです。例えば、特定集団を侮辱する意味合いだと、公共秩序法違反として公共の秩序を乱した罪に問われますし、対象とする団体や個人に対する差別としても扱われます。すでに存在する法律で、行動の意味合いを考慮した上で犯罪にする仕組みです。

確かに国旗を損傷する際は、何かの目的があるわけですから、理にかなっていると言えるでしょうね。

そして、過激なデモやテロ行為をあおるような行動の一部として国旗を損壊する場合は、テロ支援罪に問われます。

このように、「国旗を損壊する行為の意味合い自体を問う」というところは、行動の根源的な部分を問題視するやり方です。

あくまで象徴の印である国旗の損傷よりも、行動の方が重要であるとする実証的な考え方は、非常にイギリス的だと思います。

ユニオンジャックへの思い入れが薄い理由

実はイギリスは保守的なように見えて、意外と実質的な国で、普段から国旗を掲揚したり、国旗に対して何かを誓ったりすることがほとんどありません。

ユニオンジャックはパブや街中ではデコレーションのためによく飾られていますが、あれは、はっきり言って愛国的な意味はあまりありません。

OGULCAN AKSOY/iStock

実は日本の感覚からすると、かなり軽い感じでユニオンジャックを飾っています。バンドのアルバムジャケットなんかにもよく使われますね。まあ、それからよくあるものとしては、紅茶の茶器のデザインに使われています。あれも愛国だからというよりも、かわいいから使っているだけなんですよね。

なぜそんな調子かというと、イギリス人を見ていると非常によく分かります。

そもそもイギリスは連合王国なので、イングランドとスコットランドとウェールズと北アイルランドが合わさった国です。連合王国というのが正式名称です。

ですから、イギリスという国への意識は実はかなり薄く、各地方の地元意識の方がはるかに強いです。

したがって、ユニオンジャックに対する思い入れが、全体としてはあまりないんですよね。あまりというより、ほとんどない感じです。

したがって、ユニオンジャックに対する感覚が普段からカジュアルなので、国旗損壊罪がないのではないかと思います。

一応、そういう法律を作るべきだという声もあったのですけれども、結局、他の法律で罪に問うことができるので、二度手間になるから必要ないのではないかという声もありました。

日本の新法に残る疑問

今回の日本の法案は可決されたわけですけれども、しかし、すでに存在する他の法律との整合性はどうなっているのか、二度手間ではないかということが、国民の意見も踏まえて十分に議論されなかったように思います。

もちろん、日本の国旗を持ち出してきて嫌がらせをしたりする外国人がいるので、それはよろしくないとは思うのですが、そういう人を罰する法律がすでにあるわけですから、そちらの法律を使って、特に公共の秩序を乱すような迷惑ユーチューバーなどを逮捕していただきたいものですね。なぜそういう人は放置されているのか、私にはよく分かりません。政府は何をしたいのでしょうか。

【関連記事】


世界のニュースを日本人は何も知らない – 激レア&ディープ情報版 –


世界から見た日本の保守


世界のニュースを日本人は何も知らない7 フェイクだらけの時代に揺らぐ常識

]]>
Mon, 27 Jul 2026 03:00:47 +0000 Mon, 27 Jul 2026 03:00:47 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727082225.html https://agora-web.jp/archives/260726113237.html https://agora-web.jp/archives/260726113540.html https://agora-web.jp/archives/260726051902.html
https://agora-web.jp/archives/260726113212.html AIブームはさらに続くか、踊り場か? https://agora-web.jp/archives/260726113212.html AI花盛りで書店に行けばAIの活用本がずらりと並びます。私も一冊購入しましたが、それぐらい身近なものになったと言えます。この手の本の購入はかつてエクセルを使えないと仕事人にならないと言われ、エクセルの技本を購入して以来ですからそれぐらいインパクトがあるのでしょう。

さて、AIブームと言ってもよい昨今ですが、何がブームなのか、その立ち位置や期待度により評価は変わってきます。例えば産業ベースであれば受注残を含め、また当面は大丈夫だという強気の声がほとんど。半導体関連のダイフクの社長はあと2年はブームが続くと述べていますが、これは受注状況からそう見ているのでしょう。

では半導体の大消費企業であるマグニフィセント7はどうかと言えばこれが見事に真逆の動きとなりそうなのです。きっかけはアルファベット社(グーグル)の決算発表でした。4-6月決算でクラウド部門の売り上げは82%増と爆増だったのに株価は7%下げました。理由はAI投資が大きすぎてフリーキャッシュフローが上場来初の赤字になったことを嫌気したのです。

同様にテスラも売り込まれました。マグ7で唯一AI投資が鈍かったのがアップル社ですが、そのアップル社の株だけが買われている現実を見るにあたり、投資家の間でAI投資は悪であるという逆転現象が起きかねない状態にあります。今週、マグ7各社の決算発表が続くのでそれに対する株価反応は要注目です。仮にこれがトレンドだとすれば投資家の意向、株価の行方を気にする経営陣はその戦略転換に舵を切る可能性も出てきます。

イーロン・マスクスペースX会長兼CEO兼CTO

各社何故巨額投資を断行するかと言えば勝ち抜き合戦であり、ディファクトスタンダードを勝ち得た企業の総取りをシナリオに描くからです。今、無数とは言わないまでもAIを手掛ける企業はごまんとあります。例えば日経ビジネスによると富士通は公開情報を資料に取りまとめるのはアンソロピックのクロードを、秘匿性の高い情報は自社AIを使っています。これは一例で他にもAIのそれぞれの特徴をうまく組み合わせながら良いところどりをする傾向はこの業界では常識ともいえ、使われるAI企業側からしてみれば一つのAIで抱き込みができないもどかしさはあるでしょう。

その中でAI収益化までまだまだ先が長い中で今の尋常ではないレベルの投資は私はEVブームの終焉と同じ結果を招く可能性が出てきたとみています。それは2つの意味を内包しています。1つは競争の激化、1つは需要側の市場が想定通りにならないことであります。

AIブームが逆回転すると一気に関連投資が冷え切ってしまいます。特にデータセンターとそれに伴う電力供給インフラの激しい落ち込みです。日本の半導体関連メーカーも基本的には受動的ビジネスであり、発注元があっての部品メーカーであります。発注元が「やーめた」と言えばそれまでなのです。そして今のドライな社会において朝令暮改など当たり前。その理由を正せば「その時はそれが最善だと判断したが、今は違う」と言うわけです。我々は「いい加減な話だ」と切り捨てますが、世の中のスピードが朝令暮改でも追い付かないほどだとも言えます。

お前はどう見ているのか、と言えばあくまでも需要側の立場に立てば「前菜が終わってメインディッシュ待ちかな」でしょうか?つまり日進月歩、どんどんバージョンアップされるAIに正直ついていけている人はその分野の人だけで、一般人は取り残されつつあるという事実であります。

冒頭、私が今更ながらAIの実用本を購入したと申し上げました。スマホを介してAIを利用するレベルでは市場にはほぼ浸透し、次のレベルに向かうところにあるわけです。しかし、それはエクセルの時に比べ1/10とか1/100規模だと予想しています。なぜならAIを実装することを理解するのはそれをする担当者だけで十分であり、社員全員がそれをやる必要性は端からないからです。

とすれば今のAIブームは第一次ブームであり、とりあえず「AIの市場浸透」と言う目的は達成しつつあるとも言えないでしょうか?よって次の第二次ブームである「より身近で多くの人々が実用面で欲するような市場形成」ができるまでの踊り場になるのではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年7月27日の記事より転載させていただきました。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 03:00:12 +0000 Mon, 27 Jul 2026 03:00:12 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260726113237.html ベルリンのLGBTQ+イベントに車両が突入 https://agora-web.jp/archives/260726113237.html 7月25日午後10時頃(現地時間、日本時間26日午前5時)、ベルリン市中心部にあるティ―アガルテン公園周辺で開催されていた性的少数派のイベント「クリストファ―・ストリート・デー」(CSD,プライド・パ―ティ)に参加していた群衆に向かって白色のバーンの車両が猛スピードで突入し、死傷者が出る事件が発生した。警察側の発表では、1人の若い女性が死亡し、29人が負傷、そのうち数人は重傷を負った。

ベルリンのCSDイベントの風景、CSD公式サイトから

ドブリント連邦内相は26日午後2時過ぎ、現場で記者会見を開き、「事件は明らかにイスラム過激派によるテロ事件だ」と指摘した。警察側は21歳のドイツ国籍を有する男アブドゥル・B(Abdul B.)を容疑者として特定し、犯行後逃げた男の行方を追っている。

容疑者は2005年ドイツ生まれのドイツ国籍者で、レバノンにルーツを持ち、母親は2002年にドイツ国籍を取得している。ドイツのメディアによると、男はシリアでイスラム過激テロ組織「イスラム国」(IS)に入ろうとしたことがあったという。容疑者は以前、懲役1年10ヶ月(執行猶予付き)の判決を受けたが、今年5月に保護観察付きで釈放されたばかりだ。

警察の広報担当者は、「男は身長約190センチ、黒髪で、黒いパーカーと白いズボンを着用している。武器を携帯している恐れもある。警察の捜査対象として以前から知られており、男はベルリンのイスラム過激派のコミュニティと関わりがある」と述べた。

警察の発表では、犯人はレネー通り(Lennestrase)と並行して走るアーホルンシュタイク(Ahornsteig)という通路をバンで走行した。そこで数人に衝突し(あるいは轢いた可能性もあり)、その後、車両は木に激突した。運転手は車から降り、行方不明のまま逃走したという。

事件は、車が木に衝突して動かなくなった後、車外に出て刃物(刃物状の武器)で周囲の数人をさらに切りつけたという目撃証言が相次いでいる。目撃者の証言によると、数人が刺されて負傷しており、黒い服を着てマチェーテ(大型の刃物)を持った男を見かけたという。容疑者Bのほか、別の男がいた可能性も排除できない。

ドイツ民間放送ニュース専門局ntvによると、車両にイラン国籍の男の同乗者がいたという。警察側は25日夜、その男を逮捕した。逮捕されたイラン人男性が今回のテロ計画にどの程度関与していたのか、あるいは単なる同乗者だったのかについては、警察が調査中という。

同事件を受け、ベルリン市内には2,200人以上の警察官が動員され、重武装した部隊や私服警官も投入された。さらに、市内全域で数百人の警察官が警備にあたった。特殊部隊がシェーネベルク地区にある容疑者Bのアパートらの捜索を行った。

ドイツ通信社(dpa)によると、容疑者はベルリンに家族がおり、実際に車両を運転していたのか、あるいはその白いバンの所有者が誰なのかは不明。警察の広報担当者は、その車両がレンタカーではなく自家用車であったという。

約70万人がゲイやレズビアンの権利運動を記念する「クリストファー・ストリート・デー」に参加していたが、事件発生後、主催者はイベントの中止を決定した。

事件直後、メルツ連邦首相は今回のテロ行為を強力に非難し、「我々の社会への攻撃だ。この恐ろしい行為が徹底的に捜査され、犯人が厳罰に処されるよう強力に推進する」と声明を出した。また、カイ・ヴェグナー・ベルリン市長は26日の記者会見で、「自由で開かれた明るいベルリンが昨夜、暗躍の中に陥った」と憤りを表明した。

ドイツの主要メディアは、事件の凄惨な状況や目撃者の証言を速報するとともに、「多様性と寛容さ」への標的リスク、数十万人が集まるヨーロッパ最大級のLGBTQ+イベントの終着点(ティーアガルテン公園付近)が狙われたことから、多様性を尊重する開かれた社会そのものがテロの標的にされたと重く受け止めている。

今回の事件は、2016年に12人が死亡した「ベルリンのクリスマスマーケット襲撃事件」や、2025年に近くのホロコースト記念館付近で起きたシリア人男性による刺傷事件を想起させる、といった論調も聞かれる。

なお、クリストファー・ストリート・デー(CSD)という名称は、1969年にニューヨークの「クリストファー通り」で起きた、LGBTQ+当事者による権利擁護を求めた反乱に由来している。

ちなみに、容疑者Bはシュパンダウ地区にある市民農園で警察官によって射殺された。ドイツのメディアによると、ベルリン市(州)の内務当局および同市警察は容疑者Bの死亡を確認した。警察によると、容疑者は刃物を持って警察官に襲いかかってきたが、警察官に撃たれ、蘇生措置が講じられたものの、26日午後6時34分(日本時間27日午前1時34分)に死亡が確認された。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2026年7月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 02:55:37 +0000 Mon, 27 Jul 2026 02:55:37 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260726113540.html 第三者による加害行為まで「空襲等」の被害になる空襲救済法案 https://agora-web.jp/archives/260726113540.html

今日は共同通信の記事から。

遺族「扉が閉ざされてしまった」 空襲救済法案、廃案見込み | NEWSjp

遺族「扉が閉ざされてしまった」 空襲救済法案、廃案見込み | NEWSjp
太平洋戦争中の空襲による民間人被害の救済を目指し野党側が提出した法案は、会期末前の24日までに審議入...

【遺族「扉が閉ざされてしまった」 空襲救済法案、廃案見込み】
太平洋戦争中の空襲による民間人被害の救済を目指し野党側が提出した法案は、会期末前の24日までに審議入りしなかった。廃案となる見込みで、東京都内で同日、記者会見した全国空襲被害者連絡協議会(空襲連)の遺族らは「扉が閉ざされてしまった」と憤った。

東京大空襲で母と弟2人を亡くした河合節子さん(87)は「共に闘ってきた人にどう報告したらいいのか分からない」と声を詰まらせた。空襲連運営委員長の黒岩哲彦弁護士は「広い市民の理解が得られなかった」とし、与野党議員らと協議を続け、次の国会で再提出を目指す考えを示した。

法案は身体や精神の障害が残った人らに50万円の一時金を支給するのが柱。
(2026/7/24 共同通信)

まずこの全国空襲被害者連絡協議会というのは、2000年代に入って国に戦争被害の補償を要求する裁判を起こして全敗していた複数の団体を、2010年に整理しなおした団体となります。

そして裁判で全敗しているから、それなら直接法律を作らせて国から金をゲットするぞ!

という動きを取ってきた形になります。

そして福島瑞穂(社民党)や舟山康江(国民民主党)ら超党派で、【特定空襲等被害者に対する一時金の支給等に関する法律案】として法案提出がされています。

ところがこの法案はこの「空襲被害者」という扱いからして詐欺的です。

法案の条文を見てみます。

特定空襲等被害者に対する一時金の支給等に関する法律案

●特定空襲等被害者に対する一時金の支給等に関する法律案

第二条 この法律において「空襲等」とは、次に掲げるものをいう。

一 昭和十六年十二月八日から昭和二十年九月二日までの間に本邦で行われた空襲、船舶からの攻撃その他の戦闘行為

二 前号の戦闘行為に直接的に伴う危険を回避し若しくはこれに伴う被害の拡大を防止するための行動に際して行われた次に掲げる行為又は当該行動に際して生じた事故

イ 自己又は第三者が自殺を図る行為

ロ 第三者による加害行為

空襲の被害者で兵士じゃない人達はろくな補償が受けられなかった!だからこの法律で救う必要がある!みたいな設定にして「空襲」という言葉を突破口にしようとしているのですが、法案第二条を読めば、

期間:真珠湾攻撃から降伏文書調印まで
対象:空襲その他戦闘行為だけじゃなく第三者による加害行為まで含む

ということで、空襲だけじゃなくほぼ何でもありで「言った者勝ち」になるでしょう。

極めて広い期間を設定し、かつ第三者の加害行為まで含んでいて、これらを検証して補償を出すと。

ただでさえ80年も経っていて、資料の散逸なんて当たり前でしょうから、そういう中で資料が特になさそうなところを狙って、なんかそれっぽい事を言っておけばOKにするしかない状況に持って行かれると思われます。

当事者が亡くなってもその家族が受け取れるようにする事も、この法案ではっきり書かれています。

例えば認知症が進んでしまった戦前戦中生まれの祖父母をお持ちのご家庭が、適当にストーリーを設定してこの制度を利用して補償金ゲット。なんてリスクを全く排除できない建て付けと言えます。

こんなもの廃案になっておくべき法案でしょう。


編集部より:この記事は茶請け氏のブログ「パチンコ屋の倒産を応援するブログ」2026年7月26日のエントリーより転載させていただきました。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 02:50:40 +0000 Mon, 27 Jul 2026 02:50:40 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html
https://agora-web.jp/archives/260725003054.html なぜ日本人はこれほど働いても豊かにならないのか『経済の現場から統計データで見る』 https://agora-web.jp/archives/260725003054.html 私たちが日々直面している日本経済の閉塞感は、一体どこから来るのだろうか。街を見渡せば、欧米諸国と比較して圧倒的に安価で高品質なモノやサービスがあふれている。顧客側からすればこれほどありがたい環境はないように思えるが、その裏で働く労働者や企業の懐事情は一向に楽にならない。いや、それどころか「働いても働いても生活レベルが上がらない」「それどころか節約を強いられる」という深刻なジレンマに陥っている。

この構造的な違和感を、感情論や精神論ではなく、冷徹な経済統計データと現場のリアルな実務感覚から解き明かすのが、小川製作所社長である小川真由による『経済の現場から統計データで見る インフレ日本の安い賃金』である。


経済の現場から統計データで見る インフレ日本の安い賃金

過剰投資と「守りのコスト」の肥大化

日本経済の停滞を語る上で欠かせないのが、1980年代のバブル期に端を発する過剰な設備投資と、その後の長い後始末の歴史である。一般に、資本主義経済においては設備投資を通じて生産体制を合理化・自動化し、大量生産によってコストを引き下げ、規模の経済を追求するのが王道とされる。

しかし、日本企業はバブル崩壊後も、一度構築した巨大な生産体制や設備をなかなか縮小できずに抱え込み続けた。市場がすでに飽和し、人口減少局面に入っているにもかかわらず、新規の価値を生む「攻めの投資」ではなく、既存の設備を維持し続けるための「守りの投資(維持費用)」に多大なコストを注ぎ込み続けたのだ。

結果として何が起きたか。固定資産の維持費用や減価償却費といった「固定資本消耗」が企業の収益を圧迫し、本来であれば労働者に分配されるべきパイが削り取られていった。つまり、日本の企業が熱心に行ってきた投資の多くは、新たな付加価値を生むためではなく、ただ既存の巨大なシステムを延命させるための「お荷物」と化していたのである。これが、統計データが示す「投資のしすぎによる人の価値の目減り」の正体にほかならない。

gentlelight/iStock

「安売り競争」という名の自給自足的デフレ・スパイラル

さらに事態を悪化させたのが、グローバル化の波と為替の変動、そして国内の供給過剰体質である。プラザ合意以降の急激な円高に対応するため、日本の製造業は海外へ生産拠点を移転せざるを得なくなった。その結果、国内には行き場を失った過剰な生産能力とサプライチェーンが残り、企業は工場の稼働率を維持するためにダンピングとも言える値下げ競争に走った。

「安くしなければ売れない」という強迫観念にとらわれた企業は、価格を下げるために生産量を増やし、そのしわ寄せを安い労働コストや下請けへの買いたたきで埋め合わせようとした。これが、「安くて良いモノ」が市場にあふれる一方で、そこで働く人々の賃金が上がらない構造的メカニズムである。

欧米であれば、インフレや適正な利潤の追求とともに価格改定が行われるところ、日本市場では「安さ」が正義として信仰され続けた。その結果、海外からのビジネス参入や投資も「すでに飽和しており儲からない市場」として敬遠され、対内直接投資が主要先進国の中で極端に低いというアンバランスな状態を招いた。私たちは知らず知らずのうちに、「自分の仕事の価値を安売りする」ことで、この身を削るデフレシステムを内側から支え続けてきたのである。

適正な価格と取引を取り戻すために

これは本書が提示するほんの一例だが、統計データと現場のファクトが突きつけている現実は重い。しかし、それは同時に、私たちが直面している問題の原因がどこにあるのかをクリアに示している。

問題の本質は、日本人の能力が劣っているわけでも、労働生産性が絶望的に低いわけでもない。間違った規模の経済の追求と、維持コストばかりが肥大化する不合理な投資システム、そして何より「安いこと」を美徳とする歪んだマインドセットが、私たちの賃金を抑え込んできたのだ。

この閉塞感を打ち破る特効薬はない。だが、まずは私たち一人ひとりが、ビジネスを「価格のバトンリレー」として捉え直し、安売り競争という名の呪縛から脱却すること。そして、仕事が生み出す「付加価値」に対して適正な対価を支払い、受け取るというごく当たり前の経済原理に立ち返ること以外に、真の豊かさを取り戻す道はないのである。『経済の現場から統計データで見る インフレ日本の安い賃金』は、日本経済を語るうえで必読の一冊となるだろう。


経済の現場から統計データで見る インフレ日本の安い賃金

【目次】
はじめに
第1章 インフレ日本の安い賃金
―― 強すぎる「高品質・低価格」志向が生み出す「労働力搾取・低賃金」の実態
第2章 統計データが示す「日本の経済・社会の現在地」
―― 安さへの欲求の裏で膨らんだ「貧しさ」を読み解く
第3章 「賃金上昇のカギ=付加価値」の解像度を上げる
―― 労働の対価(給与)を上げるための前提知識
第4章 労働と付加価値についての「日本のおかしな思い込み」
―― 現場が疲弊する原因を深掘りする
第5章 日本人の無自覚な「自分の安売り」はどこからきたか
―― 「形のないもの」の価値を正しく見積もるには
第6章 データが示す「日本の豊かな未来」への処方箋
―― 「人の仕事の価値」を正しく捉える仕組みはつくれるか
終章 まずは「適正な取引価格」から始めよう
―― 「対等な取引」と「仕事へのリスペクト」が日本を変える

]]>
Mon, 27 Jul 2026 02:45:54 +0000 Mon, 27 Jul 2026 02:45:54 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260726235232.html https://agora-web.jp/archives/260726210127.html https://agora-web.jp/archives/260726113212.html
https://agora-web.jp/archives/260726204413.html ゆたぼんは「中国が日本に原爆を落とした」と言ったのか https://agora-web.jp/archives/260726204413.html 17歳の冒険家・ゆたぼんのXへの投稿が、別の意味にすり替えられて拡散されている。

発端となったのは、ゆたぼんが中国側の反論に対して投稿した次の一文だ。

これに対して中国が反論してるみたいだけど、核を保持して撃ってきた国が何を言ってるの?

ところが、匿名性の高いまとめ系アカウント「ALPHA」は、この発言を次のように紹介した。

【悲報】少年革命家ゆたぼん(17)「日本に核爆弾を落としたのはアメリカではなく中国」

しかし、ゆたぼんは「中国が日本に核爆弾を落とした」とは一言も書いていない。元の投稿と比較すれば、後者は引用でも正確な要約でもなく、投稿者の解釈をゆたぼん本人の発言であるかのように作り替えたものだと分かる。

ゆたぼんの日本語が稚拙だったことも事実

もちろん、ゆたぼんの文章に問題がなかったわけではない。

「核を保持して撃ってきた国」という書き方では、「中国が核を撃ってきた」と読む人が出ても不思議ではない。「核兵器を保有し、日本近海に弾道ミサイルを撃ち込んできた国」と書けば、誤解は避けられたはずだ。「核兵器」には通常「保持」より「保有」を使う方が自然でもある。

ゆたぼん自身はその後、「誰も核を撃ったとは書いてない」「中国が核を保持してミサイルを撃ってきたのは事実」と説明している。

その説明に対応する事実もある。中国軍は2022年8月、台湾周辺で9発の弾道ミサイルを発射し、防衛省はうち5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと推定している。ゆたぼんが言いたかったのは、核保有国であり、日本のEEZ内にも弾道ミサイルを落下させた中国が、日本の核保有論を一方的に批判できるのか、ということだったのだろう。

一方、1945年に広島と長崎へ原爆を投下したのは米国である。広島市の資料にも、米国が投下目標を選定し、8月6日に広島へ原爆を投下した経緯が明記されている。ゆたぼんがこの史実を否定した形跡はない。

誤読と捏造は別物である

ゆたぼんにも落ち度はある。安全保障や核兵器という重大なテーマについて発信するなら、誰が何を「撃った」のかを省略せず、誤解されない文章を書くべきだった。SNSでは、曖昧な一文が瞬時に切り取られる。相手に隙を見せたという批判は免れない。

しかし、文章が稚拙だったことと、本人が述べていない発言をかぎ括弧に入れて拡散することは別問題だ。

「中国が核を撃ったと読める」と批判するところまでは意見である。だが、「日本に核爆弾を落としたのは中国だと発言した」と断定すれば、元の発言を別物に変えてしまう。これは批判ではなく、藁人形を作って攻撃する行為に近い。

まして相手は17歳である。政治的な発言をした以上、年齢を理由に批判を免れるわけではないが、匿名の大人たちが言葉尻を捕らえ、してもいない発言を作って集団で笑いものにする光景は、あまりに大人気ない。

ゆたぼんに必要なのは、より正確な日本語を身につけることだ。しかし、それ以上に大人の側に必要なのは、相手が実際に言ったことを批判するという小学校でも習う最低限のフェアネスではないだろうか。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 02:40:12 +0000 Mon, 27 Jul 2026 02:40:12 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727193139.html https://agora-web.jp/archives/260726042023.html https://agora-web.jp/archives/260724110936.html https://agora-web.jp/archives/260724194510.html https://agora-web.jp/archives/260723080918.html
https://agora-web.jp/archives/260726113327.html 「見たくない権利」はどこまで保障されるべきなのか https://agora-web.jp/archives/260726113327.html 国民民主党提出のいわゆる「エロ広告規制法案」について、玉木雄一郎代表がYouTube LIVEで自ら説明を行いました。

その中で玉木代表は、この法案を「見たくない権利を保障する」ものだと位置づけました。

この一言をめぐって、ネット上では再び大きな議論が起きています。

結論から申し上げますと、この「見たくない権利」というロジックを持ち出したことは、この法案を守るどころか、むしろ懸念を深めるものだと私は考えます。

感情的な応酬ではなく、これまでの議論や判例等に即して冷静に整理していきます。(相変わらず長文です)

まず動画を拝見しまして、玉木代表の説明を私なりにフェアに紹介します。

玉木雄一郎代表 国民民主HPより

代表の主張の骨子はこうです。 国民民主党は表現の自由を守る。創作や発表への規制は必要ない。国が規制するハードローには絶対に反対で、今回は民間の自主規制に委ねるソフトローだ。

コンビニの成人向け雑誌のゾーニングのようなもので、コンテンツに踏み込むことは国でも民間でもやるべきではない。

その上で、「見たくないものを見ない権利」を一定程度保障することは必要なのではないか、と。

また、寄せられた懸念には最もだと思うところもあるので党内で勉強会を開く、とも述べられています(この姿勢は◎ですね)。

しかし、法案の正当化の根拠に「見たくない権利」を据えたことは、法的に見て、かなり筋の悪い選択だったように思えます。

なぜか。まず、言葉を正確に区別する必要があります。

「見ない自由」は、もちろんあります。見たくないものから目をそらすことを、誰にも妨げられない。これは当然の自由です。

しかし「見ない権利」と言った瞬間、意味は一変します。

権利とは、他者に義務を発生させる概念だからです。私に見ない権利があるなら、誰かに「見せない義務」が生じる。

その義務を負うのは、表現し、広告を出す側です。

つまり「見たくない権利の保障」とは、構造上、表現の自由への制約とワンセットでしか存在できない概念なのです。

「表現への規制は必要ない、しかし見たくない権利は保障する」という説明は、残念ながら、それ自体が矛盾を含んでいます。

では、日本の最高裁はこの問題をどう扱ってきたか。

まさにこの論点を扱った判例があります。「とらわれの聴衆」事件(最高裁昭和63年12月20日判決)です。

地下鉄の車内で流される商業宣伝放送を、乗客が「聞きたくないのに聞かされ、精神的苦痛を受けた」として争った事件です。

電車という閉ざされた空間では、乗客は放送から逃れられない。まさに「とらわれの聴衆」だ、という主張でした。

最高裁は、この請求を認めませんでした。

そして注目すべきは、補足意見を書いた伊藤正己裁判官の言葉づかいです。

伊藤裁判官は、聞きたくない音から「心の静穏を害されない利益」に一定の配慮を示しつつ、それを「人格的利益」と呼び、表現の自由のような憲法上の「権利」とは位置づけませんでした。

さらに、その利益は公共の場所では、家の中にいる場合と比べて大きく制約される、とも述べています。

なぜ「権利」と言わなかったのか。

仮に「見たくない・聞きたくないものから遮断される権利」を正面から認めれば、他者の表現の自由と至るところで衝突し、社会が回らなくなるからです。

この最高裁が慎重に避けた線を、立法でまたごうというのが「見たくない権利の保障」です。

こうした過去の経緯や、やろうとしているハードルの高さについては、改めて強く認識する必要があります。

しかも、今回は「聞く」ではなく「見る」の話です。ここも判例の理解に照らすと、主張はさらに苦しくなります。

とらわれの聴衆事件の判例解説では、視覚は聴覚と違い、目をそらすことで外部からの表現を回避しやすい、と指摘されています。

耳は塞ぎにくいが、目は閉じられる。だから「見たくない」の保護は、「聞きたくない」よりもさらに弱くならざるを得ないのです。

加えて、駅前広場のような誰もが行き交う場所は、判例上「パブリック・フォーラム」として、むしろ表現の自由が特に尊重されるべき場と位置づけられてきました。

実際、2022年に大阪駅の「萌え絵広告」が議論になった際も、憲法訴訟に詳しい平裕介弁護士が、公共の場所であることは「見たくない」側にむしろ不利に働く、と整理されています。

公共空間だから配慮せよ、ではなく、公共空間だからこそ表現は守られる。

判例の基本線は、世間の直感と逆なのです。

「それでも、見たくない気持ちには応えるべきだ」という声はあるでしょう。私もそう思います。

ただ、その答えは法的な「権利」の創設ではありません。

見たくないものを見ない利益を、あえて法的に構成するなら、それは「自分が見ないようにする行為を妨げられない」こと、つまり本人の側で表示を止められる仕組みに行き着きます。

フィルタリング、ペアレンタルコントロール、広告のオプトアウト設定。見る見ないを決めるのは、団体でも「みんな」でもなく、一人ひとりの利用者です。

これは私がかねて申し上げてきた、技術的対処が先だという話とぴったり重なります。

見たくない人が見ないで済む技術を磨くことと、何を見せてよいかを誰かが線引きすることは、似ているようで正反対の解決策なのです。

見たくないものを見ないで済む社会は、表現を減らすことではなく、選べる技術を増やすことで実現すべき。

判例が積み上げてきた知恵を、立法の場に立つ私たちは軽んじてはならない。

自戒を込めて、そう思います。引き続き、この議論を注視し、表現の自由を守る立場から警鐘を鳴らしていきます。


編集部より:この記事は、前参議院議員・音喜多駿氏のブログ2026年7月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 02:35:27 +0000 Mon, 27 Jul 2026 02:35:27 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html
https://agora-web.jp/archives/260726114254.html メディアで称賛されてきたゴディバは なぜ経営不振に陥ったのか https://agora-web.jp/archives/260726114254.html この動画では、高級チョコレートブランド「ゴディバ」の日本法人が大規模な店舗展開などの拡大路線によって一時は売上を大きく伸ばしたものの、ブランドのありがたみが薄れてしまい、結果として巨額の赤字や経営不振に陥っている背景と、メディアによる情報の見方について解説します。

メディア業界に精通し、放送・配信ビジネスの舞台裏を知り尽くす元テレビマン・下矢一良氏が解説するYouTubeチャンネル「下矢一良の正直メディア」。チャンネル登録お願いします。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 02:30:54 +0000 Mon, 27 Jul 2026 02:30:54 +0000 https://agora-web.jp/archives/260726210127.html https://agora-web.jp/archives/260727052545.html https://agora-web.jp/archives/260726002706.html https://agora-web.jp/archives/260725235705.html https://agora-web.jp/archives/260724232752.html
https://agora-web.jp/archives/260726234057.html 横浜流星さんは「多様性を否定」したのか:意図的な切り取りが作った炎上 https://agora-web.jp/archives/260726234057.html 俳優の横浜流星さんが、ファンクラブのライブ配信でBL作品について語った発言が、SNS上で批判されています。

発端となったのは、Xアカウント「ᴋ_ᴍᴀʀᴜ_ᴅᴀᴜ_ʙᴀʙʏ」という匿名アカウントによる投稿です。同アカウントは、横浜さんの発言を次のように書き起こしました。

「あくまでも私個人の意見として聞いてください。私はBLとか、そういうの興味なくて。全然分かんないので、なし。あくまでも私個人の話ですよ。多様性、意味が分からないので。はい、以上。まあ需要があるからBLだったり、そういう物があるんでしょうけど。意味が分かんないっていうだけです」

この文章だけを読めば、横浜さんがBLだけでなく、「多様性」という考え方そのものを理解できないとして一蹴したように見えます。実際にSNSでは、「多様性を否定した」「性的少数者に対する偏見だ」といった批判が広がりました。

しかし、この受け止め方は、横浜さんの本来の発言趣旨から大きく離れています。

「多様性を否定した」という話ではない

横浜さんが答えていたのは、ファンから寄せられた「BLものを演じてほしい」という要望についてでした。

その中で横浜さんは、自分はBLというジャンルに関心がなく、登場人物の感情や作品の世界を十分に理解できないため、積極的には演じられないという個人的な考えを述べたにすぎません。

これは「同性愛が理解できない」という発言でも、「性的少数者を認めない」という表明でもありません。ましてや、社会における多様性そのものを否定したわけでもありません。

BLは一つの創作ジャンルです。BL作品への出演を希望しないことと、同性愛者の存在や権利を否定することは、まったく別の話です。

ところが問題のX投稿では、前後の文脈が省かれたうえで、「BL」「多様性」「意味が分からない」という言葉がひと続きに並べられています。そのため、横浜さんが「BLも多様性も意味が分からない」と思想的な拒絶を表明したように読める構成になっています。

問題は、個々の単語をまったく別の言葉に置き換えたかどうかだけではありません。発言の前提や対象を落とし、別の意味に受け取られる形で提示することも、立派な曲解です。

公式ファンクラブも「本人の意図しない内容」と説明

横浜さんの公式ファンクラブは7月26日、この問題について異例の告知を出しました。

コンテンツの無断転載、引用の禁止について 横浜流星さん公式サイト

横浜流星 FC「Étoile Filante」
俳優・横浜流星の公式FC。最新情報の他、本人の一言、MG日記、FC限定の動画・写真、生配信など、ここでしか見られないコンテンツを公開中です。

公式発表によると、ライブ配信の一部発言を切り取り、本人が意図していない内容として発信したSNS投稿が確認されたといいます。また、横浜さんの発言には「特定の作品や思想を否定」する意図はなく、質問に対して個人の考えを答えたものだと説明しています。

さらに公式ファンクラブは、前後の言葉を切り取り、本来とは異なる発言をしたかのようにSNSで発信する行為を禁止すると改めて警告しました。

つまり、公式側も今回の拡散について、単なる文字起こしではなく、横浜さんの意図とは異なる内容を作り出す切り取りだったと認識しているのです。

それでも、切り取られた文章だけが独り歩きし、横浜さんを「多様性を理解できない人物」「同性愛に否定的な人物」と決めつける投稿が相次ぎました。

最初に刺激的な解釈を提示した側よりも、切り取られた側が説明責任を負わされるという、SNSではおなじみの光景です。

「演じられない」は「存在を認めない」ではない

俳優が「自分にはこの役を理解できない」「今は演じる自信がない」と述べることは、差別なのでしょうか。

俳優は、どのような作品にも無条件で出演しなければならないわけではありません。暴力的な役、性的な描写を伴う役、不倫を扱う作品、宗教や政治を題材にした作品など、本人の価値観や適性によって出演を断ることはあります。

BL作品も例外ではありません。

横浜さんは、BLというジャンルの存在を禁止しろとも、ファンが楽しむことをやめろとも言っていません。むしろ需要があるから作品が作られていることは認めています。そのうえで、自分自身は理解が及ばないため出演には消極的だと答えたのです。

理解できない役を、世間に評価されるためだけに安易に引き受けないという判断は、俳優として不誠実どころか、作品に対して慎重な態度とも評価できます。

それを「同性愛者を否定した」と変換するのは、論理の飛躍です。

句読点一つで「差別発言」は作れる

話し言葉には、間や言い直し、配信画面に表示されたコメントへの反応があります。文字に起こす際に、どこで文章を区切り、どの言葉とどの言葉を結びつけるかによって、意味は変わります。

今回の投稿は、横浜さんの言葉を引用符の中に並べることで、客観的な「完全再現」であるかのような印象を与えました。

しかし、前後の質問や会話の流れを示さず、発言の一部分だけを並べれば、読み手は投稿者が設定した文脈で解釈するしかありません。

「BLの役柄を理解できない」という職業上の判断が、「多様性そのものを理解できない」という思想表明に変換されました。そして、その変換された発言を根拠に本人が批判されました。

これは事実確認ではなく、炎上のための物語づくりです。

多様性を掲げながら他人の発言を認めない矛盾

BL作品を好む自由は尊重されるべきです。しかし、BL作品に関心を持たない自由や、出演を断る自由も同じように尊重されなければなりません。

多様性とは、全員に同じ価値観を持たせることではありません。

あるジャンルを理解できないと率直に話した人物を、「差別的だ」「時代遅れだ」と集団で攻撃し、本人が意図していない思想まで押し付ける行為は、多様性の尊重とは正反対です。

横浜さんの言葉遣いについて、「もう少し丁寧に説明した方がよかった」という批評はあり得ます。しかし、それとて無理筋な批判です。いわんやそれと「多様性や同性愛を否定した」という断定は別問題です。

批判するのであれば、本人が実際に表明した意見を対象にすべきです。切り取った言葉をつなぎ合わせて作った架空の思想を批判しても、それは横浜さんへの批評にはなりません。

今回問われているのは、横浜流星さんの多様性への理解に関することではありません。

他人の発言を自分の望む物語に加工し、それを「本人の発言」として拡散するSNS利用者の情報倫理です。

]]>
Mon, 27 Jul 2026 01:00:56 +0000 Mon, 27 Jul 2026 01:00:56 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727072651.html https://agora-web.jp/archives/260724103140.html https://agora-web.jp/archives/260723074830.html https://agora-web.jp/archives/260722154024.html https://agora-web.jp/archives/240611202221.html
https://agora-web.jp/archives/260726124031.html 日本病のカルテ(4) デフレという錯覚 https://agora-web.jp/archives/260726124031.html 1990年代末から最近まで「デフレ」が日本の長期低迷の原因だから、金融緩和で「デフレ脱却」すれば成長できるという類の議論が続いてきた。しかし白川方明氏(元日銀総裁)は、そもそも長期にわたる需要不足をデフレと考えたのが間違いだったという。

1990年から2020年までの消費者物価上昇率は平均0.2%である。これはデフレーション(物価下落)ではなく物価安定であり、長期低迷の原因ではなく結果だった。これを錯覚して「結果を変えれば原因も変わる」と考えたのがリフレ派だった。

通貨に信用を刻印する セントラルバンカーの10の提言
白川方明
日経BP 日本経済新聞出版
2026-05-10
★★★★☆

「流動性の罠」が帰ってきた

1930年代の大恐慌では、物価が数年で20~30%も下がり、それが銀行の破綻をまねき、それがデフレを加速するデフレ・スパイラルが起こった。この原因は金融危機だった。

当時はほとんど銀行規制がなかったので、銀行の経営が破綻すると預金者の取り付けが始まり、それによって銀行が破綻するスパイラルに陥る。貸し出しが加速度的に縮小するので、市場に流通する通貨が減り、金利がゼロになって物価が下がる。

これが1930年代にケインズを悩ませた流動性の罠だった。金利がゼロなので、それ以上は貸し出しが増えできない。そんな状況は戦後、先進国に起こったことがなかったが、1990年代の日本にやってきた。

ポール・クルーグマンはこれを“It’s baaack”(流動性の罠が帰ってきた)という論文でたくみに説明した。デフレの原因は自然利子率がマイナスになって需要不足が続くからだ、という分析は意表を突くものだった。

自然利子率とは完全雇用に必要な実質金利で、通常は政策金利をそれに等しく設定し、インフレにもデフレにもならないように調節する。日銀が通貨を増やして金利を下げると消費や投資が増えるが、名目金利がゼロになると、それ以上は下げることができない。

したがって日銀がマネタリーベースを増やしても、その資金は日銀に戻ってきて超過準備として「ブタ積み」になる。銀行貸出が増えない原因は、銀行の怠慢や信用収縮ではなく、流動性の罠そのものから生じるのだ。

 実質金利=名目金利-予想インフレ率

だから、人口減少や貯蓄過剰などによって自然利子率がマイナスになっている場合、政策金利がゼロでも高すぎる。そこで、たとえば将来の物価上昇率が3%になると人々が予想すれば、名目金利がゼロでも実質金利はマイナス3%になって自然利子率と一致する。

このためクルーグマンは、中央銀行が将来も金融緩和を続け、景気回復後のインフレを容認すると信じさせる必要があると主張する。中央銀行は無責任であることを信頼できる形で約束する必要があるのだ。

続きはアゴラサロンでどうぞ(初月無料)

]]>
Sun, 26 Jul 2026 22:00:31 +0000 Sun, 26 Jul 2026 22:00:31 +0000 https://agora-web.jp/archives/260719135146.html https://agora-web.jp/archives/260628161108.html https://agora-web.jp/archives/260621125315.html https://agora-web.jp/archives/260614145951.html https://agora-web.jp/archives/260607124741.html
https://agora-web.jp/archives/260726000228.html 「Z世代文化が大嫌い」なZ世代たち https://agora-web.jp/archives/260726000228.html 黒坂岳央です。

最近、記事や動画、出版した書籍への反応でZ世代と接する機会がある。その中で「自分はまさにZ世代なのですが、正直今の若者文化が大嫌い」と言われることが立て続けにあった。

「タイパ、コスパばかりを気にし、自分が得することしか考えないテイカー思考の同世代が合わない。若者を一括りにしてもらいたくない。自分は上の世代から学ぶことも多く、相手に喜んでもらえることが嬉しい。そういう若者もいることを知ってほしい」

そう語る彼らは、まぎれもなくZ世代でありながら、世間が言う「Z世代文化」の当事者ではなかった。

年代が若いからといって、全員が同じ感覚を持っているわけではない。とても当たり前のことなのだが、ともするとすぐに「多様性」「異文化理解」と言い続ける現代人ほど、実は世代というレッテル貼りをしている。そう思う出来事だった。データや統計には現れないZ世代の本音を取り上げたい。

氷河期世代だが「被害者」と呼ばないで

レッテル貼りは他の世代でも起きる。たとえば自分は就職氷河期世代で、そのことによって、「大変な時代でしたね」「国や社会から切り捨てられた気の毒な被害者」といった扱いを受けることがある。

また、1982年生まれは「切れる世代」と呼ばれ、当時人目を引く事件が続いたことから、この年代がまとめて「攻撃的」「暴力的」というイメージで語られた時期があった。自分は1981年生まれでぎりぎりその括りから外れるのだが、同年代ということで「よく怒り、攻撃的で危険な年代」のような扱いを受けたこともある。

だが、ハッキリ言って自分にはその感覚や価値観はほぼない。自分は健全な競争は好きだが、対立や争いは大嫌い。争いになりそうな空気を感じたら、プライドなど捨ててさっさと身を引くタイプだし、他者の喧嘩を見るのも聞くのも嫌なのだ。

それなのにたまたま生まれた年代だけで「攻撃的な世代」という枠に入れられ、しかも本人の実際の性質とは正反対の評価を受ける。これは、生年という変数から性格や行動傾向を予測することの精度がいかに低いかを示す好例だ。

そして氷河期世代の「見捨てられた被害者」という扱いにも、強い違和感がある。確かに時代は厳しかった。しかし自分の実感としては、被害者というよりむしろ「時代に育ててもらった」という感覚の方が強い。

人生の前半に厳しい時代がきたのはむしろ運が良かったと思っている。もし人生後半にハードモードが来ていたら、前半をお気楽に生きるとその分、後半の困難には耐えられなかっただろう。

以前ABEMA Primeに出演した際も筆者は同様の趣旨を述べた。氷河期世代は確かに大変な思いをした人が多かった。それは事実として認める。だが、大変だった中でもできることはあったはずだ、という立場である。

ここで重要なのは、時代が厳しかったという事実を否定しているのではないという点だ。事実の否定と、その事実に対する解釈・態度の選択はまったく別の話である。同じ景気後退、同じ就職難という外部条件を経験しても、それをどう受け止めるかは個人によって大きく異なる。

世代論を全否定するわけではない

ここまで読むと、自分は世代論そのものを否定しているように見えるかもしれないが、それは違う。世代による共通体験自体は否定しない。

同じ時代の情報環境や経済状況という外部条件は確かに共有される。統計的に見ても、世代間で平均的な傾向の差が出ることはある。これ自体は事実として認めるべきだ。

だが外部条件が同じでも、それをどう解釈し行動するかは個人差が支配的要因になる。分散の大きい変数を平均値だけで語れば、当然そこから外れる個体は無視される。

世代論は集団の傾向を把握するツールとしては一定の価値を持つが、目の前の特定の個人にそのまま当てはめた瞬間、機能不全を起こす。

Z世代も一枚板ではない

冒頭で紹介したZ世代たちの言葉は、まさにこの構造を体現している。彼らは「Z世代の代表」として語られることに違和感を持ち、自分自身の言葉でその違和感を表明した。これは世代内の分散が、世間が想定する以上に大きいことの証左である。

それはZ世代より下のα世代でも同じことだ。筆者の息子は小学4年生の10歳だが、クラスメイトとの間に文化衝突がある。公園に行っても自転車を漕いで信号待ちがあればすぐスマホを開いてTikTokのショート動画を見出す子たちを、息子は「彼らとはあんまり合わない。せっかくみんなで外に来ているのだから一緒に運動をした方が楽しい。スマホで過ごすのはもったいない」と言う。

一方でスマホ組は公園のベンチに4人、5人と並んで、ずっとショート動画を見続けている。同じスマホネイティブ世代、同じ小学校の同じクラスの中でさえ、「文化や価値観が合う、合わない」で分かれているのだ。

世代という括りは便利だが、便利さと正確さは別物である。目の前の一人を、集団の代表ではなく、あくまで個体として見る。それだけのことが、思いのほか徹底されていない。

なお、拙著「Z世代を甘やかすな」は世代論ではなく、年齢を理由に評価基準を緩めること自体への異論である。気になる方はぜひ読んでみてほしい。

2026年7月、全国の書店やAmazonで最新刊絶賛発売中!

Z世代を甘やかすな」(著:黒坂岳央)

]]>
Sun, 26 Jul 2026 22:00:28 +0000 Sun, 26 Jul 2026 22:00:28 +0000 https://agora-web.jp/archives/260726235232.html https://agora-web.jp/archives/260724193458.html https://agora-web.jp/archives/260724110936.html https://agora-web.jp/archives/260724230613.html https://agora-web.jp/archives/260724232752.html
https://agora-web.jp/archives/260726135929.html 支持率は低下し党内はバラバラ:政権末期の様相になってきた高市内閣 https://agora-web.jp/archives/260726135929.html 2月の衆院選で圧勝し、「高市1強」とまでいわれた高市政権の風景が、わずか半年足らずで変わり始めた。政権基盤を支えてきた内閣支持率は下落し、看板政策である消費減税は党内調整さえ進まない。

日本維新の会との連立を優先する国会運営には、自民党内からも不満が噴き出している。議席だけを見れば、高市政権は依然として強いが、支持率、政策遂行力、党内統治という3つの柱が同時に揺らいでいる。その姿は、早くも政権末期の様相を帯びてきた。

支持率急落は一時的な誤差ではない

毎日新聞の7月18、19日の世論調査では、内閣支持率が前月の51%から41%へ10ポイント急落し、不支持率44%が初めて支持率を上回った。ANNの同時期の調査でも支持率は10.9ポイント下落して49.2%となり、政権発足後初めて5割を割った。調査方法によって水準には差があるものの、FNNでも支持率は3カ月連続で低下し、発足直後の75.4%から61.6%まで下がっている。

問題は、単に数字が下がったことではない。複数の調査で同じ方向への変化が出ていることだ。高市内閣の高支持率は、政策の実績よりも「はっきり物を言う」「何かを変えてくれそうだ」という首相個人への期待に支えられていた。その期待が剥がれ始めると、政権を支える材料がほとんど残っていない。

消費減税を掲げた本人が党を動かせない

支持率低下の最大の原因は、国民が求める政策と政権が力を入れる政策とのずれにある。高市首相は衆院選で飲食料品の消費減税を掲げた。しかし、選挙から約5カ月が過ぎても、実施方法どころか実務者協議の中間取りまとめさえできていない。

ロイターによると、自民党の小野寺五典税制調査会長は、消費減税での合意形成が困難だと首相に繰り返し伝えた。それでも高市首相が協議の継続にこだわったため、当初6月中を予定していた取りまとめが大幅に遅れたという。

これは「慎重に議論している」のではない。首相と党の税制部門が、政策の現実性について意思疎通できていないのだ。首相は減税を言い、税調は難しいと言い、幹部は別の給付付き税額控除を進める。党内がバラバラなため、結局は何も決まらない。看板政策を掲げた本人が自党を動かせないのでは、リーダーシップを語る以前の問題だ。

維新への義理で国会を振り回す

その一方で、高市政権が国会終盤に力を注いだのが、維新肝煎りの副首都法案だった。この法案には当初、自民党内から反対意見が続出した。6月の党内協議では、責任者が「賛成する意見は一つもなかった」と認めるほどだった。大阪市を廃止する大阪都構想につながりかねないとして、自民党大阪府連などが強く反発したためである。

ところが高市首相は、維新との連立合意を優先して成立を急がせた。会期を延長し、多数派工作まで行って法案を押し通した結果、政府・与党内からも「国民生活に直結する物価高対策より、高市カラーや維新との約束を優先した」との見方が出た。自民党のベテラン議員からは「リーダーシップが見えなかった」との声まで上がっている。

自民党議員が納得していない法案を、維新との関係維持のために成立させる。これは連立政権の結束ではない。首相が自民党をまとめられず、維新に引きずられているだけである。

「説明しない政治」が信頼を失わせた

国会運営にも問題が多い。2025年の自民党総裁選などで、高市陣営が対立候補を中傷する動画の作成に関与したのではないかとの疑惑が報じられた。高市首相は関与を否定しているが、秘書と動画作成者のやり取りとされる音声などを巡り、説明は二転三転した。JNNの7月調査では、首相の対応に「納得できない」と答えた人が51%に達する。

高市首相は長時間働いていることや、睡眠時間を削って資料を読んでいることを強調する。しかし、有権者が首相に求めているのは努力量の自己申告ではない。疑惑には明確に答え、党内をまとめ、物価高に対して結果を出すことだ。「一生懸命やっているのだから支持してほしい」という段階に入った政権は危うい。

多数議席でも政権は末期になる

もちろん、高市内閣が直ちに退陣するとは限らない。自民党は衆議院で圧倒的な議席を持ち、野党に政権を倒す力はないが、政権末期とは必ずしも議席を失った状態を意味しない。

首相の支持率が下がり、党内で政策がまとまらず、連立相手への配慮で国会運営が迷走し、疑惑への説明も国民に届かない。首相の指示が組織を動かさず、政策の結果にもつながらなくなった時点で、政権は実質的な末期に入っている。

高市首相は「強いリーダー」というイメージで政権を築いた。ところが現在見えているのは、消費減税を決められず、自民党を説得できず、維新の要求に振り回される姿である。支持率という追い風が止まれば、「高市1強」は驚くほど簡単に崩れる。

高市政権に必要なのは、新しいスローガンでも忙しさのアピールでもない。国民生活に直結する政策を決定し、自らの言葉で説明する統治能力である。それが示せなければ、2月の圧勝は高市政権の絶頂ではなく、終わりの始まりだったことになる。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 21:50:29 +0000 Sun, 26 Jul 2026 21:50:29 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260725231806.html 安価なドローンは日本の救世主になり得るか? 無人アセット防衛に潜む落とし穴 https://agora-web.jp/archives/260725231806.html

 安価なドローンが高価な戦車や軍艦、爆撃機を撃破し、さらに敵国の重要インフラを破壊する——ウクライナ戦争において目撃されたこうした強烈な光景は、従来の戦争や戦略の常識を過去のものにしたように映るかもしれない。いわゆるドローンによる「軍事革命」論である。

これを目の当たりにした日本政府も、「コストを抑えた大量の無人システムによる新しい抑止力」としてドローンに飛びついているように見える。しかし、ドローンへの期待は果たして日本の安全保障の維持にどれほど貢献するのだろうか。筆者はこれを強く疑問視している。

なぜこの問題が重要なのか

防衛省は令和8(2026)年度予算案において、無人アセット防衛能力に約3000億円を計上し、沿岸防衛体制を強化すべく数千機規模のドローンを配備する「無人アセットによる多層的防衛体制(シールド)」を推進している。

事実上の「仮想敵国」である中国の国防予算に対し、日本の防衛費はその5分の1程度に過ぎず、深刻な自衛官不足にも直面している。「無人・安価・大量」のドローン活用が魅力的な選択肢に見えるのは確かだ。

しかし、そこには大きな落とし穴が存在する。

ドローンは「ゲームチェンジャー」でも「魔法の弾丸」でもない

NATOの分類によれば、ドローンは大きさや航続距離、高度により3種類に分けられる。

しかし、国家間の通常戦力による正規戦において、それらはすべて「従来の兵器の延長線」に位置づけられるものであり、戦争の性質や結果を根本から変えるものではない。

1. ドローンは「消耗戦」を作り出す

正規戦におけるドローンは、第一次世界大戦における「機関銃」のような役割を果たす。すなわち、陸戦でのドローン使用は「機動戦」を困難にし、「消耗戦」をもたらす。ドローンによる偵察で戦場が可視化されるため、迅速に敵を突く機動打撃が難しくなるからだ。

大量投入によって戦況は膠着し、領土を奪還する攻撃の主軸にはなり得ない。結果として「我慢比べ」の戦いとなり、最終的には政治的・経済的コスト(政権維持、兵力補充、弾薬調達など)に耐えられる国が優位に立つ。

ドローン自体は、これらの莫大な戦争コストを劇的に下げるわけではない

2. 投入されたドローンの大半は迎撃される

発射されたドローンの大半は、標的に届く前に電子妨害(ジャミング)や防空システムで迎撃される。高高度を飛ぶ大型機(リーパーやプレデター等)は別として、安価な小型FPV(一人称視点)ドローンなどは防空網に捕まりやすい。

F・ナミディ氏(ワシントン研究所)の分析によれば、イランが発射したOWAD(片道攻撃型無人機)やロシアが投入した1万機を超えるOWADの約90%が防空システムで撃墜されている。

正規戦において、ドローンの大半はターゲットに命中しないのが現実だ。

3. ドローンは「海戦」には向かない

ウクライナ等で得られた教訓の多くは「陸戦」のものであり、性質が異なる「海戦」では戦力になりにくい。近代海戦の特徴は、①短期決戦になりやすい、②投入される総トン数など物量の差が勝敗を決める、③指揮官のスキルが極めて重要になる、という点だ。

ドローンは威力・威圧ともにミサイルに及ばず、撃破されやすいため、艦艇等に致命傷を与えにくい。また、陸上と異なり補給路(道路や鉄道)がない海上や孤立した島嶼部において、大量に撃墜されるドローンの補充を維持するのは至難の業である。さらに広大な洋上では標的が分散するため、小型ドローンを集中運用すること自体が構造的に困難である。

正規戦における「過剰な期待」と「エスカレーションの罠」

もちろん、ドローンの軍事的有効性には議論がある。非国家主体との非対称紛争(イエメンのフーシー派の戦闘など)や内戦(エチオピア内戦など)では、ドローンが戦果を上げ、情勢を左右した例もある。

しかし、国家間の正規戦では過剰な期待は禁物だ。ウクライナが「蜘蛛の巣作戦」でロシアの戦略爆撃機に打撃を与えた例は衝撃的であったが、個々の派手な作戦成功と、戦争全体の最終的な勝敗(帰結)は別物として見極めなければならない。

軍事アナリストのベスクレストノフ氏が指摘するように、ウクライナがドローン等で一時的な戦果を上げても、それに対するロシアからの強烈な弾道ミサイル報復によってインフラが破壊されれば、反作用の損害の方が大きくなりかねない。

シカゴ大学のR・ペイプ氏が「エスカレーションの罠」と呼ぶように、「あと一押しすれば敵が折れる」という幻想のもとでドローン攻撃を激化させても、互いの国力を不毛に削り合う悪循環に陥るだけである。

日本が取るべき「現実的な抑止戦略」

我が国は、ドローンが「安価な抑止力」を提供するという幻想を捨てるべきだ。

特に日本の防衛当局が、台湾海峡や尖閣諸島をめぐる有事(=主に海戦・空戦)において、中国軍に対する劣勢を「ドローンシールド」で補おうとするのは誤学習の恐れが強い。

海戦においてドローンの有効性が限定的である以上、日本が優先すべきは以下のような「生存性と威力の高いアセット」および「現実的な抑止構造」の構築である。

打撃力と残存性の強化:
迎撃が困難で残存性の高い「移動式対艦高速滑空弾」や、優れた「潜水艦」の増強を優先する。

トリップワイヤー(仕掛け線)抑止の検討:
政治学者D・アルトマン氏(ジョージア州立大学)が提起するように、限定的領土奪取を抑止する実証的手段は「トリップワイヤー部隊」の配備である。同盟国・パートナー国自らが軍事拠点を配置し、武力行使があった場合に同盟(米軍)が半自動的に介入せざるを得ない構造を作ることが強い抑止力となる。

「通常戦力の三本柱」によるバランス・オブ・パワーの改善:
J・フィアロン氏(スタンフォード大学)らが指摘するように、東アジアにおける対中抑止力を回復するには、分散・生存性を高めた米通常戦力による第二撃能力(潜水艦、爆撃機、地上発射システム等)の構築が不可欠である。日本もこの一端を担うことで大きく貢献できる。

日本政府は、ドローンという「技術ファンタジー」に過度な期待を寄せるのをやめ、実質的な軍事バランスの改善と、現実的な抑止戦略の構築にこそ注力すべきである。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 21:50:05 +0000 Sun, 26 Jul 2026 21:50:05 +0000 https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260723075158.html https://agora-web.jp/archives/260723000227.html https://agora-web.jp/archives/260721083653.html https://agora-web.jp/archives/260721204622.html
https://agora-web.jp/archives/260726002706.html ドコモはなぜ「つながる神話」を失ったのか:長年の顧客がauに逃げた日 https://agora-web.jp/archives/260726002706.html

私は、ずっとドコモを使ってきた。

ドコモは高かった。しかし、つながった。だから使っていた。

山でも、地方でも、出張先でも、地下でも、最後はドコモが頼りになる。かつてのドコモには、そういう安心感があった。携帯電話会社を選ぶというより、「一番堅いインフラ」を選ぶ感覚である。

だが、私は最終的にドコモを離れ、auに替えた。

理由は料金ではない。

つながらなかったからである。

これは、長年のドコモユーザーにとってかなり屈辱的な体験だった。まさかドコモを「つながらない」という理由で見限る日が来るとは思わなかった。まして、ソフトバンクやauの方が快適に感じる場面が出てくるとは、にわかに信じがたい。

しかし、現実はそうなっている。

ドコモは会社としては強い

誤解してはならないのは、ドコモが経営危機にあるという話ではないことだ。

NTTドコモの2025年度実績は、営業収益6兆4581億円、営業利益9421億円である。2026年度についても営業収益6兆8210億円、営業利益9430億円を見込んでいる。巨大企業であり、財務的にはなお強い。(出典:NTTドコモ決算資料

だからこそ問題は深い。

これは会社が倒れそうだという話ではない。ブランドの中核が傷ついたという話である。

ドコモのブランド価値は、安さではなかった。キャンペーンの派手さでもなかった。iPhoneの独占販売でもなかった。

「結局ドコモが一番つながる」。

この神話こそが、ドコモ最大の資産だった。

平成のドコモは、生活の入口だった

ドコモの歴史を振り返ると、その存在感は圧倒的だった。

NTTドコモの沿革を見ると、日本電信電話公社による無線呼出、つまりポケットベルサービスは1968年7月に始まっている。その後、ドコモは1999年2月に「iモード」を開始し、2001年には「FOMA」本格サービス、2010年には「Xi」、2020年には「5G」サービスへ進んだ。PHSサービスは2008年1月、シティフォンは同年6月に終了している。(出典:NTTドコモ会社沿革

この流れを、私は利用者として見てきた。

ポケベルで数字を送る時代があり、PHSを「ピッチ」と呼ぶ時代があり、シティフォンのような都市型サービスがあり、iモードで携帯がネットにつながり、メール、着メロ、待受画像、絵文字、公式サイト、勝手サイトが生活に入り込んだ。

ドコモは単なる通信会社ではなかった。

モバイル生活への入口だった。

今で言えば、スマホの入口はAppleやGoogleであり、連絡の入口はLINEであり、決済の入口はPayPayやd払いやSuicaであり、動画の入口はYouTubeやNetflixである。だが、iモード時代の入口はドコモだった。携帯を開けば、そこにドコモの世界があった。

その企業が、自らの原点である「つながる」を疑われている。

これが哀しいのである。

数字にも出ている体感の変化

通信品質の評価でも、かつての「ドコモ一強」という印象は崩れている。

ケータイ Watchが報じたOpensignalの2026年4月版レポートでは、auが全18主要部門のうち単独勝者10部門、共同勝者1部門を獲得し、国内トップの受賞数となった。「一貫した品質」でもauは88.3%で単独勝者となり、ユーザーの体感品質の強さが示された。(出典:Opensignalレポート報道

一方で、ドコモにも強みは残っている。同じレポートで、ドコモは「カバレッジ・エクスペリエンス」と「5Gカバレッジ・エクスペリエンス」で単独勝者となり、5Gダウンロード速度でも159.1Mbpsを記録した。auとともにネットワーク利用率99.7%の共同勝者にもなっている。(出典:Opensignalレポート報道

つまり、ドコモは全面的に負けているわけではない。

エリアは広い。5Gの最高速も強い。山岳や地方での安心感もある。

だが、生活者の不満はそこではない。

問題は、都市の日常である。

駅で、繁華街で、職場周辺で、イベント会場で、通勤時間帯で、スマホを開いたときに遅い。読み込まない。決済画面が出ない。地図が開かない。SNSが固まる。メッセージが送れない。

最高速度が速くても、カバー率が高くても、生活の瞬間に詰まれば、利用者の評価は一気に落ちる。

通信会社にとって大事なのは、理論値ではない。

困ったときに動くかどうかである。

ドコモ自身も認める都市部の課題

この点について、ドコモ自身も課題を認めている。

ケータイ Watchのインタビューで、ドコモのモバイルネットワーク担当者は、都市部や通勤・帰宅時間帯で「まだまだ使いにくい状態が続いている」とし、多くの利用者に迷惑をかけていることを「深く反省」していると述べている。(出典:ケータイ Watchインタビュー

さらに同インタビューでは、基地局の数だけではなく、セクター数や周波数幅を含む「設備容量」が重要だと説明されている。つまり、問題は単純なエリアの有無ではない。人が集中する場所で、どれだけの通信量を処理できるかである。(出典:ケータイ Watchインタビュー

ドコモも対策は進めている。

2025年度には基地局数を15%増やし、設備容量も15%拡大した。主要都府県、つまり南関東、大阪、愛知では基地局数18%、設備容量19%の拡大だったという。(出典:ケータイ Watchインタビュー

また、ドコモは2025年度の通信改善取組みとして、山手線や東海道線など主要鉄道動線のSub6基地局数を1.2倍に増強し、渋谷、新宿、東京、横浜など主要駅周辺の設備容量を1.3倍に増強する施策を掲げている。(出典:ドコモ通信改善取組み宣言

要するに、ドコモは何もしていないわけではない。

だが、利用者の信頼は、改善計画ではなく体感で決まる。

山では今もドコモが強い

公平のために言えば、山岳地域では今でもドコモの安心感はある。

ドコモは公式サイトで「携帯電話をご利用になれる登山道」の情報を公開している。2025年9月2日時点の情報として、利用可能な代表的な山やスポットを検索できるようにしており、「登山道でも『つながる』をめざして」と取り組みを紹介している。(出典:ドコモ登山道エリア案内

ここは、やはりドコモらしい。

山、地方、道路、人口密度の低い地域では、利用者数も少なく、混雑しにくい。広いエリアを地道に面で支えるドコモの強みが生きる。

だから、「ドコモはもう全部ダメだ」と言うつもりはない。

山では強い。地方でも強い場面は多い。

しかし、私がドコモを離れたのは、山でつながらなかったからではない。街でつながらなかったからである。

都市の生活圏で不安を覚えるようになったとき、「つながるドコモ」の神話は崩れる。

強みが弱みに変わった

ドコモの悲劇は、かつての強みが弱みに変わったことにある。

ユーザーが多い。契約者が多い。ブランドが強い。安心感がある。

かつては、それがドコモの勝ち筋だった。

しかし、スマホ時代の通信量は桁違いに増えた。動画、SNS、地図、決済、クラウド、ゲーム、テザリング。携帯電話が電話とメールの道具だった時代とは、ネットワークにかかる負荷がまるで違う。

ユーザーが多いことは、混雑の原因にもなる。都市部では、最大手であることが快適さを保証しない。むしろ、最も多くの利用者を抱えるがゆえに、設備容量の不足が体感品質を直撃する。

携帯市場のシェアにも、変化は出ている。MCAの分析によれば、2015年度から2024年度第2四半期までの約10年で、ドコモの累積シェアは45.4%から41.0%へ低下し、MVNOを除く「真水」の累積契約数では41.6%から34.7%へ低下した。(出典:携帯市場シェア分析

それでもドコモは最大手である。

しかし、最大手であることと、最も信頼されることは違う。

ドコモは入口を失った

平成のドコモは、利用者の入口を握っていた。

端末を買う。契約する。メールを使う。iモードにつなぐ。コンテンツを買う。料金を払う。すべてがドコモの世界にあった。

だが、スマホ時代になると、入口は分散した。

端末はAppleとGoogleが握った。メッセージはLINEが握った。検索はGoogleが握った。動画はYouTubeやNetflixが握った。決済はQRコード各社や交通系ICが握った。ポイントも、楽天、PayPay、Ponta、dポイントが乱立した。

ドコモは、モバイル生活の入口から、単なる回線提供者へ近づいてしまった。

そこで残る最大の価値が「つながる安心」だった。

ところが、その安心が揺らいだ。

これは致命的である。

料金が少し高くても、つながるからドコモを使う。サポートが面倒でも、つながるからドコモを使う。新しいサービスが冴えなくても、つながるからドコモを使う。

その最後の理由が崩れれば、利用者は動く。

私がそうだった。

平成の覇者はなぜ負けるのか

フジテレビもドコモも、平成の覇者だった。

フジテレビは、家庭のリビングへの入口を握った。
ドコモは、モバイル生活への入口を握った。

どちらも、時代の中心にいた。どちらも、生活者の時間と注意を支配した。どちらも、強すぎた。

だが、強すぎた企業は、自分がなぜ選ばれていたのかを見失いやすい。

フジテレビは、視聴者が自分たちの編成に従うと思い込んだ。ドコモは、利用者が自分たちの回線に留まると思い込んだ。

しかし、生活者は冷酷である。

面白くなければ見ない。
つながらなければ替える。

ドコモの凋落は、単なる通信品質の話ではない。制度に守られ、ブランドに守られ、巨大な顧客基盤に守られてきた企業が、生活者の体感という最も単純な審判に敗れつつあるという話である。

山ではまだ強い。
財務も強い。
技術的な改善も進めている。

それでも、都市の日常で「つながらない」と感じた利用者は離れる。

ドコモが取り戻すべきものは、単なる速度ではない。単なるカバー率でもない。

「困ったときでもドコモなら大丈夫」という信頼である。

ポケベル世代がドコモを見限る日。

それは、平成の通信王者が、自らの神話を失った日でもある。

【出典】

]]>
Sun, 26 Jul 2026 21:40:06 +0000 Sun, 26 Jul 2026 21:40:06 +0000 https://agora-web.jp/archives/260726210127.html https://agora-web.jp/archives/260727052545.html https://agora-web.jp/archives/260726114254.html https://agora-web.jp/archives/260725235705.html https://agora-web.jp/archives/260724232752.html
https://agora-web.jp/archives/260725232725.html 海に寄り添う家々の絶景:伊根の舟屋を見下ろす旅 https://agora-web.jp/archives/260725232725.html 7月上旬、まだ涼しかった頃。近畿地方北部をドライブしました。兵庫県から車を北上させ、京都府の丹後半島に入ります。

やってきたのは半島東部の伊根町。ここには「伊根の舟屋」と呼ばれる国内では珍しい、海沿いに舟屋がずらっと建ち並ぶ光景を観ることができます。

奥に船がしまわれているのがわかる。

舟屋は「船の倉庫」。もともと木造であった船は、漁に出たあと乾かす必要があったため、風雨をしのげる建屋の中に入れて乾かしていました。それが舟屋の始まりです。

船は木造ではなくなりましたが、今でも舟屋の中に入れて保管している漁師が多くいます。水深が深く干満差が少ないことも舟屋を作るのに適していたようです。二階はかつて、休憩所や物置に使われており、住人は道路の向かいの家に住んでいることが多かったようですが、今は核家族化が進み、二階を住まいにする舟屋も増えてきています。

最近では船を乾かす必要がないので舟屋の外につないだままの家もあるようです。

船着き場から観光船が出ていきます。少し離れたところからより大型の観光船が出ているのですが、こうして少人数で乗れる観光船が舟屋の近くからでています。

伊根の舟屋のある辺りは小さな湾のようになっています。湾の向こうにも舟屋がびっしりと建ち並びます。道路が今ほど発達していなかった頃は陸路で対岸の集落まで行くよりも、船で行った方がずっと早かったといいます。船は漁に出るだけでなく、移動手段としても必需品でした。

少し集落を散歩します。狭い道路を挟んで右手が舟屋、左手が母屋です。母屋の奥にはすぐ山が控えています。平地の少ない場所ですが、湾を形成した中にあって終始穏やかな天然の良港であることから、ここに集落が形成されました。

通りの所々で舟屋を見学できるオタクがあるのでのぞかせてもらいます。

釣りに使う道具が壁に並べられた先に、漁に使う小舟が大事に保管されていました。

船の先はもう海。落ちないように気をつけて歩かなければいけません。海底の石がよく見えて透明度が高いことがわかります。

舟屋から隣家を望む。

舟屋から隣家を望む②

集落から少し車を走らせて、道の駅 舟屋の里伊根にやってきました。この道の駅は集落のすぐそばにあった崖の上に建っています。そのためここからは舟屋が並ぶ伊根の街並みを一望することができます。

対岸の先まで舟屋がびっしり並ぶのがわかります。これだけの家屋が海沿いにびっしり並ぶ光景を観ることは容易なことではありません。なかなか壮観です。

倍率をあげてみました。

地形的な特徴が生んだ独特の家屋「伊根の舟屋」。その珍しさから日本人だけでなく外国人観光客も多く観光に来ていました。家の真下から船が出てきて海へと向かっていくここでしか見ることができない光景を観に、ぜひ丹後半島の先まで足を運んでいただきたいものだと思いました。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年7月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 21:35:24 +0000 Sun, 26 Jul 2026 21:35:24 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260726042910.html 「番号」を数えていた私と、「人」を見ていたフランス人 https://agora-web.jp/archives/260726042910.html

結論から書く。フランス人は、順番を覚えていない。人を覚えている。

これに気づくまで、私は何年も無駄な努力をしていた。

服の色作戦、惨敗の記録

例の「並ばない待合室」を攻略するために編み出したのが、服の色作戦だ。到着した時点で、自分より先にいた人を、服の色と番号でセットにして覚える。

1番はピンク。2番は青。3番は茶色とクリーム。4番は……

と唱えている途中で、1番のピンクが部屋に入る。

更新。青が1番。茶色クリームが2番。えーと、4番は。

更新が終わらないうちに、新しい青い服が入ってくる。しかもその人は、1番の青と2番の茶色クリームの間に座った。

青が被った上に、私より後の人間が前の集団に紛れ込んだ。もう無理だ。

こんな調子で、私の作戦はいつも失敗した。何年経ってもクリアできない課題。順番待ちがトラウマになりかけていた、と言っても大げさじゃない。

答えは、ちゃんと列がある場所にあった

皮肉なことに、ヒントは「並ぶ場所」で見つかった。スーパーのレジだ。

ここは日本と同じ。並べばいい。前の人が終われば自分の番。覚えることなど何もない。私にとっては休息の時間ですらあった。

ただ、日本ではあまり見ない習慣が一つある。

「どうぞ、先に行って」

前の人が、後ろの人に順番を譲るのだ。珍しくない。しょっちゅう見る。優しいなあ、素敵だなあとは思う。思うけれど、ずっと引っかかっていた。順番は順番じゃないのか。譲ったら、並んでいる意味がないのでは。

夫の答えが、全部ひっくり返した

ある日、夫とレジに並んでいたら、後ろに来た40代くらいの男性に夫が言った。

「お! 先にどうぞ、どうぞ」

男性は笑って「あぁ~、ありがとう!」と前に入っていった。あまりに自然で、澱みがない。

私は聞いた。責めてるわけじゃなくて純粋に知りたいだけなんだけど、と前置きして。日本との違いを聞かれると、この人は張り切る。案の定、ニコッと笑って答えてくれた。

「彼、サンドイッチと飲み物だけ持ってただろ? 僕たちはカートいっぱいだ。彼の会計なんて10秒で終わる。先に通したって、こっちは何も変わらない。それにさ、サンドイッチと飲み物だけって、たぶん仕事が長引いて、昼休みが短くなって、慌てて食べようとしてるんじゃないかな。少しでも助けになれたら、うれしいじゃないか」

……見ていたのか。

私は、後ろに誰が並んでいるかなんて、気にしたこともなかった。何を持っているか。何歳くらいか。どんな顔をしているか。一度も。

そこでハッとした。あの待合室でも、私は人を見ていなかった。

見ていたのは服の色だ。それも、その人の服装としてではなく、記号として。ピンク、青、茶色。私は人間を色分けして番号を振っていた。そりゃ覚えられないはずだ。青が二人来ただけで破綻するのだから。

順番を「番号」だと思っていた

前に三人いれば、私は4番目。一人終われば3番目。数字が減っていくだけの管理作業。

フランス人は、そう見ていない。

誰が前にいて、誰が後ろにいるか。その人はどんな様子か。急いでいそうか、余裕がありそうか。生活の匂いごと、人として記憶している。

だから椅子がバラバラでも見失わない。番号は席の配置に依存するが、人は人のままだからだ。

そして同じ理由で、譲れる。相手を人として見ていれば、その人の事情まで想像が届く。想像が届けば、譲るのは自然な動作になる。

順番を守る技術で、日本人は世界一かもしれない。だが守っているのは、もしかしたら列という形式のほうなのかもしれない。あの人たちが守っていたのは、そこに立っている人間だった。

……と、きれいにまとまりそうになったので、最後に白状しておく。

あれから何年も経つが、私はいまだに待合室で順番を間違える。人を見ようと意識はしている。しているのだが、気づくと服の色を数えている。

三つ子の魂、というやつだろうか。

※ここでは、本編のエピソードをラノベ調コラムに編集し直しています。

尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)

フランス人の気楽な働き方、全力の休み方』(トレオレル 美智子 著)フォレスト出版

<書籍評価レポート>

■ 採点結果
【基礎点】  39点/50点(テーマ、論理構造、完成度、訴求力)
【技術点】  21点/25点(文章技術、構成技術)
【内容点】  18点/25点(独創性、説得性)
■ 最終スコア 【78点/100点】
■ 評価ランク ★★★ 標準的な良書
■ 評価の根拠
【高評価ポイント】
完成度:流れに破綻がなく、書籍として非常によく仕上がっている。「順番は番号ではなく人である」という着地点は、フランスという舞台を離れても成立する射程を持つ。他者への想像力という主題への収束が自然である。

訴求力:目新しい題材ではないにもかかわらず、読後感は新鮮である。日常の些末な違和感を起点に据えた導入が、読者の関心を切らさずに保っている。具体的な場面提示が的確で、説明に頼らず読ませる筆力がある。

【課題・改善点】
説得性:記述の大半が著者個人の観察に基づいており、フランス社会の一般的傾向として提示するには根拠が不足している。地域差・世代差・都市部と地方の違いへの言及がない。

論理構造:夫という単一の証言を、フランス人全体の思考様式へ拡張する飛躍がある。エピソードの説得力は高いが、一般化の手続きが省略されている。裏付けの不足が、総合評価を80点未満に留めている最大の要因である。

■ 総評
フランス人の順番待ちという極小の題材から、他者への想像力という普遍的な主題へ着地させた構成は見事で、書籍としての完成度は高い。夫の一言による反転という流れに無理がなく、読み物として新鮮である。ただし着眼そのものに目新しさはなく、記述の大半が著者個人の観察に依拠している。

フランス社会の傾向として一般化できるかは検証されておらず、近年数多いこの種の異文化体験記に共通する主観性の域を出ない。裏付けの証左が示されれば、80点を超えてくる書籍である。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 21:30:09 +0000 Sun, 26 Jul 2026 21:30:09 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727063749.html https://agora-web.jp/archives/260727063007.html https://agora-web.jp/archives/260727072651.html https://agora-web.jp/archives/260725071039.html https://agora-web.jp/archives/260724063844.html
https://agora-web.jp/archives/260725235705.html 最低賃金は企業を選別する制度である:山梨県知事が示した産業構造改革の本質 https://agora-web.jp/archives/260725235705.html

山梨県の長崎幸太郎知事が、最低賃金審議会で異例ともいえる意見陳述を行った。

長崎知事は、現行の最低賃金では単身世帯で年間約30万円の生活費が不足するという県独自の分析を示した上で、「最低賃金は賃金体系全体を押し上げる『最初の歯車』であり、県民所得の向上を実現するための構造改革の第一歩」であると位置付けた。さらに、県の経済力に見合う最低賃金水準を実現すべきだと主張している。

この発言に、日本共創プラットフォーム(JPiX)代表取締役会長の冨山和彦氏が、「さすがの見識です! 総理も見習って欲しい。」とFacebookで賛意を示した。

私も、この問題提起は極めて重要だと思う。

しかし、この議論の本質は、「最低賃金を上げるかどうか」ではない。最低賃金を通じて、日本の産業構造をどう変えるかなのである。

最低賃金は「最初の歯車」である

最低賃金は福祉政策だと思われがちだ。しかし、長崎知事はそう考えていない。最低賃金は、「県民所得の向上を実現するための構造改革の第一歩」だと明言している。

私は、この認識に強く賛成する。最低賃金は、単に低所得者を守る制度ではない。企業に変化を迫る制度でもある。

最低賃金が大幅に上がれば、企業は高い付加価値を生み出すための、弥縫策でない根本的な改革に取り組まざるを得ない。

最低賃金とは、企業改革のスタートラインなのである。

「最低賃金を上げると倒産が増える」は本当か

最低賃金の引き上げに反対する人は、必ずこう言う。「中小企業が倒産する」。

しかし、山梨県が独自に企業実態を分析した結果、最低賃金の引き上げと企業倒産や雇用縮小との間に相関関係は確認されなかったとしている。さらに、企業収益は改善している一方で、労働分配率は低下しており、「賃上げ余地がある」と結論付けている。

長崎知事はさらに、「異なる実態を主張するのであれば、印象論ではなく、データを明示して議論すべきだ」とまで述べている。 これは非常に重要な指摘である。

最低賃金の議論は、長年、「倒産する」「雇えなくなる」といった印象論に流されてきた。しかし、本来必要なのは、データに基づく冷静な議論である。

若者は地方が嫌なのではない

長崎知事は、20代前半の若者が毎年1000人以上山梨県外へ流出していることを指摘し、その背景には賃金格差があるとしている。

その通りである。若者は地方が嫌なのではない。低賃金が嫌なのである。

地方に、十分な収入を得られ、将来性があり、誇りを持てる仕事があれば、多くの若者は地元に残る。

問題は地方そのものではない。地方に高付加価値企業が少なすぎることなのである。

山梨県は「企業を変える」ことを前提にしている

長崎知事の原稿を読むと興味深いことが分かる。

知事は最低賃金の引き上げを求める一方で、人材育成、DX支援、設備投資支援、価格転嫁支援、補助金申請支援、特例融資などを一体的に進めると述べている。

つまり、「最低賃金だけ上げて終わり」ではない。企業にも変わることを求めているのである。

私は、この姿勢を評価したい。行政は役目を終えた企業を徒に延命させるためではなく、企業が高付加価値化することを支援すべきだからだ。

価格決定権を持つ企業だけが賃上げを続けられる

とはいえ、ここで一つ付け加えたい。DXだけでは十分ではない。設備投資だけでも十分ではない。持続的な賃上げを実現するために必要なのは、価格決定権である。

価格競争に巻き込まれる企業は、営業利益率が低く、賃上げ余力も限られる。

一方、独自技術を持ち、ブランドを築き、世界市場で評価される企業は、高い利益率を維持し、継続的な賃上げができる。

私はこれまで、オーデマ・ピゲやコシナなどを例に、価格決定権を持つ企業こそが高賃金を実現できると論じてきた。

若者は「ものづくり」が嫌いなのではない:オーデマ・ピゲ工房で見た現実
日本では近年、「若者のものづくり離れ」が盛んに語られている。工業高校の志願倍率低下、製造業の人手不足、若手従業員の短期離職。こうした現象を見ると、「若者は製造業を嫌っている」と考える人も多い。しかし私は、それは本質を外していると思う。若者は...
非上場でも世界企業:コシナに学ぶ「価格決定権」という競争戦略
2019年、私は「中韓の新興勢力が躍進!キヤノン高収益ビジネスモデルの破壊者の正体」という記事を書いた。当時のテーマは、中国や韓国メーカーの台頭によって、日本のカメラ・レンズメーカーが長年築いてきた高収益モデルが揺らぎ始めていることだった。...

長崎知事の「構造改革」という発想は、この方向性と矛盾しない。むしろ、その第一歩と位置付けられる。

低賃金経済は社会の健全性も損なう

低賃金の問題は、家計だけの問題ではない。将来への希望を失わせる問題でもある。

近年、「闇バイト」と称し、SNSを介して特殊詐欺や強盗の実行役を募集する事件が相次いでいる。もちろん、低賃金だけが特殊詐欺の原因ではない。犯罪は家庭環境や教育、地域社会など様々な要因が重なって起こる。

しかし、正規の仕事で努力しても生活が良くならないと感じる人が増えれば、「短時間で高収入」という違法な誘いが相対的に魅力を持ってしまう社会になる。

これは決して望ましい社会ではない。低賃金経済は、社会のモラルや治安にも長期的な影響を与えかねないのである。

日本が目指すべきは「高賃金でなければ企業が生き残れない経済」

日本では、「企業が耐えられる最低賃金」ばかりが議論される。しかし、本当に問うべきなのは、儲けが少なすぎる問題企業の体力に最低賃金を合わせるのか、日本以外の先進国並みの最低賃金に企業を合わせるのか、ということである。

私は後者であるべきだと思う。最低賃金を日本以外の先進国並みに短期間で一気に引き上げる。企業は付加価値を高める。行政はその改革を支援する。ブラック企業が綺麗に淘汰され、価格決定権を持つ企業が成長する。その結果として、若者が地方に残り、地方経済が豊かになる。

長崎知事が最低賃金を「県民所得向上を実現するための構造改革の第一歩」と位置付けたことには、大きな意味がある。

日本が目指すべきなのは、長年にわたる自民党の中小企業政策の帰結である「低賃金でも容認される、ブラック企業の自称経営者に優しい経済」ではない。「高賃金でなければ企業が生き残れない経済」である。

その転換なくして、「頑張れば報われる社会」は実現しない。

そして、その転換を促す最初の歯車こそが、最低賃金なのである。

]]>
Sat, 14 May 2016 08:38:59 +0000 Sat, 14 May 2016 08:38:59 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html
https://agora-web.jp/archives/260726051902.html 『CNN』のNJ州有権者誤登録記事に見る「立法事実」と「SAVE法」 https://agora-web.jp/archives/260726051902.html

今国会で成立した国旗損壊罪の審議では、「立法事実」なる普段耳にしない用語が報じられた。AIに聞くと「法律や条例を設ける、あるいは維持する必要性や合理性を裏付ける、社会・経済・科学などの一般的事実」とのこと。これもピンとこないが、国旗損壊罪に例えれば「日の丸が公然と燃やされたりすることがしばしば起こる」といったような「事実」になろうか。

ならば反対論者の主張は、「そういった事実がほとんどないので、取り締まる法律は必要ない」ということになろう。だが、過去に起こらなくても将来に備えて法律を作っておく、という考えも成り立つのではと思い、AIに聞いてみたら案の定ある。それは「予防的立法」という「将来起こるかもしれない害や危険を未然に防ぐことを目的として、予め規制や刑罰を新設する法律」だそうだ。

ネットでは、某元文科省事務次官による「国旗損壊罪なんてできたら、白い紙の表と裏に赤い丸を書いて、破ってやる。それを毎日交番の前でやってやる」とのX投稿が炎上しているらしい。そこまで強がるなら、法律になる前にやってくれたら立派な「立法事実」になったのに、と筆者は残念に思う。

一方、11月に中間選挙を控える米国に目を転ずると、トランプ大統領肝煎りの「アメリカ有権者資格保護法:Safeguard American Voter Eligibility Act(SAVE法)」の成否が注目の的だ。この法律は、連邦選挙での有権者登録には市民権の証明を、そして投票には写真付IDの提示を、各々義務付けるもので、20年の大統領選で不正があったと主張しているトランプ氏が成立を待望している。

世論調査でもSAVE法には、共和党支持者で登録96%・投票95%、無党派層で登録83%・投票77%、民主党支持者でも登録72%・投票62%が賛成なので下院通過はほぼ確実だった。が、上院では60票を要するフィリバスター(議事妨害)に遭うこと必至につき、共和党ジョンソン下院議長はそれを回避すべく、SAVE法を国防総省への資金増額や農業支援等と抱き合わせて950億ドル規模の第3次予算調整案に入れ込むことで22日、賛成216票・反対214票の僅差で下院を通し、上院に送った。

今後、難航が予想される上院のことはひとまず措き、以下では16日のトランプ氏による外国やディープステートによる選挙干渉の暴露演説に歩調を合わせるように、そして22日のSAVE法下院通過を後押しするかのように、21日に明らかになったニュージャージー(NJ)州の非市民投票に係る『CNN』報道について考察する。

民主党シェリルNJ州知事は21日、同じ民主党マーフィー前知事時代に6,600人の非市民を有権者名簿に載せ、うち約400人が近年不適切に投票していたこと、及び前知事がそれを隠していたことを明らかにした。原因はソフトウェアの不具合らしいが、記事の書き手は「この事実は、共和党が長年続けてきた非市民の投票に対する反対運動の格好の材料となった」と記しつつ、事件の矮小化に余念がない。

記事は先ず「共和党はこれまで非市民の登録や投票について、虚偽や誇張 、憶測に基づいて主張してきた」とし、「だが民主党の州で実際にそのようなことが起きた。しかもその規模は相当なもので、近年の他の州と比べてもはるかに大きい」と書く。ならば「共和党の主張は虚偽や誇張 、憶測ではなかった」と恐れ入るべきだが、そうはしないところが『CNN』たる所以。

例えば、24年のオハイオでの597件の非市民登録で138人が投票した事件や、同じ年にアイオワでも有権者記録2,000件余りを精査したところ14%近い277人の非市民が登録され、うち35人が投票したこと記していながら、「共和党はしばしばその数を誇示するが、さらなる精査によって問題のあるケースの数は大幅に減少する」とする辺りもそうだ。

なぜなら、記事がこう続くからだ。曰く「NJの例は規模が大きいとはいえ、事実上、意味を持つほどの票数ではない」「400票は全てが1回の選挙で投じられたわけではなく」、これらの者は「民主党員、共和党員、無所属の有権者として登録されており、州全体に散在していた」うえ、「NJの有権者は220万以上だ」と。だから結果には影響しない、といいたいのだろう。

そして「NJの例は、特定の状況下では、非市民でも有権者登録され、投票することが可能であるということを改めて示すが、共和党が主張する有権者規制強化の運動(=SAVE法)に必ずしも当て嵌らない」から「トランプ氏が主張する、民主党のために選挙を不正操作しようとする意図的かつ大規模な企てを示すものではない」と強弁する。

更に、NJの誤登録者は「登録を試みたり、選挙不正を働こうとしたりせず、謝って有権者登録された非市民だと自ら明らかにした」から、「SAVE法に伴う市民権証明の要件は問題を解決しなかっただろう」と我田引水し、「非市民による投票を完全に無視することはできないが、それは広範囲に行われているのではなく、むしろ偶然によるもののように思われる」と結論するのである。余りに勝手な憶測に満ちた解釈で呆れる他ない。

なぜって、NJでは誤登録の非市民6,600人のうち400人が、オハイオでは597人の非市民登録者のうち138人が、アイオワでは精査した有権者記録2,000件中の約14%が非市民で、うち35人が投票したという歴とした「事実」がある。記事の書き手は「選挙に影響を与える数字ではない」というが、それこそ「むしろ偶然によるもの」ではあるまいか。

この先もこうした「偶然」が起こり続ける、と誰が断言できようか。だからこそ、大多数の米国民が党派を超えて「有権者登録時の市民権証明と投票時の写真付ID提示を義務付ける」至極当然なことの法制化に賛意を示すのだろう。これ即ち「予防的立法」である。上院で反対に回る中間選挙対象者は、民主党であろうと共和党であろうと、落選の憂き目に遭う確率が上がる。

最後に蛇足ながら、日本の選挙も投票所でのマイナカード提示で投票できるようになれば、国と地方合わせておそらく何十億枚にも上る、膨大な数の投票券の印刷・在庫・郵送などの工数が省けるのではなかろうか。民主党の反対理由はマイノリティはID持たない者が多いというものだが、米国でも病院や薬局ではIDの提示が要るそうだ。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 21:20:02 +0000 Sun, 26 Jul 2026 21:20:02 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727082225.html https://agora-web.jp/archives/260724191247.html https://agora-web.jp/archives/260726113237.html https://agora-web.jp/archives/260724193519.html
https://agora-web.jp/archives/260726212251.html 「高市ショック」の前触れか:食料品減税で自民党内の意見集約へ https://agora-web.jp/archives/260726212251.html 高市早苗首相が、飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げる案について、自民党内の意見集約を指示する方向だという。

超党派の社会保障国民会議では結論を出せず、1%への減税案と野党の給付案を併記する見通しとなった。そこで今度は自民党執行部と党税制調査会、総務会に判断を回すらしい。

これは「丁寧な合意形成」ではない。失敗したときに誰の責任か分からなくするための、典型的な責任分散である。

しかし、政治家が責任を分け合えても、市場は損失を分けてはくれない。これを強行すれば、本当に「高市ショック」が起きかねない。

高市首相 首相官邸HPより

年4.3兆円をどうするのか

国会答弁によると、飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げた場合、税収は年間約4.3兆円減少する。2年間なら単純計算で約8.6兆円である。国民1人当たりの減税額は年間約3万6,000円と試算されている。

問題は、減税額ではなく財源だ。

恒久的な歳出削減や増税を同時に示さない限り、減収分は国債で穴埋めするしかない。「2年間限定だから大丈夫」という説明も通用しない。いったん下げた食料品の税率を選挙前に8%へ戻せる政治家が、いったい何人いるのか。

2年間限定の減税は、2年後に終了する政策ではない。恒久減税へと変質する可能性の高い、期限付きの財政時限爆弾である。

いま減税すれば円と国債が売られる

減税を実施するタイミングも最悪だ。

日本の10年国債利回りは7月9日に2.9%まで上昇し、約30年ぶりの高水準をつけた。30年債、40年債の利回りも4%台に上昇している。市場が警戒しているのは、インフレだけではない。高市政権の財政拡張路線そのものだ。

円相場も1ドル=163円を超え、約40年ぶりの円安水準となった。政府が為替介入を警告しても円安が止まらないのは、市場が日本政府の政策運営に疑いを持ち始めているからである。

この状況で、財源なき4.3兆円減税を打ち出したらどうなるか。

国債が売られ、長期金利が上がる。財政への信認が低下して円が売られる。円安によって輸入物価が上昇し、食料品やエネルギー価格がさらに上がる。

食料品の税率を7ポイント下げながら、円安によって食料品価格そのものを押し上げる。右手で値札を下げ、左手で輸入価格を引き上げる政策である。

減税で物価高対策という矛盾

高市首相は、この減税を物価高対策として説明してきた。

確かに税率を下げた瞬間には、消費者物価指数は機械的に下がる。しかし、商品の税込み価格が減税分だけ下がる保証はない。企業が原材料費や人件費の上昇を吸収している場合、減税分の一部が企業収益の改善に回る可能性もある。

さらに、家計の可処分所得を増やす減税は需要を刺激する。供給力が増えないまま需要だけを増やせば、結果は価格上昇である。

日銀は、中東情勢と原油価格の上昇が日本の成長率を押し下げる一方、物価を押し上げるリスクを指摘している。

輸入インフレが強まっている局面で大型減税を行うのは、火災現場にガソリンをまいてから、消火器を配るようなものだ。

「高市ショック」は政策の必然になるか

高市首相は、自民党内の慎重派に配慮し、政府と党で責任を共有しようとしているという。

だが、本来、最終判断を下すのが首相の仕事である。党内に意見を聞き、国民会議に意見を聞き、税制調査会に意見を聞き、最後に「みんなで決めました」と言うのなら、首相は何のためにいるのか。

市場が見ているのは会議の数ではない。

年間4.3兆円の財源を示せるのか。国債発行を増やさないのか。日銀の金融引き締めを妨げないのか。2年後に本当に税率を戻せるのか。

これらに明確な答えがないまま減税を強行すれば、円安、債券安、金利上昇が同時に進む可能性がある。株価だけが円安で一時的に上がったとしても、住宅ローン金利や企業の資金調達費、輸入物価は上昇する。

それは景気対策ではない。国民の預金と賃金の価値を下げる政策である。

「高市ショック」は、誰かが悪意を持って起こすものではない。財源なき減税、金融政策への介入、バラマキ財政を重ねれば、政策の必然として起きる。

英国の市場を混乱させた「トラス・ショック」を笑っている場合ではない。日本でも首相の名前が市場暴落の代名詞になる日は、思っているより近いかもしれない。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 21:15:46 +0000 Sun, 26 Jul 2026 21:15:46 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260725212847.html 【東京一極集中は変わるのか?】維新副首都法案成立 https://agora-web.jp/archives/260725212847.html NPO法人万年野党が運営する情報検証研究所のYouTubeチャンネル「情報検証研究所【政策カフェ】」。

国会が閉会したことを受け、維新の副首都法案成立の意義や、それを契機とした東京一極集中からの脱却および地方活性化・道州制への展望について議論します。(収録日:7月25日)

【出演】

岸 博幸 慶應義塾大学教授
原 英史 (株)政策工房代表取締役

]]>
Sun, 26 Jul 2026 21:10:47 +0000 Sun, 26 Jul 2026 21:10:47 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727104615.html
https://agora-web.jp/archives/260724193542.html 都心マンションをあきらめて郊外戸建を買ってはいけない https://agora-web.jp/archives/260724193542.html 都心部のマンション価格の高騰が止まりません。不動産調査会社のデータによれば、東京23区の中古マンションの平均希望売り出し価格は2026年6月時点で70平方メートルあたり1億2741万円です。上昇ペースは一服したものの、一次取得者や実需の買主にとっては手が届かない水準まで価格が上昇しています。住宅購入を諦めかけつつある人も多いのではないでしょうか。

Hanafujikan/iStock

そうした状況下で最近よく聞くのがマンションが買えないなら、郊外の建売戸建てに切り替えようという判断です。

東京の多摩地区などにオーバーハングで建てられた木造の新築戸建住宅は、都心のマンションに比べると割安感があって人気となり、細分化された狭い敷地に次々と木造住宅が建設されています。

しかし、資産形成の観点からはこの選択は極めて危険だと思います。

不動産の価値は建物よりも土地によって決まります。

都心部のマンションが高騰し続ける理由は利便性の高い立地が限定される中、限られた供給に対して強い需要が存在しているからです。

一方で、郊外の戸建ては利便性に劣り土地の価値は大きくありません。購入した瞬間から建物の減価償却が急速に進み、木造であれば20年も経てば建物の評価額はほぼゼロになります。

今後加速する人口減少社会において郊外からは人口流出が予想され土地価格が上昇する可能性は低くなります。それどころか将来売却しようとしても買い手がつかないという「売れないリスク」を抱えることになります。

マイホームを消費財として将来の価値下落を受け入れるならまだしも、将来の資産形成も合わせて考えるのであれば安物買いの銭失いになるリスクを排除しなければなりません。

もし資金的な制約で都心マンションが買えないのであれば、エリアを郊外に広げて妥協するのではなく、都心や駅近のエリアを維持したまま広さをコンパクトにする。

あるいは無理に購入せず賃貸にして、資金を不動産投資などの資産運用に回す方が賢明です。

「郊外戸建で妥協する」という選択が、将来後悔につながる可能性があることを認識しておくべきです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年7月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 21:00:42 +0000 Sun, 26 Jul 2026 21:00:42 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727104615.html
https://agora-web.jp/archives/260726042023.html 満州事変が「自衛戦争」だったという高市首相の幼稚な歴史観 https://agora-web.jp/archives/260726042023.html 満州事変が国際法上の「侵略」にあたることは高校レベルの常識だと思っていたが、高市首相にとっては「自存自衛」の戦争だったらしい。

満州事変から日米戦争まで「自衛戦争」とする高市氏

これは一時的な失言ではなく、削除された2005年のブログ記事でも次のように書いている。

日本で言う「侵略戦争」に近い定義が登場したのは、1928年にパリで60カ国により締結された「ケロッグ・ブリアン条約(不戦条約)」からだと思います。この条約では、国際紛争解決の手段としての戦争を非としていますが、批准にあたって各国から条件が付けられ、ここで言う「戦争」とは「WAR OF AGGRESSION」であって「自衛戦争」は含まれないと解されることとなりました。

満州事変に至るまでの張作霖・学良親子の条約違反、日本人に対する挑発行為、米国の中立非遵守、支那事変に至るまでの国民政府軍による辛丑条約違反と挑発行為、太平洋戦争に至るまでの米英両国から国民党政権への爆撃機供与や経済的援助、ABCD包囲網による経済的封鎖、ことに石油の全面禁輸といった挑発行為に鑑みると、日本の行なった戦争を「侵略戦争」と総括するには無理があります

先の大戦も、真珠湾攻撃以前に連合国側から仕掛けられた戦争行為に対して、日本が自衛戦争に突入したという考え方が成り立ちます。前述しました天皇陛下の開戦時の勅語に込められた国家意思の背景が解ります。

他国の領土を侵犯する行為は1928年以降、侵略として国際法違反とされた。張作霖が何をしようと、中国の領土内で彼を爆殺し、1931年に柳条湖事件をでっち上げて満州事変を起こしたのは関東軍である。

これを国際連盟は国際法違反と認定し、日本軍の撤退を要求したが、日本はこれを拒否し、1933年に連盟を脱退した。つまり満州事変は国際法違反の侵略だったことは、当時の(日本を除く)世界の一致した意見であり、歴史的事実である。

満州事変が「侵略」だったことは世界の常識

不戦条約については疑問もある。1928年までに欧米諸国の獲得した植民地は既得権として認め、それ以降あらたに獲得した植民地だけを違法とするのは不公平だという批判は、当時からあった。

だがそういう人も「満州事変が自衛戦争だった」とは言わない。それは日本が満州でもっていた南満州鉄道などの権益を守るために「満州国」という傀儡政権を樹立した戦争であり、日本固有の領土を自衛する戦争ではなかったからだ。

その後の日中戦争は明らかな侵略であり、アメリカの石油禁輸は日本の南部仏印進駐への経済制裁だった。それを「連合国側から仕掛けられた戦争行為」などというのはお門違いである。石油の80%をアメリカから輸入していた日本が真珠湾を攻撃したことは、侵略というより国をあげての自殺行為だった。

戦後70年談話では安倍首相は「侵略」という言葉を避けようとしたが、有識者会議の座長代理だった北岡伸一氏は「歴史学者の99%は侵略という」と批判した。談話では「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」という一般論で語られた。

このように満州事変や日中戦争が侵略だったことは、歴史的にも政治的にも決着のついた常識である。高市氏の話はネトウヨ本によくある「アメリカが日本を挑発した」という陰謀論で、およそ論評にも値しない。

高市氏が最後にこういう発言をしたのは2012年で、ブログを削除したことからみると、今は考えが変わっているのかもしれないが、中国は問題視するだろう。今回は首相として日本の戦争責任について、きちんと総括すべきだ。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 04:42:36 +0000 Sun, 26 Jul 2026 04:42:36 +0000 https://agora-web.jp/archives/260726204413.html https://agora-web.jp/archives/260724194510.html https://agora-web.jp/archives/260718064022.html https://agora-web.jp/archives/260713015719.html https://agora-web.jp/archives/260703034049.html
https://agora-web.jp/archives/260724193458.html 他人事ではない発達障害と脳の機能低下 https://agora-web.jp/archives/260724193458.html ずいぶん前ですが、私が親しくバンクーバー日系社会あるいはビジネスを通じてご縁があった方がALSを患いました。彼はそんな日々も一日も休むことなく仕事をし続け、現地法人の社長と言う立場で多数の部下に指示を出し、社長方針を伝え続けました。そんな闘病生活も確実に症状悪化が進行し、月日が経ち、ついにホスピスに移ったという連絡を受け、見舞いに行った際は表現すら憚るような状況に陥っていましたが、頭は快活であり、普通に会話ができるのです。何故、こんなことになるのか、様々な思いを感じたのは実は私の父も同じような難病で亡くなったからであります。

父親の場合、確か2000年頃だったと思いますが、日本出張に来た私を「成田まで送ってやるぞ」といわれ車に乗ったのですが、どうも運転が怪しいのです。車線の間をうまく走れず、なんとなく隣の車線とまたがる時が多いのです。何度かそれを指摘して直すのですが、自然にずれていく感じでした。決定的だったのは成田の出口を出て何度か、道の分岐があるのですが、あるところで自分の思った方向に曲がれず分岐の間にある安全コーンにぶつかったのです。(スピードが遅かったので車に傷すらほとんどつかなかったぐらいでした。)その時、これは運転は無理、と判断し、父親に安全に東京まで運転して帰ったら免許を即返納すべき、と進言、父親は何故か素直にそれを聞き入れたのでした。

それから病院に行ったところ、難病である脊髄小脳変性症であることが判明しました。この病気、ご記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんが、ドラマの「1リットルの涙」の病気と同じであります。あのドラマをのちに見た時、難病と言われ、ドラマのネタになるような話が実は自分の父親も患ってしまったことは改めて大きな衝撃でありました。

ALSと変性症は似ていますが、筋力が違います。ALSは落ちますが、変性症は落ちません。ただ、いずれにせよ脳から手足への運動指示ができなくなり、手足の先の方から徐々にいうことを聞かなくなる、、実に苦しい病気なのであります。

ところで発達障害の子供が増えているとされます。実際に増えたというよりそういう病気を意識し、医学的あるいは医療として見ることが増えたために顕在化したという方が正しいのでしょう。

fzant/iStock

ある知り合いの事業者がお亡くなり、その御親戚が会社を継ぐことになったのですが、その子がアスペルガー症候群らしいと聞きました。一度だけご挨拶したことはあり、その際にはごく普通に対応していたのですが、後日、様々な話を聞く限り、とても中堅会社の社長としてやっていくには難しい感じでした。その頃、まだアスペルガーという言葉はまだ一般的ではなく、思わず、書籍を買って読んだぐらいです。

発達障害の子供が社会問題として顕在化したのはその後でした。何故そのような脳の病気が生じるのか、私は全く知見がないのですが、思った以上に社会問題化しているのかもしれません。

私の友人の小学生の子供はディスレクシアという文字が全く記憶できず、言葉の単語の切り方が全然理解できない状況にあります。「にわにはにわにわとりがいる」という言葉を一般の人は上手く区切りを見つけて理解することができますが、ディスレクシアのケースではその区切りは全くわからないのです。多分、こどもは「わにがどうしたの?」と聞くかもしれません。親は国語のテストが100点満点で2点だったと嘆いています。その子供も知っていますが、普通に会話すれば普通に理解はしますが、幼稚園児ぐらいの幼さを感じました。社会は技術が進化したので文章を読まなくても聞かせて理解させることはできるし、芸術面の才能は見出せたのでなにか道があればよいなと思います。

多分、我々が今生きる社会にはさまざまな障害を持つ方々が同居しているのだと思います。ただ、それは一般人からはあまり見えないのです。このようなギリギリを頑張って生きていく人たちにどう手を差し伸べていくのか、これはもしかしたら社会が発達障害や脳の問題をもっと意識することからスタートするのでしょう。

我々はガンについては比較的高い知識を持っています。それはそうなるリスクが高いからであります。発達障害や脳を原因とする病気になる人はまだそう多いわけではありません。「難病」と言う括りでありますが、大人になってからの病気は一般社会への対応ができなくなる宣言でもあります。それは程度が進んだ認知症でも同じであります。つまり大人から子供まで身体機能のみならず、脳が健全でしっかり機能することは喜びであり、それをもっと理解する必要もあるのでしょう。

脳の難病や発達障害は我関せずではなく、社会がどう理解し、受け入れていくかを考える時代になったとも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年7月26日の記事より転載させていただきました。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 03:00:58 +0000 Sun, 26 Jul 2026 03:00:58 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260721091353.html 今週のおすすめ記事(7月20日〜7月26日) https://agora-web.jp/archives/260721091353.html アゴラでは日々たくさんのニュースをお届けしていますが、「忙しくて全てをチェックしきれない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、今週の数ある記事の中から特に反響の大きかったトピックを厳選。政治・社会保障から国際情勢、ビジネスまで、いま知っておくべき記事を凝縮してピックアップ。週末の振り返りや、知識のアップデートにぜひご活用ください。

政治・経済・社会保障

円安でも輸出や国内工場は戻らず、企業の海外利益だけが膨らむ一方、国内投資と実質賃金は伸びないと分析。製造業空洞化、社会保障負担、資本流出が重なり、日本は植民地なきまま英国病を追う衰退国になりつつあると論じています。

日本病のカルテ(3) 日本は「大英帝国なき英国病」(池田 信夫)

日本病のカルテ(3) 日本は「大英帝国なき英国病」
かつて円安になれば輸出が増え、海外へ移転した工場が国内へ帰ってくると期待された。黒田日銀の異次元緩和で、為替相場は1ドル=80円台から120円台へ円安になった。これほど大幅に円が下がれば、日本製品の価格競争力は高まり、「メイド・イン・ジャパ...

高市内閣の支持率下落を、期待先行だった政権評価が実績不足で剥落し始めた結果だと分析。物価高、バラマキ財政、円安・金利上昇、中傷動画問題での説明不足、皇室典範改正の強行などが重なり、政治的資源を使い果たしたと批判しています。

各社の世論調査で内閣支持率が急落:「賞味期限」が切れた高市政権(平河 邦夫)

各社の世論調査で内閣支持率が急落:「賞味期限」が切れた高市政権
高市内閣の支持率に、ようやく重力が働き始めた。各社の世論調査では調査方法によって数字にかなりの差があるものの、支持率が前月から下落しているという傾向は共通している。これまで高市政権は高い支持率を誇り、「国民の信任を得ている」と胸を張ってきた...

神武天皇以来の皇統を、現代のDNA論や単純な史実検証だけで否定するのは適切ではないと論じています。古代史には不確実性がある一方、皇室の連続性は国家の物語と制度の積み重ねによって成り立っており、その歴史的意味を冷静に考えるべきだと指摘しています。

天皇が神武天皇の子孫だということの意味を考える(八幡 和郎)

天皇が神武天皇の子孫だということの意味を考える
神武天皇の創業と万世一系を怪しむ人は、保守系にもいる。その典型が百田尚樹さんで、その著書である『日本国紀』に対する批判を、アゴラで「日本国紀:陛下は神武天皇の子孫でないのか①②」として書いたことがある。今回の皇位継承議論のなかでも、革新系の...

改正皇室典範の男系男子養子案について、三笠宮寬仁氏が提唱し、彬子様が引き継いだ構想を、姻戚関係のある麻生太郎氏が政治的に推進したものだと批判。皇統維持ではなく、三笠宮家へ皇統を移す「天皇の政治利用」だと論じています。

男系男子の養子案は麻生氏が皇室を私物化する「天皇の政治利用」(池田 信夫)

男系男子の養子案は麻生氏が皇室を私物化する「天皇の政治利用」
改正皇室典範の養子案は三笠宮寬仁が提唱し、彬子様が引き継いだ案を麻生太郎氏が政治的に推進したもの。 その背景には、旧宮家の皇籍離脱をGHQの「戦後レジーム」として否定した安倍晋三氏の遺志があった。 麻生氏の目的は皇統の維持ではなく、三笠宮家...

高市首相が掲げる飲食料品の消費減税について、公約を守れば財源不明で円安・金利上昇を招き、撤回すれば公約違反になると分析。党内には減税の混乱の責任を首相に負わせ、退陣へ追い込むシナリオも浮上していると論じています。

消費減税の「8月決断」はあるのか:動き出した高市退陣シナリオ(平河 邦夫)

消費減税の「8月決断」はあるのか:動き出した高市退陣シナリオ
高市早苗首相が悲願としてきた飲食料品の消費税減税が、政権浮揚策ではなく「高市降ろし」の引き金になりつつある。政府は「骨太の方針」に、飲食料品の消費税減税について「8月上旬までを目途に方針を決定する」と明記した。現在検討されているのは、202...

高市首相はなぜ夜3時間しか眠れないのか(池田 信夫)

1ドル163円台の円安をめぐり、為替介入は一時的に円高を演出しても、低金利とバラマキ財政が続けば効果は持続しないと批判。介入を重ねるほど、市場には「政府は政策を変えられない」と読まれ、かえって円売りを誘うと論じています。

政府が為替介入すればするほど「ワロス曲線」になって円安は進む(池田 信夫)

政府が為替介入すればするほど「ワロス曲線」になって円安は進む
1ドルが163円の大台に乗った。円安が進むたびに、片山財務相は「必要があれば果断に行動する」などと語る。政府が円買い介入に踏み切れば、一時的に円は上がるが、数日後には円安に戻る。いわゆるワロス曲線になるのだ。介入を重ねるほど市場は「日本政府...

通貨危機を避ける方法は高市首相の退陣しかない(池田 信夫)

国際・エネルギー

中国は急速な経済成長で世界的地位を築いた一方、人口減少、不動産不況、若年失業、権威主義体制の硬直化により失速も早いと分析。日本は短期的な対立に振り回されず、経済依存を下げながら、長期的な中国の構造変化を冷静に見据えるべきだと論じています。

日中関係の長期的展望:世界最速で栄華を勝ち取り世界最速で没落する中国(岡本 裕明)

日中関係の長期的展望:世界最速で栄華を勝ち取り世界最速で没落する中国
日中関係を考えるのには、ほぼすべての人にあるであろう個人の持つ一定の思想的バイアスを一旦横に置けるかどうか、これがないとこの問題をまともに捉えることはできないでしょう。私が外から東アジア外交を見ている限り今の日中関係はかつて日本が韓国と非常...

米国建国250年に合わせ、トランプ政権が小型原子炉の臨界達成を急がせた経緯を解説。発電開始にはなお課題が残る一方、AIデータセンターの電力需要、規制緩和、国立研究所の支援、使用済み燃料再処理の再開構想まで含めた大きな原子力政策の転換だと論じています。

建国250年に臨界達成:トランプ原子力政策の舞台裏(澤田 哲生)

建国250年に臨界達成:トランプ原子力政策の舞台裏
1. アメリカの誕生日に間に合わせた実験2026年7月4日は、アメリカが独立を宣言してからちょうど250年の記念日であった。トランプ大統領は「この記念日までに、新しいタイプの小さな原子炉を3基、実際に動かしてみせる」という目標を、前年(20...

米イラン覚書がわずか1か月余りで崩壊の危機に陥った背景を、核問題ではなくホルムズ海峡をめぐる構造的対立から分析。米国がエネルギー輸送路の自由を重視し、イランが地域覇権を狙う限り、停戦しても衝突は繰り返されると論じています。

停戦崩壊が示す「終わらない米イラン対立」(アゴラ編集部)

停戦崩壊が示す「終わらない米イラン対立」
トランプ政権とイランの間で6月に締結された覚書(MoU)は、わずか1か月余りで崩壊の危機に瀕している。ロイター通信によれば、仲介国は双方に10日間の停戦を提案し、交渉再開を模索しているものの、戦闘は激化を続けている。米国はイラン各地への空爆...

「もんじゅ」廃炉後も、高速炉技術を放棄すべきではないと訴えています。資源小国の日本にとって、核燃料サイクルと高速炉はエネルギー安全保障の要であり、米仏露中印が開発を続ける中、日本が撤退すれば技術基盤も人材も失われると警告しています。

「もんじゅ」廃炉で終わらせてよいのか:日本の高速炉技術の危機(早野 睦彦)

「もんじゅ」廃炉で終わらせてよいのか:日本の高速炉技術の危機
資源小国のわが国にあって、核燃料サイクルの確立はエネルギー安全保障の要諦である。現在は六ヶ所再処理工場の軽水炉燃料サイクルまでしか視野に入っていないが、軽水炉だけではウランの利用効率が低く、やがてはウラン資源が枯渇する。ウランをプルトニウム...

ホルムズ海峡の緊張に加え、紅海・スエズ方面の海上交通も不安定化し、世界のエネルギーと物流が同時に揺らぐリスクを指摘。米イラン対立は中東の局地問題にとどまらず、日本の燃料価格、貿易コスト、サプライチェーンにも直撃する安全保障問題だと論じています。

ホルムズ海峡だけでは終わらない:二つの海峡が同時に機能不全に陥る意味(アゴラ編集部)

ホルムズ海峡だけでは終わらない:二つの海峡が同時に機能不全に陥る意味
中東情勢が新たな段階に入りつつある。イランによるホルムズ海峡での圧力が続くなか、イランと連携するイエメンの親イラン武装組織フーシ派は、紅海の入り口に位置するバブ・エル・マンデブ海峡でサウジアラビア船舶への海上封鎖を宣言した。実際に封鎖が本格...

シーボルトが1861年の江戸で木陰34.4℃の猛暑を記録し、黒瓦の屋根による蓄熱を指摘していたことを紹介。江戸にも都市型のヒートアイランドは存在し、暑さはCO2濃度だけでなく都市構造や暮らし方によっても左右されると論じています。

シーボルトが見た江戸の猛暑:ヒートアイランドは200年前からあった(室中 善博)

シーボルトが見た江戸の猛暑:ヒートアイランドは200年前からあった
1861年の夏、江戸に滞在していたフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトは、自らの日記にこう記した。「七月と八月、江戸湾と江戸および周辺では高温。ときには木陰でも華氏94度(約34.4℃)まで達することがある」木陰で34.4℃——今日の東...

IPCCの放射強制力スペクトルは、横軸を波長にすること、縦軸を単位面積当たりにすること、分解能の低い図を使うことによって、CO2の赤外線吸収を大きく見せていると指摘。実際の吸収量は見た目ほど大きくないと論じています。

CO2は本当に赤外線を大量に吸収するのか:温暖化スペクトルの3つの錯覚(中田 宗隆)

CO2は本当に赤外線を大量に吸収するのか:温暖化スペクトルの3つの錯覚
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が議論し、「地球温暖化の原因は二酸化炭素である」と結論づけた根拠とされる放射強制力のスペクトルを図1に示す。このスペクトルは、天文学辞典(公益社団法人日本天文学会)で誰でも見ることができる。一見すると...

ビジネス・IT・メディア

スペースXのスターシップ飛行試験が発射直前に中止され、同社株が公開価格割れしたことを分析。問題は一度の中止ではなく、スターシップ成功を前提に宇宙通信やAIデータセンターまで織り込んだ株価の高さであり、過大な期待が修正され始めたと論じています。

スペースXの打ち上げ中止:株価は墜落(東 慎太郎)

スペースXの打ち上げ中止:株価は墜落
イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業スペースXが、ロケットより先に株価を墜落させた。スペースXは7月16日、米テキサス州の宇宙基地「スターベース」で、大型宇宙船スターシップの第13回飛行試験を実施する予定だったが、エンジンが正常に始動せず、...

ダイソーが網戸補修シールのようなニッチ商品を100円で売れる理由を、店舗網と品ぞろえによる需要の束ね方から解説。大量仕入れ、小分け販売、広告や接客を抑えた低コスト構造により、低価格そのものを競争優位にしていると論じています。

ダイソーは、なぜ網戸補修シールを100円で売れるのか(永井 孝尚)

ダイソーは、なぜ網戸補修シールを100円で売れるのか
わが家の網戸に、小さな穴が空いているのを発見しました。窓を開けて穴から蚊が入るのは、とても困ります。ネットで調べると、ダイソーが「網戸補修シール」を100円で売っていることを突き止めました。早速近所のダイソーに出かけ、店内を探すこと15分間...

35年ローンは長期債務というリスクがある一方、賃貸にも家賃上昇、更新、老後の入居審査、資産が残らないリスクがあると指摘。購入と賃貸の優劣は一概に決まらず、収入安定性、物件選び、老後設計まで含めて比較すべきだと論じています。

35年ローンと35年賃貸、リスクが高いのは?(黒坂 岳央)

35年ローンと35年賃貸、リスクが高いのは?
黒坂岳央です。「35年ローンは人生が固定化され、支払い総額も大きいので非常にリスキー。賃貸のほうが安心」という意見をよく見る。確かに、「最も間違った買い方」をすればそうした末路になる可能性はゼロではない。だが、この意見には住宅ローンについて...

グーグルが過去最高益を出しても株価が下がった背景を、AI投資への過大な期待と収益化不安から分析。好決算でも市場が満足しない局面は、企業業績ではなく物語で買われたAI相場の危うさを示しており、バブル崩壊の兆しだと警告しています。

グーグルは最高益でも株価が下がるバブル崩壊の兆し(東 慎太郎)

グーグルは最高益でも株価が下がるバブル崩壊の兆し
グーグルの親会社アルファベットが、史上最高益を計上した。2026年4~6月期の売上高は前年同期比24%増の1198億ドル、営業利益は30%増の408億ドルだった。純利益は約4倍の1121億ドルに達した。とりわけGoogle Cloudの売上...

人口減少で住宅が安くなるという見方に対し、実際には生活インフラが維持される都市部へ需要が集中し、便利な土地ほど高騰すると指摘。空き家が増えるのは「選ばれない土地」であり、これからは価格より「どこに住むか」が決定的に重要だと論じています。

「人口減少で家は安くなる」は逆が正しい(黒坂 岳央)

「人口減少で家は安くなる」は逆が正しい
黒坂岳央です。「人口が減るのだから、いずれ家も土地も余って安くなる」。この見立ては直感的で、多くの人が信じている。だが現実の不動産市場を見れば、これは逆が正しい。人口減少はむしろ、家の価格を押し上げる。現在すでにそれが起きている。2026年...

外国人社員がすぐ辞めるように見える背景を、個人の忠誠心ではなく日本企業側の雇用慣行から解説。職務内容や評価基準が曖昧で、年功序列や空気を読む働き方を求めれば、ジョブ型に慣れた人材は合理的に転職を選ぶと論じています。

どうして外国人ってすぐ辞めるの?と思った時に読む話(城 繁幸)

どうして外国人ってすぐ辞めるの?と思った時に読む話
最近、SNS上で「すぐ辞める外国人」が話題となっています。ま、別に最近の話ではなくて30年以上前から知っている人は知っている話ですけど、逆に言うと21世紀の現在も根っこの部分は変わっていない職場が多いということなんでしょう。昔から先進国出身...

FIREを目指す人が増えても、投資を続けられるだけの余剰資金と値動きへの耐性を持つ人は限られると指摘。仮に全員が投資家化すれば、消費減少と労働供給不足で経済の前提が崩れ、結局は労働と投資の均衡に戻ると論じています。

全員がFIREを目指しても労働者はいなくならない(黒坂 岳央)

全員がFIREを目指しても労働者はいなくならない
黒坂岳央です。「もしも日本人みんながFIREの素晴らしさに気づけば、労働者はいなくなるのではないか」こうした主張を見かけた。筆者はそうはならないと考える。労働者は消えないし、FIREできる人は今と変わらず少数派であり続ける。根拠を述べたい。...

人手不足倒産の背景には、社員が黙って担ってきた「見えない仕事」の喪失があると分析。優秀な社長ほど即断で現場を黙らせ、反対意見や実情が非公式な層に沈むため、退職が続くと引き継ぎ書に残らない知恵が抜け落ち、会社が回らなくなると警告しています。

優秀な社長ほど会社を壊す?「見えない仕事」が消えるとき(山村 太祐)

優秀な社長ほど会社を壊す?「見えない仕事」が消えるとき
その会社は、誰で回っているのか7月に帝国データバンクが公表した2026年上半期の倒産集計は、5,335件と4年連続の増加でした。なかでも人手不足倒産は227件と上半期の過去最多を更新し、その約8割を従業員10人未満の会社が占めています。見落...

編集者・評論家として活躍した山田五郎さんの訃報を受け、その足跡を振り返っています。雑誌編集、テレビ、YouTubeを通じ、美術や街、時計、文化をユーモアと知識で語り、難しい教養を身近な楽しみに変えた稀有な存在だったと追悼しています。

山田五郎さん死去:「知ることの楽しさ」を伝え続けた博覧強記の人(黒沢 杏奈)

山田五郎さん死去:「知ることの楽しさ」を伝え続けた博覧強記の人
編集者、評論家として活躍した山田五郎さんが、7月14日に亡くなった。67歳だった。所属事務所が22日、公式YouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」で発表した。葬儀は19日に親族や友人、仕事関係者らによって執り行われたという。山...

フランスで15歳未満のSNS利用を禁じる法律が成立したことを受け、表現の自由や匿名性への懸念と、子どもをアルゴリズムの中毒性から守る必要性の間で揺れる問題を整理。日本も「デジタル成人年齢」をめぐる議論に備えるべきだと論じています。

G7で初のSNS年齢規制。「デジタル成人年齢」という考え方をどう受け止めるか(音喜多 駿)

G7で初のSNS年齢規制。「デジタル成人年齢」という考え方をどう受け止めるか
フランスで、15歳未満のSNS利用を禁じる法律が成立しました。9月1日から新規のアカウント開設ができなくなり、既存アカウントも4カ月以内に閉鎖されます。私はSNS規制には基本的に反対の立場です。それでも今回のニュースには、簡単に反対と言い切...

科学・文化・社会・一般

W杯決勝でスペインがアルゼンチンを1-0で下した一方、試合後の乱闘や大会中の問題行為が後味の悪さを残したと批判。英雄メッシの物語性や強豪国への忖度疑惑を背景に、人気者や強国にも同じルールを適用できるのかが問われていると論じています。

スペインの優勝を汚したアルゼンチン選手の乱闘と優遇疑惑の後味の悪さ(黒沢 杏奈)

スペインの優勝を汚したアルゼンチン選手の乱闘と優遇疑惑の後味の悪さ
FIFAワールドカップ2026北中米大会は、スペインの4大会ぶり2度目の優勝で幕を閉じました。しかし、世界最高峰の大会を締めくくったのは、華やかな表彰式だけではありませんでした。試合終了直後に起きた乱闘が、スペインの美しい戴冠に消し難い汚点...

サザンオールスターズ「いとしのエリー」とマレーナ・ショウの楽曲の類似性がSNSで再燃した問題を紹介。似ている部分はある一方、楽曲全体の構成や情緒は異なり、「パクリ」の一言では片づけられないと指摘。名曲の価値より、音楽的ルーツを知る契機だと論じています。

「いとしのエリー」はパクリなのか:半世紀後に再燃した名曲のルーツ論争(黒沢 杏奈)

「いとしのエリー」はパクリなのか:半世紀後に再燃した名曲のルーツ論争
サザンオールスターズの代表曲「いとしのエリー」をめぐり、半世紀近く前の楽曲との類似性が改めて注目されています。きっかけは、Spicaさん(@CasseCool)がXに投稿した比較動画です。「いとしのエリー」のAメロやサビが、米国のジャズ・ソ...

農作物の窃盗には社会が強く反応する一方、介護現場などで高齢者の財産が失われる問題には関心が薄いと指摘。切手や古銭、貴金属などを「もらった」で済ませる構造は、弱い立場の人の財産権を軽んじるものであり、同じ窃盗として怒るべきだと訴えています。

盗まれた梨には怒れても、老人の切手には怒れないのか?(尾藤 克之)

盗まれた梨には怒れても、老人の切手には怒れないのか?
うきは市の農園から、収穫直前の梨が5,000個盗まれた。前年にも6,000個。会社を畳んで個人で再起を図った矢先に起きた、2度目の被害である。「もう梨は辞めます」という農家の言葉に、私も反射的に思った。こういう犯人は厳罰でいい、と。だが、「...

大谷翔平のMLB通算300号と二刀流復活を、天才や奇跡ではなく、データ分析と自己改造の成果として読み解いています。バレル率、打球速度、球種設計、身体連動の改善が投打を進化させ、スポーツ科学が人間の限界を押し広げていると論じています。

大谷翔平の300号は「奇跡」ではない:データが解き明かす二刀流の進化(滝沢 啓太)

大谷翔平の300号は「奇跡」ではない:データが解き明かす二刀流の進化
2026年7月、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手がMLB通算300本塁打を達成した。メジャー9年目、1102試合での到達は史上5番目のスピード記録である。さらに今季は、2023年秋に受けた右肘手術からのリハビリ期間を経て、マウンド上で...

男系男子論を、皇室の血統そのものよりも、日本社会が慣れ親しんだ家父長制や「変えないこと」への安心感を守る心理として読み解いています。伝統を掲げながら実際には近代以降の制度に固執し、変化を避ける日本人の保守感覚を問う論考です。

男系男子にこだわる日本人は、実際には「なにを」守っているのか(與那覇 潤)

男系男子にこだわる日本人は、実際には「なにを」守っているのか
日本一の役立たず学問・歴史学は皇室典範改正でもボロ負けしたわけだが、2月の選挙のときから書いてるように、負けたときにいちばん大事なのは「なぜ負けたか?」をふり返ることだ。対して「それは相手がズルいからだ、ホントは俺たちは負けてないぞうおおお...
]]>
Sat, 14 May 2016 08:38:59 +0000 Sat, 14 May 2016 08:38:59 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html
https://agora-web.jp/archives/260725084037.html 99.9%は敗者になる:それでも高校球児が白球を追う理由 https://agora-web.jp/archives/260725084037.html 7月末、うだるような暑さのなか、全国各地の球場で試合開始を告げるサイレンが鳴り響いている。

メディアのカメラは、150キロの速球を投げるプロ注目のエースや、甲子園常連校が見せる華麗なプレーに向けられがちだ。打率、奪三振数、通算本塁打。確かに、そうした「データ」は選手たちの非凡な才能を分かりやすく伝えてくれる。

しかし、夏の高校野球の本当の厚みは、トップニュースで報じられることのない「敗者たち」のドラマにこそあるのではないか。私はそう思えてならない。

 

0対10のコールドゲームに隠れた「意地」

地方大会で繰り返される光景をもとに、ひとつの試合を描いてみたい。

強豪私立に挑むのは、部員をようやく9人そろえた地元の公立校。結果は5回コールド、0対10という大敗だった。

データだけを見れば、「圧倒的な実力差で終わった凡戦」と片付けられてしまうかもしれない。しかし、球場の空気は違う。

4回裏、すでに大量のリードを許し、疲労の色をにじませながらマウンドに立ち続けるエース。彼が投じた110キロにも満たない直球を、相手の強打者が痛烈に弾き返した。

三遊間を抜けようかという当たりに、泥だらけのショートが横っ飛びで食らいつき、間一髪でアウトにした。

その瞬間、まばらなスタンドから大きな拍手が湧き起こった。

それは勝敗という結果を超えた、「人間の意地」に対する賛辞だった。

「勝てないかもしれない」それでも白球を追う理由

選手たちの多くは、自分たちが甲子園に行けないことを、頭のどこかでは分かっている。

それでも、冬の凍えるようなグラウンドでノックを受け、手にまめを作りながらバットを振り続けてきた。

「どうせ負けるのに、なぜそこまでやるのか」

そう問う人がいるかもしれない。

だが、スポーツの価値は、「勝利」という結果だけで測れるほど薄っぺらいものではない。

厳しい練習に耐え抜いたこと。意見がぶつかり合ったチームメートと、最後には肩を組んで笑い合えたこと。試合に出られなくても、仲間のために声を出し続けたこと。

そうした過程こそが、成績表にもスコアブックにも残らない、彼らの人生における大きな財産になる。

試合後、監督は目を真っ赤に腫らした選手たちに、夏はここで終わっても人生はここから始まる、この試合と泥だらけのユニフォームを忘れないでほしい、という趣旨の言葉を贈った。

そこには、選手たちが3年間を捧げた意味のすべてが詰まっていた。

敗者がいるからこそ、夏は輝く

2026年の夏の選手権地方大会には、全国から3,662校、3,363チームが参加した。

そのうち、最後まで一度も負けないのは、全国制覇を成し遂げるたった1チームだけである。

つまり、参加チームの99.9%以上は、「敗者」として夏を終えることになる。

高校野球とは、ほとんどすべての選手が敗北を経験する大会なのだ。

しかし、だからこそ価値がある。

圧倒的な敗北を知り、涙を流し、それでも相手チームの健闘を願う。自分たちを破った学校に千羽鶴を託し、次の試合での勝利を祈る選手たちもいる。

そうした誇り高き敗者たちがいるからこそ、勝者の背中はより一層輝き、高校野球は私たちの心を引きつけてやまない。

明日もまた、どこかの球場でサイレンが鳴る。

スコアボードに並ぶ「0」の向こう側には、数字だけでは決して語れない、それぞれの夏がある。

甲子園には届かなかったかもしれない。試合にも勝てなかったかもしれない。

それでも、最後まで白球を追い続けた彼らの誇り高き夏に、心からの拍手を送りたい。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 03:00:36 +0000 Sun, 26 Jul 2026 03:00:36 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727235816.html https://agora-web.jp/archives/260727055404.html https://agora-web.jp/archives/260724061036.html https://agora-web.jp/archives/260721072116.html https://agora-web.jp/archives/260721011122.html
https://agora-web.jp/archives/260724193519.html 「トリノの聖骸布」のDNA分析結果 https://agora-web.jp/archives/260724193519.html 「トリノの聖骸布」に関する新たなDNA分析により、その歴史の複雑な様相が明らかになった。7月に学術誌『Scientific Reports』で発表された研究結果によると、「トリノの聖骸布」には、ヒト、動物、そして特筆すべきことにニンジンなど、様々な地域に由来する遺伝物質が特定された。

学術雑誌「Scientific Reports」の「『トリノの聖骸布』の1978年の公式サンプル・コレクションに保存されたDNAの痕跡」の報告書から

『Scientific Reports』は、自然科学、心理学、医学、工学などのあらゆる分野を網羅する、世界最大級のオープンアクセス学術雑誌だ。今回のレポートの原題は「DNA signatures preserved in the official 1978 sample collection of the Shroud of Turin」だ。2026年7月にScientific Reports誌に掲載された研究は、パドヴァ大学のGianni Barcaccia教授らにより、トリノの聖骸布から多様なDNA(植物、動物、微生物、ヒト)を特定した。解析では、中世以降の農作物や中近東・地中海地域の環境DNAに加え、1978年のサンプル採取者であるBaima Bollone教授のDNAが多く検出され、歴史的な接触痕跡が明らかになった。

同レポートの要旨を紹介する。

本研究は、1978年に『トリノの聖骸布』から採取されたサンプルから抽出されたDNAの多様性について新たな知見を提示し、厳密なDNA解析およびメタゲノム解析を通じてその生物学的複雑さを明らかにする。我々の研究結果は、聖骸布の保存状態や環境との相互作用を浮き彫りにするとともに、複数の生物学的起源に由来する遺伝的変異体に関する貴重な視点を提供する。特定されたヒトミトコンドリアDNA(mtDNA)系統には、1978年の公式採取者のミトゲノムと一致するK1a1b1a、mtDNA標準配列(rCRS)の系統であるH2a2、西ユーラシアで一般的なH1b、そして近東にも見られる希少なH33などが含まれる。さらに、聖骸布のマイクロバイオーム(微生物叢)の解析からは、ヒトの皮膚表面に一般的に見られる多様な微生物に加え、高塩分環境に適応した古細菌群集や、カビ類を含む真菌の存在が明らかになった。これらの知見は、聖骸布が数世紀にわたって経験してきた保存環境と整合するものだ。地中海固有の赤サンゴ、様々な栽培植物(ニンジン、コムギ、トウモロコシ、バナナ、ピーナッツなど)、および家畜(ウシ、ブタ、ニワトリ、イヌ、ネコなど)が豊富に検出されたことは、時間の経過とともに聖骸布に蓄積した汚染物質の多様な生物学的起源をうかがわせる興味深い事実だ。最後に、聖骸布の収蔵容器から採取された2本の異なる糸について放射性炭素年代測定を行ったところ、それらが西暦1534年および1694年に行われた聖骸布の修復作業で使用されたものであることと整合する結果が得られた

検出されたヒトDNAの痕跡は、主に中東との関連を示しているという。約56%が同地域の系統に関連付けられ、西ヨーロッパの系統に由来するものは6%未満、インドの系統に由来するものは40%弱だった。研究者らは、これが古代のリネン(亜麻布)貿易ルートに関連している可能性を示唆しており、ローマ人がインダス川流域周辺からこの布を輸入していた可能性があると指摘している。

赤サンゴ、家畜、栽培植物などの残留物から、研究者らは、この聖骸布が何世紀にもわたって地中海を移動してきた可能性があると考えている。特に注目されるのは、ニンジンのDNAの割合が高いことだ。ニンジンはローマ人にも利用されていたが、今回検出された特定の品種は、少なくとも中世にまで遡るものと見られるという。

また、聖骸布にはバナナやトウモロコシの痕跡も見つかった。これらは地中海地域での存在が比較的遅い時期に記録されている作物だ。その一方で、中東特有の植物種は見当たらなかった。このことは、聖骸布がどのような環境で作成または使用されたのかという点について、新たな疑問を投げかけている。

オーストリア国営放送(ORF)は7月24日の宗教欄で、「分析により、『トリノの聖骸布』からニンジンのDNAが検出された」という見出しで報じ、「あらゆる兆候から、この布が多様な環境や人々にさらされてきたことが示唆されている。科学者らによれば、今回の調査結果は、何世紀にもわたる社会的、文化的、環境的影響によって残された生物学的痕跡について、詳細な知見をもたらすものだという」と報じている。

「聖骸布」は1353年、フランスのリレで発見され、1453年にサヴォイ家の手に渡り、トリノに移動した後、1983年にサヴォイ家からローマ教皇に所有権が引き渡された。現在はトリノ大司教の管理下だ。

「トリノの聖骸布」と呼ばれる布は縦4.35メートル、横1.1メートルのリンネルだ。世界で最も研究されている考古学的遺物の一つだ。全身に鞭打たれ磔刑に処された男性の痕跡が刻まれている。これが実際にイエス・キリストであるかどうかは議論の的となっている。その布の真偽についてはさまざな情報があり、多種多様の科学的調査が行われてきた。最近、イタリアの研究者たちは特殊なX線技術を用いて聖骸布の糸の経年変化を分析し、約2000年前のキリストの時代に作られたと断定した。

1988年に実施された放射性炭素年代測定では、聖骸布の一部をサンプルとして取り、3つの異なる研究所で測定が実施された。その結果、「トリノの聖骸布」の製造時期は「1260年から1390年の間」という結果が出た。すなわち、イエスの遺体を包んだ布ではなく、中世時代の布というわけだ。その後、2013年に再度詳細に調査された結果、紀元前33年頃という年代が浮かび上がった。聖骸布に映る人物を詳細に調査した学者は「手、首、足には貫通した跡があった」と説明し、「遺体は180センチの男性だった」と指摘、「トリノの聖骸布は本物」と主張した。

いずれにしても、DNA鑑定やコンピューター断層撮影装置(CT)を使用してこれまで徹底的に調査されてきた。昨年、ブラジルの研究者兼3Dデザイナーの新説が報じられた。聖骸布はイエスの遺体を覆っていたものではなく、単なる彫刻を包んでいたものだ、というのだ。世界で最も有名な布「トリノの聖骸布」に関する最新の説にカトリック教会は大慌てとなった。

新説は、デジタル3D顔面再構成などを専門とするデザイナー兼研究者のシセロ・モラエス氏が最近発表した研究結果だ。モラエス氏は、「トリノの聖骸布と遺物との接触部分で見えるのは、人間の遺体というより、浅浮き彫りの彫刻のようだ」と説明している。

なお、カトリック教会はこれまで「トリノの聖骸布」の真贋について公式な見解を示しておらず、そのため厳密な意味での聖遺物とはみなされていない。教会関係者は、「年代特定の問題は信仰に関わる事柄において本質的なものではない」と指摘している。

参考までに、米国の心理分析学者ウィリアム・ジェームズはその著書「宗教的経験の諸相」で、「人間が神を信仰するのは、教会ゆえでも、経典ゆえでもない。個々の人間が目に見えない何らかのもっと大きな存在との関係において、自分の生を捉え直す経験をするからだ」といった趣旨を述べている。宗教の本質を組織や教義(制度的宗教)ではなく、「個人の内面的な直接体験(個人的宗教)」にあると論じている。キリスト信者の神への信仰は、奇跡や「トリノの聖骸布」に依存するものではない、というわけだ。

トリノの聖骸布


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2026年7月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 02:55:19 +0000 Sun, 26 Jul 2026 02:55:19 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html https://agora-web.jp/archives/260727102840.html
https://agora-web.jp/archives/260725213721.html 中傷動画問題(週刊文春渾身の捏造)でもずっと同じ手を繰り返されている https://agora-web.jp/archives/260725213721.html

※トップ画像は小西文書の要点をわかりやすく例えた画像

まずは特定アジアの代弁者としてやってきた特定アジアの通信社、
共同通信の記事から。

ゼロパンダ半年、解消困難 日中関係悪化、誘致低調(共同通信) – Yahoo!ニュース

【ゼロパンダ半年、解消困難 日中関係悪化、誘致低調】
日本からジャイアントパンダが姿を消して27日で半年になる。パンダの貸与を外交カードに使うとされる中国は、高市早苗首相の台湾有事を巡る発言に反発を強めており「ゼロパンダ」解消は難しい状況だ。日中関係に翻弄される自治体の誘致活動は低調になった。東日本大震災の復興のシンボルとして誘致を続ける仙台市は、断念も含め検討する。

今年1月27日、東京・上野動物園のシャオシャオとレイレイが日本を出発した。翌日、中国に引き渡され、返還が完了。日本のパンダは1972年に日中国交正常化を記念し贈られて以来、初めてゼロ頭となった。誘致を続ける仙台や東京都、茨城県は両国関係の悪化で活動が停滞する。

仙台は2011年9月、当時の市長が中国に貸与を要望した。同12月の日中首脳会談で中国側は「積極的に検討したい」と事実上同意した。

市担当者は「仙台にパンダが来ると本当に思っていた」と振り返るが、12年の日本政府による沖縄県・尖閣諸島国有化に中国が反発し暗転した。
(2026/7/25 共同通信)

昔、とある田舎で種田山頭火が寄り道をしたくらいしか歴史がないものだからと、山頭火の名前を使ったお土産を売っていたのを見た事があります。

さらに松尾芭蕉だとあちこちに名前を使ったお土産があったりするようですが……。

地元を売り出して商売に繋げる方法はいくらでもあると思います。むしろなんで
「パンダでなければだめ」「パンダが来れば変わるはずだ!」的な事になっているのかブログ主には理解できません。

その時点でコンサルとか、左翼系が偽装している連中に、間違った入れ知恵でもされてるんじゃないかと疑ってしまいます。

中国共産党はパンダを外交の道具にしています。しかもくっそ高いレンタル料を取り、繁殖させても繁殖させた子も権利は中国のもの。という非常に割に合わない条件になっています。

そしてなぜか日本のオールドメディアは、パンダを恐ろしく価値の高いものであるかのように喧伝します。

パンダに使う無駄なコストの分別にお金使って、新たな観光資源でも考えたら良いだけでしょう。

すでに少なくない日本人が中共がパンダを外交の道具に使っている事を知り始めています。下手をすればパンダで反感を買う材料にすらなりかねません。

これからリスクは増えていきこそすれ、それに比してメリットは増えないと考えれば、パンダほど無駄にお金がかかるだけになりかねない選択はないように思います。

さて、次の話は特定野党とオールドメディアの手口について。

構造を整理して改めて並べて見ると、パターンが見えてきたりするものです。

ということでとある野党とオールドメディアの行動について、ざっくりとまとめて並べてみるとこうなります。

・永田メール問題

民主党:永田メールで小泉総理の首を取るぞ!

永田メールが捏造されたものでした。

虚偽の情報によって国会を混乱・停滞させた

永田寿康が辞職、前原誠司は代表辞任で責任を取った

・モリカケ

立憲共産党:モリカケで安倍の首を取るぞ!

モリカケどちらも安倍総理になんら問題は無いと推察できる証拠が出る

オールドメディア&立憲共産党「怪しい!疑惑はますます深まった!」

森友学園問題は財務省の不手際を財務省内で隠蔽や改竄で誤魔化そうとした案件
加計学園問題は文部科学省と獣医師会の癒着による利権を守ろうと文科省と獣医師会から金を貰ってる議員達が邪魔していた話だった

オールドメディアは事実を客観的に報じず立憲共産党を守る

・小西文書問題

立憲民主党:高市大臣の首を取るぞ!

小西文書の内容が捏造でした

オールドメディアは直ちにフェードアウトさせ立憲民主党を守る

・中傷動画問題(週刊文春渾身の捏造)

立民、公明、中革連:高市総理の首を取るぞ!

文春が出した証拠の動画は捏造でした

文春が出した証拠の音声はそもそも動画作成依頼してませんでした。
文春が出した証拠の音声はコピペ&継ぎ接ぎ&音の高さを加工したものでした。

立民、公明、中革連:高市がー!秘書がー!秘書の参考人招致が必要だー!

永田メール問題でオールドメディアが学んだのは、「虚偽の情報」をそれまでも何度となく悪用してきたものの、しっかりと話の構図を見せてしまうと責任問題になってしまうので、自分達が応援している特定野党には絶対に責任を取らせないようにすること。だったのだろうと思います。

デマがバレそうになったらすぐにゴールポストを移動させる。ゴールポストを延々と移動させ続けていけば良い。

これをやったのがモリカケだったわけです。

立憲民主党はモリカケで実に4年も国会を無駄使いし続けましたし、数多の法案を審議拒否し、国会を妨害する材料に使ってきました。

その中にはあの伝説の18連休もありました。

ですがモリカケ一本であまりに調子に乗りすぎたため、立憲民主党の支持は広がらず、むしろ選挙にマイナスの影響へと繋がっていきました。

そこでオールドメディアとオールドメディアが支えて来た反日野党が、さらにその手口をブラッシュアップさせて

「デマで攻撃をする」「デマがバレそうになったらゴールポストを動かす」「本格的にヤバくなったら話をすり替えてフェードアウトさせる」「次の攻撃手段となる新たなデマへ」

という手口になってきたように思います。

実に不毛ですが、この10年ほどの国会、ほとんどずっとこのパターンで、まともな審議など行われずただひたすらに審議妨害が行われてきました。

私達は常に情報を俯瞰して観察し、特に立憲民主党、中革連が重要戦術にしてきた「週刊誌ネタで国会を停滞させる」戦術について、客観的に事実整理を行って共有、拡散していくことで対抗するしかありません。

高市首相 首相官邸HPより


編集部より:この記事は茶請け氏のブログ「パチンコ屋の倒産を応援するブログ」2026年7月25日のエントリーより転載させていただきました。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 02:50:20 +0000 Sun, 26 Jul 2026 02:50:20 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727102644.html https://agora-web.jp/archives/260728005932.html https://agora-web.jp/archives/260727103710.html https://agora-web.jp/archives/260727102733.html https://agora-web.jp/archives/260727103002.html
https://agora-web.jp/archives/260726001455.html 【来年ルール変更】45万円損する人 確定申告で続出! https://agora-web.jp/archives/260726001455.html 令和9年分から改正される青色申告特別控除について、最大75万円控除の要件、10万円控除が適用されなくなるケース、書面申告による55万円控除の廃止を解説します。

【目次】

  • 0:00 今回のダイジェスト
  • 0:18 国税庁の新資料
  • 1:28 青色申告特別控除65→75万円の条件
  • 4:41 意外と簡単?「デジタルシームレス保存」とは
  • 8:08 簡易簿記10万円控除の変更
  • 9:38 55万円控除がなくなる
  • 11:06 2027年から、誰がどう変わる?

公認会計士・山田真哉氏が、税金・ビジネス・投資・経済の得する情報や、国のややこしい制度などを解説する「オタク会計士ch【山田真哉】少しだけお金で得する」。チャンネル登録をお願いします。

]]>
Sun, 26 Jul 2026 02:45:55 +0000 Sun, 26 Jul 2026 02:45:55 +0000 https://agora-web.jp/archives/260727104615.html https://agora-web.jp/archives/260727082225.html https://agora-web.jp/archives/260725212847.html https://agora-web.jp/archives/260724184651.html https://agora-web.jp/archives/260724104816.html