恥ずかしい佐倉市議会(番外編):私が問責を受けた経緯と動画公開の重要性

6月16日、私は佐倉市議会から問責を受けました。

この事例は、本論考で書いた「議会の動画公開」の大切さをお伝えする好適材料であるため、紹介いたします。

sommart/iStock

「二つの問責」の経緯

佐倉市議会では、コロナ対策として、他の議員の一般質問については、議場ではなく会派室(小さな控室)のテレビで「視聴することを認める」という決定がなされました。

他方、私は通常どおり議場で一般質問を傍聴することを選び、その理由を含めその旨議長にしっかり伝えてもいたのですが、その「通常どおり議場で一般質問を傍聴する(議長了解済み)」行為が「けしからん」ということで問責されたのです。

「ここで水を飲んでもいいよ」という場所で、水を飲まなかったところ逮捕された、というような実にシュールな体験をしたわけですが、これが昨今言われる「暗黒議会」の姿です。

このような問責が可決した背景には、佐倉市議会最大会派「さくら会」の幹事長である櫻井道明議員に対して、私が発出した問責に対する報復という意味合いがあります。

「問責の応酬」という茶番

簡単に説明すると、本件は私の一般質問中櫻井議員から執拗に「大声の不規則発言」を受けたことに端を発します。「不規則発言による議事妨害」は明確な規則違反(佐倉市議会会議規則第146条違反)であるため、櫻井議員に反省を促す目的で、質問終了と同時に議場で動議をだしました。しかし、現議長もさくら会の所属議員であるためか、私の動議を完全に無視して閉会してしまいます。

なおこの段階の私は、櫻井議員に対する問責までは考えておらず、議長から櫻井議員に今後不規則発言をしないよう警告してもらうに留める方向で考えていました。

しかし、動議自体が無視されてしまったことで、当議会で櫻井議員に反省を促す方法は問責決議を提出する以外方法が思いつかず、翌日やむなく櫻井議員の問責決議を議長に提出したところ、さくら会会長の中村議員から、櫻井議員に対する問責のカウンターとして私に対する「謎の問責決議」が提出された、という経緯です。

以上、なんとも情けない「問責の応酬」であり、恥ずかしい限りです。

そのあたりの経緯の詳細は、私の公式サイトに詳しいのでご興味があればご確認ください。

髙橋とみお議員の一般質問の際の櫻井道明議員による不規則発言に関して:その1

2022年6月16日:髙橋とみお等に対して出された「残念な問責」の結果とお蔵入りの討論原稿

動画を公開する意義

佐倉市議会では、議場で行われる「本会議」という会議体についてのみ、動画公開されています。そのため、今回は議場で起きたことの多くを動画で知ることができます。

私としては、佐倉市議会のような野次がまかり通る「発展途上議会」あるいは「動物園議会」である場合は、本会議も取手市議会の常任委員会のように360度カメラを設置し、議場すべてを網羅的に確認できるようにすべきと考えます。そうすれば、野次もなくなるうえ、どこかの議会のような居眠り議員も一掃されることでしょう。

取手市議会 令和4年6月2日 議会運営委員会【360度カメラ】

なお、取手市議会が本会議は定点カメラを使用しているのは、まさに議会の質が佐倉市議会とは比べ物にならないほど高いところにあり、野次や居眠りなど「ありうべくもない」ことの証左だと思います。

私は、本会議だけではなく、「真剣勝負の審議」がなされる委員会もしっかり公開すべきということを訴え続けていますが、それはこのような非常事態が発生した、あるいは市民にとって関心の高い議案の審議があった場合に、市民に対する説明責任を果たすため、という至極まっとうな理由からです。しかし、佐倉市議会を含む多くの議会で、なんとかして「公開しない」よう涙ぐましい努力を重ねている議員が大勢を占めている状況は、既報のとおりです。

報復合戦という茶番も情けない限りですが、以上のとおり本丸は「公開」です。

今回は、その大部分が佐倉市議会でも公開されている「本会議」で発生した件ですので、動画と私の解説をあわせて公開しています。ご興味があれば、ぜひ以下からご確認ください。

記録:佐倉市議会で発生した二つの問責に関する動画と解説

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